Eldredgeops rana

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北米デボン紀を代表する一般種で、たいていの図鑑に載っている。
旧称は Phacops rana rana。
親しみをこめてラナラナなどと呼ぶこともあるが、それが通じなくなる時代もそう遠い先ではないだろう。

名称の変遷

1832年、Jacob Green が Calymene bufo var. rana として記載
1888年、James Hall と John M. Clarke が Phacops rana として記載
1927年、Grace Anne Stewart が亜種 milleri を記載
1953年、Erwin Stumm が crassituberculata, norwoodensis ほか5亜種を記載
1972年、上記の業績をふまえて Niles Eldredge が画期的(?)論文を発表
1990年、その功績を称えて W. Struve が Phacops rana rana を Eldredgeops rana と改称

こういう流れなので、かつて亜種扱いだった milleri, crassituberculata, norwoodensis などがそれぞれ種へと繰り上げられて、たとえば Phacops rana milleri は Eldredgeops milleri となった。
Eldredgeops が Phacops rana の言い換えなので、Eldredgeops rana milleri とはいわないのがふつうだし、理屈にも合っている。

全長:34mm

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    Trilobites

    2024/05/30 - 編集済み

    古生物において属名が変更されていくのは良くありますが、変更の歴史を見ると、それだけ有名種で象徴的な種なんだと思いますね。ただPhacops rana辺りが一番しっくりくるので、未だに私の中では変更は馴染んでないです。

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      ktr

      2024/05/30

      最初はカリメネという名前だったのを思うと、なんとなく感慨がわきます。
      ファコプスの初出は1839年の Phacops latifrons ですが、これももとは Calymene latifrons という名前で記載されたようですね。
      それが1825年のことですから、200年も経った現在、ファコプスという属名で呼ばれるファコプスがほとんどないのも、まあ仕方ないのかもしれません。

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    trilobite.person (orm)

    2024/06/01 - 編集済み

    かつてカリメネ属とされていたことは何となく知っていましたが、Calymene bufo つまり、ヒキガエルと呼ばれていたこともあったんですね。Ranaもカエルを指すラテン語ですし(それを知ったのも確か昔のktrさんのブログの記事でした)、この種には、よほどカエルを想起させる何かがあるんですね。
    それはそうと、別に説自体には何の恨みもないのですが、エルドリッジさんの断続平衡仮説が将来的に顧みられなくなれば、その余波でEldredgeops属が消滅し再びPhacops属として復活しないかと夢想してしまいます。

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      ktr

      2024/06/02

      たしかに似ていなくもないですが、bufo, rana と並べられると、奇異に映りますね。
      属名変更、あれば嬉しいんですけど、たぶん無理でしょう(私が生きている間は)。
      そもそも属名変更が、いったいだれの許可を得て(もしくはどういう権限で)行われるのかさっぱり分らず、前々から疑問に思っています。

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