Ductina ductifrons

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ドイツの三葉虫、ダクティナ・ダクティフロンス (Ductina ductifrons) です。

市場では、このドイツ産しか見かけたことがありませんが、イギリス、ロシアのウラル地方やポーランドのHoly cross Mts. などでも産出するようです。また有名な類似種として、中国産のダクティナ・ヴェトナミカ (Ductina vietnamica) がおりますが、こちらは二回り程サイズが大きいです。

ファコプスの仲間ですが、眼は二次性に退化して無くなっており、深海環境等に適応していた種なのではないかと考えられています。地味な趣の、コレクターには人気のない三葉虫ですが、三葉虫の進化や生態を考える上では、面白い種であります。

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    ktr

    2024/02/17 - 編集済み

    そういえばデボン紀以降で目のない種類といえば、これの仲間くらいしか思いつきません。
    中国のは同じ属名でも、むしろイレヌスに似ていますね。
    ところで標本番号が出ているのは、もうだいたい整理がついて、落ち着かれたんでしょうか。

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    • そうですね、あとは同時代のポーランドのそれこそHoly cross Mts.で産出するTrimerocephalusあたりぐらいでしょうか。中国のそれは頭部がツルッとしてますから、確かによりイレヌスチックですね。
      標本番号ですが、No. が付いているものは標本整理以前に集めたもので、No. Xとなっているのが整理後、新規にコレクションしたものです。この標本も随分昔の入手品です。放出でNo. が空いた番号に、新規コレクションを割り当てないとと思っているのですが、中々追いつきません。

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    Trilobites

    2024/02/18 - 編集済み

    中国産類似種にしても同じですが、産出量の割に他の種類が少ない事から、特殊な環境下の生息地なんでしょうね。重要な役目の目が退化する環境は、他の生物にとっても厳しい環境であったんでしょうね。

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    • 特にポーランドの産地では、本種と同じく眼なし三葉虫の、Trimerocephalusが同時に(厳密に同層かは確認してませんが)産出するというのが面白いです。偶然でなく、必然的に何らかの特殊な環境要因があったのだろうと推測できますね。

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