気になる共産標本
Meadowtownella crosotus (Trilobita) & Ectenocrinus geniculatus (Crinoidea) : sea bottom plate https://muuseo.com/trilobite.person/items/54 trilobite.person (orm) 私は共産標本 (三葉虫 +(プラス) 何か別の種類の化石、もしくは別種の三葉虫でも可) が大好きです。と言うのも、当時の環境をそのまま切り取ったように見えて、何とも楽しげだからです。2者以上の登場人物がいる事で、動きが出て、あたかも母岩を舞台とした海中劇を見ているかのようです。あと、ものによっては学術的な価値もあるのでしょうね。 組み合わせとしては、三葉虫 + 海百合、+ 腕足、+ コケムシ、+ 棘皮などがよくあるパターンでしょうか。よりレアな例として、三葉虫 + 何らかの節足動物と言うのがありますが、珍しいだけあって高価ですね。 今まで見たプラス節足動物の標本例としては、モロッコの三葉虫 + フルカ、同じくモロッコの三葉虫 (確かParvilichas marochii) + Tremaglaspis類などが、記憶に残っておりますね。惹かれましたが、高かったし買えませんでした。 他にノルウェーだったかの黒い三葉虫 (種名は忘れました) + 直角貝という標本もありました。珍しいだけでなく、標本自体のレベル自体も高く、お値段も凄まじかったので眺めて終わりました。 これまでで一番ビックリしたのは、スウェーデンかどっかのWebショップで見かけた、モロッコのCrotalocephalus gibbus + 棘魚 (たぶん、アカントデス類の鰭の棘の部分) ですね。 棘魚とは、古生代のみに生きた最も原始的な有顎の魚類です。そもそも、なぜ、デボン紀の標本で三葉虫と魚がセットになった標本がこれほどまでに少ないのか疑問ではありますが、そうした疑問はさておき、この珍しい組み合わせには心底驚きました。例によって高価につき諦めましたが、ああいうのは、個人所有より博物館へ行った方が良いんじゃないかなとも思いました。 そして今回もebayを巡回していたら見つけてしまいました。これまで一度も見たこともないコンビネーション。なんと石炭紀の三葉虫 (種類はさっぱり不明) + 木生シダ (ロボク、Calamites) 。ポーランド産とのこと。三葉虫プラス植物というのは、私は初めて目にします。 流石に、三葉虫が陸にもいた!?などと、素っ頓狂なことは申しません。おおかた、河口〜海にたまたま流されたロボクが、三葉虫の近くに奇跡的に埋まったとかそのあたりが理由なんでしょう。何にせよ、この化石は、三葉虫と木生シダが確かに同時代に居た事のこれ以上ない証拠であって、私にはとても貴重なものに思えます。幸い値段もそんなに高くない。 しかし私は悩んでおります。何というか、見た目があまり面白くない。三葉虫自体は薄らぼんやりしているし、ロボクもどこか薄汚れています。これがもし、ロボクでなく鱗木であったら、二もなく飛び付いていたかも知れません。なんせ鱗木は見た目が面白いですからね。 買ったとしても、届いてしばらく眺めブログやmuuseoなどで記事にしたものの、そのまま標本箱に入れて、収納ボックスの奥底で長い眠りにつく未来が見えないでもありません。 さてどうしたものでしょうかね、ちょっと迷います。
trilobite.person (orm)
2023/03/251. 魅惑の三葉虫 2018年12月11日 22:06
5 暫く更新されてなかったので、どうされてしまったか心配してました。凄いウミユリを褒めたい所ですが、専門外のため凄さが分かりません。化石の景色として異種同載標本は、想像力で眺めていられるので、楽しみが増えますね。良い標本だと思います。
2. orm 2018年12月13日 19:54
心配させてしまってすいません。
標本は少しずつ増えているのですが、仕事方面でやや忙しくなってしまって、標本整理をなかなかできずにおりました。
ウミユリは私も代表的な種しか知りませんので同じです。ウミユリの細かな種は置いておくにしても、三葉虫+ウミユリ プレートは優雅さに置いて他の組み合わせよりbestだと思っております。眺めていると非常に楽しいですよね。
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Trilobites
2023/03/25 - 編集済み改めて見ても良い標本ですね。私はケンタッキー産Primaspis crosotusを所有していますが、全所有標本の中でトップ10に入るくらい気に入っています。属名は、Meadowtownellaが今は正式になったのではと思われます。
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trilobite.person (orm)
2023/03/25ありがとうございます、私もこの標本は気に入っています。
この記事を書く前に、改めてお持ちの標本を拝見していますが、さすが良い標本ですね。positiveの標本に加えて、negativeも同居しているのが、なおグッドで価値が高いです。お気に入りと書いておりましたが、そこまでお気に入りとは存じませんでした。
属名、AMNHで確認しても確かにMeadowtownellaになっていますね。ありがとうございます。早速修正しておきます。しかし、プリマスピスという語感が割と好きでしたので、ちょっと残念ではありますね。
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ktr
2023/04/02 - 編集済みかつてebayでこの手の精緻な剖出をしていたおじさんがいて、プリマスピスはいつも高値がつくので見送っていましたが、最近ではさっぱり出品がなく、あのとき無理をしてでも買っておくべきだった、と後悔しております。
trilobite.person (orm)
2023/04/02ebayでそのようなsellerがいたとは気が付きませんでした(本標本の提供者でしょうか?)。シンシナティエリアは、熱い化石愛好家が多いようですし、そういうマニアのお一人だったのかもですね。
この標本は不完全な個体が多い為か、全然高くならず、標本の割にはかなり安価に入手できてラッキーでした。