- 0318 Museum
- 51F ちょっとよりみち -2 万年筆も DUNHILL
- Dunhill lighter unique hanmer
Dunhill lighter unique hanmer
書棚の奥から、高峰 秀子のエッセイ「コットンが好き」が、顔を出した。
奥付を見ると、昭和56(1981)年、潮出版社とある。
懐かしぃな~と取り出し、パラパラ頁をめくってみる。
「老舗」というタイトルの一文が目に留まった。
若いころ、ある映画でタバコを吸うシーンがあり、猛練習をした成果でタバコがやめられなくなり、三十数年がたってしまった・・・
愛用のダンヒルのライターの底のビスがとれて無くなってしまい、
次に香港を訪れた折に、ダンヒルの店でビスの付け替えを頼んだ。
店員は、奥のオフィスに入ったままなかなか出てこない・・・・
と思ったら,キチンとした身なりの男性が、私のライターの他にもう一つ新品のライターを持って現れた。
彼は黒いビロードのトレィに2っのライターを並べ、私に椅子を勧めて口を開いた。
「英国で老舗のダンヒル社は、ライターの底に小さなナンバーを打って、責任をもって商品をお売りしています。 が、このライターのナンバーは、故意にハッキリと見えないようになっているのです」
「ご存知の様に、香港では宝石や時計、そしてライターの贋物を作って、本物より安く売っています。
我がダンヒル社には100%そのようなミスはないと信じますが、あるいは何かの間違いで、いかがわしいにせものが紛れ込まない、とは断言できません。
そして、そういう品物をお客様にお売りしたという責任は、勿論ダンヒル社が持つのは当然です。
この新品のライターには、きちんとナンバーが打ってあります。
どうぞ、このライターをお使い下さい」
彼は、にっこりして金色に輝くライターを私に差し出した。
その理路整然とした言葉と、自信に溢れた態度に、私は半ば圧倒されて返す言葉もなく、「これが、老舗というものか」と感服するばかりだった。
その時取り換えてくれたダンヒルを、私は毎日使っている・・・・
長くなりましたが、引用しました。
ダンヒル社は、タバコ~パイプ~紙巻きタバコなどの喫煙趣向の事業で、礎を築いてきた老舗である。
似たような逸話は、ロールスロイスでも聞いたことがあります。
さて、私も画像の Dunhill Unique Hanmer を愛用していました。
そして、このエッセイを読んだ頃でしょうか? 何度目かの禁煙にチャレンジしていたのでした・・・・
