Dalmanites limulurus

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ニューヨークのシルル紀代表として Bumastus と双璧をなすもの。
蒐集を始めたころ、これを手に入れるのがひとつの目標だった。
ほかの三葉虫にない、知的で凛とした雰囲気が好ましかった。

それにしてもこの種類、どの標本をみても同じようにみえる。
その佇まいから母岩の質感にいたるまで、そっくり同じ標本が何百、何千とあるような気がする。

私の手に入れたのも、その何百、何千のうちのひとつだ。
標本というより見本といったほうがしっくりくる。

この見本、example を眺めながら、ゆくりなくも頭に浮んでくるのは「贋造」の二文字だが、おそらくは杞憂だろう。

サイズはトゲ込みで60㎜

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    Trilobites

    2023/03/15 - 編集済み

    紛れなくシルル紀を代表する三葉虫の一つです。昔はそこそこ数が出た普通種だった時代がありましたので、今でも収集家でも下に見られがちですが、近年の値上がりや、良い標本が出た時の売り切れの速さは一定の需要がありますね。

    ブンデンバッハの呪縛に囚われているようですが、本種は眼とか本来と別物とはは普通ですが、偽物は無いでしょう。

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      ktr

      2023/03/15

      ダルマニテスの仲間はオルドビス紀からデボン紀までいろいろいますけど、ダルマニテスという名前はシルル紀限定のようですね。
      人気があるのは形が美しいからじゃないでしょうか。
      形だけでいえば、英国のダルマニテスよりこっちのほうが好みです。
      目はたしかにくっつけてあるようですが、アイバンクからもってきたものでないことを祈ります。

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    trilobite.person (orm)

    2023/03/16 - 編集済み

    言われてみれば、Rochester産は本種にせよArctinurusにせよ、同じようなというか真っ直ぐ伸びた似た標本が多い気がしますね。オクラホマの多くのHuntoniaのように歪むこともなく、モロッコのZlichovaspisのような鎌首ポーズの標本などもなく。埋まる際に、体を捻る間もなく一瞬で大量の土砂・泥に覆われてしまったのでしょうか。
    あるいは、それこそ英国のダルマニテスなどは出回る標本のほとんどは、前後左右から褶曲の影響か圧縮されたり引き延ばされたりですが、Rochesterではその後、地質的な運動の影響をあまり受けなかったという幸運もあるのかもですね。

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      ktr

      2023/03/17

      貴重なご意見をありがとうございます。
      そういうことには考えが及びませんので、とても参考になります。
      Rochester shale、たしかに他のシルル系と比べると静謐の印象があります。
      化石の保存には理想的ですが、あまりに優等生的で面白味に欠けるという見方もあるでしょうね。

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