Core “Chants Of Race & Emptiness”

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 今回は、また独に戻って、以前にもちょっと紹介したことのあるCoreのファースト・アルバム”Chants of Race & Emptiness”を紹介します。どうも匿名性の高いグループで、ただでさえ謎なグループCranioclastのメンバーでもあるSankt Klarioに加えてChi MojaとPia Pankokの3人(Vocal, Noise)から成っているようで、Bela成る人物がVoiceで参加しています。Mr. Contraがプロデュースと記されていますが、演奏にも参加しているようです。また、長々しい独逸語のテキスト(英訳文付きですが、長くてちょっと読む気にはならない)とモノクロの美しいシンメトリックな写真は、Coreによるものだそうです。そして、Bärbel, Christine, Tillmannに謝辞があり、Cranioclast の2人、Soltan KarikとSankt Klario(Klarino自身はメンバーもあるけれど)には特に感謝すると記されています。しかしながら、その本当の正体は不明のままです。
 と言う訳で、グループの正体も余りはっきりしませんが、本作品”Chants Of Race & Emptiness”の音を方をご紹介したいと思います。なお、A面が”Formation”、B面が”Procession”と題されており、先述のテキストには各曲を含め、各面に関するテキストがびっしりと書かれています。

◼️Formation
★A1 “Being There” (6:19)は、伸びやかな逆回転やループ状の拍動するドローンに時に入る(時に金属質な)打楽器がアクセントになった曲で、後半にはエコーの効いたノイズも入ってきます。
★A2 “Falling” (1:16)は、A1に連続して、地響きのような低音持続音が左右に振られている曲で、短いですが、印象深い曲となっています。
★A3 “In Burning Water” (3:12)も、A2に連続して、ダースベーダーのような息遣いと古代の儀式での打楽器的と言うか何かが崩れる時のノイズが組み合わさった曲で、エコーが効いており、奥行きも充分です。
★A4 “Meander” (4:13)も、A3に連続して、正体不明音のループに、木魚のような軽めの打楽器の連打が乗る曲で、次第に盛り上がっていき、後半では重低音の波状攻撃が始まります。
★A5 “Motionless” (2:04)も、A4の低音波状攻撃から連続して、圧迫感のある音の壁と言うかドローン状の音が鳴り響く曲で、この曲もかなりエコーが掛かっています。
★A6 “In All Directions” (3:53)も、A5に連続して、波状のサウンドの攻撃から成る曲で、ループではなく、手動で操作されており、やがて、持続音の塊と化し、エコーの彼方へと消えていきます。
◼️Procession
★B1 “The Waves Overhead” (8:13)では、灰色の音塊の波状の押し引きに、ガタガタした旧式機械音の断片やホーン様の伸びやかな音も加わり、機械音にはディレイも掛けられ、ゆっくりと盛り上がっていき、やがて金属摩擦音らしき音も加わり、更に静かに盛り上がります。
★B2 “At The End Of The Concrete” (7:51)は、B1に連続して、心臓の鼓動を拡大したようなリズミックな音と、そのバックには雑踏の音やメタパーの連打や竹製打楽器らしき音に混じって、やはり波状の音も聴取できます。
★B3 “A Screw Turns Into A Scream” (5:13)も、B2に連続して、ディレイを掛けまくった竹製打楽器音から始まり、正体不明のループ音と攻めぎ合ったと思えば、押しては引くドローン音がたっぷりと掛かったエコーの中でゆったりと流れ、そして消えていきます。

 先ず、感じたのが、Coreが示す、深いエコーの中に蠢くモノクロと言うかグレーのサウンド/ノイズによるアンビエンスで、Cranioclast一派と共通する朽ち果てられ儚い廃炉やサイロのような廃棄建築物の美しさの音像化を、Coreは最も忠実に表現しているように感じました。また、曲間をワザと分かり難くしており、各面をそれぞれ全体として「組曲1曲」のように配置していることも上述の音像化に関係しているとも考えられるようです。そして、録音技術としては、エコー(リバーブ)とディレイを上手く使い分けて、慎重なミックスダウンを行っているにも、好感が持てますね。「静かな音のダイナミズム」を体験したいのであれば、Coreのこ作品はお勧めです!!

https://youtu.be/jooiIqUQFKA?si=eif_UbHQkZEmXB-w

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