Hydrocephalus carens (?) (juvenile specimen)

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チェコのJince累層産のパラドキシデスの仲間です。

27mmと小さく、第3胸節の棘が長く伸びることから、幼体〜若い個体であると思われます。自由頬が失われがちなチェコのパラドキシデスですが、若年個体の場合はそう珍しいことではないものの、両頬ともしっかりと残存しております。標本周りは削ってあり、採取が比較的古い本産地標本に特徴的なプレップである気がします。

問題の種名ですが、ヒドロケファルス・カレンス (Hydrocephalus carens) として、裏面にラベルされております。カレンスは近縁種のP. gracilis (パラドキシデス・グラキリス) やH. minor (ヒドロケファルス・ミノル) などと比較しても、産出量が非常に少ない種であります。稀に、オレンジがかった個体が市場に登場しますが、両頬なしかつdisarticulated状態の標本が大半で、全貌が把握しづらい種であります。

ただ、ラベルがなければP. gracilisの若い個体と判断してしまいそうな見た目です。カレンスの幼体を見る機会はそうなく、種同定については疑問符がつき 、差し当たり (?) としておきます。

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    ktr

    2024/02/09 - 編集済み

    パラドキシデスは胸節20、ヒドロケファルスは18でいちおう区別できますが、それ以上の種の同定は困難ですね。
    さらに Rejkocephalus というのが加わるともうお手上げです。
    パラドキシデス類の幼体は、胸節から延びる長いトゲが魅力的なので、私もそれとなく探しております。

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    • なるほど、そういう簡単な見分け方がありましたか。
      数えてみましたが、確実に判断できるのは17節までで、心の目で見れば18と言えるかもしれません。Rejkocephalusまでは手一杯なので、はなから考えないようにしてました。
      この仲間の幼体はもはや別種的な見た目なので、成体を持っていても、入手する意味がありますね。

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