なんとも不思議な意匠である
知人のS氏からお譲り頂いたものです。
S氏も 思わぬ経緯で所持していたとのことでした。
パソコンの隣に置き、話しかけているのだが、何も応えてくれない
オーク材だろうか、木質の深い飴色が良い味わいだ。
十字に組まれた本体にムーブメントが貫入・組み込まれ、
その周囲を護るかの如く、葡萄の枝葉が覆っている。
墓標を意図したもののように思われるのだが、皆目わからない
なんとも不思議な意匠である。
手持ちの資料を片っ端から調べてみたが、類型さえ見出せない
1880年代後期のもののように思われる。
何れ当時の時計製造は細かく分業されたパーツのセットアップで製品化されていた。
木製のケースは熟練の木工職人の世界だ。
家族を亡くした職人の怨念が昇華したもののようにも見えてきて、想いを巡らす。
自分と家族のために彫り上げたもの・・・・ではなかろうか?
図らずも昨晩は、デザイナー仲間の「野井 成正さん追悼展」「NOI Bar」
に参加した。
お盆のこの時期、冥界のざわめきが余計に気になる・・・・