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Die Partei “La Freiheit Des Geistes”
Die Partei (ディー・パルタイ)を君は知っているかい?Die Parteiは、The WirtschaftswunderやSiluetes 61をやっていた奇人変人Tom Dokoupil (トム・ドクピル)とJoseph Beusyの生徒で、画家/写真家/サウンド・アーティストのWalter Dahn (ヴァルター・ダーン)から成るデュオで、短命な、と言うよりも一回だけの活動でした。因みに、Walter Dahnは、クラウトロック、特にCanとも既に関係があったようです。1981年、2人はたった1週間で会って、本作品”La Freiheit des Geists (精神の自由)”を録音を始めています。このアルバムはインストゥルメンタルなポストパンク・シンセポップ・アルバムですが、時に冷たくで、落ち着きがなく、多忙で前に進むように聴こえますが、その一方で心地よく心地よいメロディックでもあります。映画の引用と散発的に演奏される楽器 (特にドクピルのクリーンなGとSax) が出来上がったサウンドに大きな影響を与えています。2人は、この作品の制作に当たって、厳密なガイドラインを定めています。録音は週末に行うこと、音楽はインストゥルメンタルでエレクトロニックでダンサブルであること、そして映画の引用が含まれていることです。本作品”La Freiheit des Geists”は、DokoupilとDahnの目論見通り、二律背反するものを組み合わせたアルバムと言えるでしょう。個人的にも、先ず、ジャケ写を見た時に、まさか、こんなジャケのアルバムにTom Dokoupilが関係しているとは思いも寄りませんでした。なんか何かもっと仰々しい音楽を想像していました。
と言う訳で、真面目にふざけたような1回限りの作品ですが、よくよく調べてみると、何と!Brian Enoを迎えて、2024年に、再びDie Partei名義で新録アルバム”Celaviemachinery”をリリースしているではありませんか! まぁ、それは置いておいて、本作品の紹介をしていきますね。内容的には、A面5曲/B面6曲が収録されています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。
P.S. 最近、セカンド・アルバムが、出たみたいです!
★はA1 “Guten Morgen In Köln” (3:55)は、パンされたリズムマシンに簡素なオルガン、更にGによるメロディが乗る曲で、シーケンサーによるSynth-Bも小気味良いです。時々、ピアノも入り、爽やかな雰囲気です。
★A2 “Ostafrika” (3:45)は、唸り声から性急なビートと切れ味鋭いシンセへと突然始まり、SE的シンセやシーケンスもナイスです。時々、唸り声も聞こえたり、ピコった音も聞こえたりで、楽しい。
★A3 “Wo Sind Sie” (3:55)は、A2の直後、ナレーションから突然、ピコったシーケンスとリズムマシンの速度が丁度良い曲で、時に金属質なシンセもあって良い塩梅で、更に伸びやかなシンセも上手く調和しています。
★A4 “Böse Träume” (4:00)は、オモチャの合奏から段々とリズムマシンやシーケンスやハーモニカなんかの音が次々と入ってくる曲ですが、基本的にミニマルです。ディレイの掛かった台詞や上物シンセの波も聴取可!
★A5 “Föhn In Den Bergen” (2:25)は、王道のシンセウェーブで、タイトなリズムマシンと太いシーケンスを中心に、SE的シンセやリリカルなピアノも乗ってきます。安心の1曲!
★B1 “Austauschprogramm” (2:40)は、怪しげな雰囲気のリズムとシーケンスとナレーションがスパイ映画風の曲で、時々、音を弄っていて、面白いです。
★B2 “Rote Schuhe” (2:58)は、パンで振られたGと機械の中のようなリズム隊の組合せが興味深い曲で、時に聴こえるシンセのメロディやSaxもナイスなアレンジで、全体に見事なアンサンブルとなっています。
★B3 “Allerheiligen” (2:32)は、一転、低音に集中するリズム隊とスローテンポな曲で、シンセのリフ以外にもテープ音も混じってきます。
★B4 “Tag An Der Grenze” (3:15)は、B3に連続して、緊張感溢れるシーケンスに、シンカッションや映画のナレーションやSaxが入り乱れている曲で、何故か落ち着かないです。後半はリズムマシンが変わります。
★B5 “Strahlsund” (3:45)も、いきなり落ち着いた曲調に変わり、電子民族音楽的な曲で、電子打楽器やSE的シンセ音以外にも、ゆったりした伸びやかなシンセのメロディが心地良いです。
★B6 “Nord-Süd-Fahrt” (2:30)は、テクノポップ調の曲で、リズムマシンにステップシーケンスが前面に出ており、そこにG?シンセ?の伸び伸びとしたメロディが何とも気持ち良いです。
思っていた程、難解とか滑稽な音楽ではなく、また、映画のナレーションも少なくて、あれ?とは思ったのですが、「新しい」ダンス・ミュージックとしては完璧に機能している音楽だと思います。Tom Dokoupilが関わっているのに対して、真面目な音作りで、とてもDokoupilがやっているとは思えませんでしたが、それも彼の音楽的才能なのでしょう。また、Dahnの影響なのかもしれませんね。割とミニマルなコード進行が多く、しかもそれを「単なる反復」と感じさせないアレンジ力も凄いと思います。そう言う意味では、アナログ・シーケンサーを用いて良くここまで出来たなぁと感心してしまいました! また、1曲に色んな音が詰め込まれているのですが、ぎゅうぎゅう詰めの印象は全く無く、必然と言える程、馴染んでいます。完璧なダンスミュージックがあるとするなら、本作品もそれに入るでしょう!そんな真面目なアルバムです!
B1 “Austauschprogramm” (2:40)
https://youtu.be/I3GQqP8PtWY?si=OeqXv7W-sGvQxL-o
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lBhWDiV9JuLqmtPKvYxrccAVfryVGqQdE&si=B8ovPCx4xXCrMsfo
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