Paralejurus brongniarti

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最も一般的なParalejurusで、モロッコ産でも入門種として扱われます。この個体は頬棘が無く、ドーム状に張り出したの尾部、Paralejurusに特徴としてある皴構造は控えめな種類です。これだけ多産する一般種でありながら、小種名は P.dormitzeriとして扱われたり、混迷しています。この標本で注目すべきは、体表面に幾つかある粒上の物体、これはゴミが取り除かれていないのではなく、小さな巻貝なのです。普通なら削り取られてしまうでしょうが、この様な小生物が共存していた痕跡が残された事が重要なのです。生息環境で共存していたのか、Paralejurusの死骸に群がってきた掃除屋なのか、当時の海底に思いを馳せながら色々想像が広がります。

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    tatsutoy

    2022/01/02 - 編集済み

    モロッコ産三葉虫化石は一昔前に比べて品質が良くなり、加えてラベル記載の情報も随分と充実してきているのですね。この手の汎用種はどうしてもクリーニングが甘かったり、小種名不明、産地か集積地かはっきりしない地名など、モヤモヤする事が多いのですが、それとは真逆の良い標本です。また、他の生物と一緒に仕立てられた標本は見ていて飽きないです。

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      Trilobites

      2022/01/02 - 編集済み

      モロッコ産入門種Paralejurusですが、この個体も私の中では4代目くらいでしょうか。細かい差異が知られているParalejurusですが、近年まで研究されずに放置されていた気がします。一般種でも剖出次第で、魅了が何倍も増しますね。共存していた生物を温存するのは、Hammi氏の標本しか知らないのですが、多分この標本もHammi氏の剖出と推定しています。

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