Gerastos ainrasifus

0

モロッコの三葉虫、ゲラストス・アインラシフス (Gerastos ainrasifus) の群集標本です。

モロッコのゲラストスの鑑別は、ファコプス系の鑑別以上に至難ですが、注意深く見れば、これまた様々な種に分かれていることがわかります。モロッコのゲラストスとしては、ゲラストス・ツバキュラトゥス・マロチェンシス (Gerastos tuberculatus marocensis) が最も一般的かと思います。マロチェンシスと比べると本種は全体的に細身であること、頬部に顆粒があること(マロチェンシスは顆粒なし)、頭鞍の顆粒が比較的細やかであることなどが特徴的です。

本標本はプレップの質は今ひとつでありますが、群集標本が個人的に好みですので手放さず、差し当たり手元においております。群れることも本種の特徴であると思います。

ブログに本種の鑑別法など載せています。
http://676bbs.blog.jp/archives/23355151.html
http://676bbs.blog.jp/archives/23255469.html
よろしければご参照ください。

Default
  • 1. 魅惑の三葉虫 2020年06月21日 08:25
    Palaeontographica Canadiana No. 30で参照してみるとG.emmetusも特徴が近く迷いますね。G.emmetusの方が頭鞍の顆粒が大きめで粗な感じはあるので、G.ainrasifusのが近い感じはします。幾つもの写真があるのですが、似たり寄ったりの部分もあるので、最終的には剖出の質の壁がありますね。Palaeontographica Canadiana No. 30ですが、私も2年ほど前に公式から発注しましたが、COVID-19の影響を受けていない時期なのに到着に半年くらいかかっていました。Palaeontographica Canadianaは過去のバックナンバーが殆ど買えないほど部数が少ないので、早めに発注しておかないと入手が困難になる傾向があります。
    2. trilo orm 2020年06月21日 16:57
    >>魅惑の三葉虫さん
    なるほど、G.emmetusですか。その種は全くノーチェックでした。No. 30を参照にせずに鑑別したので、何とも自信がないですが、やはり全種類を把握した上で判断しないと鑑別しきる事は難しいですね。あとやはりHammiプレップとまで言わなくても、ある程度の保存状態がないと、特にGerastosの差異判別は厳しいものがありますね。とりあえず、Gerastosのみに絞ると進まなさそうですし、今後しばらくはProetidaとやや広めにターゲットを替えて、ボチボチ集めていこうかと思います。

    それにしても、Palaeontographica Canadiana届くまで半年ですか!? 何ともそれは‥。しかし、COVID19蔓延する今の状況だと、実際、半年では済まないかもしれないですね。配送料も50ドル近くとばかにならないので、Mckay特集回など他の気になるナンバーと、まとめて一括注文しようと思います。

    返信する
  • File

    Trilobites

    2024/05/13 - 編集済み

    私のバックヤードにもモロッコのProetidaeは、色々集まってきているんですが、公開スピードが今のペースでは何時になるか分からないので、そろそろ纏めてpostしてかないとダメだなとこの記事を見て思い出しました。

    返信する
    • その種々のProetidaeコレクションはぜひ拝見してみたいものです。
      モロッコデボン紀三葉虫の中でもProetidaeは、まだ体系的に整理しきれていないので、いつかどこかで纏めたいんですよね。私の手持ちはあまり多くないですが。

      返信する
  • File

    ktr

    2024/05/14 - 編集済み

    私も昔ひとつ持っていました。
    丸っこい感じだったので、マロチェンシスでしょうね。
    「テントウムシのように愛らしい」とか「女性にも大人気」とか書いてあったのを覚えています。

    返信する
    • 女性にも大人気かどうかは別にしても、ゲラストス〜プロエトゥスの魅力は、眼が甲虫のようにキラキラ光っていて、小さくて愛らしいことですね。
      コレクターには殆ど顧みられることはない系統ですが、集めてみるとこれがまた深みにハマり始める気がします。

      返信する