Markus Oehlen “Beer Is Enough”

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Markus Oehlen (マルクス・エーレン)と聞いて、直ぐに反応できる人はいますか? 多分、相当のNeue Deutsche Welle (German New Wave)マニアなリスナーさんだと思います。Markus Oehlenは、NDW初期にパンクバンドCharley’s GirlやMittagspause (ミッタークスパウゼ)のドラマーで、後にはFehlfarben (フェルファルベン)等にも在籍していたアーティストです。まぁここら辺のことは今までにも触れてきたので、今回はMarkus Oehlenについて、もう少し深掘りしてバイオグラフィーを書いておきます。
 Markus Oehlenは、1956年に独Krefeldて生まれ、父親Adolf Oehlenはグラフィック・デザイナー兼漫画家で、兄弟にAlbert Oehlenもいます。1971年〜1973年に、彼は、製図技師の見習いをしており、1976年〜1982年で、Düsseldorf芸術アカデミーで、Alfonso Hüppi (アルフォンソ・ヒュッピ; スイス生まれのグラフィック・アーティスト兼彫刻家)に師事しています。その頃に、Markus Oehlenは、有名なクラブRatingen Hof (ラティンガー・ホフ)に出入りし始めて、1977年に、 画家/インスタレーション・アーティスト/パフォーマンス・アーティスト/彫刻家/写真家のMartin Kippenberger (マルティン・キッペンバッカー)と出会い、後に、彼は、Oehlen兄弟とJörg Immendorff, Werner Büttner, A.R. Penckとで、1984年にZickZackより、アヴァン・ブルース・アルバム”Die Rache Der Erinnerung (ディー・ラヒェ・デル・”エリナーランク)“を出しています。そうして、先述のクラブに出入りしていたことで、Markus Oehlenは、パンクバンドCharley’s Girl やMittagspauseにドラマーとして加入し、その後に、Fehlfarbenにもドラムで参加することになります。また、彼はそれらの有名なバンド以外にも、Michael Ruff (Vo, Vln, G), Diedrich Diederichsen (Vo, Kbd, B, G, Drs), Chris Lunch (Vo, B, Drs, Back-Vo), Jörg Gülden (G, Back-Vo), Markus Oehlen (G, Drs, Kbd, Back-Vo)から成るFlying Klassenfeind (フライング・クラッセンファイント)で、セルフ・タイトルの12インチEPを1982年にLine Recordsより、Peter Hein (Vo, B), Gabi Delgado Lopez (Vo, Others), Jürgen Engler (G, B, Vo), Marcus Oehlen (Drs)から成るDeutschland Terzett (ドイチュランド・テルツェット)では、 O.R.A.V.s (Liedermachos)とのスプリット・アルバムを1981年にZickZackより出しており、更に、兄弟のAlbert OehlenとのデュオVan Oehlen (フォン・エーレン)でも2000年代にCDを2枚出しています。また、彼は、例のクラブRatingen HofでDJとしても働いており、1970年代英国バンドMedicine Headの曲”One & One Is One”のカバーで、1984年に、Hamburgのビデオ・マガジンFür a Handful of D-Marksに参加しています。2018年には、Ludwig Wien近代美術館の展覧会”Double Life”に参加し、彼のMVが展示されています。また、彼は、画家のWerner Büttner (ヴェルナー・ビュットナー)と出会ったことで、Albert OehlenやHeiner Goebbels, Detlef Diederichsen達と共に、Nachdenkliche Wehrpflichtige / LSDAP/AO / Vielleichtors / Männer In Nassen Kleidernと言う色んな出っち上げバンドで、2枚組アルバム“Kirche der Ununterschiedlichkeit (キルヒェ・デア・ウンウンターシィードリッヒカイト)”を1983年にZickZackから出しており、Oehlen自身(G, B, Kbd, Drs, Perc)は、Günther Tuzina (Sax), Berthold Locke (G, B)のトリオVielleichtors (フィーライヒトールズ)として参加しています。その一方で、1981年には、独Rundschau (ルンドシャウ)で展覧会を開催し、更に1984年には、Düsseldorfで開催されたFrom Here - Two Months of New German Art展に代表として選ばれて参加しています。1987年にはBerlin芸術賞を受賞、その後、1993年にはNew York近代美術館で、 Georg Herold (ゲオルグ・ヘロルト)と共にに展覧会Project 39を開催しており、2002年からはMünchen美術アカデミーで教授として教鞭を取っています。2017年以降、Markus Oehlenは、München北部で、建築家Westner Schührer Zöhrer (ヴェストナー・シューラー・ツァーラー)が作ったスタジオで働いており、この家は、2019年には、バウヴェルト賞とバイエルン州 BDA賞を受賞しています。
 以上が、Markus Oehlenの略歴ですが、そんな芸術肌の彼は、1985年にソロ・マキシ・シングルをWhat’s So Funny About..から出しており、それが本作品“Beer Is Enough”c/w” Gut Und Böse”です。謝辞に、Holger Hillerや、KosmonautentraumやDer Moderne ManのZiggy XYことMichael Jarick及びU. Gabrielがあることから、多分ヘルプで参加したいるのだとおもいます。それで、このマキシ・シングルは当時はそこそこヒットしたようです。それては、各曲を紹介していきましょう。

★A1 “Beer Is Enough” (4:25)では、重くタイトで延々と続くDrsと共に、最初はタイトルを歌う腑抜けた合唱が始まりますが、その後は、シーケンスやサンプリングされたGなんかが目まぐるしく乗ってきます。また途中にはフランジャーGでのノイジーな演奏も聴け、最後はやつぱり腑抜けた合唱で締めますが、曲自体は、インダストリアル・ロックっぽいです。 
★B1 “Gut Und Böse” (4:05)は、フランジャーを掛けたリズムマシンから下品な笑い声、そして、やはりサンプリングされたレコードや会話なんかの音とタイトな生ドラムの合奏が前半で、後半は、突如、静謐なフルートの響きになったかと思ったら、ディストーションGやらバイオリンの合奏等の音やらがコラージュされていきます。このコラージュ曲がカラっとした仕上がりなのに重厚なのは、如何にも独逸らしいです。

 多分、Holger Hiller等がサンプリングに関してはヘルプしているのだとは思いますが、意外にもA面がインダストリアル・ロックな出来で、びっくりしました。ただMinistryみたいにシリアスにならない所がNDW的ですね、またB面もやはりサンプラーを駆使したコラージュ曲でしたが、まさか、ドラマーのMarkus Oehlenがノンビートのコラージュとはまたまた驚かされました。こう言う遊び心のあ音楽が、如何にもNDW的なんだと改めて感じた次第です。それと、12インチで45RPMなので、音的にも迫力があります。もし、見つけたら、即買いですね!

https://youtu.be/IG1OgpsiLjo?si=rLjnyAcVRpcx81ea

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