- trilobite.person Museum
- 4F Devonian period
- Diademaproetus holzapfeli praecursor
Diademaproetus holzapfeli praecursor
モロッコの普通種、ディアデマプロエトゥス・ホルザップフェリ・プラエクルソル (Diademaproetus holzapfeli praecursor) です。舌を噛みそうな名称の長さです。別の普通種、コルヌプロエトゥス (Cornuproetus) と似てますが、本種では頭部先端のへら構造が発達していることで簡単に見分けられます。
この標本の面白い点としては、まるで雨宿りでもしているかのように、腕足類が三葉虫の上を覆っている事です。可愛らしくも、コミカルにも見えます。素敵なコンビネーションです。
ディアデマプロエトゥス・アンタトラシウス (Diademaproetus antatlasius) という名も、市場などで昔からよく見かけます。どちらかが通称かシノニムなのかなと勝手に考えていましたが、実は歴とした別種のようです。
非常に細かい話ですが、鑑別点としてはアンタトラシウスの方は、
・頭鞍前域 (pregrabellar area/field) を欠く
・前縁/底縁 (Anterior border) が、より盛り上がっている
・頭鞍の前側が平坦気味
・頭部が、側方~斜め方向からみて、アーチ状に湾曲が強い
だそうです。詳細は省きますが、確かにそれら特徴からは、この標本はアンタトラシウスではなくプラエクルソルだなと思います。なお、上記解剖学的用語は、日本語訳が一部見つからず、私が勝手に訳語を充てておりますので、参考程度でお願いします。
Trilobites
2023/05/04 - 編集済み印象化石になっている腕足類を残している点も評価が高いですね。同定できている段階で、普通種ではなくレア度は3くらいあっても良いですね。状態の良い個体にしか残らない細かい粒々も残っているのが分かります。この種類も、もう少し吻の部分が長い種類とかも見かけますね。
trilobite.person (orm)
2023/05/05やはり私はどうにも共産化石が好みのようです。プラエクルソルとアンタトラシウスのどちらが多産するのか、正直わからないですが、何となく前者の本種の方がレアリティがちょっと高めかもですね。
仰るように吻がまるで舌のようになってる個体もいて、それは更に別種かもですし、ディアデマプロエトゥス1つとっても、3種以上いるかもですね。
ktr
2023/05/04 - 編集済み私も以前モロッコのプロエトゥスをひとつ持っていたのですが、名前がまったく思い出せないくらい、プロエトゥスには遠ざかってしまいました。
ヤフオクをみると、いまではコルヌかディアデマが主流のようですね。
この標本を見ていると、剖出の技術も相当高くて、モロッコ産もずいぶん様変わりしてきたなと思います。
trilobite.person (orm)
2023/05/05お持ちだったのは、おそらくコルヌプロエトゥスかゲラストスの仲間でしょうか。
数だけみれば、モロッコプロエトゥスの中ではゲラストス(中でもゲラストス・トゥバキュラトゥス・マロチェンシス)が1番多産する気がするのですが、コルヌ、ディアデマはゲラストスよりも僅かに華がある?ので、ヤフオク出品率は高いのでしょうかね。
剖出技術の向上で、特に一般種と呼ばれるモロッコの種が、こんなに多様で面白かったのかと気づかされましたね。