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No More “Suicide Commando”
ちょっと前のSynth WaveやMinimal Waveの発掘・再発・再評価で、意外な程、注目を浴びていたバンドの一つが、このNo Moreです。元々は、1979年に、独Kielで、Andy A. Schwartz (Vo, G, B), Tina Sanudakura (Organ, Synth, Sequencer, Drum Machine), Christian BlödornことChristian Darc(Drs, Drum Machine, Perc, Vo), Thomas "Ugly" Welz (B)の4人組として結成されたポストパンク/No Wave志向のバンドだったのですが、1980年にデビュー7㌅EP “Too Late”をリリースしています。この時には、TEACの4トラックMTRを使って、小さな洗濯部屋で録音されており、”Brutal”と形容される位にかなり音が悪かったみたいです。その後 1980年終わり頃にThomas Welzが脱退し、1983年末までは、トリオで活動しています。1981年にリリースされたシングル”Suicide Commando”がバンドとしての最大のヒットとなり、英国NME誌では「正しく独逸的な電子音楽形態」と評され、次の年からじわじわと、ジャンルやシーンとは関係なしに、国際的にこの歌は広がっていきます。また、この曲のシングルは数回リリースされ、それらはまた最近になっても、再発されたりしています。今回、ご紹介するのも、オリジナルのシングルの再発盤で、リマスタリングしてあります。それで、1990年代では、この歌は、テクノやエレクトロのシーンにも浸透していき、DJ HellやEchopark (Moguai & Torsten Stenzel)によってリミックス盤が出たりしています。その後、1982年に、No Moreは、ミニアルバム”A Rose Is A Rose”をリリースしますが、英国NMEの記者は、「Lou Reedのアルバム”Berlin”から生まれた独の若者3人によって作られた」アルバムと評しています。このミニアルバムをリリースした後に、No Moreは、よりダークで、よりオリエンタルな要素を取り入れていきます。1984年に、Thorsten Hartung (B)が加入し、勢いに乗って、独と蘭でのツアーを開始しますが、直ぐにこの曲の演奏禁止となり、結果、1986年末にバンドは解散してしまいます。解散直前に、アルバム”Hysteria”をリリースしています。SchwartzとSanudakuraは、新たなバンドNijinsky Styleを結成します。そうして、2006年に、SchwartzとSanudakuraは、デュオの形態で、No Moreを再始動し、新録アルバム”Remake/Remodel”をリリースし、2008年末に、ツアーを再開、2010年1月には、シングル”Sunday Mitternacht / A Rose Is A Rose”をリリースしています。2010年3月には、アルバム”Midnight People & Lo-Life Stars"をリリースし、2012年にも、アルバム”Sisyphus”をリリースしています。2015年になると、よりポップな作風となって、シングル” Stardust Youth"とアルバム"Silence & Revolt"をリリースしています。 以上が、No Moreの略歴となります。このバンドがラッキーであり、不運でもあったのは、一重に”Suicide Commando”が大ヒットしたことだと思います。なので、曲は知っている人は沢山いらっしゃるとは思いますが、もう一度、聴き直してみましょう。 ★A “Suicide Commando” (3:23)は、ドラムマシンと生Drsを同期しているのかな?ミニマル・シンセ・ウェーブの典型とも言える名曲です。徹底したミニマルなSynth-Bとオルガンのリフに、男性Voの歌詞とメロディを少し変えるだけ成り立っている奇跡のアレンジです。多分、この手の音楽が好きな方は聴いたことがあると思います! ★B “In A White Room” (3:34)は、激しいドラムマシンのビートと太いSynth-Bに、無表情な男性Voが乗る曲で、間奏ではSynth-Bは1オクターブ上がって、SE的シンセが聴くことが挿入されます。こちらもミニマル・ウェーブな曲です(Creamの曲ではないです)。 今回、このシングルを聴き直してみて、改めて思ったのは、このシングルのヴァージョン(初期ヴァージョン)では、シーケンサーも使っていなんいんですね。ちょっと意外でした。多分、鍵盤楽器は、全てTina Sanudakuraの手弾きですね。後、ここでは、Andy A. SchwartzもVoに専念しており、GもBも弾いていませんし、Christian Darcに至っては、ドラムマシンのスウィッチをオン/オフしていだけでは?と思ってましたが、実際にはスネアの音を担当したいるようです。それから、私自身の昔の経験でも、コード進行さえしっかり決めていれば、意外とメロディとかにヴァリエーションが作れると言うことがあります。しかしながら、ここまで無駄をそぎ落としだからこそ、後にリミックス盤とか何度も再発が出る名曲になったと思います!ミニマル・ウェーブ好きの方はマスト・アイテムですよ❗️ A “Suicide Commando” (3:23) https://youtu.be/vrgsL4NYa-k?si=Fc5OsJNizwuiDexy B “In A White Room” (3:34) https://youtu.be/1gu9CDzHG4Y?si=BwsZ2PIgnKjP69yz #NoMore #SuicideCommando #InAWhiteRoom #ElCaballoSentimental #2022年 #Reissue #Remastering #LimitedEditions #600部 #GreyMarbledVinyl #TooLateRecords #1981年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Electro #SynthWave #MinimalWave #Synthesizers #DrumMachine #AndyA.Schwartz #TinaSanudakura #ChristianDarc
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop El Canallo Sentimental (Too Late Records) 2830円Dr K2
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Andreas Dorau und Holger Hiller “Guten Morgen Hose”
来ました!師弟の共作です!そうです。ギターの先生Holger Hillerとその生徒Andreas Dorauの共作マキシ・シングル”Guten Morgen Hose (グーテン・モルゲン・ホーゼ; 「お早う、ズボン」の意)”です。この作品は訳が分からないのですが、バックの曲は、確かにDorauとHillerのコラボ曲なのです。しかしながら、この作品のコンセプトは、実に難解と言うか可笑しな程バカバカしいものみたいです。「クラウトロック大全」の小柳カヲル氏によると、「現代表現主義大全」なる権威のある書籍を適当に開いたところで、目に付いた記述を元に、2人が即興で演じた不条理音楽劇らしいのです。筋書きとしては、人妻Lucyを巡って、父親Johnny (Dorau)、絨毯、ズボン(Hiller)とが争うと言うことらしいのですが、全く持って意味が分からないです。因みに、脚本は、Catherine Lienertとなっています。それで、歌手をスカウトしに大学に行って、偶々、そこにいた守衛と女性清掃員が抜擢されたとか。と言う訳で、次のような役が振られています。 ◼️歌; Johnny (Andreas Dorau) Hosenchor (ズボン合唱団; Catherine Lienert, Hagar Groeteke, Moritz Reichelt) Lucy (Erika Kochs) Die Hose (ズボン; Holger Hiller) Der Teppich (絨毯; Sol Rubio) ◼️喋り; Johnny (Andreas Dorau) Hosenchor (Jochen Liedisch) Lucy (Claudia Kaloff) Die Hose (Holger Hiller) と言うことを踏まえて、曲/音楽劇を紹介していきましよう。 ★A “Guten Morgen Hose”は、重厚なポリシンセで始まり、可愛らしい電子音や具体音のサンプリングに変わって行き、やがて男性Vo(Dorau)とバックの物音系音へ。そしてズボン合唱団を挟んで、はたまた男性Vo(Dorau)とバックの音へ。いつの間にか、女性Vo(Lucy)も出演して、シタール風のシンセやヴァイオリンの爪弾きをバックに男性Vo(Dorau)へ。そしてズボンVo(Hiller)も現れます。と言う風にコロコロと音とVoは変わっていきます。 ★B “Guten Morgen Hose”も、絨毯Vo(Rubio)が流れる中、バックの音はどんどん変わっていきますが、これはサンプラーによるのでしょう。ここら辺で男女のを挟んで、再びズボン合唱団のコーラスが。そしてまたもやサンプリング音と女性Vo(Lucy)をバックにズボンVo(Hiller)が。相変わらず、バックの音はシンセとサンプリング音で忙しないですが、男性Vo(Dorau)が絨毯を刺しで、自死します。最後にはズボン合唱団の独逸らしい歌が、バックのホーンのリズムに合わせて、ユニゾンで聴こえてきますが、雨音と爆発音とで終わります。 まあ、確かに音楽劇としたら、この2人ならこんな感じかなぁと納得はしますが、これを本当にレコードとして出すかぁ?と言われれば、ちょっと首を捻りますね。まあ、私は独逸語を聞き取れないので、この音楽劇の内容まではよく分かりませんが、音楽として聴くのであれば、かなりHiller色の強い音楽だとは思います。独逸語の分かる方は何を言っているのか?教えて下さい。でも音楽としても面白いので、特にHolger Hillerファンの方には受け入れられるのではないでしょうか!実は、蘭では、この音楽劇を映像化しているので、動画と一緒に聴いてみれば、何と無く言いたいことが分かるかも? https://youtu.be/auH4A9ZHzVw?si=r7ywa70KZ4eypIPl #AndreasDorau #HolgerHiller #GutenMorgenHose #ATATAK #12inchMaxi-Single #不条理劇 #音楽劇 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop #CatherineLienert #HagarGroeteke #MoritzReichelt #ErikaKochs #SolRubio #JochenLiedisch #ClaudiaKaloff #DieHosen #DerTeppich #Hosenchor #Lucy #Johnny
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop ATA TAK 4800円Dr K2
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Malaria! “New York Passage”
Malaria!については、以前にも取り上げましたが、元々、全員女性バンドであったMania D.から発展したバンドで、こちらも全員女性バンドになっています。以前にも紹介していますので、あらましについては、前回のバイオグラフィーをご参照下さい。それで、Malaria!は、1981年、西ベルリンで、Gudrun Gut (Drs, B)とBettina Köster (Vo, Sax)によって結成されており、同年、セルフタイトルの12インチ・マキシ・シングルを出しています。その中に収録されている曲B1 “I Will Be Your Only One”が、今回は5人のメンバーで、かつニューヨーク録音によって、A面”Your Turn To Run”に生まれ変わったんです。他の3人と言うのは、Susanne Kuhnke (Synth, Kbd), Manon Duursma (G), Christine Hahn (B, Drs)です。テンポも上がって、バックの音も厚くなり、Voも多重録音することで、かなり垢抜けた印象になりました。B面もポストパンク的なアレンジが為されており、随分と雰囲気が変わっています。実際、このシングルが最も売れたアイテム(USでもヨーロッパでもインディーズ・チャートでトップ10に入っています)で、これがキッカケで、The Birthday Party, John Cale, Nina Hagenとツアーも出来るようになりました。また、本シングルの”Your Turn To Run”及び他2曲(“You You”と”Gold/ Money”)は、米国人監督Anne Carlisleによる、独逸のドキュメンタリー映像”Super 80”にもMVが使われています。あと、彼女等は、英詞で歌っていることも多く、割と早いうちから、英語圏への進出を考えていたのかなとも思います。でも、私が好きな曲は独逸語歌詞の曲なんですよね。と言う訳で、Malaria!で最も有名なシングルを紹介していきます。A面はEnglish Sideとして、先述の曲1曲で、B面はDeutsch Seiteとして2曲、収録されています。それでは、それぞれの曲をご紹介していきます。 ◼️English Side ★A “Your Turn To Run (I Will Be Your Only One)” (4:11)は、太いSynth-BとドコドコしたDrsのリズム隊に、ポストパンクっぽいGと朗々としたVoや囁くようなVo (ひょっとしたら別人?)が自在に絡む、正にMalaria!らしい名曲ですね。間奏のSaxもグーだし、終わり方も秀逸です。元曲”I will Be Your Only One”よりもずっと垢抜けています。 ◼️Deutsche Seite ★B1 “Zarah” (3:20)は、虫の音みたいなシンセで始まり、やはり都市民族的リズム隊が入ってきて、それに合わせておどろおどろしいようなVoが入ってくる曲で、GよりシンセやVoに重心を置いているところがMalaria!っぽいです。 ★B2 “Duschen” (4:14)では、ややフリーっぽいDrsとBをバックに、Voが入ってきたと思ったら、いきなりアップテンポで走り始めていき、サビで一旦落ち着くのですが、また走り回ります。間奏のSaxやChoirも良いアクセントになっています。 個人的には、Deutsche Seiteの方が好みなのですが、まぁ、それは人それぞれと言うことで。それにしても、A面は相当、垢抜けていると思われます。それと、裏ジャケの彼女等の写真がカッコ良いこと! 皆さんもこれを聴いて、独逸産都市部族的音楽を堪能してみて下さい! https://youtu.be/hQCDbguGeT0?si=r_wEwmfGV39pEjGo [オマケ: A面元曲”I Will Be Your Only One”] https://youtu.be/rC1aOSfjmqA?si=gUuyG_N2RD8jb8dk #Malaria! #NewYorkPassage #JungleRecords #DasBüro #12inchMaxi-Single #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #AllFemaleBand #EnglishSide #YourTurnToRun #IWillBeYourOnlyOne #Re-Recording #DeutscheSeite #Zarah #Duschen #GudrunGut #BettinaKöster #SusanneKuhnke #ManonDuursma #ChristineHahn
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop Jungle Records / Das Büro 3300円Dr K2
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V.A. “Die Große Unterganhsshow: Festival Genialer Dilletanten”
このボックスセットは、1981年9月4日に西独のTempodrom (テンポドローム)と呼ばれたベルリンの壁近くのテントで行われた歴史的イベントFestival Genialer Dillentatenの記録的アイテムであり、ここから、NDWの多くの、そして重要なバンドが輩出されていったと言う意味で、大変貴重なものです。先ず、その内容に驚かされます。LPアルバム2枚組と1枚のCD、それにDVD1枚で、加えてLPサイズの豪華ブックレットも付いています。その前に、1981年、ベルリンで行われたFestival Genialer Dilletanten(フェスティファル・ゲニアラー・ディレタンテン「天才的アマチュア展」)とは何であったかを紹介したいと思います。元々のこのイベントのタイトルDilettanten (ディレタンテン)のタイプミスをそのままフライヤー等に使っていた事から分かるように、意味性を剥奪するところから、このイベントのコンセプトは始まっています。そして、このイベントでは、新しい音楽、アート、映像、その他表現を一つの場に集まって、皆んなが共有し、刺激し合い、発展されていくDIYでの試みであると言える訳で、それが可能だったのが、1981年の西ベルリンであったのだと思います。このイベントを企画したのは、Die Tödliche DorisのWolfgang Müller(ヴォルフガング・ミューラー)とEinstrützende NeubautenのBlixa Bargeld (ブリクサ・バルゲルト)で、その後、同様の25周年記念イベントが、今度は、オーストリアのViennaで、Wolfgang MüllerとFrieder Butzmann (フリーダー・ブッツマン)によって行われています。それで、話しを少し戻しますと、このフェスでは、パンクやポスト・パンクから派生してきたノイズやエクスペリメンタル・バンドやアーティストを初めて観ることも出来ましたし、それまでの不毛な音楽シーンからの脱却も出来ました。また、当時のリアリズムの支配から違う何かをしたいヴィジュアル・アーティストも多く、それには、東西に分断されていたそれぞれのベルリンのリアリズムからの脱却も含みます。その為に、コンセプチュアル・アートやパフォーマンス・アート等の地下芸術を広めたかったのです。当然、出演者は、色々な形態で参加・披露し、変容可能で、国境を越えたオープンな形で音楽とアートが行われています。因みに、翌年、Wolfgang Müllerは、出版社であるMerve(メルヴェ)社から”Genialer Dilletanten”と言う本を出版し、これが初めて、仏のポスト・モダニズムを独逸に紹介した書籍とされています。そこでもミススペルのまま、タイトルが使われていますが、彼によると、それは「プロ」とは対照的に、「天才的アマチュア」が自らの「間違い」を傍観するだけでなく、それを、実際に存在する現実と受け入れていることの証拠であるらしいです。このフェスで、Die Tödliche DorisやEinstrützende Neubautenなどのバンドがより多くの観客に知られるようになりました。 しかし、あまり知られていないのは、後の独テクノの重鎮たちの何人かがここで初めてステージに登場し、先述のMüllerの本にも寄稿していることです。1980年代、このフェスの後継として、既存のポップ・ミュージック・シーンに対抗したベルリンの音楽家達は、自らを”Geniale Dilletanten”と呼んでいたそうです。それから、このフェスでは、 ベルリン映画祭で長年”Panorama”の監督を務めたWieland Speck(ヴィーラント・スペック)が、場違いな程の正装で、いちいち司会・進行を務めているのも面白いですね。それで、出演者を列挙しておきます。Alex Kögler (アレックス・ケグラー)のバンドWir Und Das Menschliche E.V.(ヴィア・ウント・ダス・メンシュリッヒェ・E. V.), Frieder Butzmann, Sprung Aus Den Wolken (スプルンク・アウス・デン・ヴォルケン), Mark Eins (マーク・アインズ)のバンドDin A Testbild, Dagmar Dimitroff (ダグマー・ディミトロフ)とWolfgang Müller及びNikolaus Utermöhlen (ニコラウス・ウーテンメーレン)から成るDie Tödliche Doris, Blixa BargeldとF.M. Einheit, Mark Chung及びN.U. Unruhから成るEinstrützende Neubauten, Kriegsschauplatz Tempodrom (クリークスシャウプラッツ・テンポドローム; そのメンバーにはWestBamがいました), Christine Fとその恋人Alexander von BorsigのデュオのSentimentale Jugend(ゼンチメンターレ・ユーゲント)や他にもGudrun Gut (グドルン・グート), Max Müller (マックス・ミューラー), Padeluun (パデルーン), Mark Reeder (マーク・レーダー), それにDr. Motteは、本名Matthias Roeingh[マチアス・レインフ]で、DPA (Deutsch-Polnische Aggression[ドイッチュ・ポルニッシェ・アグレション])と言うバンドで出演しています。そうして、千秋楽は、Klaus Mabel Aschenneller (クラウス・マーベル・アッシェンネラー)とBlixa BargeldがオーガナイズしたBILD + TON im TEMPODROMが務めています。それでは、本作品に収録されたバンドと各曲を紹介していきましょう(主にレコードについて紹介していますが、CDやDVDとは同じ内容ですので、後者2つについてのご紹介は省略させて頂きます。また司会のWieland Speckについてのコメントも省略させて頂き、単に(司会)と表記します)。 ◼️LP1 ★A1 司会 (2:19) ★A2 Kriegsschauplatz Tempodrom “Ich War Tot” (5:01)は、始め、スローなBのリフとリズムマシンのキックが流れていましたが、突然アップテンポして、Gや投げやりなVoも加わってきて、パンキッシュな演奏になります。メンバーは、Frank Xerox (G), Andreas Bleckmann (B), Markus Linde (Vo, RhythmBox), Markus Ernst (Sax) ★A3 Kriegsschauplatz Tempodrom “Wer O Sag Muss Auch B Sagen” (2:39)は、リズムマシンのチープな音に、直線的なBとG、それにフリーなSaxとVoで始まります。 ★A4 司会 (0:23) ★A5 Nekropolis (Die Unbekannten) “Kiss Me I Am Cold” (2:00)は、単調なリズムマシンとBのビートにSax?らしき音が乗るインスト曲です。メンバーは、Mark Reeder (G, B, RhythmBox), Alistair Grey (B, Vo) ★A6 Nekropolis (Die Unbekannten) “Poseidon” (5:12)も、リズムマシンとBの単調なビートに、掻きむしるようなフランジャーGと語るようなVoから成る曲です。 ★A7 Nekropolis (Die Unbekannten) “Casualties” (2:37)は、ディスコティックなリズムマシンと直線的なBと一定のリフを弾くGと怠く語るようなVoから成る曲です。 ★A8 Nekropolis (Die Unbekannten) “Alone” (4:47)は、全体的にダルな雰囲気で、のっそり歩く怪獣のようなリズムマシンのビートにBとGが乗っており、Voもダレている感があります。 ★B1 司会 (0:29) ★B2 Leben Und Arbeiten “Hundebesitzer” (3:07)は、ノリの良いBラインから始まり、DrsやGもテンポ良くノッてきます。Voと犬の鳴き声ようのコーラスもパンキッシュで良いです。メンバーは、Fromm (G), Rumme Beck (B), Matraze (Drs), Frisch (G, Vo) ★B3 Leben Und Arbeiten “Gefühl Nix Gut” (2:29)も、焦燥感溢れるポストパンク的演奏で、好感が持て、また程良く荒くて、カッコ良いです。Bラインはミニマルです。 ★B4 司会 (1:26) ★B5 Die Tödliche Doris “Die Schuldstruktur” (4:41)では、MüllerがVlnを弾きながら、引き攣るように叫んでおり、それに合わせるかのようにDrsやBが自由に演奏されています。メンバーは、Wolfgang Müller (Vo, Vln), Dagmar Dimitroff (Drs), Nikolaus Utermöhlen (B) ★B6 Die Tödliche Doris “Kavaliere” (1:04)は、ひたすら弾きまくるBを中心にMüllerの叫び声とDrsの断片が聴こえてきたら、終わってしまいます。 ★B7 Die Tödliche Doris “Der Tod Ist Ein Skandal” (3:19)は、最初、男性2人のコーラスから始まり、その後、DrsとBがビート?と取り始め、Müllerはひたすら叫んでいます。スライド奏法のGらしき音も聞こえますね。 ★B8 Die Tödliche Doris “Stümmel Mir Die Sprache” (1:26)は、グダグダのDrsとBに、Müllerの瀕死のVoとBと絡むVlnも聴取できます。 ★B9 司会 (1:13) ★B10 Gut Und Bargeld “Marokkoblut” (1:56)は、マーチングDrsで始まり、フィードバック奏法を駆使したGとBlixaの咆哮から成る小曲です。メンバーは、Gudrun Gut (Drs), Blixa Bargeld (G, Vo) ★B11 Gut Und Bargeld “Blutarmut” (0:53)は、初期のBlixaにみられた叫び声から成る小曲で、知らない間に終わっています。 ★B12 Gut Und Bargeld “Blutjung” (2:32)は、Blixaの叫び声から、割とノリの良いDrsとGも入り、シャーマンのようにBlixaは歌詞を反復して叫んでいます。 ◼️LP2 ★C1 司会 (0:25) ★C2 Drei Mädels Und Das Meer “Nimm Mich Mit Kapitän” (1:46)では、3拍子のアコーディオンに乗せて、可愛らしいコーラスが聴くことができます。大受けですね。メンバーは、Beatrice (Vo), Ulla (Vo), Gudrun Gut (Accordion) ★C3 司会 (0:39) ★C4 Sprung Aus Den Wolken “Leidenschaftlich” (2:38)は、ディレイの効いたVoiceと金属音に何か低音ノイズから成る曲で、時にシンバルなんかも聴こえてきます。メンバーはKiddy Citny (Tape Recorder, Echo, G)で、彼のソロユニットです。 ★C5 Sprung Aus Den Wolken “Lust Last Liebe” (2:45)では、オルガンらしき音にディレイ処理された怒号のようなVoと微かにバックにDrsのビートも聴こえます。 ★C6 Sprung Aus Den Wolken “Bis Zur Erschöpfung Gegen Den Strom / Stampfen Tanzen Laufen” (4:26)でも、Gを弾いているような音とリズムマシンらしき音をバックに、Citnyがひたすら叫んでいます。ハウリングも回っており、1人で阿鼻叫喚な場を作り上げています。打撃音やSaxの音なんかも聴取できます。 ★C7 司会 (0:46) ★C8 Sentimentale Jugend “Intro” (1:12)は、ハウリング音から始まり、シンセ音が一部入ったかな?と思っていたら、次の曲が始まっています。メンバーは、Alexander von Borsig (Tapes, Synth, Vo), Christine X (Echo, G, Vo)。 ★C9 Sentimentale Jugend “Ghetto” (2:14)では、シンセのパルス音をリズムに、ハウリング音とエフェクト処理されたVo等がアマルガムのように鳴っています。 ★C10 Sentimentale Jugend “Der 10.5.” (3:12)は、リズムマシン音をバックにぐちゃぐちゃに変調させられたVoやGの音が渦巻いています。最後のリズムマシン音はカッコ良かった! ★C11 Sentimentale Jugend “Hiroshima” (2:22)は、3拍子のワルツのリズムマシンとオルガンに合わせて、Borsigが歌い、ChristineのGがエフェクトをかけまくって変調しまくっています。 ★C12 Sentimentale Jugend “Weglaufen” (1:35)は、エグゾースト・ノイズです。時々、メタルジャンクの音も聴こえてきますが、多分、テープ操作ですね。 ★D1 司会 (0:22) ★D2 Einstürzende Neubauten “Kollaps” (9:37)は、Unruhの重いリズムで始まり、やがて、ChungのBとBlixaのGと叫ぶようなVoと重なっていき、Einheitのメタパーやカシオも被ってきて、危険極まり無い雰囲気になっていきます。ディレイをかけ過ぎているせいか、もう音はグチャグチャになっていますが、逆にそれがカッコ良いですね。メンバーは、Blixa Bargeld (G, Vo), Endrew Unruh (Metal), F.M. Einheit (Metal, Casio), Mark Chung (B) ★D3 司会 (1:07) ★D4 Din A Testbild “Satisfactory” (6:54)は、リズムマシンのノリに合わせて、シーケンスと呟くようなVoとちょっとしSE風のシンセも乗ってきますが、割としっくりした感じの曲です。メンバーは、Mark Eins (Synth)で、彼のソロユニットです。 ★D5 Sentimentale Jugend “Pour Mon Bibi” (3:41)は、音質の良いシンセウェーブなインスト曲で 今までのメチャクチャさを落ち着かせようと彼等が考えてくれたフィナーレですね。メンバー I’mは、Alexander von Borsig & Christine X ◼️CD 1 Wieland Speck 司会(2:13) 2 Kriegsschauplatz Tempodrom “Wer O Sagt Muss Auch B Sagen” (2:15) 3 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:18) 4 Nekropolis (Die Unbekannten) “Casualties” (2:19) 5 Wieland Speck 司会 (0:31) 6 Wir Und Das Menschliche E.V. “Baum Der Versuchung / Schatten Der Freude” (6:33) 7 Wieland Speck 司会 (0:29) 8 Leben Und Arbeiten “Hundebesitzer” (3:07) 9 Leben Und Arbeiten “Gefühl Nix Gut” (2:29) 10 Wieland Speck 司会 (1:45) 11 Die Tödliche Doris “Schuldstruktur” (3:32) 12 Die Tödliche Doris “Kavaliere” (0:51) 13 Die Tödliche Doris “Der Tod Ist Ein Skandal” (3:08) 14 Wieland Speck 司会 (1:05) 15 Gut Und Bargeld “Marokkoblut” (1:45) 16 Gut Und Bargeld “Blutarmut” (0:52 17 Gut Und Bargeld “Blutjung” (2:25) 18 Wieland Speck 司会 (0:25) 19 Vroammm! “Punks & Bullen United” (2:25) 20 Wieland Speck 司会 (0:14) 21 Drei Mädels Und Das Meer “Nimm Mich Mit Kapitän” (3:35) 22 Wieland Speck 司会 (0:22) 23 Sprung Aus Den Wolken “Leidenschaftlic” (1:32) 24 Sprung Aus Den Wolken “Lust Last Liebe” (1:06) 25 Wieland Speck 司会 (0:17) 26 Sentimentale Jugend “Ghetto” (1:47) 27 Sentimentale Jugend “Der 10.5.” (2:35) 28 Sentimentale Jugend “Hiroshima” (1:18) 29 Wieland Speck 司会 (0:15) 30 Einstürzende Neubauten “Kollaps” (6:38) 31 Wieland Speck 司会 (0:27) 32 Din A Testbild “Satisfactory” (6:54) 33 Sentimentale Jugend “Pour Mon Bibi” (3:41) ◼️DVD 1 Wieland Speck “Moderation (司会)” (2:13) 2 Kriegsschauplatz Tempodrom “Wer O Sagt Muss Auch B Sagen” (2:15) 3 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:18) 4 Nekropolis (Die Unbekannten) “Casualties” (2:19) 5 Wieland Speck “Moderation (司会)“ (0:31) 6 Wir Und Das Menschliche E.V. “Baum Der Versuchung / Schatten Der Freude” (6:33) 7 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:29) 8 Leben Und Arbeiten “Hundebesitzer” (3:07) 9 Leben Und Arbeiten “Gefühl Nix Gut” (2:29) 10 Wieland Speck “Moderation (司会)” (1:45) 11 Die Tödliche Doris “Schuldstruktur” (3:32) 12 Die Tödliche Doris “Kavaliere” (0:51) 13 Die Tödliche Doris “Der Tod Ist Ein Skandal” (3:08) 14 Wieland Speck “Moderation (司会)” (1:05) 15 Gut Und Bargeld “Marokkoblut” (1:45) 16 Gut Und Bargeld “Blutarmut” (0:52) 17 Gut Und Bargeld “Blutjung” (2:25) 18 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:25) 19 Vroammm! “Punks & Bullen United” (2:25) 20 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:14) 21 Drei Mädels Und Das Meer “Nimm Mich Mit Kapitän” (3:35) 22 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:22) 23 Sprung Aus Den Wolken “Leidenschaftlich” (1:32) 24 Sprung Aus Den Wolken “Lust Last Liebe” (1:06) 25 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:17) 26 Sentimentale Jugend “Ghetto” (1:47) 27 Sentimentale Jugend “Der 10.5.” (2:35) 28 Sentimentale Jugend “Hiroshima” (1:18) 29 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:15) 30 Einstürzende Neubauten “Kollaps” (6:38) 31 Sentimentale Jugend “Pour Mon Bibi” (3:41) と言う訳で、音も映像と当時の様子を楽しめますが、何と言っても、出演者や観客を含めて、とにかく、何かを作り出そう!それを目撃しよう!と言う熱意が凄いですね。知っているバンドの知っている曲ですら、特別バージョンのように全く違うように聴こえたりするので、充分に楽しめました。ライブ録音なので音がペラペラでは?と心配していましたが、そんなことを吹き飛ばす程の熱量でした!ここから、ベルリンのNDWは始まったようなものなので、やはり押さえておいた方が良い記録作品だと思います。日本でも、こう言う質の高い記録作品があれば良かったかな?とちょっと羨ましいです。 *全音源はYouTubeに上がっていなかったので、拾えるだけ拾って、貼ってあります。 [trailer] https://youtu.be/-MSN2P5VIs4?si=C_yriqv_TgKMkpKA DVD 4 Nekropolis (Die Unbekannten) “Casualties” https://youtu.be/rcXAJQQma1c?si=wpp5xM8d0DpwE8Jt DVD 7-9 Leben Und Arbeiten https://youtu.be/JdEEdzOGnO0?si=M8apM-qtYLWJs3Ur DVD 10-13 Die Tödliche Doris https://youtu.be/9mktoRLcv84?si=f0c_xBWXhAFJQCPS CD15-17 Gut Und Bargeld https://youtu.be/bNLe11Tto8A?si=Ehsits-gPojLBqq5 DVD 23-24 Sprung Aus Den Wolken https://youtu.be/YBuUyQgVV-w?si=zwoUSRIusLoBtEEE DVD 25-28 Sentimentale Jugend https://youtu.be/2Exp63Lo4QQ?si=p8GsWMa5mszw0jK9 DVD 30 Einstürzende Neubauten “Kollaps” https://youtu.be/Hkrv0Q11tWM?si=LvByEHqjCDo_skvz #VariousArtists #DieGroßeUnterganhsshow #FestivalGenialerDilletenten #Berlin #Tempodrom #1981年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Event #Avant-Garde #Experimental #PopMusic #Multimedia #ConceptualArt #PerformingArt #VisualArtists #KriegsschauplatzTempodrom #Nekropolis #DieUnbekannten #WirUndDasMenschlicheE.V. #LebenUndArbeiten #DieTödlicheDoris #GutUndBargeld #Vroammm! #DreiMädelsUndDasMeer #SprungAusDenWolken #SentimentaleJugend #EinstürzendeNeubauten #DinATestbild
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Vinyl on Demand 12800円Dr K2
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Palais Schaumburg “Parlez-Vous Schaumburg ?”
とうとう、Parais Schaumburg (パレ・シャンブルク)のサード・アルバム“Parlez-Vous Schaumburg ?”を入手しましたが、何でこれを欲しかったと言うと、石野卓球氏が紹介していたことと、それだけ音が変わったのなら、じゃあ聴いてみようとなったことだと思ったからです。また、セカンド・アルバムではVoだったWalter Thielschが脱退してしまい、この時のメンツは、Thomas Fehlmann (Synth, Trumpet; 後にAmbient ProjectであるThe Orbを結成), Moritz von Oswald (Drs &Perc; 1990年初頭には、Minimal / Dub Technoを始め、レーベルBasic Channel & Chain Reactionを運営), Ralf Hertwig (Drsで入ってVoへ; その後、2MBや3MB名義でDub Technoを始める)の3人で、ゲストシンガーにInga Humpe (元Neonbabiesで、後にDeutsch-Österreichisches Feingefühl[以下DÖFと表記]を結成)も加わっています。つまり、Palais Schaumburgはアルバムを出す度に、Voが代わっています。そして、バックに演奏をしていたメンバーはダブ・テクノの活動をすることになっています。そんな出入りの激しいグループですが、1984年には、Palais Schaumburgは解散しています。恐らく、このメンバーでは、1年程しか活動していないようです。ただ音的には、Holger Hillerのいたファースト・アルバムの時とは大きく異なり、それこそDepesche Modeのようなエレ・ポップな内容になったようです。本作品はサード・アルバムにして、最後のアルバムになり、内容的には、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲について、ご紹介していきましよう。 ★A1 “Easy Go” (4:15)は、シングルカットされた曲で、キャッチーなエレ・ポップですね。しかも、耽美的でダンサブルです。ホーンやコーラスワークもバッチリです。 ★A2 “Spy Versus Spy” (3:36)は、ガムラン様のパーカッションとDrsに合わせて、シンセや跳ねるようなBが乗り、耳元で囁くようなVoとホーン類が何とも雰囲気を醸し出しています。 ★A3 “The Tart” (3:33)は、ちょっと不思議なスケールのリズム隊(Synth-B)に、甘いシンセとVoが乗る曲で、サビでは盛り上がりますね。リズムはドラムマシンですね。 ★A4 “3 Young Men”(4:05)は、何ともゴージャスなシンセのイントロで、少しだけ日本のゲルニカっぽい展開で、クラシック歌謡のような複雑な曲の進行となっています。リズムはそれ程強調されておらず、アンサンブルに重きを置いています。終わり方が良いですねー。 ★B1 “Quiet Village” (4:10)は、ちょっとびっくりするイントロですが、その後は、ダンサブルなエレ・ポップと言うかファンカラティーナになります。Voやコースワークもぴったしですが、歌詞は英語なのかな? ★B2 “Name The Cats” (4:30)では、B1と連続して始まり、怪しげなベースラインが中心にドラムマシンやシンセとなりますが、Voや女性コーラスも中々聴かせてくれます。Gも入っていて、ちょっと凝った曲ですね。 ★B3 “Beat Of 2” (5:00)も、シングルカットされた曲で、キラキラした陽性のエレ・ポップで、サンプラー音(ホーン類の音等)も使っているようで、当時としてはハイ・テックな機材での曲ですね。 ★B4 “What's The Time” (5:00)は、ゆったりとしたスローな曲で、「ジャングル大帝」とゲルニカの混合物を想起することような威風堂々たる雰囲気ですね。なので、そんなにビート感はありません。 まあ、Voが変わるだけで、こんなにも音楽が変わるんだとビックリしてしまいました。初代VoがHolger Hillerで骨折ファンクを、2代VoがWalter Thielschでラテン系エレ・ファンクを、そして3代VoがRalf Hertwigで、Depeche Modeのようなゴージャスなエレ・ポップを演奏しており、最早、Neue Deutsche Welleではなくなっていますね。歌詞も英語だし。まあ、これがキッカケとなったかどうかは分からないですが、各人がそれぞれ、ダブ・テクノの道へやThe Orbへと進んでいくのが、何とも独逸人らしいと言うか何と言うか。しかしながら、本作品での曲作りは一流ですので、プレ・テクノのエレ・ポップに興味のある方にはお勧めしますよ! https://youtu.be/Q_LsWfGqgO0?si=mRIHKWEMQ02O9LJp #PalaisSchaumburg #Parlez-VousSchaumburg? #Phonogram #ThirdAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ElectroPop #SynthWave #Synthesizers #ThomasFehlmann #MoritzVonOswald #RalfHertwig #Guest #IngaHumpe
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Pop Song Palais Schaumburg / Phonogram 3950円Dr K2
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Die Tödliche Doris “Ohne Titel”
独の最大の「不思議」である致死量ドリスことDie Tödliche Dorisを紹介します。前回も書きましたが、正直言って、私は割とこう言う感じの音楽は避けてきました。あのWaveが出した2枚組は持っていますが、当時は、何故かピーンとはきませんでした。Die Tödliche Dorisのバイオグラフィーについては、前回もちょっと書きましたが、少しだけ復習を。グループは、1980年の西ベルリンの壁に設置されたTempodromで開催されていた、新しい表現を組合せたり、試みたりするイベントGeniale Dilletanten 運動 (ゲニアーレ・ディレタンテン[天才的好事家]; 本来の綴りはGeniale Dilettantenですが、意図的にスペルミスを入れて、そのままイベント名にしています)に参加していたWolfgang Müller(ヴォルフガング・ミューラー)とNikolaus Utermöhle (ニコラウス・ウーターメーレ)が中心となって、後に、Käthe Kruse (ケーテ・クルーゼ)、Dagmar Dimitroff (ダグマー・ディミトロフ)やTabea Blumenschein (タベヤ・ブルーメンシァイン)も加わり、Die Tödliche Dorisが結成されています。この時期には、コアメンバーの男性2人にDagmar Dimitroffの3人で活動していたようです。そのイベントには、他に、Einstrützende Neubauten, Frieder Butzmann (フリーダー・プッツマン)や Sprung Aus Den Worken (スプルンク・アウス・デン・ヴォルケン)なんかも参加しています。また、このイベントについてはドキュメント作品がありますので、そこで詳細を紹介することにします。 今回、取り上げたのは、Die Tödliche Dorisの1981年作の12㌅EP”Ohne Titel (オーネ・ティテール)”で、Die Tödliche Dorisにとっては初のヴァイナルです。これは、どう見ても”7 Tödliche Unfälle Im Haushalt(実際、A-1に収められている)”がタイトルになりそうなんですが、グループ側は、この作品のタイトルは”Ohne Titel (無題)”であると主張していますので、それに従うことにします。また、ジャケが素っ気ない感じなんですが、そこがまた彼等らしくもあり、好感が持てますね。内容的には、A面4曲/B面2曲が収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “7 Tödliche Unfälle Im Haushalt” (3:45)は、不安な響きのDrsとクラリネットに、男性Voが語り口調で乗る曲で、バックには怪し気なドローン音も聴取できます。多分、「家庭内における7つの死亡事故」について語っているものと思われます。 ★A2 “Tanz Im” (3:38)では、リズムマシンのビートに、男性の叫び声と何らかの空気音も聴こえ、途中からアコーディオンや囁き声も入ってきたりします。こう言う曲には「パンク」を感じますね。 ★A3 “Avon-Gard” (1:10)は、リズムマシンとDrsと木琴とアコーディオンに、男女語りVoが絡み合う、何とも忙しない小曲ですが、Voはダルダルになります。 ★A4 “Stop Der Information” (1:53)は、バシバシしたDrsにフリーキーなGと切羽詰まった男性Voから成る曲で、途中、短波ラジオノイズも聴取され、その成分は増えていきます。 ★B1 “Der Krieg Der Basen” (4:58)では、歪んだGカッティングと何かのノイズに、切羽詰まったように男性煽るVoが乗るのですが、時に別の女性?Voも挿入されてきて、それが更に不安を煽ります。そして最後には物音系な音も。 ★B2 “Der Astronaut Und Der Kosmos” (4:13)では、6/8拍子のリズムマシンと生Drsの単調なリズムに、リズムを刻むオルガン?と深いリバーブを掛けた語り口Voとコーラスが挿入されます。途中で音が変わって、クラリネットのフリーな演奏が不穏に鳴り渡り、再び男女のコーラスも復活します。 やはり、Die Tödliche Dorisは、LP位の長さでガッツリ聴いた方が良いですね。それにしても、彼等のぶっ飛び方は凄いです。それは、まるで「アート・パンク」のようです。何者にも縛られない発想と実践を、この最初の時点で既にやっていることに驚かされますね。12インチ45回転なので、音質も良好で、そこら辺も拘ったのか知りたいところです。それにしても、Die Tödliche Dorisの初期の魅力の詰まった、このミニ・アルバムは基本の基なので、是非とも聴いて欲しいです!「表現とは何か?」の発想の芽が感じられると思いますよ。 https://youtu.be/Prl3MzmqPS8?si=7GNPmuE6DyStYxiv #DieTödlicheDoris #OhneTitel #ZickZackPlatten #12inchEP #LimitedEditions #2000部 #FirstVinyl #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Avant-Grade #Experimental #FreeMusic #7TödlicheUnfälleImHaushalt #WolfgangMüller #NikolausUtermöhlen #KätheKruse #ChrisDreier #DagmarDimitroff #TabeaBlumenschein
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Avantgarde Zick Zack 8949円Dr K2
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S.Y.P.H. “Der Bauer Im Parkdeck”
ちょっと変則ですが、S.Y.P.H.の2枚組7㌅EP “Der Bauer Im Parkdeck (デア・バウアー・イム・パルクデック)”を紹介しましよう。この頃は、リズム隊の2人がメンバー・チェンジしており、オリジナル・メンバーはHarry Ragだけですが、7㌅EPに13曲入りとパンパンに詰め込まれています(しかも45回転!)。また、タイトル曲には、同名の映像作品があります。ただし、この2枚組の曲は、これの後にリリースされたアルバム”Harbeitslose”がCD再発された時に、ボーナストラックとして含まれたそうです。それで、この時のメンバーは、Harry Rag (Vo, G), Thomas Oberhoff (B), Gilbert Hetzel (Drs)の3人で、かつオリジナル・メンバーのUwe Jahnke (G)もゲスト参加していますがJahnkeは、Fehlfarben (フェルファーベン)での活動が忙しくなったので、ゲストとして参加しています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ◼️EP1 ★A1 “Der Bauer Im Parkdeck”は、タラタラと反復する演奏に、駄々漏れのような語り調のVoが被さる曲で、Gもヘロヘロです。 ★A2 “Falsche Freunde”は、わりと陽性の明るい曲で、S.Y.P.H.にしては珍しい曲調です。間奏のスライドGもカッコ良い! ★B1 “Alte Freundin”では、アコギの弾き語り(ハイハットとBもあり)にヘロヘロのコーラスが乗ります。如何にもS.Y.P.H.らしいです。 ★B2 “Knudelblues”では、バックに微かなGや物音が鳴る中、オフマイクでVoの語りが呟かれます。数10秒の曲です。 ★B3 “Traumraum”は、B2に連続して、掻き鳴らすGと重めのBとDrsのキックが入ってくる曲ですが、Voは語り調と叫び声と2人が担当しているようです。 ◼️EP2 ★C1 “Bekenntnisse Eines Knüppelträgers”は、掛け声一発で、アップテンポなツービートにコーラス(?)とGと言うハードコアも真っ青な曲です。 ★C2 “Masolinchen”は、フリーで歪んだG/Bとスネアをバックに、ひり出すような語り口Voが歌う小曲です。 ★C3 “Herrlich Anonym”も、アップテンポなツービートの曲で、早口なVoに捲し立てられていると、後半にはフリーキーなGも入ってきます。 ★C4 “Clean City”は、米アニメのような訳わからん声だけからなる数10秒のアカペラ曲です。 ★C5 “Hugo Hugh”は、掻き鳴らすGと早口独逸語Voを中心としたアップテンポの曲で、焦燥感も持って疾走する間に終わってしまいます。 ★D1 “Mit Das Leben Klar”は、ギクシャクしたDrsに微かなGと呟くような呪文的Vo流れ出す曲です。 ★D2 “Wo Ist Der Ausgang”では、各々が勝手に叫んだり、呟いたりしていますが、Gのアルペジオ(?)か中心になっているインスト(?)曲です。 ★D3 “Maschine Von Beruf”は、トイ楽器とGとつまずくようなDrsに、また各々勝手なVoを入ってくる曲です。この適当さがまた彼等には良く合います。最後はロックド・グルーヴになっています。 いやー、この短い尺の間に、S.Y.P.H.の魅力がたっぷり詰まっていますねぇ。どうも、ファンの間では、この2枚組シングルは、評価も高いようで、その気持ちも良く分かります。とにかく、ヘロヘロで、出鱈目で、それでいて独逸人らしいユーモアも待ち合わせいる実験的とも言い難い独特の試みが全編為されており、聴き応え充分です。また、この内容を敢えてシングル2枚組でリリースと言うのも、彼等らしいですね。それと、オリジナルメンバーがHarry Ragだけなのに、このS.Y.P.H.らしさを維持出来ているのも凄いです。脱力と先進性が共存していますので、このシングルは見つけたら、即買いですよ! [この時期のS.Y.P.H.の音源は余りYouTubeに上がっていませんので、見つけた分だけ貼っておきます] A1 “Der Bauer Im Parkdeck” https://youtu.be/F7AxW-ktWvM?si=JnJiScHsVX6P5pPr A2 “Falsche Freunde” (live 1985) https://youtu.be/GDv5GiFwmco?si=WBDV-Qx44Xv7mx74 B3 “Traumraum” https://youtu.be/thbArMBP4BY?si=L5OJck1nXWyj3jQU #S.Y.P.H. #DerBauerImParkdeck #PureFreude #7inchSingle2枚組 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #PostPunk #脱力 #Progressiveness #Harbeitslose #CD #BonusTracks #GilbertHetzel #HarryRag #ThomasOberhoff #Guest #UweJahnke
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pure Freude ¥3800Dr K2
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The New Blockaders & Nobuo Yamada “Prickle/Crevice”
久々にコラボ作品を!今回は、ArtBreakHotel名義でも活躍しているサウンド/ヴィジュアル・アーティストNobuo Yamada (以下 山田ノブオと表記)と英国金属王The New Blockaders (以下TNBと表記)とが、2004年に出した、山田氏によるコラボCDR作品”Empty Time Of TNB”に収録されていたトラックの内、1曲目を別作品として、今回、片面LPとしてリリースしたとのことです。なので、参加者は、山田ノブオ氏とTNBサイドはPhilip D. RupenusとRichard Rupenusの2人となつています。どうも両者ともメタルジャンク使いなので、当然ながら、結果も「金属ノイズ」となるものと予想出来ると思います。それで、TNBのバイオグラフィーは既に書いてありますので、省略させて頂きますが、山田ノブオ氏については、その活動を少し紹介したいと思います。山田氏は、1962年生まれ(私と同じですね)で、2000年過ぎ頃から、音響作品を作り始めたようです。彼は、身の回りの物音やフィールド録音、或いは自ら作製した金属製のオブジェからの音などを巧みに操り、操作・録音して、音作品を作っているようです。ただ、私には、本名名義とArtBreakHotel、更に最近始めたChin Mountainの使い分けは正直、良く分かりませんでしたが、個人的には、金属製のオブジェがどんな物なのかには興味が沸きました。山田氏の詳細なバイオグラフィーについては調べた限り、よく分かりませんでした(すまん!)。ただ、本作品及び本作品の元になったCDR”Empty Time Of TNB”は、元々、TNBのファースト・アルバム"Changez Les Blockeurs"を元音源として、各アーティスト/グループがそれぞれ変調・加工・分解・再構築してリミックス/リクリエイトした曲を国別にコンパイルしたシリーズ”Viva Negativa! A Tribute To The New Blockaders”に収録された、山田氏の曲だけを抜粋した作品であり、山田氏の言葉を借りれば、「製作した音源をさらに増強+再構築させた、明瞭で無意味なHard Organic Metal Junk Noise」であるとのこと。そんなリミックスやリクリエイトを通過した作品が本作となります。それでは、その弄くり回した曲を紹介しましょう。 ★A “Prickle / Crevice” (15:50)は、先述の通り、EP “Empty Time Of The New Blockaders”の一曲目なのですが、あらゆる方向から放射される、ガチャガチャとしたメタル・ジャンクの悲鳴が可聴空間を満たしていきます。そこには高揚も落胆も無く、フラットな時空で淡々と続けられており、途中、その中にフィードバック音らしき持続音も混じってきます。それと、メタル・ジャンクの音に、Saxらしき音も聴こえるのですが、これもまた金属音であるようです。徹底した「盛り上がりの欠如」こそが、TNBの音楽なので、このコラボでもその方向は変えてはいませんね。その意味で、禁欲的な作品だと思いました。そこら辺を分かって、ミックスなどをやっている山田氏の洞察力も素晴らしいです。片面だけなのが、惜しいところですが、元作品を聴いてみたくなりました。 [“Empty Time Of The New Blockaders” full album] https://youtu.be/S9ZjRhA_3_g?si=MDEpjT2-eYIfnu09 #NobuoYamada #TheNewBlockaders #Prickle/Crevice #PsychFormRecords #OneSideLP #CollaborationAlbum #Japan #UK #CollaborationThroughTheMail #RichardRupenus #PhilipD.Rupenus #Sound/VisualArtist #EmptyTimeOfTNB #VivaNegativa!ATributeToTNB
Noise / Experimental PsychForm Records 1650円Dr K2
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Fear Of God “As Statues Fell”
Fear Of God (以下FOGと表記)を覚えているかい? Napalm Deathと同じ時期(1980年代中盤に活躍していた)に、ブラスト・ビートを引っ提げて、欧州で初めてグラインドコアをやったグループとして、当時のシーンに現れ、その後も、グラインドコアを牽引していきます。1986年に、スイスZulichで、Erich Keller (Vo), Dave Phillips (B, Vo), Reto "Tschösi" Kühne (G), Franz "Osi" Oswald(Drs, Perc)によって結成され、1988年解散した短命なバンドでしたが、欧州のグラインドコアの発展に大きく寄与しています。その後、2002年中盤に一過性に再結成されたことがありますが、Erich Keller (Vo)とFranz Oswald (Drs)だけがオリジナル・メンバーで、他は、Hervé Geuggis (G), Gilles Geuggis (G), Massimo (B)から成っていたとのことです。そんな中でも、最も良く知られた作品は、1991年にAtrocious RecordsからでたEP ”Pneumatic Slaughter”とされています。また、オリジナルメンバーのDave Phillipsは、その後、スイスのアクショニズム集団Schimpfluch-Gruppe (シムフルッフ・グルッペ)に近づき、そこで、よりノイズ的な音楽に傾倒し、現在では、世界各地のフィールド録音を元にして、サウンドスケープを具現化したようなミュージシャンとして活発に活動しています。話しを元に戻しますと、本作品は、FOGのファースト・アルバムで、A面は、1988年10月1日に、スイスのFrinourgでライブ録音された音源であり、B面は、1988年7月1日に、独Hanauでライブ録音された音源を収録しています。オリジナル・メンバーによるLPとしては唯一のアルバムです(同年、オリジナルメンバーによるセルフタイトルの7㌅シングルも出ています)。グラインドコアのアルバムに有りがちで、曲は極端に短く、またアルバムには、目一杯詰め込まれていますので(A面12曲/B面14曲収録で、しかも45回転)、曲単位でのご紹介では無く、アルバム全体のご紹介をしたいと思います。 A1 “As Statues Fell” A2 “Controlled By Fear” A3 “Locked Away” A4 “Thy Beauty” A5 “Trouble Maker” A6 “Absolution” A7 “The Two Sides Of The Coin” A8 “Pneumatic Slaughter” A9 “A Life In Rigorism” A10 “Running Through The Blood” A11 “Which Way?” A12 “World Under My Fingernail” B1 “The Two Sides Of The Coin” B2 “Pharmageddon” B3 “1000 Ways To Die” B4 “Veil Of Oblivion” B5 “Under The Chainsaw” B6 “My Hands” B7 “Raise The Siege” B8 “Rubbish Planet” B9 “I've Seen” B10 “Pneumatic Slaughter” B11 “Ripping Apart” B12 “Running Through The Blood” B13 “Kill Miss Millie” B14 “First Class People A面は、とにかく速いのは分かりました!が、何如せん、各パートのバランスが悪い過ぎますね。VoとDrsだけが前面に飛び出ていて、GとBが引っ込んでいます。Voは勿論デスヴォイスですが、殆ど動物の咆哮のようです。恐らくPAのラインから録音したと思われるので、個々の音はクリアーですが、今ひとつ乗れなかったです。一方、B面は、エアーで録音されているようで、音質は悪く、もうグラインドコアを通り越して、ノイズコアになっています。もう全ての楽器の音やVoが一丸となって放射されており、こちらの録音の方が個人的には好みですねぇ。そして、14曲の演奏が、あっと言う間に終わります。これぞ、グラインドコアの真髄ですね。こう言う音楽のextremityこそ、当時は、新たな「プログレ」だったのかもしれませんね。先日、聴いた日本のSelf Deconstructionは、そこから更にフリースタイルに進化したのが、良く分かりました。特に、この作品では、より速く、よりうるさくが徹底しており、そこら辺が本作品の面白さだと思いました。すぐに終わるので、もう一度聴きたくなりますね❗️ https://youtu.be/2M6kC9ibNhE?si=zoemM9lQ0cAdH3Xs #FearOfGod #AsStatuesFell #OffTheDiskRecords #FirstAlbum #LiveAlbum #1988年 #Switzerland #Germany #EarlyGrind-Core #SwissUnderground #Grind-Core #ErichKeller #DavePhillips #Reto’Tschösi’Kühne #Franz’Osi’Oswald
Grind-Core Off The Disk Records 2920円Dr K2
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Chrome “Into The Eyes Of The Zombie King”
久々に入手しました!Chromeの8枚目のスタジオ・アルバム” Into The Eyes Of The Zombie King”です。これは、Damon Edgeが、Helios Creedと袂を分かって、渡仏し、そこでChrome名義で制作したアルバムですので、レーベルも仏のMosquitoになっており、またHelios Creedの名前もクレジットされていません。Chrome或いはDamon Edgeのバイオグラフィーは以前に書いてありますので、そちらをご参考にして下さい。それで、本作品の参加メンバーは、Damon Edge (Lead-Vo, Synth, Echo-G, T.V., Treatments [Effects]), Remy Devilla (G), Renaud Thorez (B, Fretless-B), Patrick Imbert (Drs, E-Drs), Fabienne Shine (Back-Vo, Vo)から成っております。因みにFabienne ShineはDamon Edgeの奥さんで、正式に1980年に結婚しており、Damon Edgeは、1983年から、渡仏してParisに居を移し、そこでChromeを名乗って、1995年にEdgeが亡くなるまで、欧州を中心に活動しています。本作品は、そんな中でのアルバムのひとつと言うことになります。ただ、EdgeはCreedと喧嘩別れした訳ではなく、米国CAのアパートで亡くなる前から、「俺が死んだら、お前がChromeの名で続けてくれ」と言っていたそうで、その後は、Helios CreedによるChromeの活動は続けられています。因みに、1996年に、雑誌Alternative Pressが公表した「過去20年間でインスピレーションを受けたアングラ・バンド100選」にChromeも入っていたそうです。また、別れた奥さんのShineは、1997年に、アルバム”No Mad Nomad”をリリースし、2004年には、CreedのChromeで一緒に活動し始めています。 それでは、本作品” Into The Eyes Of The Zombie King”の内容(両面4曲ずつ)について、各曲をご紹介していきますね。 ★A1 “And Then The Red Sun (The Story Of A Cyclops)” (4:50)は、Chromeらしいリズム隊のビートと音色に、エフェクトVoと捩れるようなGが乗ってくる曲で、ミニマル気味に続いた後、フェイドアウトします。 ★A2 “You Can't Do Anything” (3:50)は、強力なビートにGの単音弾き(ソロ?)と不明瞭なエフェクトVoが乗ってくる曲で、怪しさ満点/カッコ良さも満点です! ★A3 “Walking And Looking For You” (5:25)は、若干テンポダウンした重めの曲で、シンセのパルス音とGが曲を構成し、そこにエフェクトVoが乗っています。間奏のGソロ(?ノイズ?)がChromeらしいです。 ★A4 “Into The Eyes Of The Zombie King” (4:15)は表題曲ですが、強烈なビートに、ノイズらしき反復音が絡み、更にGがスパイスとして挿入され、Voは不明瞭で殆ど聴こえず、インスト曲っぽい仕上がりです。 ★B1 “Trip The Switch” (5:33)も、強靭なリズム隊を中心に、Gが思いっきり曲を牽引しており、強迫的なエフェクトVoが扇動しており、特にカッコ良い曲です。後半のShineのコーラスもバッチリです! ★B2 “It Wasn't Real” (4:52)は、捩じ切れるような電子音の中から、DrsとBとGが怪しげな雰囲気でフェイドインしてくる曲で、そこに呟くような不穏で聴き取り辛いエフェクトVoが絡んできます。 ★B3 “Humans In The Rain” (4:07)も、強力なリズム隊に不気味なGと粘着質なエフェクトVoが絡む曲で、この手の曲は初期の頃から聴くことができますね。 ★B4 “Don't Move Like That (Don't Dance Like That)” (3:30)は、性急なビートに単純化されたGとエフェクトVoが乗ると言うノリの良い曲で、本作品を締めています。 総じて、Chromeと言うバンドは、Damon EdgeとHelios Creedの化学反応によって、最大限の魅力を発揮するのだなぁと思いました。別に、この作品がつまらない訳ではなく、Damon Edgeの個性だけでは、ちょっと予定調和的になってしまうと感じた次第です。個々の曲自体の雰囲気等は、確かに「Chrome的」ではあるのですが、個人的には、Helios Creedの個性とぶつかることで、より魅力的になるように思われ、最後の〆がちょっと緩いと感じました。ただ、アシッドな感覚は充分に感じられますので、Chromeマニアの方はこの1枚、持っていて損はないですよ!後、その「Chrome的」と言うのは、恐らくリズム隊、特にDrsによるのではないかと今回、確信しました。 [original album: 曲順が異なります] https://youtu.be/BuHf0wzh44s?si=WEtVJdLv_-G2YPG5 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kh4PzAWeOkeGRrzHHZZ_yuqJBk41cRcBM&si=SvWriER8gp_9EyX9 #Chrome #IntoTheEyesOfTheZombieKing #Mosquito #8ThAlbum #StudioAlbum #AcidRock #Psychedelic #EffectedVoice #France #USA #WestCoast #DamonEdge #RemyDevilla #RenaudThorez #PatrickImbert #FabienneShine
Acid Rock / Psychedelic Mosquito 2350円Dr K2
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Buzzcocks “Love Bites”
またまた来ましたよー。皆んな大好き、Buzzcocksの登場です!今回は、彼等のセカンド・アルバム”Love Bites”を紹介します。Buzzcocksのバイオグラフィーについては、前回、書きましたので、そちらをご参照下さい。因みに、バンド名の意味は、「唸るチ◯ポ」ではなくて、「Buzzとはステージ上の興奮を、Cockとは北英国のスラングで友達を表すことから、『ステージ上で熱狂する友人達』」のことですから。なお、Buzzcocksは、前回書きましたが、ちょっとだけ補足をしておきます。3枚目のアルバム”A Different Kind of Tension”を出した後、4枚目のアルバムのデモテープを制作中の1981年に解散してしまいましたが、1988〜1989年に、EMIがBuzzcocksの初期のアルバムのバックカタログをCDフォーマットで再発したことや、BBCのJohn Peel Sessionでの録音盤やボックスセット”Product”をリリースしたことで、Buzzcocksは、オリジナル・メンバーで世界ツアーを行うことになりますが、ドラムのJohn Maherは、The SmithsのMike Joyceにツアー中だけ代わってもらってます。そうして、彼等はリユニオンし、4曲入りEP”Alive Tonight”を新録で出し、本格的に復活します。I.R.S. Recordsが、1991年にセルフ・コンピ・アルバム”Operator's Manual: Buzzcocks Best”を出したことから、米国でも彼等への関心が高まります。その後もBuzzcocksは盛んにツアーやリリースで活動を続けています。その中でも、2002年には、ShelleyとHoward Devotoは、1976年以来初めて、コラボ・アルバム”Buzzkunst”を制作し、リリースしていますが、内容は、エレクトロ・ミュージックとパンクを合わせたものだそうで、個人的には是非聴いてみたい作品ですね。前回と書きましたが、Vo/GのPete Shelleyが、2018年12月6日にエストニアのTallinの自宅で、心臓発作で他界してしまいます。その後をことを少し。Buzzcocksは、Shelleyに捧げると言う意味で、様々なゲストVoを入れて活動を続けましたが、彼等はバンドを続ける為に、Steve Diggle (G)が全てのVoを担当することとし、そう言った新体制でのアルバム”Sonics in the Soul”を2022年9月にリリースし、現在も活動中です。 本作品は、ファースト・アルバム”Another Music In A Different Kitchen”のリリース後、6ヶ月後にリリースされたと言うと、「即席アルバム』と思われるかもしれませんが、曲自体の構想が既にあって、かつファーストの評判も良かったことから、このスピード感で、本作品がリリースされたのだと思います。そう言う忙しない行程でリリースされた本作品ですが、1978年のアルバム・チャートは13位を獲得し、26日間の英国ツアー後、シングルカットされた”Ever Fallen in Love (With Someone You Shouldn't've)"は、1978年10月の英国チャートで12位にまで昇り、また12月にリリースしたシングル”Promises”も英国チャートで20位にまで達しています。また、シングルB面の”Lipstick”は、Magazineのデビュー・シングル”Shot By Both Sides"と同じコーラス・パートを使っていたのは良く知られた事実です。それで、セカンド・アルバムである本作品録音時のメンバーは、Pete Shelley (Vo, G, Kbd), Steve Diggle (G, Vo), John Maher (Drs), Steve Garvey (B)です。では、本作品の内容(A面6曲/B面5曲)について、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Real World” (3:29)は、GのリフとBのリフがソリッドで、Shelleyの独特の声質のVoが良く映え、メロも切ないです(Pere Ubuの曲とは同名異曲)。 ★A2 “Ever Fallen In Love (With Someone You Shouldn't 've?)” (2:40)は、もう何も言うことの無い名曲中の名曲ですね。スピード感もソリッドな音そしてShelleyのVoの魅力が一杯詰まっています。 ★A3 “Operators Manual” (3:30)も、ゴタゴタしたリズム隊にGのコード弾きが乗り、サビでは3拍子になると言った、彼等にしては珍しいアレンジの曲です。 ★A4 “Nostalgia“ (2:51)は、典型的はBuzzcocksサウンドです。スピード感も申し分も無く、Shelleyも歌いまくっており、ちょっと甘酸っぱいメロにも興奮します。 ★A5 “Just Lust” (2:57)も、正にBuzzcocksそのものな曲で、更に早いテンポでのパンクな演奏で痺れますね。メロディ・ラインもエクセレント! ★A6 “Sixteen Again” (3:14)も、最早、金太郎飴なんですが、ソリッドでカミソリのような演奏に、歌いまくるShelleyのVo、もう堪りません!ちょっと甘酸っぱいところもミソです。これは1st収録曲”Sexteen”へのアンサーソングでしょうか? ★B1 “Walking Distance” (1:58)も、MaherのタイトなDrsとスピード感溢れるBとG、これだけでご飯3杯お代わりできます。因みにインスト曲です。 ★B2 “Love Is Lies” (3:10)は、意外にアコギを使った曲で、英国らしいアンサンブルが感じられ、Shelleyもしっとり気味に歌っています。隠れた名曲ですね。 ★B3 “Nothing Left” (4:23)では、ロータムのDrs後、堰を切ったように、始まるソリッドな演奏とShelleyのVoがビンビンにパンク心を刺激します。間奏のGソロもフリーキーでカッコ良いです。 ★B4 “E.S.P.” (4:39)も、2本のGを上手く使ったアレンジで、パンキッシュでソリッドな演奏に、同じリフを弾き続けるGが心地良く、素晴らしいです! ★B5 “Late For The Train” (5:51)では、リズムマシンのようなMaherのタイトかつ変則的Drsに、BとGの刻みがマッチしており、途中で、逆回転Gソロが挿入されるところもちょいと実験的なインスト曲で、グッときますね。そしてブレイクも! 個人的には、このアルバムも楽しめましたねぇ。元々は、私はセルフ・コンピ”Singles Going Steady”CDで、Buzzcocksを聴いていたのですが、そうすると、如何にもパンクな曲しか収められてはおらず、個々のアルバムに含まれているちょっと変わった毛色/実験的な曲を聴き逃してしまってました。例えば、A3のアレンジ、B1やB5のインスト曲やB2でのアコギを使った曲等も、ちゃんと聴いてこなかったのは後悔しました。それから、今回、聴いてみて思ったのは、John Maherのドラムの凄さです。勿論、Buzzcocksの魅力はそのソリッドなアンサンブルなんですが、とにかくそれを支えているMaherのDrsは凄いです。そんな発見をしたアルバムです。パンクのオリジネーターの諸バンドは、やはりひと癖あるので、パンクだからと馬鹿にせずに聴いてみて下さい❗️ A2 “Ever Fallen In Love (With Someone You Shouldn't 've?)” [live version] https://youtu.be/rQgjLkVzd8A?si=zy7Fq-kZms04QIYb [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mYTm4eShV63LiQ11dQ2O-uzPqHlAa487E&si=yNIhQT747OrW-zYy #Buzzcocks #LoveBites #Fame #UnitedArtistsRecords #Reissue #SecondAlbum #Punk #PowerPop #1978年 #Manchester #Bisexuality #LoveSong #SolidSound #Vocal #PeteShelley #SteveDiggle #JohnMaher #SteveGarvey
Punk / Power Pop Fame (United Artists Records) 3800円Dr K2
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Devo “Oh, No! It's Devo”
またまた、ヤフオクで競り落としました。Devoの5枚目のスタジオ・アルバム”Oh, No! It’s Devo”です。ここら辺のDevoには当時、関心が薄れていたこともあって、買っていませんでしたので、まあ、Devoが私(達)にとって何者だったのか?も知りたくて、今更ながら聴くことにした訳です。前回、次のアルバム”Shout”を聴いていた訳ですが、その時に思ったのは、「漸く、時代がDevoに追い付いた」でした。これはDevoの歩みが遅くなったのか?それとも我々の歩みが早くなったのか?は分かりませんが、漸く、普段見聞きするポップスのレベルが、1980年代前半のDevoを理解可能なレベルまでになったのではないかと思いました。では、今回はどうでしようか?楽しみですね。後、1990年代に聞いた噂ですが、ある方が「Devoを日本に呼んでくれませんか?」と、あるプロモーターに尋ねた所、「Devoねぇ、、、う〜ん」と渋ったとか。この逸話もDevoの立ち位置らしいなぁと、その時は思いました。まあ、それは別として、2023年暮れには、Super Dommuneで、Devoの特集も組まれていましたので、Devoって、時代によって、その評価が変わり易いバンドなんだと思います。 本作品の参加メンバーは、変わらず、Mark Mothersbaugh (Vo, Kbd, Synth, G), Gerald Casale (Vo, B, Synth-B, Kbd), Bob Mothersbaugh (Lead-G, Vo), Bob Casale (Rhythm-G, Synth, Vo), Alan Myers (Drs)の5人で、その他にAnnerose Bücklers (Back-Vo [B6])がゲスト参加しています。内容的には、A面5曲/B面6曲となっており、前作からシンセを大々的に導入していますね。それでは、本作品収録の各曲について紹介していきます。 ★A1 “Time Out For Fun” (2:48)では、シーケンスと生Drsに合わせて、Devo流のシンセのリフとVoが乗ってきますが、コーラス部分はグーです。 ★A2 “Peek-a-boo!” (3:01)のタイトルは「いないいないばあ」は意味ですけど、そこら辺も含めて、Devoっぽいですね。やはり、シーケンスと生Drsに、ちょい変なアレンジのシンセとVoから成る曲です。 ★A3 “Out Of Sync” (3:34)でも、Bはシーケンスに取って代わられ、それに生Drsで、曲の殆どでシンセが使われていますが、コード進行がDevoっぽいですね。 ★A4 “Explosions” (3:01)では、アレンジがDevo的で、中々楽しめる曲です。GeraldはBを弾いているみたいですし、コーラスワークなんかも楽しいです。 ★A5 “That's Good” (3:23)は、如何にもDevo的なリズム隊と、簡素なシンセのリフと恐らくMarkの独特のVoで、前作との連続性を感じます。 ★B1 “Patterns” (2:57)は、曲の骨格とアレンジが中々Devo的なんですが、曲調はやや悲しげかな?ここで漸く、Gのリフを聴くこと出来て、嬉しい限りです。 ★B2 “Big Mess” (2:42)も、出だしからモロDevoの曲調で、往年のDevoの未発表曲と言っても通用しそうです。個人的には、こう言う曲を待っていた! ★B3 “Speed Racer” (2:38)でも、Voと濁声のコーラスの掛け合いは、往年のDevoを想起させる曲で、チープなシンセのリフも味わい深いです。 ★B4 “What I Must Do” (2:34)も、Devo的なアレンジをビンビンに感じる曲で、Drsとシーケンスによる同期演奏やシンセの音色及びVoのメロディラインが懐かしさすら感じます。 ★B5 “I Desire” (3:13)は、ちょっと正攻法で攻めているシンセポップのようですが、やっぱり一筋縄では行かないのがDevoで、間奏のGソロやコーラスワークなんかもそれっぽいんですよ。 ★B6 “Deep Sleep” (3:24)では、独特のシーケンスと曲調で押し切るDevo流のロックを聴かせてくれます。この曲は、このアルバム前後のMarkの不睡眠症用音楽(“Musik For Insomniaks”等)のアイデアから生まれたのかな?と深読みしてしまいます。 やはり、Devoのここら辺の曲は慣れ親しんでいないことや初期のようにロックのフォーマットでは無く、シンセバンド化している為、リスナーの方が、何だか不完全燃焼な気分になりますねぇ(私だけかもしれませんが)。やはり、初期の破天荒なシンセの使い方や曲の変態性からすると、物足りない感じは残ります。しかし、Devoらしさは、アレンジの細かい所なんかには発見出来ますので、ちょっとは安心します(特にB面)。しかし、どんどんマトモになっていくDevoにちょっと残念さを感じざるを得ません(或いは今回のユニフォームがイマイチだったのかな?)。でも、単にヒット曲が無いと言うだけで、この作品を聴かないのも勿体無いので、気になる方は一度は聴いてみてちょ❗️あと、私が「Devo的」とか言っているのは、一種の変態的アレンジなんかのことですが、ずっとDevoを聴いてきたリスナーさんには何となくわかるかな? B6 “Deep Sleep” [live version] https://youtu.be/rs1KZpFeOSs?si=pmiCKMNstYUf0kEy [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lLguIf2b4kjbqNgUZBX0rlaH6AITRZAxU&si=0XXtxSTqmcImb8Kv #Devo #OhNo!It’sDevo #WarnerBrothRecords #5ThStudioAlbum #ElectroPop #NewWave #SynthRock #Synthesizers #MarkMothersbaugh #GeraldCasale #BobMothersbaugh #Bob1号 #BobCasale #Bob2号 #AlanMyers #AnneroseBücklers
Electro Pop / Synth Rock Warner Broth Records 1000円Dr K2
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Devo “Shout”
最近、Devo熱がまた上がってきて、ついつい買ってしまいました。今回は、スタジオ・アルバムとしては6枚目”Shout”をご紹介します。実は、このアルバムは、出た時に、ちょっと気になっていたんですが、その時は「まぁ、Devoはもういいかぁ」と思ってスルーしていたんですよ。そんな訳で、久しぶりに、このアルバムをヤフオクで落札しました。Devoのバイオグラフィーは以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。 本作品でのメンバーは、Mark Mothersbaugh (Vo, Kbd, Synth, G), Gerald Casale (Vo, B, Kbd, Synth), Bob Mothersbaugh (Bob1号: Lead-G, Vo), Bob Casale (Bob2号: Rhythm-G, Kbd, Synth, Vo), Alan Myers (Drs)で、それ以外にEmulatorのプログラミングの補助として、Will Alexander (Programming Consultation), Al Horvath (Emulator Programs), Bill Wolfer (Emulator Programs)も加わっています。内容も両面とも5曲ずつと収録されています。それでは、各曲をご紹介したいと思います。 ★A1 “Shout” (3:15)は、かつての”Devo Corporation Anthem”を想起させるシンセで始まり、大胆なDrsとSynth-Bでノリの良い曲になります。シンセも大々的にフィーチャーされています。 ★A2 “The Satisfied Mind” (3:06)は、ヴォコーダーVoも使ったイントロから始まり、迫力あるリズム隊とシンセのリフから成る曲で、Voのメロディ・ラインは不変! ★A3 “Don't Rescue Me” (3:04)は、完全にシンセとシーケンスを使ったシンセポップになっていますが、飛び道具のシンセや唐突な終わり方はDevoですね。 ★A4 “The 4th Dimension” (4:26)は、ちょっと落ち込んだ雰囲気で始まりますが、曲としてはシーケンサーも使ったシンセポップです。如何にもDevoな変なアレンジは細かい箇所にちょっとだけ。 ★A5 “C'Mon” (3:16)は、生Drs(?)を使ったシンセポップですが、細かいアレンジやシーケンスの絶妙さ或いはGソロにDevoっぽさを感じます。 ★B1 “Here To Go” (3:15)は、イントロの変態さにDevoらしさを感じますが、ほぼ全部打ち込みなのかな?曲調やGソロやDrsソロはDevoっぽい。 ★B2 “Jurisdiction Of Love” (2:58)は、怪しい感じの打ち込みによるシンセポップですが、コーラスとか間奏のGの音色とかにDevoを感じます。 ★B3 “Puppet Boy” (3:08)も、出だしのVo等は、如何にもDevoっぽく、その後、ちょい変なシーケンスのシンセポップになっていきます。特にこの曲はDevoのイメージそのままな感じです。 ★B4 “Please Please” (3:00)も、一聴、シンセポップなんですが、細かい所がちょい変なんですよ。例えば、ヴォコーダーVoのコーラスとかサブ・シーケンスに乗ってくるシンセとか。 ★B5 “A U Experienced?” (3:08)は、Jimi Hendrixのカバーですね。その為、Gの比重が他曲より多いです。逆回転も含んだアレンジからは、完全にシンセポップ化してしまい、原曲は欠片しか残っていません。 本作品は一回聴いただけでは、その良さは分からないなあ。一聴すると、やたらDrsが大胆なシンセポップ或いはシンセをふんだんに使ったポップロックみたいな演奏にしか聴こえないし。しかしながら、デビュー当時のDevoの変態的アレンジや演奏が凄過ぎて、本作品では、それ程ズレている部分が目立たず、本当に細かいところに、そんなDevoっぽさを感じるだけなので、時代が彼等に追いついてしまったのではないだろうか?と考え込んでしまいました。でも、この作品がリリースされたのが1984年と言うことを考えると凄いのだけれども。まあ、再結成したDevoも、今では、初期の曲ばかり演奏しているみたいですし、仕方ないのかな?ちょっと寂しいな。なので、Devoの変態性を少しでも感じていたいと思うコアなファンの方だけにはお勧めします❗️ B5 “A U Experienced?” (MV) https://youtu.be/qonTIZGu27w?si=bhnQN6_FtVKtmtrK [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nTtIBRyH6k79Z2JAcPHyIZQQsz2W0cAtU&si=JIwvn3snMkl5cFmE #Devo #Shout #WarnarBrothRecords #6ThStudioAlbum #TechnoPop #ElectroPop #SynthRock #Synthesizers #Emulators #JimiHendrix #CoverSong #MarkMothersbaugh #GeraldCasale #BobMothersbaugh #BobCasale #AlanMyers
Electro Pop / Synth Rock Warner Broth. Records 550円Dr K2
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Bill Nelson “A Catalogue Of Obsessions”
ちょっと気になり出したBill Nelsonのソロ作品を集めようかなぁと思って、思わず、ポチりました。本作品”A Catalogue Of Obsessions”は、1985年にリリースされた4枚組ボックス・セット”Trial By Intimacy (The Book Splendours)”の1部として制作されています。その他3作品として、このボックス・セットは、”The Summer Of God's Piano”, “Chamber Of Dreams (Music From The Invisibility Exhibition)”, “Pavilions Of The Heart And Soul”から構成されており、この時点では、全て未発表曲から成っており、また、先述のボックス・セットは、Nelsonの写真集”The Arcane Eye”とパックになっています。彼自身の言葉によれば、これらの作品は「音のスケッチ・ブック」であり、未発表曲集ではないとのことです。多分、思い付いたメロディをそのまま、宅録で曲らしく録音していったものを集めたと言う意味だと思います。なので、音質や完成度は敢えて無視してリリースされていたのだと思います。Be-Bop DeluxeからRed Noiseそして、ソロと言う風に変遷してきたBill Nelsonの1980年代の活動において、このボックス・セットは一つのエポック・メイキングな作品であり、それ故に、このアルバムもその1/4を構成しているので、重要な作品であることが理解出来ると思います。まあ、Nelson本人は、「音のスケッチ」と言っているので、このような短い曲のオンパレードになっているのだとは思いますが。内容としては、本作品には、両面10曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。あっ、因みに、Nelsonは、3回結婚しており、現在の妻はYMOの高橋幸宏の娘Emikoさんです(あんまり関係ないですね、すまん!)。 ★A1 “Sex Party Six” (4:44)は、ゆっくり走る機関車のような電子リズムとミニマルなシーケンスになだらかなメロディの曲で、時々インドっぽくて牧歌的。 ★A2 “Wider Windows For The Walls Of The World” (2:16)は、やや金属質なリズムマシンとマリンバによる異国情緒漂う曲です。打ち込みのセンスが良い。 ★A3 “Time In Tokyo” (3:05)は、ややスローで、日本的と言うよりチャイナ的なメロディのエレクトロな曲ですが、YMOの「駄目な」部分を感じてしまいます。 ★A4 “Happily Addicted To You” (1:03)は、ハープのようなシンセのアルペジオとアコギの組合せが斬新な曲です。 ★A5 “Snakes With Wings” (2:09)は、スローでやや重めの曲で、シーケンスの上のサブメロ・シンセが心地良い。タイトルは「龍」のことかな? ★A6 “The Boy Pilots Of Bangkok” (2:29)は、機械的な音色リズムマシンに何となくYMOチックなメロディがちょっと残念な曲。でも打ち込みのセンスは良い。 ★A7 “Erotikon” (1:49)は、重めのリズムとシーケンスに針のようなメロディと緩やかなメロディの攻めが合いが面白い曲です。 ★A8 “Birds In Two Hemispheres” (1:45)も、嗚呼、YMO的だなぁと思ってしまうような電子音楽です。シンセ・ソロは良いのにぃ! ★A9 “Windmills In A World Without Wind” (2:24)は、ノンビートのアンビエントな曲ですね。電子音系クラウトロックっぽいかな?潜水艦の中のような感じ。 ★B1 “Love's First Kiss” (1:41)も、ゆったりとしたアンビエントな曲ですが、リズムなあって、女性のナレーション入りです。 ★B2 “Initiation Of The Heart's Desire” (2:01)は、アルペジオ・シーケンスが心地良い曲で、ややアンビエント風かな? シンセのメロも良い。 ★B3 “Edge Of Tears” (1:49)は、ゆったりとしたアンビエント風アレンジの優しい曲です。流れるようなリズムが心地良いです。 ★B4 “Test Of Affection” (2:28)は、弦楽四重奏を思わせるようなシンセのダビング音に乗せて、くすぐったいようなシーケンスと晴れやかなメロが効いた曲。 ★B5 “Words Across Tables” (1:51)は、逆回転のリズムマシンとシーケンスに合わせての、シンセのメロディが印象的な曲です。 ★B6 “A Promise Of Perfume” (3:09)では、リズムマシンとシーケンスとアコギの絶妙な組合せを堪能できます。 ★B7 “This Dangerous Age” (2:05)では、波状の多層化したシーケンスに合わせて、なだらかなシンセがソロを弾きまくります。 ★B8 “The Glass Breakfast” (1:53)も、弦楽四重奏的シンセに、SE的電子音と優しいメロディのシンセから成る曲です。 ★B9 “Talk Technique” (2:12)では、コチャコチャしたリズムマシンとシーケンスに柔らかいシンセのメロディと男児と男性Voがハマります。 ★B10 “The Last Summer For Dancing” (2:10)でも、逆回転リズムマシン同期の正回転スネアとシンセのメロが冴えています。凝ってる曲だなあ。 ★B11 “View From A Balcony” (1:55)は、静かな波の如く湧き上がる電子持続音とメロから成るアンビエントな小曲で、これでアルバムを締めています。 聴いた感じの総合では、A面は大体がYMOの陰がチラチラ見えるリズミックな曲が多い印象で、A面最後辺りからB面は、ゆったりしていて、リズムマシンを余り使用しないアンビエントな雰囲気が強いですね。個人的には、アンビエントな曲にはYMOっぽさが無いので、安心できます(YMOファンのリスナーさん、ごめん!)。まあ、Nelson自身がスケッチ的なアルバムと言っているように、曲はあくまでも思い付いたメロとかシークエンスを試して、そこに肉付けしましたと言う感じなので、これらの短い曲(の素)を更に発展は出来ると言うことなのでしょう。その意味では、多彩なアレンジで面白かったです。他の3部作も聴いてみたくはなりますね❗️ クレジット曲順 A1 “Sex Party Six” (4:44) A2 “Wider Windows For The Walls Of The World” (2:16) A3 “Time In Tokyo” (3:05) A4 “Happily Addicted To You” (1:03) A5 “Snakes With Wings” (2:09) A6 “The Boy Pilots Of Bangkok” (2:29) A7 “Erotikon” (1:49) A8 “Birds In Two Hemispheres” (1:45) A9 “Windmills In A World Without Wind” (2:24) B1 “Love's First Kiss” (1:41) B2 “Initiation Of The Heart's Desire” (2:01) B3 “Edge Of Tears” (1:49) B4 “Test Of Affection” (2:28) B5 “Words Across Tables” (1:51) B6 “A Promise Of Perfume” (3:09) B7 “This Dangerous Age” (2:05) B8 “The Glass Breakfast” (1:53) B9 “Talk Technique” (2:12) B10 “The Last Summer For Dancing” (2:10) B11 “View From A Balcony” (1:55) https://youtu.be/aK1_63mkfxY?si=BimtgPbeK-KLUg6i #BillNelson #ACatalogueOfObsessions #CocteauRecords #SoloAlbum #TrialByIntimacyTheBookSplendours #BoxSet #NewWave #ExperimentalPop #AllInstruments #TheSummerOfGodsPiano #ChamberOfDreams #MusicFromTheInvisibilityExhibition) #PavilionsOfTheHeartAndSoul #PhotoBook #TheArcaneEye #SoundingTheRitualEcho #Multi-Instrumentalist
Synth Pop / Experimental Pop Cocteau Records 2574円Dr K2
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Conrad Schnitzler “Con ‘72”
ついつい買ってしまうんですよ、Conrad Schnitzler先生のレコード。本作品”Con ‘72”は、英国の独逸会館でのライブ音源のようです。しかも、まだカセット・コンサートではなく、EMSのSynthi Aでの実機でのライブのようです。取り敢えず、曲名は無く、両面共1曲ずつ収録されていますが、恐らくは一連の曲を無理に2つに分けたのだと思います。Schnitzler先生のバイオグラフィーは今まで散々書いてきましたので、そちらをご参照下さい。それでは、内容のご紹介をしたいと思います。 ★A “Untitled” (20:52)は、驚異の「変態シンセ」こと、EMS Synthi Aを使い倒して、変な電子音を次々と放出しています。メロディもリズムもハーモニーも無いです。ひたすら、純培養された電子音そのものです。時に、無音になっても構わず、演奏し続ける気迫が素晴らしい。 ★B “Untitled” (22:29)も、A面の続きみたいですが、途中で無音になって、「えっ、もう終わり?」と思っていたら、見事に復活。Schnitzler先生と言うと、カセット・コンサートが有名ですが、初期では、このように生演奏もやっていたんですね。そう言う意味では、貴重な記録だと思います。 とにかく、シンセ、触って、気持ちの良い音を探して、ノブやスイッチをこねくり回している姿は、まるで、子供が何かスイッチとかで動くおもちゃを最初に買ってもらった時の衝動そのもののようで、Schnitzler先生の満面の笑顔が直ぐに頭に浮かびます。そんな、貴重な記録が残っていたことに感謝ですね。Space Machineとか好きなリスナーさんはきっと気にいると思いますので、是非❗️ A “Untitled” (20:52) B “Untitled” (22:29) う [本作品はYouTubeには上がってなかったので、参考までに同じレーベルの他の動画を貼っておきます] https://youtu.be/A1pMhAKvmBQ?si=4MoAFG3-vTRszsEg #ConradSchnitzler #Con72 #Qbico #Krautrock #Electronic #LiveAlbum #London #1972年 #EMSSynthiA #Synthesizers #SynthSoloPlay
Krautrock / Electronic Qbico 2280円Dr K2