- tatsutoy Museum
- 3F Silurian period
- Acaste downingae
Acaste downingae
ウェストミッドランズ都市州の古産地です。見つかった当初は三葉虫という名前すらなく、stone insectsやErucaと呼ばれていました。ダドリーは厚い石灰岩層があり、元は城や修道院の建築素材として切り出されていた場所で、その後高炉融剤として石灰需要が爆発的に増えた際、鉱山労働者によって化石が多産しました。下世話な話しですが、1840年頃の完全体三葉虫の最低価格は10シリング、労働者日給は3-6シリングと、当時新興の中産階級コレクターの財布を直撃。現代と同じです。逆に鉱山関係者には良いお小遣いでした。ちなみに最高価格の標本はTrimerus、次点高品質カリメネでした。説明が遅れましたが、保存状態とサイズが良い一般種、アカストイデスです。
Trilobites
2021/07/07三葉虫研究発祥のDudleyのコレクション、英国モノ好きとしてはどの産地にも勝る存在ですね。いつまで採掘されていたか分かりませんが、この標本も産出してから100年以上経っている骨董品かもしれませんね。
当時のエピソード面白いですね。1940年頃といえば金本位制で1ポンド=20シリングの旧換算の時代、凡そ1ポンド=7万位として10シリングは、今の価値で3.5万位ですかね。今はこの地の標本はその倍位は最低あると思いますが、付加価値など考えれば妥当な価値かもしれませんね。
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trilobite.person (orm)
2021/07/08Dudleyのアカステ良いですね。
歴史的な経緯に加え、産出する種自体が大変興味深く、私好みの産地です。
Erucaって何だろうと思い調べたら、ラテン語で芋虫を表すんですね、知りませんでした。
Dudley bugとかDudley locustと似たような言い回しでしょうか。
それにしても、当時の標本価格は面白いですね。まずそのような価格情報の資料が残っていたと自体が驚きです。
今でこそ本産地の種の価値が高い事は、コレクターには周知の事実ですが、当時もけして安価ではなかったのですね。
当時最高価格とのTrimerusは、私は部分化石すら本産地のものは見かけた事がありませんが、今出てきたら相当に高価になりそうです。
tatsutoy
2021/07/08Trilobitesさん
換算有難うございます。10シリングから、というのがミソで、大きさや重さで更に値上がりしていた様子です。昔、ダドリー産譲るよ、と言われて郵便が届くと、その小ささに口をあんぐりした記憶があります。
trilobite.personさん
各種学名、やっつけ仕事的なものが多く、微笑ましいです。「奇天烈」、「意味不明」など…芋虫やイナゴも学名ではないにしろユーモアがあります。
ダドリーの歴史は以下検索頂きご覧下さい。「採取に行って見つからず、しょうがないからダドリー市内の化石店で標本買って帰った」、などエピソードが沢山あります。(イリノイ州立大、フリーアクセス)
LEGACY OF THE LOCUST—DUDLEY AND ITS FAMOUS TRILOBITE
CALYMENE BLUMENBACHII
DONALD G. MIKULIC AND JOANNE KLUESSENDORF
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