文芸新誌 1946(昭和21)年 11月號 第八巻 第七號

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著名作家さんの"コンサート評"…と申しますか、自らのフィールド/芸術表現で記(顕)されたもの。絵画ではその最高峰、最も有名なものとして恩地孝四郎さんの版画「あるヴァイオリニストの印象」(1946)が挙げられるでしょう。

https://muuseo.com/nine_o_nine/items/49?theme_id=39653

文章としましては、この 文芸新誌 1946(昭和21)年 11月號(第八巻 七號) 掲載の 小説家 中河與一氏による「諏訪根自子に」と題されたものが大変印象深いです。これらは音楽評論家さん方の専門家的立場からの批評・評論の類いで無いこともその演奏會をデフォルメされた形で然しより身近に感じ得る事が出来、殊更興味を唆られる所以であります。168番目のアイテムとして展示させていただきました。

恐らく同年10月の歸朝第一回演奏會⬇︎〜からの一連のいずれかのリサイタルを観られての感想と推測します。

https://muuseo.com/nine_o_nine/items/27?theme_id=39653

"あなたが日本の藝術の星の中に加わってくれたことを歴史の上で僕は感謝したい"

そこまで云わしめるとは、いったいどんな演奏だったのか?きっと同じ芸術家として表現方法は異なってはいても感じ得るものがあられたのでしょう…

もうひとつ、褪せた白黒写真でしか見た事ないそのビロードの衣装⬇︎は、黒に緑という配色だった旨の記述も。そうだったのか・・・なるほど?このなにげない箇所も併せまして実に新鮮な発見でした^^♪
(注*写真はこの号掲載のものではございません)

#諏訪根自子 #NejikoSuwa #中河與一 #恩地孝四郎

Modern Japanese Prints:An Art Reborn 1956(昭和31)年
Oliver Statler 著(1956) 諏訪根自子さんを題材としたアート作品としては最高の、そして唯一無二と言える恩地孝四郎さんの「あるヴァイオリニストの印象 (Impression of a violinist)」(1946) "弓が力をこめて空へすり上る この痩身のバイオリン奏者を照らし出す人工光 何といふ黄色い光であるのか 蒼白な顔面を、衣の白絹を この肉體は戰乱の歐洲を通つて來た。 そしていま祖國の、占領軍下のステージに立つ あゝ、骨身を削つてゆく弦と弦との擦音。 藝術は何と悲愴なものであるか 私の心臓は黄色くなり 泪もまた黄色くなり" 恩地孝四郎さんが1946(昭和21)年10月29日、帝劇でのA・E・C(トウキョウ・アーミィ・エデュケーショナル・センター)主催の演奏會を観られての、26歳の根自子さんそしてそのステージでのお姿を捉えた鮮烈な"印象"の木版画/詩であります。 版画作品のオリジナルは現在では博物館クラスの作品であり簡単にお目に掛かる事は出来ません、その葉書大(オリジナルは40.5cm x 30cm)のレプリカ木版画がこの書籍には付属しています。 レプリカとは言いましても、これは本の序文にもある通りThe Adachi Institute Of Woodcut Prints = アダチ版画研究所 安達豊久さんによる復刻作品です。 "アダチによる最高の技術を以っての描画、その魂まで忠実に表現された" とある様に、只の復刻版画とは一線を画します。そのオリジナルにしましてもグレーの背景の部分ひとつとりましても年代/摺られた方によっても大きく表情を変えます。アダチ版画研究所さんは江戸時代の北斎や歌麿等を、現代に伝え、その技は同義で既にアイコン化したこの『あるヴァイオリニストの印象』=諏訪根自子像をサイズは小さいながら身近に味合わせて貰うには過ぎた逸品だと云えましょう。 著者のO.スタットラー氏は終戦後の進駐軍の管理官として来日し、日本の木版画に魅せられ恩地孝四郎さん含む多くの版画家とも交流を持ち作品を蒐集、この本を上梓しました。日本版画藝術を海外へその魅力を伝えた意義ある一冊です。 残念ながら恩地孝四郎さんはこの出版の前年の'55年に逝去しており、序文にも謝辞と哀悼の辞が述べられております。 (*1956年 初版。印刷は日本にて、販売は日本国内/海外にて。カバー折り返しには価格は$7.5と記載されており、僕の所有本は入手先のアメリカでの販売品故でしょうか?日本定価¥2,200と$6.0併記の逆角の所は何故か切り取られておりました。) #諏訪根自子 #恩地孝四郎 #oliverstatler #nejikosuwa #あるヴァイオリニストの印象 #Impressionofaviolinist
https://muuseo.com/nine_o_nine/items/49
アサヒグラフ 1946(昭和21)年 10月25日 第四十六巻 第十二號
『或る夜の音樂會』と題された、歸國第一回リサイタルの写真レポートです。 会場入りから、楽屋風景…お母様以外に唯一立ち入りを許されたアンナ先生、終演後のわやわや、そしてその脚で大阪へ向かわれるお姿まで、演奏、そして会場の情景描写など短いながらも細部に至るまでとてもリアルで雰囲気が伝わってきて秀逸。 (*会場の近衛秀麿氏と隣席の巌本真理さんを捉えたお写真も掲載されている!) 色々な評論から素晴らしい中にも、続く日程の公演と比較すれば若干硬さが見られたと言われるこの日の演奏だが、それも10年もの長き激動・戦火を乗り越えられてのご帰還/ご休養明けの初日とあらば当然でしょうか? …惜しむらくは紙質が良くないことでしょうか?折角の写真が残念ながら余り鮮明ではありません。 #諏訪根自子 #nejikosuwa #歸朝第一回演奏會
https://muuseo.com/nine_o_nine/items/27

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