trilobite.person (orm)
化石が大好きです。現在主に集めているのは三葉虫ですが、恐竜やアンモナイトを含め化石全般が好きです。これまで買い集めた、あるいは自分で採取した標本を紹介していきます。古生物の持つ魅力の一端でも伝える事ができれば幸いです。
http://blog.livedoor.jp/smjpr672/
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幼少期から化石全般が好きでしたが、ふとしたきっかけから三葉虫に嵌り、かれこれ5年程蒐集を続け、今や三葉虫だけで300種類ほどが集まりました。こちらでは、これまで集めた三葉虫の化石を中心に紹介していきます。ごく一部ですが、三葉虫以外の化石や鉱物なども紹介します。
三葉虫は、カンブリア紀からペルム紀までの全古生代に渡り、おおよそ3億年間を生き抜いた代表的な海の生物です。当時は、ちょうど現代の魚類に相当するニッチを占め、全世界で大繁栄しました。
エビ・蟹の比較的軟らかい殻とは異なり、炭酸カルシウムの硬い外骨格を持ち、貝類並の硬い殻を持っていたと考えられています。その為、化石が残り易く、三葉虫の絶滅から少なくとも2億5千万年もの、とてつもない年月が経過した今でさえ、まるで生きているかのような当時のままの彼らの姿を目にする事が出来ます。
三葉虫の化石は、北米、モロッコ、中国、ロシア、英国、欧州そして日本など世界中から産出します。出来るだけ産地が偏らないように、満遍なく紹介していくつもりです。
このミュージアムで、広く深くロマン溢れる三葉虫や古生物の世界を面白いと感じて頂ければ幸甚です。(Blog:http://blog.livedoor.jp/smjpr672/)
暫く更新が止まっておりましたが、2023年2月末より活動を再開しました。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり‥。
石炭紀には、温暖な気候を受けて、陸ではリンボクやロボクの大森林が発達し、一方、海に流れ出た森林の土壌からの豊かな栄養のお陰で、海ではウミユリの大森林が発達しました。そのように大きく躍進を遂げる生物がいれば、衰退する生物もまたいます。一度はあれ程の大繁栄を謳歌した三葉虫も、この時代には目に見えて衰退します。まさに盛者必衰の理の通りであります。前の時代である、デヴォン紀のような派手な種は姿を消し、プロエトゥス類と呼ばれるシンプルな形状を持つ三葉虫のみが、何とか生き残ります。おそらくですが、尖った特徴を持つ種は特定の環境にしか適応出来ず、シンプルな種だけが、変わりゆく環境の変化に『そこそこ』適応出来た為ではないかと想像します。派手ではありませんが、味わい深い石炭紀の三葉虫を紹介します。
当館では、基本的には時代別に三葉虫を紹介していますが、ある程度数が集まった産地の種については、Formation (累層) 別にも紹介していこうかと思います。
こちらでは、アメリカのウィークス累層 (Weeks formation) の三葉虫群を紹介します。ウィークスはカンブリア紀の中では年代の新しい産地であり、比較的深い海に生息していた生物を多数産する代表的なラガシュテッテであります。
ここで産出する三葉虫は、小ぶりながらも独特の形態を持つ種が多く、閉鎖産地でもあることから蒐集欲を掻き立てます。更に、赤色若しくは黄色の母岩に、黒い色合いの標本本体というコントラストが実に鮮烈であり、現在も多くのコレクターを惹きつけて止みません。
カナダのブリティッシュコロンビア州のマッケイグループ (McKay group) と呼ばれる層は、小ぶりながら、形態的に多種多様な三葉虫を産出する地です。一見、黒色の母岩に小さい三葉虫という地味な組み合わせで、脚光を浴びそうにないのですが、よくよく観察すると奇抜な形態の種が多いことに気づきます。
見応えのある多様な種の存在、背景の美しく黒い母岩、種によって入手の難易度がピンからキリまでである事などの諸要因が絡まり合い、蒐集歴が長めの (一部の) コレクター心をくすぐる産地であります。知名度では圧倒的に劣るものの、そうした点は、ウィークス (Weeks) コレクションを彷彿とさせるものがあります。
時代的にはカンブリア紀のほぼラスト (Furongian) にあたる累層であり、その後に大繁栄を遂げるオルドビス紀の三葉虫の祖先的な形態の種が多い点からも、興味深い産地です。
モロッコやロシア、北米などの地域の派手な三葉虫が目立ちがちですが、日本国内でも古生代の層が露出する地域では、種々の三葉虫が見つかっています。
カンブリア紀とオルドビス紀の地層は、本邦にはわずかな例外を除けばほぼなく、シルル紀以降の三葉虫が中心です。特に世界的に見ても貴重な石炭紀、ペルム紀の三葉虫が多産し、日本のいち三葉虫コレクターとして誇らしく思います。
具体的な産地としては、岩手県の大船渡〜陸前高田、高知の横倉山、滋賀の権現谷、新潟県青海、山口県美弥市、岐阜高山・奥飛騨地方、および岐阜大垣の金生山などが特に有名です。
私の日本の三葉虫コレクションは、現在は岐阜高山・奥飛騨地方が中心ですが、今後日本の他の地域の種も追々紹介できればと思います。