Crotalocephalina secta (Cephalon)

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岐阜県高山市、奥飛騨温泉郷福地 (旧上宝村) のデボン紀の層より産出する、クロタロセファリナ・セクタ (Crotalocephalina secta) です。ネガポジ揃っております。写真1-5がポジ、6-7がネガです。個人の採取者の方より、譲っていただいた標本です。

体表面は、頭部に認めるように顆粒で覆いつくされております。また、別に標本をupしますが、熊手状の特徴的な尾部を持つ種であります。それら特徴のコンビネーションは、他の産地の類似種では、ありそうでない組み合わせであります。

世界のケイルルスの仲間の中でも、サイズは大型であり全身が揃えば、おそらく10cmを超えてくる種なのだろうと思われます。部分化石でありながらも大迫力の一品であり、その威容はモロッコで産出する立派なケイルルスにも、勝るとも劣りません。普段は標本箱に大切にしまい込んでますが、観察の為取り出す度に、日本産離れしたそのサイズ感に、いちいち驚いてしまいます。

この産地は私の好みであるので、贔屓目があるかもですが、同地産のグラビカリメネ・ヤマコシと並び、日本を代表する三葉虫の一つと言えるかと思います。他の福地産三葉虫の標本と併せて、私のお気に入りのトップ5に入る標本群であります。

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  • 1. けーご 2019年09月26日 23:45
    立派なクロタロですね。ここまで大きくて細部も綺麗なら、完全体だったらものすごい迫力だったでしょうね。モロッコではなかなか無いと思います。
     この産地は他の東北などの産地よりも、何故か惹かれるんですよね(オタリオンくらいしか持っていませんが...w)
     福地での採取はできないらしいですが、反対側にある一重ヶ根ではまだ取れるそうですね。今度旅行も兼ねて行く予定であります。
    2. trilo orm 2019年09月27日 08:51
    >>けーごさん
    いつもコメント頂き有難うございます。
    日本で産出する種とは思えないほどのサイズの種ですよね。部分とは言え、頭部だけでも中々の迫力があります。特に尾板の形状など、モロッコで言うと、ギッブスよりjolfのケイルルスが近いかなぁと感じています。

    実は福地温泉は幼少期から、何度も旅行に出掛けていて、個人的に思い入れが強い地です。東北の三葉虫はもちろん素晴らしいですが、そんな理由で、福地、一重ヶ根周辺は日本では一番好きな三葉虫産地ですね。三葉虫抜きにも、本当に風光明媚な場所ですし、是非ご旅行楽しんできて下さいね。

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    Trilobites

    2023/05/24 - 編集済み

    良い標本ですよね。日本で、これ程に立派な種類が産出した事が信じられない感じです。収集の分野としては、三葉虫コレクターと国産化石コレクター両方が競合してしまいますが、国産化石コレクターのが価値が分かっている気がしますね。

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    • その節には、仲介頂き有難うございました!
      今でも十分宝物ですが、自分で採った標本だったら、生涯の家宝になっていたかもしれません。三葉虫コレクターにはちょっとコアな分野なので、中々手を出す人は少ないかもですね。
      国産三葉虫といえば、この産地からはちょっと話がずれますが、ちょっと前にヤフオクで出ていた、横倉山のBumastusなんか凄い標本でしたね。

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