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Encrinurus punctatus (Form C)
スウェーデンのゴトランド島 (Gotland) で出土した、エンクリヌルス・プンクタトゥス (Encrinurus punctatus) です。産出層は諸文献から推定するに、ゴトランドのスライト床 (Slite Beds) で、故に時代はシルル紀中期のウェンロッキアン (Wenlockian) と思われます。
方々のコレクターのコレクションを転々とした標本で、10年ほど前から憧れていた個体だったのですが、先日譲っていただき、ひとまず私の所に落ち着くこととなりました。
ゴトランドのエンクリヌルスとしては非常に巨大で、飴色〜黄土色の色味が極めて美しいです。
実際の標本は白色光下では、もう少し明るい色をしています。母岩も実際は青味がかった泥灰質のマトリックスであります。標本本体と母岩とのコンストラストがこれまた美しく、惚れ惚れする標本です。
ゴトランドのエンクリヌルスといえば、通常は、小型のマクロウルス (E. macrourus) を指し、本種とは産出層、サイズ、色合いから形状まで全てが異なります。他方、本種のような特徴を持つゴトランド産のエンクリヌルスは、この標本以外で見かけた事が一切なく、プンクタトゥスという種名を含め、昔から疑問でありました。
その後の調査で、産地や特に頭鞍周りの特徴から、本種は確かにエンクリヌルス・プンクタトゥスであり、中でもFormCと呼ばれる一群であろうと考えております。
そのあたりの話は長くなる為、拙ブログで報告しております。
ktr
2024/01/30 - 編集済みついに手に入れられましたか。
最初に見たのはたしかT氏のHPだったように思います。
それからあちこち行ってたんですね。
私はFormCはおろかプンクタトゥスとマクロウルスの違いもよく分っていないので、ブログ記事を楽しみにしています。
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trilobite.person (orm)
2024/01/30おっしゃる通り、私もT氏のHPで昔よく見ていた標本でした。
先日岐阜のO氏より譲っていただいたのですが、それによると元々ドイツのコレクター/業者さん?が持っていた標本とのことです。それを入手したO氏よりT氏が買い、T氏のコレクション放出にあたり、F氏が引き取り、その後、再び元のO氏の手元に戻ったようで、その標本を先日見て、再度の一目惚れした私の手元にきたという流れですね。
色々調べていたら、記事がやたら長くなってしまいました。自分でも読んでいて疲れる量なので今文章を削り中ですが、鉄は熱いうちに打ての言葉通り、一番やる気になっている今のうちに、ブログを書き切ってしまおうと思います。
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ktr
2024/02/02ブログを拝読しながらゴトランドのあれこれに思いを馳せておりました。
やっぱりシルル紀には特有の魅力がありますね。
私はもうゴトランドの三葉虫を手に入れるのは諦めていて、その分ほかの産地で取り戻すつもりです。
それにしても、ormさんをしてここまで深入りせしめた、本標本の潜勢(デュナミス)には驚くべきものがあります。
あちらではちょっとコメントが書きづらいので、こちらに書きました。
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trilobite.person (orm)
2024/02/03シルル紀三葉虫の落ち着いた奇抜さには、やはり特別なものを感じてしまいますね。私は諦め切れず、ゴトランドものは、本種の対として良いマクロウルス標本と、あとカリメネが欲しいですね。
再開以来、心から良いと思う標本のみを入手をしてきたつもりも、どんな種も目新しく感じた在りし日と比べれば、入手時の胸が高まりが鈍く、少々寂しく感じておりました。久々に、当時にも劣らぬ高揚感を思い出させてくれた、この標本の持つ質料には感謝ですね。
Trilobites
2024/01/31 - 編集済み私もこの個体は憧れに近い思いで見てました。再び日の出を見る事になり、落ち着く所に落ち着き本当に良かったと思います。
この色合いは、Gotland産に他に見かけなく、気にはなっていました。詳しくない人が見たら、少し崩れているなとか感じるかもしれませんが、私からしたら有り得ない位の状態の良さ、シルル紀三葉虫を代表するレベルの標本だと思います。
ブログの方、覗いてきました。調査と考察のレベルの高さに脱帽です。これだけ語れるのであれば、この標本はormさんの所に来て幸せだと思います。
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trilobite.person (orm)
2024/01/31T氏コレクションの標本群が、忘れられないコレクターは多いんじゃないかなと思います。私の中では、Bufoceraurus、Amphilichas、Bristoliaなどと共に、特に記憶に残っていた標本の一つでした。末長く大切にしようと思います。
ブログを見てくださり、ありがとうございます。
今回は真面目に記載を読んだのですが、動機はやはり、この不思議な色合いとサイズの大きさでした。
調査の副産物で、ずっと気になっていた各エンクリヌルスや、バリゾマの特徴なども勉強になってよかったです。また時間をみて、そのあたりも記事にしたいです。
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