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Airway “Beyond The Pink Live”
大阪のレーベルNEURECの主催者であり、初期からずっとLos Angelis Free Music Society(LAFMS)の活動を日本で啓蒙してきた坂口卓也氏によると、Airwayは、LAFMSのメンバーから成る、世界初のライブ・ノイズ・バンドであり、元々は、首謀者のJoe Pottsがか1977年に、彼自身の名義で出した7インチ・シングル”Airway”の音をライブで再現しようとしたことから始まったらしいです。1978年に、LAのLos Angeles Contemporary Exhibitions (LACE) からオファーを受けたJoe Potts は LAFMS のメンバーに協力してもらい、Airwayの最初のライヴを行っています(この時の音源が、あの有名なアルバム”Live At LACE”です)。それで、各演奏者の音をPAコンソールでライブ・ミックスする操作を行い、その出力を自分達の持っている有りったけのエフェクターを介して、Chip Chapmanのテープ・ディレイ・システムに送り込み、その結果を大音量で放出。その轟音は演奏者や観客の身体で跳ね返って、マイクで拾われ、再度出力されると言うフィードバック・ループを形成し、会場のコンクリートの壁がバリバリ振動する程の大音量の轟音ノイズが生まれたそうです。以降、Airwayは轟音バンドとしてライブを続ける訳ですが、米国陸軍の放出したPAシステム(しかし音響兵器ではないらしいです)まで購入して、出来る限り大音量でのライブをやっていたらしいです。なので、Airwayのアルバムは全てライブ録音であり、その魅了はやはりライブ体験なのでしょう。
今回は、米国のCortical Foundationが再発したJoe Pottsの最初の1977年のシングルに加えて、1998年2月14日のAirwayのライブCD及び貴重な音源やアートワーク、ディスコグラフィー、写真なども詰め込んだCD-ROMも纏めたセットをご紹介します。それで、最初のJoe Pottsによるシングルには、同じLAFMSのバンドLe Forte Four (Tapes)とVetza McGill (Vo)が使われています。また、1998年2月14日のライブ音源を収めたCDには、Jerry Bishop, Ace Farren Ford, Rick Potts, Richard Snyder, Don Bolles, Kevin Laffey, Joe Potts, Vetza, Dennis Duck, Mike Kelly, Tom Recchion, Liz Young, John Duncan, Don Lewis, Melinda Ring, Pierre Bamboo Dupuy, Fredrik Nilsen, Captain Alan Schuckが参加しており、首謀者のJoe Pottsは、最大ヴォリュームの為に作ったと記述しており、また、リリース元のレーベルも「聴く者の聴力に気を付けながらも、危険な程の大音量でAirwayの音楽を楽しんで欲しい」との注意書きが為されています(場所は、明記されていませんが、恐らく、Santa Monica Museum of Artだと思われます)。CD-ROMには、動画2本(“Airway”と”Mother-Daughter”)の他に、先述のように貴重な紙資料等が含まれているらしいのですが、日本の規格に合っていないらしく、どうも中身は見れないようです。また、”Mother-Daughter”ビデオのオリジナルは、無音のループだとか。
CD-ROMの内容です。
- Airway Movie
- Beyond The Pink Poster
- Airway Poster W/ 7” Original (1977)
- Airway Lp Autopsy Cover Art (1978)
- Airway Discography
- Gallery Lumani Exhibition, Tokyo
- Select Bibliography
- Cover Art For Atelier Peyotyl (Japan) (1982)
- Poster For Airway Live At Otis Art Institute (1978)
- Airway Statement In Beyond The Pink Program
- Airway Live At Lace Announcement (1978)
- Photos Of Vetza And Joe Potts (1978)
- Ten Commandments Of Painting
- Airway T-Shirts (1978)
- Mother-Daughter Original Label Art (1979)
- Credits
と言う訳で、Joe Pottsの最初の7インチ・シングルの再発と1998年のAirwayとしてのライブCDについて、ご紹介していきましょう。
◼️ Joe Potts 7-inch Single (1977年)
※A面/B面は仮です。
★A Joe Potts “Airway”では、Vetzaの自由自在でシアトリカルなVo独唱の後に、いきなりビートの効いたノリの良いロック・ナンバーが始まり、それにVetzaのVoが乗っています。最後にはGの音が大きくなって終わります。
★B Joe Potts “Airway”は、最初、恐らくLe Fort Fourの演奏にVetzaのVoが乗った音なのですが、急に、ミキサーから録音機に通す時に、ダイレクトにワウとかオーバードライブを掛けたようなノイズ的な曲になってしまいます。
◼️Live CD (1998年)
CD Airway “Beyond The Pink Live” (42:38)は、ビートを刻むDrsとVetzaと思われる女性Voに木琴やトランペットの音から始まりますが、低音フィードバック音がずっと続いており、そこに、いきなり重音塊が挿入され、如何にもノイズ・オーケストラらしいAirwayの音に変化していきます。各楽器の音/音量もかなり弄られており、またフィードバックらしきノイズも操作されており、これを生で聴いたら、相当の轟音だろうとは容易に想像がつきます。出来る限り爆音で聴きましょう!
◼️CD-ROM
CD-ROM-1 Airway “Airway” (5:10)
CD-ROM-2 Airway “Mother-Daughter” (3:39)
※CD-ROMは私のMacでは読み込めませんでした。
こうやって、最初のJoe Pottsのシングルから聴いてみると、シングルの、特にB面での録音処理のアイデアを発展させたのが、Airwayのライブ時の出力手法に結び付いたのが、良く分かりますね。多分、PA卓に集めた音奏者の音をステレオ出力時に、エフェクター類に通して、ダイレクトに変化させ、しかも、ミキサーのフェイダーも弄りまくると言う、これぞ「Airwayの心臓部は人間シンセサイザー」たる所以ですね。後、興味深かったことは、聴こえる/聴こえないに関わらず、必ずDrsのビートを入れている所ですね。ここら辺は、非常階段がDrsを入れていることと共通している点かもしれません(実際、Airwayと非常階段は、2010年にスプリットLPを出しています)が、これも最初のシングルのA面のLe Forte Fourの演奏に寄るのかもしれませんね、ただ、CDとかの録音物だとどうしても、全体的に籠った感じの音の感触になってしまいますので、ここは一つ、Airwayに来日してもらって、生で聴いてみたいです!また、文頭の坂口氏によると、Airwayのメンバーでもあり、ノイズ系のB腕エンジニアでもあるJohn WieseがマスタリングしたAirwayのライブCDを、彼のレーベルNEURECからリリース予定とのことなので、それはそれで非常に楽しみです!
[Side A Joe Potts “Airway” (7”Single); 途中から]
https://youtu.be/ZxDRFL98ipI?si=zVYokioEgT8z7TsC
[Side B Joe Potts “Airway” (7”Single); 途中から]
https://youtu.be/E_9OtSnq9bY?si=ahgxpZL_9c39Eqeg
[本作のライブCDはYouTubeにアップされていなかったので、2016年7月17日のBOXstockでのライブ動画のURLを貼っておきます]
https://youtu.be/LLFWjfUnzV4?si=1fQUXPdojKMCAQlO
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