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Campingsex “1914!”
以前に紹介したMutterと言うバンドを覚えていらっしゃるだろうか? そのバンドの前身に当たるのが、このCampingsexです。結成されたのは、1982年の西Berlinで、その後、1983年〜1985年に数本のカセットを自主制作で出して、1985年に、漸く、本作品でもあるファースト・アルバム(LP)”1914!”をリリースしています。その時のメンバーは、Max Müller (Vo, G), Lesley Campbell (G), Matz Müller (B), Florian Koerner von Gustorf (Drs)ですが、メンバー/リーダーのMax Müllerが、実は、あの独NDWアヴァン界の奇人変人グループDie Tödlich Dorisのメンバー/リーダーWolfgang Müllerの実弟であり、極初期のDie Tödliche Dorisにも参加していたそうです。また、Campingsexは、あのThurston Mooreをして、「Sonic Youthに影響を与えたグループ」と言わしめています。そう考えると、このグループの重要性が分かりますよね? また、Campingsexの前に、Matz Müllerは、初期に在籍していたらしいFrank BehnkeとTerminated Alienと言うデュオを組んでおり、更に、Behnkeは、Campingsexの後に結成されたMutterの創設者の1人になっています(因みに、Mutterは、Max Müller [G, B], Frank Behnke [G], Florian Koerner von Gustorf [Drs]で、1986年に結成されています)。Campingsexの方は、アルバム・リリース後に、Lesley Campbellが脱退した為、解散し、その後、残った上記のメンバーでMutterとして活動することとなります。以上が、Campingsexの略歴になりますが、正式なレコードとしては、本作品が唯一であり、オリジナルは完全自主制作されていた為、高額で取引されていましたが、2006年に、独のVinyl-On-Demandが未発表曲も加えて、2枚組LPとして再発、その後もStatic Ageがオリジナルのままで再発しています(私が入手したのは、Static Age盤です)。と言う訳で、早速、本作品の各曲をご紹介していきましょう。
★A1 “Nichts”は、痙攣するGノイズから始まり、カッコ良いBラインとDrsのビートに、喘ぐような/叫ぶようなVoが乗る曲で、結構、ノイジーなロックです。また、時々、電ノコのような音も入ってきます。
★A2 “Guten Morgen”は、陰鬱な雰囲気から一転し、Sonic Youthの名曲”Death Valley 69”のような独特のドライブ感とノイジーなGが暴れる曲となります。野卑なVoが曲名とは相反しているように感じますね。
★A3 “Schuld”は、6/8拍子のスローブギ的な曲ですが、相変わらず、Gはノイジーで、Voは投げやりな感じですが、Campingsexとしては異色な曲調です。
★A4 “Liebe”は、切迫感のある曲で、バックからはGノイズが聴こえてきますが、途端にテンポアップしたりと、結構、今でも通用するような曲です。Voもパンキッシュで、カッコ良いです。
★B1 “Schließ Die Tür”も、6/8拍子ですが、結構、直線的なビートで、A3とは異なる感じの曲です。野卑なVoとそれに重なる複数のコーラス、更に捻じ曲がるGとで、段々と盛り上がります。
★B2 “Fall Ich Hinein”では、淡々としたキックとGのリフに合わせて、パンキッシュなVoが乗っていますが、次第にアップテンポなパンクっぽい曲調になります。結構、ドラマティックな曲です。
★B3 “Und Sie Alle”は、変則チューニング風のGアンサンブルから始まるスローな曲で、Campingsexが単なる勢いだけのパンクバンドではないことの証左とも言えます。バックに聴こえるGノイズも、それを支持しています。また最後の叫び声のようなコーラスもグーです!
★B4 “Die Welt Geht Unter”は、ねじ切れたようなバックの曲調に、言葉にならないようなVoから始まりますが、次第に急峻な切迫感溢れる曲調となり、エンディングに突入していきます。最後は脱力して、スローなテンポになって終わります。
これを聴けば、Sonic YouthとCampingsexとの類似性が良く分かりますが、多分、時期的には、Sonic Youthの方が早いので、恐らく、Campingsexのよりノイジーな部分をリスペクトしていたのではないかと想像します。それにしても、Campingsexの独自のNoise Rock振りには、正直、驚きました。恐らく、兄のWolfgangから受けたMax Müllerのアヴァン・ギャルド的な要素も関係しているのではないでしょうか?そう言う意味で、Sonic Youthファンにも聴いて欲しいアルバムですね! あと、Max MüllerのVoの録音がもうちょっとしっかりしていたら、パーフェクトでしたね。
https://youtu.be/50bsyKz2M2I?si=dmXAMbeRUO4-vqQw
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