- Kinky Musik Museum
- 2F Underground music: Germany
- Kraftwerk “Trans-Europe Expres"
Kraftwerk “Trans-Europe Expres"
これは基本中の基本ですね、Kraftwerk (本来なら「クラフトヴェルク」ですが、世界では「クラフトワーク」と言う英国読みが主流)の久々の登場です。単独アルバムとしては、彼等の7枚目のフルアルバムになります。バイオグラフィーはとんでもなく長くなりますし、以前にも書いたと思いますので、割愛します。いやいや、ちょっと書いておこうかな?オリジナル・メンバーのFlorian Schneider (Flute, Synth, Vln ) とRalf Hütter (Organ, Synth) で、1960年代後半にはDüsseldorfのRobert Schumann Hochschuleの学生でした。実験音楽がやりたくて、彼等はOrganisationと言うグループを結成。LPを一枚出して、辞めてしまいます。その後、Kraftwerk (発電所の意味)を結成、初期ではKraftwerkは割と自由度の高い即興的演奏をやってました。後にNeu!を結成することになるMichael Rother (G)とKlaus Dinger (Dr)とのセッションは熱狂的だったそうで。それでフリーフォームなロック・アルバムを3枚出した後、1974年に5枚目のアルバム”Autobahn”をリリース。この際、Ralf HütterとFlorian SchneiderはMinimoogとかEMS Synthi AKSと言った新しい楽器を取り入れようとしました。その為か、それ以前のアルバムとは全く異なる音楽になっています。このアルバムは米国でビルボード・チャート5位にランクインします。それで、米国、英国、カナダにツアーに出ますが、2人ではとても足りないと言うとこで、Wolfgang FlürとKarl Bartosは自作の電子パーカッションを演奏するようになり、鉄壁のクインテットとなります。1975年に問題作”Radioactivity(Radio-Aktivität)”をリリース。このアルバムから一つのテーマに沿って曲を作り、録音し、アルバム化するスタイルになります。またアヴァンギャルドの背景をもつポップミュージックへの道を進んでいきます。この頃から自分達のスタジオであるKling Klang Studioで作業するようになります。それで1977年に単独アルバムとしては7枚目”Trans-Europe Express”をリリースします。この前後で、RalfとFlorianはDavid BowieとKling Klang Studioで会っていますが、特にそれでコラボ作が出来た訳では無いようです。本作品はEMIフランスではプレスの発表の時に流されたり、NYCでディスコで賞を取ったりしています。その後、1978年5月にまたもや問題作の”The Man Machine(人間解体)(独逸語ではDie Mensch-Maschine)”をリリース。このアルバムでは、Karl Bartosが作曲した曲が収められています。また、ジャケはロシアの芸術家El Lissitzkyの影響下で作製されています。この後、彼等は3年間アルバムを出していません。1981年5月にようやく”Computer World (独逸語ではComputerwelt)”をEMI Recordsからリリースします。まあ、このくらいから先は皆さんも知っているでしょう。平沢師匠曰く「プログレとしては最低、テクノとしては最高」なバンドとして活動を続けます。また、ライブでそっくりなマネキンを使ったり、3D映像を流したり、以前の膨大な機材からラップトップを使ったスタイルになったりと、独自の進化を遂げていきます。2008年にはオリジナルメンバーのFrorianがソロでやっていきたいとの事で脱退します。その後、2020年4月21日にFlorianは癌を煩い、73歳で亡くなります。彼等のバイオグラフィーはこのくらいにしておきます(キリがないので)。
それで本作品”Trans-Europe Express”ですが、極めて無駄ない音を削ぎ落としたテクノ・ポップになっていますが、単にテクノ・ポップと言うよりももう少し頭でっかちな匂い(プログレ風)がまだしますね。でも、タイトル曲では、「TEE(ヨーロッパ特急)でIggy PopとDavid Bowieに会った」と言う歌詞からも、Kraftwerkが通常のロックにも興味を持っていたのだろうと想像します。タメの無いリズムボックスのようなリズムは流石ですね。まるでMan Machineです。しかし、練りに練られたアレンジはやはり無駄とかモノ足らなさはなく、流石としか言えません❗️A-3”Showroom Dummies”のポップさも捨てがたいです。また、B面を占める組曲風の構成も聞き応えがあります。テクノとかロックとは言う前に、こんな素晴らしい音楽を皆さんも聴いてみてください!
A1 “Europe Endless” (9:38)
A2 “The Hall Of Mirrors” (7:52)
A3 “Showroom Dummies” (6:12)
B1 “Trans-Europe Express” (6:40)
B2 “Metal On Metal” (6:36)
B3 “Franz Schubert” (4:25)
B4 “Endless Endless” (0:58)
https://youtu.be/loZPXGAyOVg?si=w5EqdKsm8nAHv_Ib
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLlfZher7p1yGnvanxr2gluTj5PFw4fhu6
[オマケ: “Trans-Europe Express” live]
https://youtu.be/gj_scseCmkk?si=gyx3chXNDq9Z22Eu
#Kraftwerk #Trans-EuropeExpress #EMI #TechnoPop #Experimental #Synthesizers #ElectricPercussion #Vocoder #ShowroomDummies #FlorianSchneider #RalfHutter #KarlBartos #WolfgangFlür