Amon Düül “Minnelied”

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今回、漸く、独逸ロックの始祖的存在Amon Düül (Amon Düül IIではない)のファースト・アルバムを入手しましたので、紹介したいと思います。元々は、”Psychedelic Underground”と言うタイトルで、Metronomeよりリリースされていた作品ですが、Brainからの再発にあたって“Minnelied”とタイトルが変更になっています(内容は同じ)。それで、先ず、Amon Düül のバイオグラフィーについて書いていきます。Amon Düülは、1960年代に西独逸の政治的芸術コミューンから生まれたバンドで、フリーフォームな即興演奏で知られています。そして、そこから、Amon Düül (場合によってはAmon Düül Iとも表記)とAmon Düül IIに分かれます。その名前ですが、Amonと言うのはエジプトの太陽神のことで、Düülには意味がありません。それで、そのミュンヘンのコミューンの中で、1967年に、Ulirich Leopoldが、その兄弟Peter Leopoldとオーストリア人Rainer Bauer及びChris Karrerを誘って結成したのが始まりで、後にはBauerの妹EllaやHelge及びAngelika Filanda, Uschi Obermaier, Wolfgang Krischke, Falk Rogner, Renate Knaupも加わります。そこでは基本的に、自由な即興演奏、つまりジャムセッションが繰り広げられる訳ですが、所謂パプニングなどに基づいて行われており、また、このコミューンでは、芸術的にも自由で、その熱意だけを評価しており、音楽的技術とかについても一切不問であった為、参加メンバーは流動的でした。ただ、そのメンバーの中には、より音楽的な向上心を持ったメンバーもいたようで、その為、2つのグループAmon DüülとAmon Düül IIに分かれました。丁度、1968年9月に独逸初の地下音楽フェスInternationale Essener Songtageが行われ、その時に、先述の2つのグループは別々に参加しています。Amon Düülはよりオープンで熱狂的な試みを行なっていた為か、米国やブラジルのサイケデリック・ロックに共感しています。そうして、彼等はMetronomeと手堅く契約することになり、7年間、様々な紆余曲折を経て、活動していくことになります。1968年のジャムセッションが彼等のデビューアルバム”Psychedelic Underground”になりますが、これはプロデューサーのPeter Meiselがバンドの許可なしにリリースを決めたものらしいです。そうしたことを踏まえても、このアルバムは独逸ロック史の最重要作品であると認識されています。反対に、Julius Schittenhelmによってプロデュースされたアルバム”Paradieswärts Düül”は落ち着いたフォーク調のサウンドになっていますが、彼等の活動は1973年には弱まっていきます。それで、Amon Düülのメンバーなのですが、1968年〜1969年では、Rainer Bauer (G, Vo), Ulrich (Uli) Leopold (B), Helge Filanda (Congas, Vo, Anvil, Perc), Wolfgang Krischke (Drs, Piano), Eleonora Romana (Ella) Bauer (Shaker, Vo, Perc), Angelika Filanda (Perc, Vo), Peter Leopold (Drs: 後にAmon Düül IIに移籍), Uschi Obermaier (Maracas, Perc)からなっています。その後、1970年6月に録音されたシングル"Paramechanical World"でもメンバーは変わり、1970年に録音された最後のアルバム”Paradieswärts Düülでのメンバーは、Ella Bauer (Harp, Vo, Bongos), Lemur (Klaus Esser: Drs, Vo, G), Ulrich Leopold (B, Vo, Piano, G), Dadam (Rainer Bauer: G, Vo, B), Helge Filanda (Drs), Noam (Angelika Filanda: African Drs)にHansi Fischer, John Weinzierl, Christian 'Shrat' Thieleが客演しています。と言うのが、Amon Düülの略歴なのですが、1980年にAmon Düül IIのJohn WeinzierlとDave Andersonが 立ち上げたバンドは過去の2つのグループと区別する為、Amon Düül UKと表記されています。
それで、本作品であるAmon Düülのファースト・アルバム”Minnelied”こと”Psychedelic Underground” (しかしながら、このオリジナルのタイトルはカッコいいなあ)の内容について紹介します。A面B面とも3曲ずつ収録されています。どの曲も、執拗な反復とロウなジャムセッションによるトラックから成ります。もう少し録音が良ければなとも思えるのですが、逆に、ロウで荒っぽい演奏だからこそ、ドラッグによる高揚感を再現するのに良いのかもと推測してしまいます。それと不明瞭なヴォーカルと言うか呪文のような声もその効果に寄与しているようにも思われます。また曲の途中に別のフレーズを挟み込んだり、同じ曲の別録音を繋いだりと、ポスト・プロダクションも行なっています。ここら辺は、同じ独逸のFaustを想起させますね。B2の最後にもちょっとビックリするような仕掛けや、B3にも合唱団の音声を挿入したりとギミックもありますので、そこら辺も楽しめますね。ネタバレになるので、詳しくは書きませんが、実際に聴いてみて下さい!!

A1 “Ein Wunderhübsches Mädchen Träumt Von Sandosa” (7:15)
A2 “Kaskados Minnelied” (10:17)
A3 “Mama Düül Und Ihre Sauerkrautband Spielt Auf” (5:28)
B1 “Im Garten Sandosa” (8:44)
B2 “Der Garten Sandosa Im Morgentau” (4:42)
B3 “Bitterlings Verwandlung” (5:30)

https://youtu.be/RW6HQ5M1PTI?si=puwBTG03ujV74_0V

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_msl6gdm-uoTSya-9CuGGvVpvkauveR5YY&si=ZsIK46otAVdhJzqq

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