Mittagspause “s/t”

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やっと手に入れました。独逸で2番目に早かったパンクバンドMittagspause (ミッタークスパウゼ)のファースト・アルバムです!元々のフォーマットは、7㌅2枚組でしたが、私が購入した再発盤では、12㌅LP盤になっており、かつリマスタリング/ミックスし直しもされています。また、ジャケも変わっています。
 それで、先ず最初に、Mittagspauseのバイオグラフィーについて書いてみます。元々、1977年にDüsseldorfで結成されていた前身バンドCharley’s Girlに在籍していたPeter Hein (Vo; ピーター・ハイン), Franz Bielmeier (G; フランツ・ビールマイアー), Markus Oehlen (Drs; マルクス・オェーレン)から、1978年7月にMittagspauseは結成されており、その時点で、セカンド・ヴォーカルとして、後にDAFのVoとなるGabi Delgado-Lopez(ガビ・デルガド-ロペス)も加入しています。それで、Mittagspauseは、1978 年 8 月 12 日に開催された ベルリンの有名なクラブSO36のオープニング・フェスに初めてライブ演奏を披露しています。 1978年12月26日、Düsseldorf でのクリスマス・コンサートの後、Gabiがバンドを脱退したので、このオリジナル・ラインナップでの唯一のライブ音源は同名のコンピレーション・アルバムで聴くことが出来ます。それで、1979 年初頭に、Thomas Schwebel (G; トーマス・シュヴェーベル )がバンドに加入しています。バンドはベースレスで、独自のサウンドを作り出します。Bielmeierがリズムやコードを担当し、Schwebelが高音のメロディを担当する形になり、他のバンドよりやや遅いビートをOehlenがキープするようになります。1979年夏に、彼等はデビュー・シングル2枚組をリリースしており、これが、今回紹介するアルバムのオリジナルに相当します。この作品に収録されている2曲”Militürk” と”Ernstfall”は、その後も Fehlfarbenでも演奏されています。1979年末にリリースされたシングル”Herrenreiter”/“Paff”のB面”Paff”は、独の有名な女優/歌手Marlene Dietrich (マレーネ・デートリッヒ)の古いシャンソンのカバー曲です。Mittagspauseの最後のライブは、Bielmeierが企画した大晦日Rondoレーベルのコンサートで、1979年12月31日にNeussのクラブOkie Dokieで、1980年には、バンドは解散しています。ちゃんとしたLPを企画していましたが、その時はリリースされず、後に、この為のデモ音源が、1992年にWhat’s So Funny AboutからCDでリリースされた”Herrenreiter"に収録されています。解散前から、HeinとSchwebelは、サイドプロジェクトとしてFehlfarben (フェルファーベン)を始めており、解散後は、このプロジェクトをメインにやっていき、NDW以降も影響力の強いバンドになります。Bielmeierは、自身のレーベルRondoの運営に集中するようになり、また、Oehlenは、ビジュアル・アーティストとして活躍し、時々、Red KrayolaやFlying Klassenfeind等の色々なバンドにサポートとして参加したりしています。しかしながら、MittagspauseのアルバムLP”Punk Makes A Big Ass”は、グループ解散後の1981年にリリースされています。
 以上が、Mittagspauseの略歴となります。それで、本作品(LP再発盤)の時のメンバーは、Peter Hein (Vo), Franz Bielmeier (G), Thomas Schwebel (G), Markus Oehlen (Drs)で、プロデュースはBernd SchmidtとMittagspauseによる共同作業で、再発に当たってのミックスし直しは、Peter HeinとPyrolatorで行なっています。内容的には、A面6曲/B面5曲が収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。
★A1 “Testbild” (2:41)では、シグナル音のようなGノイズとリズムを刻むDrs&Gがじわじわと盛り上がって、最後にVoが入ってきますが、Voがちょっと歌った後、”Testbild!”と叫んで終わります。
★A2 “3x Nordpol” (0:31)は、ドカドカしたリズムを中心としたバンキッシュな小曲ですが、針飛びしているかと思ったら、テープ操作みたいです(びっくりしました!)。
★A3 “Intelnet” (2:37)は、大歓声のテープ音で始まる小気味良いビートの曲で、ひたすら呪文のように反復するVoも面白い。途中で如何にもUSっぽいロッケンローなフレーズも出てきますが、何処か小馬鹿にしていそうです。
★A4 “X-9200” (0:57)は、コーラスワークの冴えている、如何にも独逸っぽいパンクソング(Oiっぽい?)で、あっと言う間に終わります。
★A5 “Militürk” (3:55)は、セミアコとG、それとミドルテンポのDrsから成る曲で、哀愁一杯なメロディが泣かせます。と思ったら、これはDAFの”Kebab-Träume”じゃないですか!その後の反復するコーラスワークも独逸っぽいですね。
★A6 “InnenStadtFront” (1:08)は、バタバタした演奏から成るロッケンローな小曲で、早口Voも思い切りが良い。
★B1 “Deutschland” (1:58)は、ジャカジャカしたGで始まり、硬い感じのリズムを演奏するGとDrsに、投げやりなVoから成る曲ですが、サビのコーラスが何ともイカしてます。
★B2 “Derendorf” (1:25)は、Bのような低音Gで始まり、テンポがコロコロ変わる小曲で、かなり変なアレンジです。
★B3 “Überblick” (1:06)も、2本のGの絡みが面白いバンキッシュな曲で、1本のGがB代わりに刻んでいるビートも、投げやりなVoもグーです。
★B4 “In Der Tat” (1:50)も、バタバタしたDrsにGが絡む曲ですが、叫び声のようなVoがパンクっぽいです。途中にフリーキーなGが挿入されるのも秀逸です。この曲だけ録音が違っているようです。
★B5 “Ernstfall” (3:51)は、段々と速くなるフレーズの後に、やや疾走感のあるDrsとGに合わせて、吐き捨てるようなVoが絡んでくる、中々緊張感のある曲ですが、途中のコーラスがヘナヘナで、かつ演奏も止まってしまいますが、直ぐに復活して、あっという間に終わります。

 正直言って、「これがパンクか?」と言われれば、パンクよりも寧ろポストパンクではないかと思ってしまいます。ベースレスなのも一因かも知れませんが、とにかく、一筋縄では行かない曲が目白押しで、単に曲が短きて下手位しか、パンクロックの要素は見出せないです。しかしながら、視点を変えれば、これこそが「独逸のパンク」なのかもしれませんが、個人的には、S.Y.P.H.が一番近いようにも思えます。少なくとも、こう言うサウンドをUKやUSではパンクとは言わないでしょう。一番近いのは、NYCのNo Wave一派かもしれません。既存のルールから外れていくと言う意味で、正にパンクなんでしょう。まぁ、とにかく聴いてみて、判断してみて下さい❗️

[オリジナル・ミックス]
https://youtu.be/uqcfVg0f6j0?si=t-FFP-qRimsmWIgg

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    4AD

    2024/05/01 - 編集済み

    こちらのMITTAGは好きです
    https://youtu.be/0-G7thaIeh0?t=29

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    • File

      Dr K2

      2024/05/01

      そちらの方は知らないです。

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