The 39 Clocks “Pain It Dark” LP1 in “Next Dimension Transfer” box set

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私は、このバンドのこと、全然知らなかったのですが、いつもお世話になっているSuezan Studioの小柳カヲルさんからレーベル直送のモノをすぐさま購入しました。5枚組みのボックスセットで、ボックス・タイトルは”Next Dimension Transfer”となっており、中には、ジャケ付きのLPが5枚とカラー印刷のブックレットが入っています。取り敢えず、LPについては、1枚ずつ紹介していきますが、その前に、先ず、The 39 Clocksのバイオグラフィーについて紹介しておきます。元々は、1976年に、独Hannoverで、Jürgen ‘J.G.39’ Gleue (G, B, Vo)とChristian ‘C.H.39’ Henjes (G, Organ, Vo)のデュオKilling Rats (このバンドの前進はThe Automats)が母体となり、レーベルメイトであったDer Moderne ManのドラマーClaudius HempelmannとDen Kastrierten PhilosophenのメンバーのRüdiger Kloseも時々、ヘルプで参加しています。また、スタジオワークの際には、KosmonautentraumのSüsskindことErhard Schüttpelzがメロディカで、また、レーベルメイトのMythen in Tütenが歌で、MintやThe Perc Meets the Hidden Gentlemanもシンセでゲスト参加しています。それで、1980年に、No Fun Recordsから、シングル”DNS” b/w “Twisted And Shouts”で、レコードデビューしており、翌年1981年には、ファーストアルバム”Pain It Dark”をNo Fun Recordsから出しています。一方で、彼等は、自身のレーベルPsychotic Promotionも運営し、自分達のアルバム3枚とDen Kastrierten Philosophenなどの作品を出しています。しかしながら、1983年6月には、The 39 Clocksは、HamburgでのPsychotic Splash Festivalの出演を最後に解散しています。 Christian ‘C.H.39’ Henjesは、1984年にアルバム”The Beauty Contest – Feel Fault”をWhat’s So Funny Aboutから出しており、一方、Jürgen ‘J.G.39’ Gleueも、1985年に、アルバム”Exit Out – Peruse Prankster”をWhat’s So Funny Aboutから、更に1987年にはセカンドソロアルバム”The Cocoon-While The Recording Engineer Sleeps”をGunter Hampelの協力の元Wilhelm Reich Schallspeicherから出しています。その後、1987年に、一時的に2人はThe 39 Clocksを再結成して、アルバム”13 More Protest Songs”をレーベルWhat’s So Funny Aboutから出しています。また、Gleueの方は、1991年からシリーズ・アルバム”The Phantom Payn”をRüdiger Kloseの協力の元、コンスタントにリリースしており、2011年には、米国のBanana HeadとのスプリットEPも出しています。
 とまあ、ここら辺がThe 39 Clocksのあらましになる訳ですが、ここでは、彼等のファースト・アルバムでもあるLP1 ”Pain It Dark”を紹介します。このアルバムは、2009年に独Bureau Bによつて、2013年にもLuxury Productsにやって再発されており、今回が3度目の再発となります。メンバーは、Jürgen Gleue (Vo, G, B)とChristian Henjes (Vo, G, B, Organ)、それにPlus Automatic Drums (Drs)で、ゲストとして、Christian Kuschel (Drs [A1, A6]), Emilio Winschetti (Synth [A2, A4, B1]), Tonio Scorpo (Tenor Sax [A2, A4])も参加しており、オリジナルのリリースは1981年です。それでは、各曲について紹介していきましょう。

LP1: “Pain It Dark” (再発)
★A1 “Shake The Hippie”は、生Drsに合わせて、GとB、それにダルなVoで歌われる曲は、同時期のNDWバンドのそれとは一線を画します。間奏のGソロもヘナヘナです。
★A2 “DNS”は、シングルカットされた曲で、リズムマシンに合わせて、シンセベースとSaxやGが演奏される様は意外にカッコ良く、掠れるようなVoもグー!
★A3 “78 Soldier Dead”も、リズムマシンとBのリフに始まり、気怠いVoが乗る曲で、とても1981年の音ではなく、途中で出てくるGも含めて、正にサイケですね。
★A4 “Out Of Sight”では、チャカポカしたリズムマシンにGとかBのリフが乗る曲は分離も悪いですが、シンセとSaxの間奏で助かってますね。
★A5 “Stupid Art”も、単調なリズムマシンに合わせて、BやGのリフが乗り、余りハキハキ歌わないVoは、正にサイケ路線です。
★A6 “Test The Beat”では、再び生Drsの参加で、弾けたビートが特徴の曲です。Voが聴き取り難いですが、間奏のGはカッコ良いです。
★B1 “Psycho Beat”は、リバーブ強めのVoと途中のシンセが特徴的でカッコ良い曲ですが、相変わらずリズムマシンが淡々と続きます。
★B2 “Twisted & Shouts”は、カバー曲かつハノーバーでのライブ録音です。淡々としたリズムマシンとBの不安定な反復がSuicideを想起させます。
★B3 “Radical Student Mob In Satin Boots”も、単純なリズムマシンにオルガンとGでリズムを刻み、やはり気怠いVoが乗ってくる様はサイケですね。
★B4 “39 Explosion Heats”も、同様にリズムマシンの単調なビートに合わせて、決して上手くはないBやGやVoが演奏されている曲で、当時の学園祭バンドのようです。
★B5 “A Look Into You”は、ややテンポダウンした曲ですが、Gとオルガンがバックを固めており、若干聴き易く、キャッチーです。

 と言う訳で、これは同時代のNDWとも革新的に断絶したサイケな音楽なんですが、単調なリズムマシン(ドラムマシンとは言えない程、チープな音)を使っている所なんかは、やはり何らかの影響もあるのかな?と推測します。ただ、テクは度外視で、どうしようもない位、グダグダですので、そう言う音楽が好きなリスナーさんには堪らないでしょう‼️個人的には昔、やっていた学園祭バンドを思い出しましたw

B1 “Psycho Beat”
https://youtu.be/bODgHMim1Uc?si=hMvd5hJKqA1aB18n

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcWk86KrN7T1whnYJ2ArbVTm&si=LlbJLC6zKjkoafkH

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    4AD

    2023/12/12 - 編集済み

    オリジナル盤 2~3枚持ってましたが、なんか微妙だったので断捨離してしまいました。
    ルックスから想像する音と ちょっと開きがあって・・・

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      Dr K2

      2023/12/13

      えっそうですか!私は見た目と内容は合っていると思いましたが、、、。

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