Die Krupps “The Machineries Of Joy (Part I & Part II)”

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独逸の鋼鉄王Die Kruppsの遍歴を少し書いておきます。Die KruppsがThe Krupps名義で英国進出した1985年のアルバム”Enter The Arena”で、バンドは一旦活動停止となります。その後、1980年代半ばから、Jürgen Englerは、自身のレーベルAtom-Hを運営し始め、そのレーベルでは主にスラッシュ・メタルやハードコア・パンクを扱っており、そのようなバンドに加わって、Englerも歌っており、その経験が、1990年代のDie Kruppsの音楽性に影響しています。一方、Ralf Dörperは、1989年に、英国のEBMバンドNitzer Ebbとコラボして、Die Kruppsの古い曲を新ヴァージョンとしてリメイクし始めます。それが、本作品でもある”The Machineries Of Joy”で、元曲は、1980年代初頭にEnglerと共作した”Wahre Arbeit, Wahre Lohn”です。この新ヴァージョンは、ビルボードのレコードチャートを席巻し、EnglerとDörperが前面に立ってDie Kruppsの復活・再評価に繋がります。同年、Die Kruppsは、Nitzer Ebbとのコラボを通して、欧州にEBMを広く流布するキーバンドになります。そうして、1992年になると、ヘビメタからの影響をより強く受けるようになり、そのようなギタリストを起用し始めます。そうして、出来たアルバムが”I”であり、EP”Tribute To Metallica”で、後者は特にMetallicaのカバー曲で構成されています。このメタルとEBMの融合は、よりインダストリアル感を増し、この領域のパイオニアになります。その後、Deep Purpleの”Machine Head”に影響を受けたアルバム”II - The Final Option”を1993年に、更により実験的になったアルバム”III - Odyssey Of The Mind”を1995年に、更に更に、よりヘビーなグルーヴメタルの影響を受けたアルバム”Paradise Now (非公式には”IV”とも呼ばれています)”を1997年にリリースし、一旦、バンドは解散します。続きはまた、次の機会に。
 それで、この”The Machineries Of Joy”は色んなミックスやリミックスがあって同じようなジャケて違ったりとかありますので、購入の際は、よく確認して下さい。それで、この”The Machineries Of Joy”シリーズでは、勿論、共作のEnglerとDörperはプロデュース等には関わっていますが、Rüdiger Esch (B)やVoや演奏でもNitzer Ebbも参加しています。そして、Die Krupps側のミックスでは、Düsseldorfで、エンジニアにPeter Krickを起用して、Nitzer Ebb側のミックスでは、Londonで、エンジニアにPaul Kendallを起用して行っています。と言う訳で、A面がDie Krupps側、B面がNitzer Ebb側と思ってもらって良いと思います。それでは、彼等の復活の起点となった本作品の各曲を紹介していきましょう。

★A “The Machineries Of Joy (Wahre Arbeit Mix)” (6:10)は、大胆な打ち込みに、たっぷりのシンセとEnglerのセクシーにして力強いVoからなるヴァージョンに仕上がっています。
★B1 “The Machineries Of Joy (True Work Mix)” (6:08)は、仰々しいシンセのイントロと、シュタロファンののイントロから雪崩れ込むヴァージョンで、やはりシーケンスは使っていますが、EnglerのVoはより汗っぽい感じになっています。間奏でのシンセのリフとシュタロファンの絡みが聴き処です!
★B2 “The Machineries Of Joy (Machines)”では、最初とサビで、サンプリングされたEnglerのVoが使われ、太いシーケンスだけで進むヴァージョンで、打楽器やドラムマシンは使われていません。

 中々、面白い企画だと思います。単なるリメイクだけではなくて、Nitzer Ebbとのコラボで、古い曲をブラッシュアップすることで、曲そのものが生き返りますね。ある意味、このようなEBM的曲調が、Die Kruppsそのものと思われているかもしれませんね。その前後にもDie Kruppsの音楽は多様にありますから。それにしても、Dörperの才能が開花した企画だと思います。今回は、ここら辺の企画モノを連続で紹介していきますので、続きも要チェックです!

A “The Machineries Of Joy (Wahre Arbeit Mix)”
https://youtu.be/K0-2flWS8eY?si=efNEus1VXDh6R1V6

B1 “The Machineries Of Joy (True Work Mix)”
https://youtu.be/JJwu0FTtGOI?si=TIkq4y7QZR0OmdPd

[オマケ:“The Machineries Of Joy (MV)”]
https://youtu.be/a7ElWK_Tgmg?si=VYC1yP8H0x6dZmJF

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