Short Term Memory “Effect To Excess”

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これを知ってる人は、余程、コアな人だと思います。1983年、私はメールアート/ミュージックの世界にいました。そこで、Chain Letterと言う、一種のネズミ講のようなことが流行っていたのですが、そのシステムについて、少し説明します。先ず、10人/組の住所が書いてあるコピーが送られてきます。そうしたら、一番上に書いてある人/グルーブに1本、自分のカセット作品を送ります。そうしたら、その人/グルーブの住所を消して、自分の住所を一番下に入れたコピーを自分の知り合いのアーティストとかグルーブに10枚を郵送します。すると、やがて、自分の住所が一番上に来た時には100本のカセット作品が送られてくると言う仕組みです。でも、中々、10人の人に送っても、書いてある通りに100本、どころか殆ど送られてきませんでした(幾ら、カセットと言っても、知らない人に送る訳ないよね)。そんな中で、いきなり、送られてきたのが、このShort Term Memoryのファースト・アルバムでした。当然、彼らのことはそれまで、全然知らなかったし、WikiとかGoogleも無いし、当たり前ですけど、まさか、米国Kansas市からいきなりLPが送られてきたら、ビックリしますよね。それで、まだ私はカセット作品しかなかったので、自分のカセットを送りましたよ。ただ、私自身の興味がその頃から病理学に移って行ったので、それっきりになりましたが。まあそんな時代であったと言うことです、ハイ。なので、余りバイオグラフィーとかも書けないんで何とか調べました。メンバーはJim Skeel, Jonathan Paul, Robert Duckworthのトリオで、ミズリー州Kansas市をベースに活動していた電子音楽グループと言うことです。1983年に結成されたグループで、始めはKevin Dooley, Jonathan Paul, Jim Skeelだったとのこと。ただ共通していたのは電子音楽の可能性を見つけることだったらしいです。彼等は土曜の夜に集まって、ジャムセッションをしていたようですが、それをJimが録音したりもしていました。その時は、KevinがSax, JonathanがDrs, JimがKbdで、Mark Rew (G), Jeff Rew (B), Jerry Slepekis (Vo)も加わった編成で、ニューウェーブ・バンドJohn Doeと名乗ってやっていましたが、Kevinとのジャムセッションに余りにも時間を費やし過ぎたとのことで、John Doeは1982年大晦日にラスト・ギグをやって解散します。その後、1983年初めに、JimとJonathan及びKevinは新しい、何処にも無いような音楽をやりたいとのことで、シンセとドラムマシン、シーケンサーを全て同期させた電子音楽をやり始めます。それがこのShort Term Memoryです。基本、ドラムマシンにJimのアルペジオネイターを同期、更にKevinのベース・シーケンサーも同期させ、KevinとJimがシンセでジャムり、またそれらの音をJonathanが操作すると言うスタイルに落ち着きます。DIYレーベルを作り、そこから彼等のファーストカセット”Every Head Needs Cleaning”をリリース。ラジオ局やジンに送りまくります。そして、JimとJonathanはディストロの拡大の為、NYCを目指すことになりますが、戻ってきた時には、Kevinの居場所は無く、脱退します。JonathanとJimはドラムマシンの代わりに生ドラムを使おうと思い立ち、JonathanはDrに戻ります。その後、Cal CooperにVoとシンセをやってもらい、彼らの一番の理解者Dave OldsがBになります。この編成はライブではウケが良かったみたいです。ただ、Daveは出ていって(?)しまいましたが。1984年には、Robert Duckworthが加入しますが、Robertは直ぐにバンドの核と成り、彼の弾くフレットレス・ベースで、よりジャジーな音楽にバンドも音が変わります。その年には30分カセットアルバム”Lost In Gundam”をリリース。更には本作であるファーストLP”Effect To Excess”もリリースしました。これにはKevinのサックスを使っている時のテイクも入っています。まあそんな感じでまだまだ続くのですが、今も彼等の音源などはBandCampで聴くことができます(ここに書いたのは、FBからの引用です)。ザックリ言うとA面は初期のトリオでの曲が中心で、B面はRobert加入後の曲でしようか。なので、A面は宅録テクノポップにジャズの要素(Saxがそれっぽい)をちょっと振りかけた感じで、基本的にドラムマシンを使った曲が半分位あります。B面はドラムがメインで、よりジャズっぽい感じでしようか?Robertのベースが冴えますね。どちらも、ヴォーカルには余り重きを置いてはいないように思えます。個人的にはA面の曲がツボるんですが、聴き直してみると、B面のミニマル・アンビエント風やジャジーな曲など多彩な曲の方も面白いですね。交換した当時は、未だ、インダストリアル小僧だったので、ちょっと背伸びした感じでした。今聴くと中々良いので、もし、よろしかったら、聴いてみて下さい。

A1 “I Don't Care”
A2 “Hungry Dogs (Run Fast)”
A3 “I Think I'm Losing My Mind”
A4 “Take Your Place”
A5 “Out East”
B1 “Banzai!”
B2 “Effect Of Excess”
B3 “Freedom”
B4 “Page 64”
B5 “Lullabye (Happy Industry IV)”

https://youtu.be/l1LqL5zAyV4?si=h4fOL9xxfiLx4CVs

[BandcampのURLです]
https://short-termmemory.bandcamp.com/album/effect-of-excess

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