Family Phacopidae

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英国のシュロップシャー、マッチウェンロック累層より産出したシルル紀のファコプス類です。ご覧の通り、地層褶曲による変形が激しく、かつ外殻も大方剥げてしまっていて、標本としてはあまり美しくはない個体です。

7年半ほど前に購入した標本であります。長年何の種なのか同定できなかった事、それから、購入時に「かのチャールズ・ダーウィンの生家より数マイルの産地より蒐集」などと気になる文句と共に売り出されており、そういう謎標本には弱い私の手元に、放出されず残ったままになっております。

売り手はPhacops caudatusの名称で販売しておりました。ただ、この名は今日 (こんにち) ではDalmanites caudatusなどの旧名を指すことが多いと思いますので、正確ではないと思われます。

こちら (https://muuseo.com/trilobite.person/diaries/2) で謎のファコプスとして取り上げ、同定を頑張ろうとした種なのですが、あれこれ調べるも結局わかりませんでした。

当初は、この辺りでは普通種のAcaste downingaeか、Eophacops musheniのどちらかだろうと軽く考えていたのですが、複眼の数等参照するに、どちらも違いそうです。

謎のファコプスのまま、更にしばらく置いておきます。

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    ktr

    8 days ago - 編集済み

    頭部はファコプスですが、尾板がなんというかカリメネぽいですね。
    いろいろ見てみましたが、私にもさっぱり分りませんでした。
    標本の色合いや質感が珍しく、かつ全体の崩れ具合にも味があって、35㎜というサイズもなかなかのものですね。
    すばらしい謎標本だと思います。

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    • 手がかりが、複眼が縦列あたり5-6個程度、35mm程度とそこそこのサイズ、シュロップシャーのシュルーズ(ダーウィンの生家)周辺という情報ぐらいしかなく、これ以上ないほど変形していることもあり、同定は厳しいものがありました。頭部などはリードプスっぽい印象も受けるんですがね。
      正統派標本からは大きく外れますが、こういうのも、これはこれで良いかなと思っています。

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    Ketatsuanoeu

    8 days ago - 編集済み

    凄い。まさに映画「エイリアン」に出てきそうです。門外漢の感想ですみません。

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    • コメントいただきありがとうございます。
      そうですよね、三葉虫自体がまるでエイリアンのような生物なのですが、この標本は大きく崩れる事によって一層異形感が出ていて、怪物性が増しているような気がしますね。

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    Trilobites

    3 days ago - 編集済み

    この標本だけ見ても産地や時代も含めて分からないですね。相当に古い時代のコレクションに思えますが、褶曲の影響もあり、原形が分からないですし、似た様な標本を目にした事も無いですね。シルル紀のファコプスだとすると、結構貴重な標本かもしれないですね。

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    • たまに化石を放出しているイギリスの個人コレクターから買った化石だったように思います。随分昔のコレクションかもしれませんね。ダーウィンの生家がシュルーズベリーという町らしく、そこから検索してもみましたが、徒労に終わりました。Trilobitesさんでも分からないのであれば、これはもうお手上げで、残念ながら種名は迷宮入りで名無しのままとなりそうです。

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