Flipper “Public Flipper Limited: Live 1980-1985”

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FlipperのCDはほぼ全部持っていますが、どうしてもアナログが欲しくで、米国から直で買っちゃいました。やっぱり、Flipperの場合、レコードの方が良いですね。オマケのボードゲームも付いていたり、ジャケが大きな厚紙ポスターになったりと遊び心があるのが、堪らないです。今回、購入したのは、1980年〜1985年の初期のメンバーによるライブ盤2枚組”Public Flipper Limited: Live 1980-1985”です。メンバーも初期の黄金期のメンバーで、Bruce Lose (Vo/ B), Will Shatter (B/Vo), Ted Falconi (G), Steve De Pace (Drs)の4人です(Bruno DeMartassことSteve DeMartisが、D1ではBを、D2ではGを担当した珍しいテイクです。彼は1983年にBとGでヘルプとして加入しています) 。それから、FlipperはダブルBのバンドではないですよ。Bruce LoseとWill Shatterが曲によってパートを交換しているだけです。この時期のダラダラしたFlipperのライブを楽しめると思いますので、それでは、各曲をご紹介していきましょう。

◼️LP1
★A1 “New Rules No Rules” (2:22)は、1, 2, 3,4で始まるアップテンポのパンク・ソングで、途中でBの音が消えたりしますが、戻して突っ走ります。VoはBruce Loseかな?
★A2 “Hard Cold World” (7:56)は、ダラダラしたMCの後に、メチャクチャカッコ良いBラインからの、タイトなDrsと訳分からんGをバックに、パンキッシュなVoが乗り、段々とテンポアップしていきます。この曲は本当に大好き! VoはWill Shatterかな?
★A3 “I'm Fighting” (2:42)は、これもアップテンポな曲で、直線的なBラインなのにブレブレです。まともなのはSteve DePaceのDrsだけです。
★A4 “The Game's Got A Price” (8:05)は、ミドルテンポの曲ですが、捨て鉢なVoから段々とグダグダになって終わってしまいます。曲のテンポも緩いです。
★B1 “Love Canal” (4:01)は、ファースト・シングルの曲で、初期の名曲ですが、ライブでもVoのエフェクトは再現していますね。それにしても、演奏自体は、本当に「クズ」です。
★B2 “Oh-Oh-Ay-Oh” (1:46)では、Ted Falconi が珍しくGを刻んだと思ったら、くだらない歌詞のアップテンポの曲となり、あっと言う間に終わります。
★B3 “We Don't Understand” (7:35)では、酷いハウリングをバックに、リズム隊が割合スローなテンポで、ミニマルに始まり、VoとChorusで持っていきます。それにしても、TedのGは何と形容すれば良いのでしょう?出鱈目でもない、コードをちゃんと弾いている訳でもない。最後はBがアップしていって終わります。
★B4 “If I Can't Be Drunk” (9:01)も、スロー極まりない曲で、単調かつミニマルなBラインに、出鱈目っぽいGと投げやりなVo(多分、Will)に、Trumpet(クレジットには無いですが、ゲスト?)まで入ってきます。やがて、Bまで掻きむしられてきます。
◼️LP2
★C1 “Sex Bomb” (10:28)は、Flipperの大名曲にして、大馬鹿なパンク・ソングです。NYCのCBGBでの演奏で、録音物よりテンポが早く、よりパンク的に聴こえますが、もうGのメチャクチャ振りと無意味に叫ぶVoを、ミニマルなBと何とか盛り上げていくDrsが支えています。
★C2 “Brainwash” (0:59)は、1,2,3,4で始まるパンク・ソングですが、一小節で、アッと言う間に終わりますが、この曲のシングル盤は非常に面白いので、一聴してみて下さい。
★C3 “(I Saw You) Shine” (9:42)は、ファースト・アルバムに収録されていた曲で、元祖スラッジ・コアなスローで、Voが陰鬱な雰囲気を撒き散らしています。ただ、Bラインはミニマルで単調、TedのGは良く分からない、SteveのDrsが必死でキープしつつ、盛り上げています。またSaxも聴こえますね、ゲスト(クレジット無し)かな?
★D1 “Southern California” (4:45)は、珍しくSteveやBruno DeMartassを含めた全員での作曲となっていますが、Steveのドラミングが凄いです。Voはまるでアジテーションです。この曲では、Bruceに代わって、Bruno DeMartassがBを弾いています。
★D2 “Life” (5:44)も、ファースト・アルバム収録曲ですが、中々ノリ良く演奏されています。メインVoはWillで、ChorusがBruceかな?段々と適当になっていきます。またフリーキーなSaxも入ってきますが、クレジット無しです。また、Tedの代わりのBrunoによるGは殆ど出鱈目のようです。
★D3 “The Wheel” (5:24)は、またまたミニマルなBラインに、投げやりなVoとG、それらを支えて、かつ盛り上げるDrs。正にFlipperそのものですね。
★D4 “Flipper Blues” (6:18)は、スローな跳ねるような6/8拍子のリズムの曲で、Will Shatter作曲です。BruceのVoは、WillのVoよりも潰れており、嗄れ声で、よりパンクっぽいですが、曲調はFlipperには珍しく、ブルース調です。

 今回、レコードで聴いて思ったことが、3つあります。1つは、CDだと何だかダレるけど、レコード2枚組だと音の豊潤さを感じられたと言うことです。私、特にレコード原理主義者ではないですが、重量盤と言うことも含めて、低音の迫力が凄かったです。2つ目は、Bruce Loseの曲作りの良さとWill Shatterのヴォーカリストとしての表現力の良さです。このアルバムの殆どが、Bruce Loseが作った曲(まぁ、Flipperの場合、作曲と言っても、Bラインを考えるだけですけど)から成るのですが、どれもカッコ良くて、かつミニマルな曲調に良くマッチしています。これは単純そうに見えて、卓越したセンスが必要と考えています。そして、3つ目は、Flipperはやっぱりライブバンドなんだなぁと強く思いました。と言うのも、スタジオ収録曲以外の曲(全16曲中10曲)が、このライブ・アルバムでは収められており、それらの曲のどれもクオリティが高い(演奏自体のことではないです)と言うことです。また、ライブでも、SaxやTrumpet等のゲストもしばしば入れていることにも気付きました。そう考えると、やっぱりこの頃のFlipperには来日して欲しかったなぁと強く思います!! まぁ、この時期(今もかもしれませんが)、来日しても観客席はガラガラだったとは思いますが。それにしても、毎回、思うのは、Ted Falconiは、G(実は全部アップ・ピッキングで弾いています)をどう言うつもりで弾いているのか?と言うことです。所謂「Gノイズ」を弾きたい訳ではなさそうにも思えるのですが、どう聴いても、メチャクチャにしか聴こえないのが、不思議、と言うか、そこが魅力的です!もう、そう言うのも含めて、私自身は、Flipperみたいなバンドをやりたかったなぁとしみじみ思います。まぁ、興味のある方は、どうぞ聴いてみて下さい!

A2 “Hard Cold World” (7:56)
https://youtu.be/GvmOklOrWJk?si=ii88BtmHfBdplOG8

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kHLYmxc4JbSvJJY6GgJ3ZyUEtFaQdYHJg&si=YZKsnDFCJRuH7g6D

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