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V. A. “Fix Planet!”
以前に一回紹介した国際コンピレーション・アルバムですが、誤って削除してしまったので、再度、ご紹介します。元々は、独レーベルATA TAKが、1981年にリリースしたこのコンピレーションで、当時としては、画期的なアルバムでした。皆さんもこれで、1980年初頭の各国の地下音楽世界を知った方も多いのではないでしょうか? 当時は、まだネットも無く、基本的に郵便で送ったら受け取ったりしていました。そんな中で、これだけのメンツを集めたものは無かったのではないでしょう? と言う訳で、参加者について簡単に紹介していきます。ただ、本来なら、Der Planの7インチシングルも付いていたハズですが、私の購入した商品には付いていませんでした。 ★A1 Sister M. は日本のバンドで、ここに収められている曲は、全て逆回転となっていますが、何となくダークな/ゴスな雰囲気は伝わってきますが、ちょっとあざといですね。 ★A2 Esplendor Geometricoは、今ではスペインの至宝とも言われるバンドで、この時のメンバーは、Arturo Lanz, Gabriel Riaza, Juan Carlos Sastreで、まだ最初期の曲で、影響を受けたDevoやKraftwerkに類似した、ちょっと風変わりな3拍子のキッチュなテクノ・ポップな曲を提供しており、この頃は、まだ、Synth-Bのリフがあったのね。「モスクワ凍結」とのVoを反復しています。 ★A3 この曲は、エクアドルを訪れたEberhardt Steinkruegerが、そこの部族の音楽をそのまま録音した曲とのこと。正に民族音楽そのもの! ★A4 Bruchotin Automatic Band / Siluetes 61は独逸のTom Dokoupilがやっているようです。林檎を齧る音から始まり、簡素なシンセとドラムや物音パーカッションや鳴り物から成る曲で、その音楽はDokoupilそのもの。 ★A5 Fra Lippo Lippiは、ノルウェーのバンドで、Rune Kristoffersen (B, G, Kbd)とMorten Sjøberg (Drs, Kbd)から成るシンセ・ポップ・デュオです。ドラムマシンに合わせて、伸びやかなシンセやギターを奏でていますが、曲調はややダークです。 ★A6 Vágtá Zó Hallot Kémekは、ハンガリーのシャーマン・パンク・バンドで、グループ名は「Galloping Coroners(疾走する検視官)」と言う意味です。ダルダルなベースや掠れたドラムに、ぶち切れるような歪んだVoから成る「勢い」だけの曲です。 ★A7 Rahaはイランのグループらしく、アコーディオンと古びたピアノの弾き語りで、その内アコギも加わり、しっとりとした感じが、素朴な響きの曲です。 ★B1 Man Ray Bandは、米国のグループで、メンバーは、Philip Culp, Mark Mothersbaugh, Jed Gould, Charles RamirezことChester Lazloとのことですが、実は、DevoのMark Mothersbaughのソロかもしれません。変調したリズムマシン(後で生Drsも加わる)と変調Voに、カッコ良いシンセBとGが絡む曲で、間奏ではSaxも。やっぱりDevoとは違いますね。 ★B2 Peter X, Kolja Yは、当時のソ連(今のロシア)のデュオ(?)らしいです。渋いギターの弾き語りをエアー録音した曲です。雰囲気は東欧的な曲調ですね。 ★B3 Kid Montanaは、1981年から活動しているベルギーのJean-Marc Ledermanのソロ・プロジェクトでしたが、やがてLes Disques du Crepusculeからも作品をリリースするグループとなります。心臓の鼓動のようなリズムに、上物のシンセと掠れたようなVoと言う簡素でやや不明瞭な曲ですが、段々とノリも良くなり、低音シンセも出てきます。 ★B4 Eva Johanna Reichstag & Die Formは、仏のデュオで、Die FormはPhilippe Fichotのソロ・ユニットでしたが、後に、Reichstagも加わり、デュオとなります。重厚なシンセの後に、男女のVoの掛け合いが、焦ったリズムマシンの上で行われる曲で、とても後のDie Formのゴスな曲調とは異なります。 ★B5 Semoeは、ポーランドのグループ(?)らしいですが、メンバー等は不明です。ミニマルな速めのピアノの連打(MIDIかな?)に、単元切りの語りのようなVoが乗る曲で、中毒性があります。 ★B6 Surplus Stockは、英国のニューウェーブ・バンドで、メンバーはRobert Giddens, Phil Renshaw, Robert Clarke,Josef Schenkから成ります。ホワイトノイズによるリズムにシーケンスとVoから成るミニマムな曲で、知らない間にGも入ってきます。 ★B7 M.B.は、本名Maurizio Bianchiのイタリアの宅録ノイズ・アーティストで、一旦、音楽から退きますが、また復活して、今、現役で活動しています。断片化されたピアノのループを元にして、色んなループを重ねていく曲となっていきます。余り電子音は聞こえてこないです。 ★B8 Jad Fairは、米国のHalf Japaneseのメンバーで、ここでは1/2 Japanとして参加しています。ドラムとピアノとVoから成る、Fairらしいはちゃめちゃな曲です。 ★B9 Alexao Sevsekは、オーストリアのアーティストですが、その正体は、NDWで活躍しているXao Seffchequeのことです。加工した歌声と同様に加工したギター(?)の弾き語りですが、如何にも一癖あるSeffchequeらしい曲と思います それぞれ、工夫して意外なセレクトもされており、面白いアルバムだと思います。この時期、国際コンピレーションは良くあった企画ですが、こんなにハチャメチャなのは中々無かったものと思われ、ATA TAKの企画力とコネクションの広さを思い知りますよね? まぁ、独逸のフィルターを通したとも言えますが、それでもこのヴァラエティの広さには驚くでしょう!なので、国際コンピレーションを考えている方は、参考にしても良いかも?! (オマケの7インチは付いていなかったので、レビューは無しです) A1 Sister M.(日) “S.M.” A2 Esplendor Geometrico (西) “Moscu Esta Helado / Moscow Is Frozen” A3 Unknown Artist (厄) “Fiesta De Virgin Del Carmen, Atacames” A4 Bruchotin Automatic Band / Siluetes 61 (独) “Adam's Apple / Vsichni Praznj” A5 Fra Lippo Lippi (諾) “Fabric Wardrobe” A6 Vágtá Zó Hallot Kémek (洪)“Untitled” A7 Raha (伊蘭)“Marebebus” B1 Man Ray Band (米) “I Feel So Bad” B2 Peter X, Kolja Y (露)“Выше, Выше ! / Higher, Higher !” B3 Kid Montana (白)“Amour D'Electrons” B4 Eva Johanna Reichstag & Die Form (仏)“Valium” B5 Semoe (波) “I Think” B6 Surplus Stock (英) “Let's Kill Each Other” B7 M.B. (伊)“Milan Bruits” B8 Jad Fair (1/2日)“Fish Can Talk” B9 Alexao Sevsek (墺) ”Das Edelweiß” ◼️Der Plan 7-inch Single C Der Plan “Einfachheit, Brot, Klarheit, Liebe, Tod” D Der Plan “Untitled” [incompletely full album (曲順は異なる。ボートラ含む)] https://youtube.com/playlist?list=PLsQEhHuQnR5MfDH1NVr8O_rYNBS1ctifC&si=mnw6sfTFFdfdRlDH 上記のリストのA3 Unknown Artist (厄) “Fiesta De Virgin Del Carmen, Atacames”は、この曲です。 https://youtu.be/FjmMDGvtjuU?si=zjQZxqkoVZeJcSWS 上記のリストのA3 Unknown Artist (厄) “Fiesta De Virgin Del Carmen, Atacames”は、A4 Bruchotin Automatic Band / Siluetes 61 (独) “Adam's Apple / Vsichni Praznj”です。 #VariousArtists #FixPlanet! #AtaTak #InternationalCompilationAlbum #Experimental #Electro #SynthPop #Avant-Pop #SisterM. #EsplendorGeometrico #Equador #BruchotinAutomatiBand/Siluetes61 #FraLippoLippi #VágtáZóHallotKémek #Raha #ManRayBand #PeterXKoljaY #KidMontana #EvaJohannaReichstag&DieForm #Semoe #SurplusStock #M.B. #JadFair #AlexaoSevsek
New Wave / Experimental Pop / Electro ATA TAK 不明Dr K2
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Wilma “Pornography Lies”
Wilmaって知ってる人いないだろうなぁ。何で、私がこのシングルを持っているかと言うと、1980年代には私はSubterranean Recordsであれは、何でも買っていた時期があるんです。恐らく、その時に100円位で購入していたと思います。その時も、正体は分かりませんでしたので、ちょっと調べてみたのですが、1981年3月にデビューして、1982年8月に最後のライブをやつていること位しか分かりませんでした。ただし、メンバーは、Yvette Dasaltewerk (G, B, Vo), K.D. Davis (B, Vo), Louise Diedrich (Synth, Vln, Drum Machine, Vo)がコアメンバーで、本作品では、ゲストにDave Scheff (Drs [B2])とTom Mallon (Cow [B1]が参加していることだけは分かりました(すまん!)。それでは、取り敢えず、各曲について紹介していきましょう。 ★A “Pornography Lies”は、ややスローテンポの曲で、割と自由に弾いているGと一定のリフを弾くBに単調なドラムマシンと憑き物の呪文のように歌う女性Voから成る曲で、時々Vlnやコーラスワークも出てきますが、最後にGもBも崩れていきます。 ★B1 “Alexander Haig”は、シンセのパルス音と一定のリフのBに、それに合わせたGのリフとエフェクトをかけまくったGとシンセが暴れ回る曲で、ドラムレスかつインスト曲です。 ★B2 “Fast Fascist”は、ハードコアっぽいハイ・テンポのDrsにBとGが一丸となって突き進む曲で、複数の女性Voが喚きまくりますが、Gには歪み系エフェクトは使われていません。 同じフィーメール・バンドでも、The RaincoatsやThe Slitsなどの英国バンドとは違って、米国のこの時期のフェミニスト・バンド(歌詞もかなりポリティカルでストレート)は、もっとなんて言うか音もそうですが、「はみ出して」いますね。細かい主張は分からないですが、、、。ただ、Subterranean Recordsにそう言うバンドが集まっていたのかもしれませんが、米国フェミニズムの独特のノリを感じることができます。また、B1のタイトルもレーガン時代の米国軍出身の大統領第一秘書の名前のようですし。そこら辺に興味のある方や女性バンド好きの方にはお勧めします!また、その後もWilmaは、1985年にセルフタイトルのLPも出していますので、そちらの方がより分かり易いかもしれませんね。 A “Pornography Lies” https://youtu.be/BWby2bbUm3o?si=u_g_FPDUZxM0n4RD B1 “Alexander Haig” https://youtu.be/4a9wiUbTy9c?si=JAn0wAJ1Ubn7_Wql B2 “Fast Fascist” https://youtu.be/-pmV3YRyx1o?si=N-m7cojn4fS8caTu #Wilma #PornographyLies #SubterranenRecords #7-inchSingle #FirstSingle #FemaleBand #AlexanderHaig #FastFascist #Punk #Experimental #Synthesizers #Violin #YvetteDasaltewerk #K.D.Davis #LouiseDiedrich #Guests #DaveScheff #TomMallon
Punk / Experimental Subterranean Records 不明Dr K2
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Antonym “Consumer Device”
いきなり、AntonymとかZeitgeistと聞いて、ピーンと来る人は一体、何人位あるのかなぁ?有名なのか?無名なのか?も良く分かりませんが、Antonymは、どうもAnthony Burnhamのソロ・プロジェクトみたいで、Burnhamは、元々色んな形での旅行者或いは雑誌記者が本職のようです。しかも、Discogsによると、カセット等を含めると、もう14作品も出しており、シングルとしては、本作品がファーストとなっています。ただ、彼は1990年にはカセット作品を出しているので、その辺りから音楽活動はやっているようです。しかしながら、1996年にCDを出してからは、リリースは止まっているようで、その後、2009年にまた10インチMini-LPを出して復活しているようです。この位しか分かりませんでした(すまん!)。そんな訳で、本作品の各曲を紹介していきましょう。 ★A: “Consumer Device” (3:37)は、基本、四つ打ちキックに、様々な正体不明の音がサンプリングされて、同期されつつも不規則に配置されている曲で、踊れ、と言えわれれば、踊れるか? ★B: “Shattering Of An Illusion” (3:33)は、ちょっとだけ凝ったリズムパタンに、やはりガタガタしたような正体不明のサンプリング音が同期して聴取されます。 1990年代は、リズムとサンプリングの同期から成る音楽の時代だったと言えるソングが山のように出ていたと思うのですが、その中の流行りに乗ったユニットだつたのでは?と思います。今では、サンプリングは当たり前になっており、そう言う意味では「新しさ」はないのですが、何をサンプリングしたか分からないような所に、センスを感じます。また、それ故か、出来上がったトラックもちょいインダストリアルな風味を含んでいますね。お勧めです! A: “Consumer Device” (3:37) https://youtu.be/lY9q1trFTjE?si=pSQH6vHSYPDsc9NL B: “Shattering Of An Illusion” (3:33) https://youtu.be/bPFU_D-1NlU?si=YnYRRMAquILi6QHq #Antonym #ConsumerDevice #ShatteringOfAnIllusion #ZeitgeistUK #FirstSingle #UKJourneyMan #MagazinPublisher #AnthonyBurnham #7-inchSingle #IndustrialTechno #Techno #AllInstruments
I’m Techno / Industrial Zeitgeist UK 不明Dr K2
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V. A. “Devastate To Liberate”
昔は、YouTube等も無く、店内のポップや雑誌のレヴューなんかを頼りにして、レコードを買っていた訳ですが、例えば、ノイズ/インダストリアル系に関しては、先述のレヴューなんかも殆ど無く、情弱の状態での購入になることが多かったように思います。そんな中で、コンピレーションは、リスナーにとって良い道標になっていたこともあって、良く購入していました。そんな中で、このコンピ・アルバムは、「動物の権利を守る」と言うAnimal Liberation Front (ALF; 一時期、大学や研究所に忍び込んで、動物実験用の檻を破壊したりして問題になっていた過激な団体)のベネフィットの為の企画物ではありましたが、1980年代中期のノイズ・シーンを俯瞰するのにピッタリでしたので、購入した覚えがあります。それで、発行元のレーベルは、Yangkiですが、恐らく、United Diariesが絡んでいたようで、Steven Stapleton, Debby Sazer, Simon Edwardsに謝辞が書かれています。それで、少し注意点があります。A7は元々ロックト・グルーヴだったこと、A4&A5は2倍速でマスタリングされてしまっていること(正しい速度での再生は、後にアルバム”Tionchor”に収録)、B5&B6は、”The Nearest Door”で既にリリースされていること等です。それで、参加グループ/アーティストが全員、ALFを支持していたかは不明ですが、まぁラインナップを見れば、思わず買って聴いてみたくなるでしょう。と言う訳で、各曲/各グループを紹介していきましょう。 ★A1 Nurse With Wound “Elderly Man River” (3:46)は、前半2/3はドラムマシンの単調なビートに、Gの弦の摩擦音や声やKbd?クラリネット?等の音が絡んでくる曲で、途中から男性の叫びと共に、怒涛のサウンド・コラージュで締めています。 ◉NWWは、1978年にSteven Stapleton, John Fothergill, Heman Pathakによって結成された英コラージュ・ノイズ・プロジェクトで、後にStapletonのソロプロジェクトとなる。この頃にはアルバム”The Sylvie And Babs Hi-Fi Companion”やCurrent 93とのスプリット・アルバム”Nylon Coverin' Body Smotherin'”を出していた。 ★A2 Sema “The Pleasure Of The Text” (4:56)は、アコースティックで不定形のドローン音から成るダーク・アンビエントな曲で、オルガンの音が混じっていますが、何か有機的な感じですね。 ◉Robert Haighのソロ名義で、元Truth Club/元Foteのメンバーの英の実験アンビエント作家。この頃には、アルバム”Three Seasons Only”を出しています。 ★A3 Shock Headed Peters “Blue Rosebuds” (4:50)は、長めのGフィードバック音で始まる重いハードロック調の曲で、途中で早回しのコーラス或いはSaxやシンセも加わり、暴れまくりますが、やがて元に戻りますが、フィードバック音はしつこいですが、Voは気合い充分です。 ◉元Lemon KittensのKarl Blakeが、1982年に、Ashley Wales, Dave Knight, Mark Rowlatt, Clive Gloverと結成した英ポストパンク・バンドで、この頃に、ファースト・アルバム”Not Born Beautiful”を出しています。 ★A4 P16 D4 “'Okay' She Said With Her Customary Total Lack Of Consideration” (0:38)は、チョコマカするサウンドコラージュ作品で、本来の再生では無いことが分かりますが、当時はこんな曲なんだと思って聴いてました。 ◉P.D.のリーダーであったRalf Wehowskyが、Roger SchönauerとEwald Weberとで編成し直し、Stefan E. Schmidtも加入した独実験コラージュ・ノイズ・グループで、この頃には、S.B.O.T.H.I.との2枚組コラボ・アルバム”Nichts Niemand Nirgends Nie!”をだしています。 ★A5 P16 D4 “Aus Angst Davor, Zu Ersticken, Sprach Er Beim Essen Nie” (1:34)も、サウンド・コラージュですが、やはり倍速再生の為、ガサゴソしてチョコマカしたユーモラスな曲になってしまっています。 ★A6 Coil “Restless Day” (4:24)は、何処かの部族の儀式のような反復するDrsとBに、独特のメロディの歌から成る曲で、後半にGノイズが乱入してきます。 ◉1983年に、英Psychic TVのJohn Balanceのソロプロジェクトとして始まり、パートナーの元T.G.のPeter ‘Sleazy’ Christophersonが加入、翌年、フルスケールのグループとなったポスト・インダストリアル・バンドで、この頃に、アルバム”Scatology”を出しています。 ★A7 Current 93 “Jesus Wants Me For A Moonbeam” (3:05)は、ガラス瓶Percに、茫漠とした笛が始まり、少年少女合唱団の断片や正体不明の持続音が混ぜこぜになっていく曲で、NWW色が強いですね。 ◉David Tibetが、1982年にMichael CashmoreとSteven Stapletonらと結成した英ポスト・インダストリアル・グループで、後にネオ・フォークへと変遷する。この頃、アルバム”Dog Blood Rising”を出しています。 ★B1 Legendary Pink Dots “Mmmmmmmmmmmmmm” (4:14)は、リズムマシンのビートに乗せて、反復するBと暴れまくるKbd?のイントロから始まり、やや抑制的なVoが入るとG, B, Synthは其々カッコ良いアンサンブルを弾き始めます。 ◉1980年に、Edward Ka-Spelが中心となって、Erik Drost, Randall Frazier, Joep Hendrikx, Raymond Steegと共に結成した英蘭混成ネオサイケ・バンドで、この頃に、アルバム”Asylum”や”The Lovers”を出しています。 B2 Hafler Trio “In The Cradle” (1:15)は、フィールド録音を変調しまくった小曲で、それぞれの音はコラージュされています。 ◉1980年代初頭に、Andrew McKenzieと元CabsのChris Watson、それに架空の科学者Dr. Edward Moolenbeekで「トリオ」として結成された英の実験音楽バンドで、この頃には、アルバム”Seven Hours Sleep”を出しています。 B3 Annie Anxiety “Soweto Suntan” (4:58)は、ダルな女性Voに、不思議なバック音や民族音楽紛いの音が流れており、時にオーバー・ディレイの掛かった音も聴取されます。レコードからの音なんかも使用されており、やはりNWW色が強いです。 ◉本名Ann Robie Bandes O'Connorで、英の詩作家/ マルチメディア・アーティスト/ ポストモダン・キャバレークイーンで、この頃に、アルバム”Soul Possession”を出しています。 ★B4 Crass “Powerless With A Guitar” (7:13)は、笛のような音をバックにVoが乗っていますが、直ぐに政治的発言のコラージュになり、やがてハードなパンクソングに代わりますが、またまた女性Voのミディアムテンポの曲に代わり、コラージュと目紛しい曲です。最後は、電話のコール音と陽気な曲で終わります。 ◉1977年に英North Wealdで、Penny RimbaudとSteve Ignorantのジャムから始まったアナーコ・パンク・バンドで、徹底したDIYやアナーキズム、政治的風刺を主張・実践し、1984年には解散しています。 ★B5 D&V “Today's Conclusion” (1:33)は、シンバルを効かせたドラムに、生に近いVoからなります。英語が聞き取れたら、もう少し楽しめるかな?、 ◉1982年かそれ以前に、Andy LeachとJeff Antcliffeによって結成されたドラム&ヴォーカルの英デュオで、この頃に、Crass Recordsから”D & V (Inspiration Gave Them The Motivation To Move On Out Of Their Isolation)”を出しています。 ★B6 D&V “Wake Up” (1:36)でも、ドラムンヴォイスの曲ですが、鉄琴が使われています。Cuntsの原型なのかな? ★B7 Who Will Carry My Arms “Carnival Of Souls” (1:21)は、シンセ?オルガン?のリフと単調なDrsから成る短いインスト曲です。 ◉バンド或いはアーティストとしての情報は調べた限りありませんでしたが、聖書の文言らしいので、Crass関係かと思われます(自信無し)。 まぁ、メンツを見れば大体予想は付くのですが、ザックリと分けると、NWW系とCrass系になるのかなぁと思います。Crassもレコード等でコラージュをやっていますので、更に大雑把に言えば、サウンド・コラージュがこのアルバムの「主流」と言ってもよいかもしれません。多分、Crass系は、ダイレクトに「動物の権利」についてのナレーションを使っているようで、NWW系とは似て非なるものでしょう。しかしながら、1985年の音楽の流れの一面ではありますので、興味のある方は是非聴いてみて下さい! https://youtu.be/3hKeqY36DOg?si=ILOySxEFEvqmGTzW #VariousArtists #DevastateToLiberate #Yangki #UnitedDiaries #AnimalLiberationFront #1985年 #InternationalCompilationAlbum #Noise #Experimental #Ambient #Punk #NurseWithWound #Sema #ShockHeadedPeters #P16D4 #Coil #Current93 #LegendaryPinkDots #HaflerTrio #AnnieAnxiety #Crass #D&V #WhoWillCarryMyArms
Noise / Experimental / Ambient / Punk Yangki 不明Dr K2
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Nervous Gender “Music From Hell”
Subterranean Recordsがまだ、米国西海岸の小レーベルであった頃に、V.A. “Live At Target”と言うコンピ・アルバムに入っていたので、初めて、Nervous Genderを知ったのでした。その時、このバンドにはまだ小学生の男児がDrs担当と言うことで驚いたものでした。まぁ当時は、米国西海岸の地下音楽、特にSubterranean Recordsなら、間違い無く買っていたので、このNervous Genderのアルバムもジャケ買いどころかレーベル買いでした。 ここで、Nervous Genderのバイオグラフィーを書いておきます。Nervous Genderは、1978年に米国L.A.で、Gerardo Velazquez, Edward Stapleton, Phranc (本名Susan Gottliebでバイセクシャル。見た目は男性っぽい), Michael Ochoaによって結成されたエレクトロ・パンク・バンドで、当時はそのような概念が無かったので、インダストリアルとも呼ばれていました。1979年には、The GermsのドラマーDon Bollesが加入しましたが、翌年には、Phrancが脱退し、The ScreamersのPaul Roesslerが加入しています。この頃の編成でのサウンドは、先述の”Live At Target” LP/Videoで聴くことができますが、言葉通りのパンクだけではなく、初期のインダストリアルなFactrixやZ’evの変名ユニットUNS等も収められており、無調でノイジーであったので、普通のパンクバンドではないNervous Genderも受け入れてもらい易かったみたいです。また、彼等は、1980年代初頭には、SPK, Factrix, NON, Einstürzende Neubauten, Psychic TVとも対バンしています。それで、1981年に、ゲストVoにBagsのAlice Bagを迎えて、本作品でもあるファースト・フルアルバム”Music From Hell”を作製しますが、彼等はスタジオ録音をしたことがなかったそうです。アルバム・リリース後、Paul Roesslerが、Nena Hargen Bandで演奏する為に、NYCに引越し、代わりにBill Clineが加入、またDon Bollesが、45 Graveと演奏する為に脱退し、加入したのが、8歳の男児Sven Pfeifferでした。しかし、1982年には、Svenと彼の母親は強制退去させられ、2人は、ドイツに戻って暮らしています。ある音楽評論家はSvenのことを「LA音楽シーンにおける荊の棘みたいな、、、。」と評してします。その後、1980年代中期には、彼等のファンでもあったWall Of VoodooのBruce Moreland, Marc Moreland, Chas Greyが入り込んで、コラボしようとして、解散寸前までになります。それは、正にNervous Genderのギター版をやろうとしたからです。この時期、45 GraveのDinah Cancerがしばしばゲスト参加しており、彼等は、ひょっとしてChristian Death, Super Heroines, Kommunity FK, Gobsheit (Stapletonが、Patrice Reposeとやっていたサイド・プロジェクト)のようなゴス・ロックをやって、Anti Clubのようなライブハウスに出演しようとしていたように捉えられたからです。しかし、1988年に、Edward Stapletonは最後のステージに立って、Nervous Genderを脱退します。1990年初頭に、オリジナル・メンバーのGerardo VelasquezとMichael Ochoaは、長年のOchoaの協力者Joe Zinnatoで、トリオとしてNervous Genderを復活させます。このトリオで8回ライブを行い、45 GraveのPaul B. Cutlerをプロデューサーにして、Nervous Genderの最後のアルバム”American Regime"を作り始め、1991年8月26日に、CAのシルヴァーレイクのライブハウスClub A.S.S.で、Nervous Genderの最後のライブを行います。なお、翌年3月28日に、Gerardo Velasquezは、33歳の若さで他界しています。Velasquezの死後、OchoaとZinnatoは、Honeymoon KillersやHuge Killer ShipsのClaire Lawrence-Slaterをシンガーとして迎え入れて、パンクとインダストリアルとポップとグランジの混合物なアルバム”HighHeelTitWig"で作業を進めてましたが、1995年に、Zinnatoは重度の心臓発作によって、彼は音楽活動を辞めてしまいます。また。2000年からは、Edward Stapleton, Michael Ochoa, Joe Zinnatoの3人で、今までに録音してきた音源を、悪かった点を中心に全て聴き直していています。また、この頃、Edward StapletonとKarene Stapletonは、Kali’s Thugs名義でリリースしています。そして、2007年には、Stapleton, Ochoa, Zinnato, Tammy Fraserで、バンドを再構築していますが、2017年になると、StapletonとSan Diego Mod & Cal Artsにて作曲を学んでいたMatt Comeioneの2人で、再びバンドを組み直し、2021年に新録アルバム”Milking The Borg”をリリースしています。2023年には、Nervous Genderのデビュー・アルバム”Music From The Hell”の拡張版を2LPsとCDでリリースしています。 以上が、Nervous Genderの略歴ですが、本作品”Music From Hell”には、Edward Stapleton (Synth, Vo), Gerardo Velázquez (Synth, Vo), Jesus Pagano Lozada (Synth, Vo), Patrice Repose (Lead-Vo [B1-B6]), C. Duffy (Synth, Throat Noises, Lead-Vo [B1-B6]; 本名Edward Stapleton), Bill Cline (Synth, Back-Vo), Don Bolles (E-Perc, Noises, G, [A1-A7]/ Tape Loops, Effects, Tape Manipulation [B1-B6]), Jim Bigolo (Back-Vo, Tambourine)が参加しており、プロデュースは、Gerardo VelázquezとMichael Foxが行っています。また、B1-B5は、1971年5月30日にTraetionギャラリーでのライブ音源から成ります。そして、本作品は、東芝RT-8200aポータブル・カセット・レコーダーとサンキョウSTD-1700カセット・デッキで録音されています。そして、このアルバムは、36時間ものスピンで録音とミックスダウンが行われています。また、ジャケとかWebサイトにBeelzebub Youthとの表記がありますが、これは別バンドのことでは無く、単にB面のことです。このアルバムは2515枚プレスされたとのこと。それからA2とA5は誤記されており、A2が”Alien Point Over View”で、A5が”Nothing To Hide”なので、ここでは修正しておきました。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ◼️Martyr Complex ★A1 “Monsters” (3:27)は、アップテンポのドカドカした生Drsと手弾きのSynth-Bに、パンキッシュなVoが乗る曲で、落ち着きの無さが良い!ヴァイオリンのようなシンセ音もあるのかな? ★A2 “Alien Point Of View” (4:05)は、ドンドンするアップテンポのキックに、ジワる手弾きのSynth-Bと悪びれているようなVoから成る曲で、バックVoもお騒がせで盛り上げています。 ★A3 “Cardinal Newman” (1:46)でも、性急なビートと手弾きSynth-Bに、ヴァイオリンのような上物シンセと2人のVoが捲し立てる!捲し立てる! ★A4 “Fat Cow” (2:36)では、バタバタしたDrsと脳に直接響くようなシンセに、Voとコーラスがまた良くて、上物のシンセがキュルキュルしていて結構カッコ良い。 ★A5 “Nothing To Hide” (2:41)では、悪びれたリフを弾くSynth-Bと早口Voは、ポップ・パンクにも聴こえますが、そこはシンセ・バンドですね、変なアレンジを施しています。 ★A6 “People Like You” (2:40)は、ヘンテコなリズムに高音を強調したSynth-Bとまたもや早口Voが乗る曲で、間奏ではシンセ同士が打つかり合います。 ★A7 “Regress For You” (3:40)は、スローで怪しい雰囲気で始まり、のっそりと進む中で、ダルなVoとちょっと延長したコーラスワークが如何にも米国人っぽさを感じます。後半にはシンセによるリズムも出てきます。 ◼️Beelzebub Youth ★B1 “Christian Lovers” (4:45)は、何となくアラビックな旋律のシンセとユニゾンのVoが不気味に迫ってくる曲で、ベル音がリズム代わりで、バックでテープ音を流しています。 ★B2 “Exorcism” (2:10)は、ウニョウニョしたシンセと歪んだシンセと奥張ったキックに、叫ぶ女Voと語り口の男性Voが段々とグシャグシャに。最後はインストが続いて終わります。 ★B3 “Bathroom Sluts” (2:28)は、B2の続きのようなシンセ音に、呪文のような男女のVoが延々と続けられ、最後にシンセが暴れます。更に最後に喘ぎ声が、、、。 ★B4 “Pie On A Ledge” (3:23)は、Synth-Bよるパルス音が延々と続く中、男性Voが諭すように淡々と教義を吐き続け、SE的電子音も飛び回ります。 ★B5 “Push Push Push ” (1:56)は、リズムマシンのリズムに合わせて、女性Voが、初めはタイトルを鼓舞し、その内歌詞を投げ捨て続けます。 ★B6 “Alice's Song” (0:58)では、珍しくシーケンサーとドラムマシンに、優雅なシンセ音と男性コーラスと女性Voが乗っかる「欧州的」な小曲で、締めます。 この時代だと、既にシーケンサーは販売されていたの思うのですが、頑なにシーケンサーを避けてますね。なので手弾きになる訳ですが、その分、ノン・リズミックになってしまいますが、そこは、Nervous Gender!シンセでの参加人数を増やすことで、カバーしていのではないかな? それにしても、米国西海岸のこう言うシンセパンクとかインダストリアルは、編成やアレンジが変なものが多いですね。だからこそ、発掘するのは面白いのですが、、、まぁ一言て言うと「いびつ」とか「ダサい」なんですけれどもね。興味のある方はここら辺から入ると良いでしょう! https://youtu.be/BRZ7nTTLP1s?si=GHqaMhl8IXebBmhh [Nervous Genderのライブ”Regress For You (1981)] https://youtu.be/cPNq-DMsWQQ?si=9MYlwYiC_nOk0thA #NervousGender #MusicFromHell #SubterraneanRecords #FirstAlbum #US-Industrial #SynthPunk #Experimental #Industrial #Electro #Synthesizers #TapeManipulation #EdwardStapleton #GerardoVelázquez #DonBolles #JesusPaganoLozada #PatriceRepose #C.Duffy #BillCline #JimBigolo
Experimental / Synth Punk Subterranean Records 不明Dr K2
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Andy Giorgbino & Prince Trust, Shanghai’s Guts, Blue Stories, The Honx “Elbground vol. 2”
何故、私がこのレコードを買ったかと言うと、多分、Andy Giorbinoの名前を見つけたことと独逸語表記のクレジットが裏ジャケにあったからだと思います。買ってから、余り聴いた記憶がないので、今回、聴き直しながら、ご紹介出来ればと思います。 ◉先ずは、The HONKSですが、ハンブルクのグラム・パンク・バンドで、メンバーは、Bacardi Honk (G,Vo), Mad Mike Honk (B, Vo), Marky Honk (Drs, Vo)から成り、アルバム1枚、シングル1枚を出しています。まるでRamonesみたいですね。マネージャーはBarbara Wetzerが担当しており、収録曲” What We Want”は、1989年6月16日にWhite Noiseスタジオで録音され、同年6月28日にミックスダウンされています。 ◉次は、Andy Giorbino & Prince Trustで、Andy Giorbino (G, Vo)自身はハンブルク出身で、他のメンバーは、Marco Hubethal (B, Vo), Manuela Rickerts (G, Vo), Thomas König (Drs, Vo)で、恐らくハンブルクだと思います(明確な記載は無い)。また、この組合せでのアルバム制作もシングル制作も無いです。マネージャーはZickZackのAlfred Hilsbergが担当しており、収録曲”Gasoline (Waterversion)”は、1989年5月24日に録音され、同年5月25日にミックスダウンされています。 ◉3番手は、ハンブルクのShanghai'd Gutsで、グラム・パンク・バンドで、メンバーは、Stevie S. Guts (Vo), Axl S. Guts (G, Vo), Ray Miller (G, Vo), Axel (B, Vo), Marcel Z (Drs)から成り、3枚のアルバムを出しています。マネージャーはGerd Krombholzが担当しており、収録曲”On The Road”は、1989年6月24-25日に録音され、同年6月9日にミックスダウンされています。 ◉そして、最後は、Blue Storieで、メンバーは、Helge Reich (B, Vo, G), Matthias Rumöller (G, Vo, B), Thomas Soltau (Drs, Vo)から成り、2枚のアルバムと1枚のシングルを出しています。マネージャーはいなくて、自分達でやっていいます。収録曲” Like A Gun”は、1989年5月30-31日にJörn Fischerスタジオで録音され、その日の内にマックスダウンまで終わらせています。 これらのデータを見ていると、皆、1989年に録音されており、NDWとしてはもう終焉していた可能性も高いので、これらの音楽やバンド自身をNDWと関係付けるのはちょっと無理があるかもしれませんね。まあ、そんなことも含めて、各曲を紹介出来ればと思います。因みに、このマキシ・シングルは、ハンブルクのG. Pfanzスタジオでマスタリングされています。 ◼️Linkes Ufer ★A1 The HONX “What We Want” (2:25)は、ギラついたGがカッコ良いグラム・ロック風の曲で、Voも含めて、全員で歌ってますが、個人的には、やはりピーンとはきませんでした。 ★A2 Andy Giorbino & Prince Trust “Gasoline (Waterversion)” (3:50)は、リズムマシンの導入とKbdの大々的に導入したロックで、流石はAndy Giorbinoが作詞作曲した曲だと思いました。ヘタすれば、MTVで流れていてもおかしくない程のポップネスを感じますね。 ◼️Rechtes Ufer ★B1 Shanghai'd Guts “On The Road” (3:30)は、英国パンク初期の頃のパンクロックみたいな感じの曲で、確かにカッコ良いんですが、全員でのシンガロングにも新しさを余り感じないですね。英詞だし。 ★B2 Blue Stories “Like A Gun” (4:04)は、ワウを掛けたGが特徴の1960年代の米国ロック、或いはやはり1970年代後期の英国パンクの影響をモロうけているような曲で、確かにカッコ良いんですが、それだけと言う感じです。 と言う訳で、個人的には、A2のように強い癖があったりしないと、この1バンド1曲と言うコンピレーション・マキシシングルでは、中々浮かび上がらないのではは?と心配してしまいました。まあ聴いている分にはカッコ良くて良いんですか、、、。 [本作品はYouTubeには上がっていなかったので、同時期の他の曲を貼っておきます] A1 The HONX “We Like It Simply” https://youtu.be/Gv56IccwL30?si=P65_qKefX0dp0uuu A2 Andy Giorbino ”Weiblichkeit https://youtu.be/3cX5XRrFKsE?si=gLnx6lb8WtWE1YIX B1 Shanghai'd Guts “Hearts Turned To Stone” https://youtu.be/CvE--XIkEGA?si=K9JcaBDruQXt8g5qe #VariousArtists #ElbgroundRecords #TheHonx #AndyGiorbino&PrinceTrust #Shanghai’Gut #BlueStories #GermanPunk #Postpunk #Gram-Punk #PostNeueDeutscheWelle #1989年 #PreviouslyUnreleasedTracks
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Elbground Records 不明Dr K2
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Überhaupt “Gradeaus Nach Unbekannt“
今回は、Überhaupt (ウーバーハウプト)のセカンド・シングル“Gradeaus Nach Unbekannt“を紹介しましょう。と言っても、このバンドは、ベルリン出身のバンドで、1本のカセット・アルバム(後にLP再発されています)と2枚のシングル/EPしか出していません。しかしながら、丁度、NDW期のバンドなので、そのNDWバンドとして、紹介します。本EPへの参加メンバーは、Fred (Vo, Sax; 本名Christoph Jungmann), Tom Grom (G), Thomas (G; 本名Thomas Zimmermann), Barry (B; 本名Michael B. Baransky), Andrea (Chorus), Viola (Chorus), Kelch (Drs [A2,B1]; 本名Stephan Kelch), Sven (Drs [A1,A3,B2,B3]; 本名Sven Küster)となっています。7インチですが、全6曲入りとなっております。このバンドもその略歴が良く分からないバンドではありますが、取り敢えず、各曲を紹介していきたいとおもいます。 ◼️Überseite ★A1 “Gradeaus”は、ややコミカル味のあるBラインとパンキッシュなDrsに、キレの良いGのカッティングとVoから成る曲で、最後にはSaxソロあり。サビでは女性コーラスも聴取できます。 ★A2 “Nicht Geseh'n”は、性急なDrsのビートとカッコ良いBとGに、飄々としたVoが入る曲で、中々イカしてます。特に分厚いGの音は一聴に値します。 ★A3 “Paris Adé”は、四つ打ちっぽいDrsのキックに、唸るBとざらついたGのカッティングとラララっと鼻歌のように歌うVoのシンプルさが何ともイカしてます。途中のブレイクにもハッとさせられます。 ◼️Hauptseite ★B1 “Tanzen”は、スタート/ストップを繰り返す曲構成で、間奏に味のあるSaxも入ってきます。GとBは共に音色も奏法も素晴らしい!Voも反復しています。 ★B2 “Guten Tag”では、童謡調のクラヴィーアで始まり、同じような調子のVoとDrsに、メチャクチャな即興Gが入ってきますが、Voは相変わらず飄々と歌い続け、他の楽器も通常運行です。 ★B3 “Cowboy (Teil 2)”は、いきなりビートの効いたどんちゃん騒ぎのような演奏で、ピアノも入っている異色曲ですが、あっという間に終わります。 便宜上、Überseite(A面)とHauptseite (B面)となっていますが、共に3曲ずつ入っていまして、どの曲もアッと言う間に終わりますが、そのスピード感がどうもこのバンドの持ち味のようです。ラフな演奏のようでいて、しっかり押さえるところは押さえており、崩れた演奏も敢えてそうしているので、直ぐに元に戻ります。NDW期の中でも、中々面白い立ち位置のバンドだなあと思いますので、是非共、皆さんには聴いて頂きたいです! A1 “Gradeaus Nach Unbekannt“ https://youtu.be/yJUywCTcYL4?si=W29NzIXAkARqf_WK B3 “Cowboy (Teil 2)” https://youtu.be/Zd3o3taNWHY?si=uOYLNJd1Nro2ZGaw #Überhaupt #GradeausNachUnbekannt #selfrelease #7-InchEP #1983年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Punk #Sax #Fred #TomGrom #Thomas #Barry #Andrea #Viola #Kelch #Sven
Neue Deutsche Welle (German New Wave) self release 不明Dr K2
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Populäre Mechanik “Muster / Scharfer Schnitt (No1)“
Populäre Mechanik (ポプレーレ・メヒァニーク)とは何ぞや? と言う疑問が湧いてきましたので、少し調べてみました。と言うのも、ジャケのデザインが、Holger Hiller監修のアルバムと良く似ており、偶々なのか?それとも何らかの関係があるのか?が気になったから、この際、調べてみようと思ったからです。 それで調べてみると、Kluster を皮切りに近年はソロでも素晴らしい作品を残し続けている Wolfgang Seidel (ヴォルフガング・ザイデル)が、NDWの時期てある1980 年代初頭にやっていたJazz/Funk〜Dubを過激に導入したGerman Post-Punkプロジェクトが、このPopuläre Mechanikであるとのことです。1981年に、自費出版にて本作品でもあるデビュー・シングル”Muster / Scharfer Schnitt (No1)“をリリースしており、このシングル自体は、現在では入手困難とさえ言われています。その後、このシングルの2曲は、Palais SchaumburgのHolger Hillerが厳選セレクトした楽曲を収録した編集盤”Kollektion 03 Compiled By Holger Hiller”(こちらは入手可能)にも収録されており、計算し尽くされた屈折ぶりやミニマル感が際立った奇異なリズム、更には脱力Jazz/Funk〜Dub導入のアプローチ辺りは勿論、音響的にも最高のプロダクションとなっており、Palais Schaumburg に代表される最高峰 NDW 勢と比べても勝るにも劣らない輝きを放つ物凄い音源にして1980年代初頭のGerman New Wave深淵中の深淵作とも評されています。元々、Seidelは、Ton Steine Scherbenと言うバンドをやっていましたが、ポスト・パンク/ジャズをやる為に、このPopuläre Mechanikとして活動を始めたようです。長い間、彼はバンド活動を休止していますが、それはバンド活動にもはや熱狂出来なくなったからだそうです。彼は、Joseph Beuysの学生だったConrad Schnitzlerらが運営していたパフォーマンス・クラブZodiak Free Arts Labで、シンセの演奏やその後のドラムの演奏をやっており、1970年代後半には、同学年の人々と知り合い、1960年代のロックの熱狂を分かち合い、当時出てきたパンクはとても魅惑的に見えてはいたが、ただ一点、パンクはロックンロールをベースしているのは気に食わなかったとのことです。そんな中で、DevoやXTCは大変気に入っており、逆に、ジャズ・ミュージシャンにも、ジャズの単なる娯楽振りから離れようとする人がいたので、これらを融合させることを彼は思い付き、Populäre Mechanikを始めだと言う経緯らしいです。それで、カセット・レーベルを立ち上げ、とにかく、自分達の音楽を素早く、安くリリースする意図がありました。その為、4トラックのカセットMTRで、いつでもジャムった音を録音しており、その中からセレクトして、カセット作品として出しています(Discogs上ではそんなに出してはいないみたいです)。そんな中から、先述のように、Holger Hillerがカセット音源をセレクトして、”Kollektion”シリーズを出しているとのことです。SeidelとHillerは、45年経っても、ロックとポップのことで話し合い続けています。 と言うのが、Populäre Mechanikの略歴なのですが、これには、私はちょっと驚きましたね。まさか、SequenzaことWorfgang Seidelが、ジャズ/ファンクとパンクと新しいテクノロジーとしてのシンセを融合させ、かつパンクのDIYのように自身のレーベルからカセット作品をバンバン出していたなんて、想像もしていなかったですよ。その意味では、本シングルは、非常に貴重な位置付けだったのですね。では、各面の曲について、ご紹介していきますね。 ★A: “Scharfer Schnitt (No1)”は、レゲエ調のDrsやPercに反復するBライン、更にシンセらしき電子音やG或いはオルガンが絡み合い、更にそれらの音にダブ処理が為されていると言うインスト曲で、今聴いても、全然古さを感じさせないですね。 ★B: “Muster”は、リズムマシンに強烈なキックと自在にうねるBと鋭いカッティングのG、ホワイトノイズを含む電子音や黒っぽいVoが絡む曲で、いきなり終わってしまいます。こちらは、それ程、ダブ処理は行われていません。それにしても充分にダンサブルです。 いゃ〜参りました。あのSequenzaがここまで、ファンクでダブな音楽を録音しまくっていたのかと思うと、New Age Steppers以上の破壊力を含有していると言えるでしょう。これを目隠しで聴いて、独逸人がやっていると思えるリスナーさんは殆どいないんじゃないかなぁ。その位、ある意味正統派なサウンドで、完成度も高いです。こりゃあ、Holger Hillerセレクトの”Kollektion”シリーズも聴かなきゃならんか?! A: “Scharfer Schnitt (No1)” https://youtu.be/kPi-e4j6fQs?si=09lblpfJ49GjcmRt B: “Muster” https://youtu.be/VZfJJivlbD8?si=VHTY0I-o4UI-eqRp #PopuläreMechanik #Muster #ScharferSchnitt(No1) #self-release #1981年 #7-InchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Jazz/Funk #Dub #Post-Jazz/Funk #Kluster #WolfgangSeidel #TonSteineScherben #Kollektion03CompiledByHolgerHiller #CassetteLabel #Punk #Jazz #Devo #XTC #HolgerHiller
Neue Deutsche Welle (German New Wave) self-release 不明Dr K2
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A 5 “Kalte Erotik / Längst Vorbei?“
A5は、1980年に独のブレーメン出身のパンク/ニューウェーブ・バンドで、メンバーは、Egon “Ego/N”, Harald Hass, Jürgen Schierholz, Rainer Kosch, Sabina Mai (本名Wolfgang Schaller)の5人から成ります。まあ、NDWの時期なので、その中に含んでも良いと思います。このバンドの詳細については、殆ど情報がなく、少なくとも1980年には、自主制作のカセット作品と、No Fun Recordsよりシングル”Erst Ausgabe”を出しているので、それ以前に結成されていたことにはなると思います。そして、1981年に、本作品でもあるセカンド・シングル”Kalte Erotik / Längst Vorbei?”を出しており、その後1995年に、セルフ・コンピレーションCD”1980-1981 - Mein Schönes Kurzes Leben”を出していますので、恐らく、1981年の後位にはバンドは解散していると想像します。ただ、これはあくまでも推測であり、実際はどうか分かりませんでした(すまん!)。それで、このシングルですが、そのシングルの後にリリースが続いていないので、実質、ラスト・シングルとなります。私は、多分、NDWモノだろうと言うことで、見つけた時に購入したのだと思いますが、暫く聴いていなかったので、今回、聴き直しました。と言う訳で、各面の曲をご紹介して行きましょう。 ★A: “Kalte Erotik” (4:03)は、リズム隊にピアノとヴァイオリンのリフで進んで行く曲で、反復するハスキーな女性Voと叫ぶように歌う男性Voの対比が面白いです。時にシンセの宇宙音も挿入されてきます。 ★B: “Längst Vorbei?” (3:21)は、性急なリズム隊に、ザクザク刻むGとピアノがカッコ良く、また男女のツインVoから成るパンキッシュな曲です。間奏のGのリフも派手すぎず良いです!また、ちょっとだけシンセも使っていますが、この一音が効果的です。 流石、No Fun Recordsのリリース物と言うか、このシングルには、パンキッシュでカッコ良いロックが詰まっています。しかも、シンセを本の少しだけしか使わないで、真っ向勝負しているところや男女のツインVoを上手く組合せて、曲の構成を考えているところなんかは得点高いですねぇ。後、リズム隊がタイトで、かつBラインもイカしている点も好感が持てますね。まだまだ知らないバンドが山ほどあるなぁ。これは、やはりセルフ・コンピレーションCD、買うしかないかなぁ! A: “Kalte Erotik” (4:03) https://youtu.be/L7ue-ossR5I?si=RdCo0yCxEYKIMh0j B: “Längst Vorbei?” (3:21) https://youtu.be/lNUaxmjTLCQ?si=PbFUvFxvbLNwGxjf #A5 #KalteErotik #LängstVorbei? #NoFunRecords #7-InchSingle #1981年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #Punk #Piano #Violin #Synthesizer #EgonEgo/N #HaraldHass #JürgenSchierholz #RainerKosch, #SabinaMai #WolfgangSchaller
Neue Deutsche Welle (German New Wave) No Fun Records 不明Dr K2
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Trümmerfrauen “Glasaugen“
Trümmerfrauen (トリゥマーフラウエン)は、独マンハイムから出てきた女性NDWバンドで、ハイデルベルク出身のStephanie Groth (G, Vo), フライブルク出身のGabi Streckfuß (Synth, Vo), マンハイム出身のIngrid Janowsky (B, Vo), 同じくマンハイム出身のPia Lenz (Drs)から成ります。バイオグラフィーについてちょっと調べてみました。1979年末にルートヴィッヒシャーフェンにて、Janowsky (B)とLenz (Drs)によって、フェミニスト・パンク・バンドとして始まりますが、この2人は楽器の演奏方法については全くの無知だったので、ただただ演奏したいと思って練習していました。そこに、2人と同じような人物と出会うことになります。それがGrothで、彼女が住んでいたハイデルベルクは、自動車で30分もかからない所に住んでいました。Grothは、先の2人が出していたギタリスト募集を見つけて、何故だか良く分からないまま、2人にコンタクトを取ります。それで、1980年4月5日に、最初のコンサートを敢行しています。彼女達は、自分達自身を「歳なんか取らない」と呼んでしたそうです。1980年11月から、バンド名をTrümmerfrauenとし、彼女達の音楽を更に進化させる為に、Streckfuß (Synth)が加入するのを待っていました。そして、4人は、あっと言う間に、マンハイムのパンクシーンに入り込みます。1981年11月に、彼女達は、ベルリンで、本作品でもあるデビュー・シングル”Glasaugen”を録音し、Zensorからリリースされます。その数ヶ月後の1982年4月に、Lenzがバンドを辞めてしまい、残りのメンバーでバンドを続けますが、やがてバンドは消滅してしまいます。なお、その後、1986年に、セルフタイトルのカセットが、レーベルIn Der Tatからリリースされており、この作品は、2017年には、ボーナストラック5曲を加えて、Danger RecordsからLPとして再発されています。 以上が、Trümmerfrauenの略歴で、活動中にリリースされた唯一の作品がこのシングルとなります。それでは、各面の曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Gelbkreuz” (2:57)は、簡素なリズム隊に、呪文のような2人のVoが乗る曲で、何かの呪術/祭儀を行っているようです。 ★A2 “Arbeit” (3:20)は、ややダウナーなフレーズとベースラインから成る曲で、深淵から浮かび上がるシンセのフレーズの効果的で、最後に近づくと、、! ★B1 “Glasaugen” (2:50)は、元気一杯のパンキッシュな曲で、複数でのVoの掛け合いが初々しくて、堪らないです。割とバックの演奏は控えめで、Voに重点が置かれたミックスが良かったです。 少ーしだけ、初期のThe Raincoutsを思い出すような、決して上手くはないが、そこに存在して当然の如く、音の鳴りのよい佳作曲が3曲も収録されているのは嬉しい。この頃って女性バンドがやたらと出てきましたが、どれも元気一杯で初々しくて、魅力的なバンドが多かったですね。そんな中でも、Trümmerfrauenは、憂いのような感情も感じられて、興味深かったです。また、シンセの使い方も出しゃばり過ぎず、良かったです。出来れば、またちょっと続けて欲しかったと思います。そう言う意味では、セルフ・コンピレーション・アルバムも入手しなきゃです! https://youtu.be/OM6Djgg1s9o?si=1E3WmmnNyAce-I3C #Trümmerfrauen #Glasaugen #Arbeit #Gelbkreuz #Zensor #1982年 #7-InchSingle #AllFemaleBand #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #FeministPunk #StephanieGroth #GabiStreckfuß #IngridJanowsky #PiaLenz
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Zensor 不明Dr K2
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Der Plan “Da Vorne Steht Ne Ampel / Rot-Grün-Tot“
Der Planとは、その名の通り、「計画」と言う意味ですが、元々は、「世界破滅計画」の意味だったとか。それで、1979年に、Frank Fenstermacher, Moritz R, Robert Görl, Chrislo Haasによって結成され、当初は、The ResidentsとThrobbing Gristleに影響を受けて、デビュー・シングルをリリースしています。その後、GörlとHaasが脱退してDAFへ移り、代わりにDAFにいたKurt Dahlke(通称Pyrolator)が加入し、よく知られた編成になります。彼等は、演芸会のような被り物を使ったライブを行うようになり、各人が「悪魔」,「天使」, 「ロボット」と言う役をこなしていますが、グッと音楽的になり、ATA TAKの前身であるWarning Recordsより、アルバム”Geri Reig”をリリースし、その後直ぐに、本作品でもあるセカンド・シングル”Da Vorne Steht Ne Ampel / Rot-Grün-Tot“で、注目の的と言うか、良くも悪くもNDWの代表的バンドとなります。彼等は、自分達の音楽をElectronic Schlage (電子音的ヒット曲)とかSynthi Popと呼んでいます。Der Planのバイオグラフィーの詳細は、以前にも書きましたので、そちらをご参照下さい。それで、本作ですが、1980年にATA TAKから、セカンド・アルバム”Normalette Surprise”がリリースされ、その個性を強烈に植え付け、彼等独自のElectronic Schlageスタイルを貫いていきます。それでは、彼等のセカンド・シングル”Da Vorne Steht Ne Ampel / Rot-Grün-Tot“を紹介していきますが、先ず、ジャケの絵柄からして、音が分かるようです。では、その音楽とは? ★A: “Da Vorne Steht Ne Ampel (前に信号があります)”は、不思議なリズムトラックに合わせて、コミカル?なVoが乗る曲で、薄らGもカッティングも聴こえますが、やはり、電子音がメインでしよう。最後の自動車の音は「轢き逃げ」か? ★B: “Rot-Grün-Tot (赤-緑-死)”も、ディレイを掛けたリズムトラックに、ヴォコーダーVoが乗っかってくる曲で、シーケンスも複雑で、B面にしておくのは勿体ない程の良質の実験エレ・ポップです。「Pyrolator節」炸裂で、素晴らしいの一言です。 A面は、聴いたことある人はいないかも知れない位、彼等の代表曲ですが、両面共に、この時代には聴いたこともないミュータント・シンセ・ポップなので、批評のしようも無かったのではないでしょうか?そんな位、ヘンテコなポップ・ミュージックです。このシングル曲も、NDWを代表する曲だと思います!しかも、その個性が素晴らしく光っています! A: “Da Vorne Steht Ne Ampel” https://youtu.be/FrgvaeuoL24?si=5messnH0x2a-gVgf B: “Rot-Grün-Tot” https://youtu.be/Fn7qHBPFQbI?si=yxARSonkb-x5RQxI #DerPlan #DaVorneStehtNeAmpel #Rot-Grün-Tot #WarningRecords #1980年 #7-InchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Pionier #SynthPop #ElectronicSchlage #FrankFenstermacher #MoritzR #KurtDahlke
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Telefunken (Warning Records) 不明Dr K2
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Donald Fuck “Der Spieluerderber”
このシングルも訳分からないアイテムの一つ。多分、ZickZackだからと言う理由だけで、購入したのだろうと思います。先ず、アーティスト名がDonald Fuckで良いのかどうか?も不明です。ひょっとすると、Der Spieluerderber (デァ・シュピールエールデルバー)かもしれないです。まぁ、よしんば、Donald Fuckとしても、この1枚位しか出していません。また、D.Fuckがほぼほぼ全部の楽器とヴォーカルをやっているようですが、クレジットには、Adolf Hitler, Alfred E. Hilsberg, Bernd Patzke, Donald Fuck, Hermann Göring, Horst Gregorio Canellas, Oskar Klose, Rudi Michelがフィーチャーされているとも記載されています。それで、調べてみたのですが、男性Vo, 国粋主義, サンプリング, 戦争, ユーモア, ノイジー, 即興, Raw, ミニマルと言う単語が出てきますので、何となく音は想像付きそうです。まぁ、多分、誰かの単発プロジェクトだとは思いますが、ここらで各面の曲を紹介した行きたいと思います。ただ、A面B面の区別はありませんが。 A: “Der Spielverderber” (6:00) B: “Der Spielverderber” (5:57) [YouTubeには上がっていなかったので、動画は省略させてもらいます] #DonaldFuck #DerSpieluerderber #ZickZackPlatten #7-InchSingle #1980年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #SoundCollage #Minimal #Improvisation #War #Nationalism #Humorous #Guests #AdolfHitler #AlfredE.Hilsberg #BerndPatzke #HermannGöring #HorstGregorioCanellas #OskarKlose #RudiMichel
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental / Sound Collage Zick Zack Platten 不明Dr K2
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Camp Sophisto “Songs In Praise Of The Revolution”
Camp Sophisto (キャンプ・ソフイスト)は、NDWのスーパーグループFehlfarbenのヴォーカリストPeter HeinとシンセストGeorge Nicolaidisを要する、初期DAFやDie Krupps等のヤサグれて、ササクレだったインダストリアル風の音楽をやっていた4人組で、他のメンバーには、Michael KönigとWolf Dieter Lauenrothが在籍していました。しかし、翌年、セカンド・シングル”Camouflage”を、Sneaky Pete Recordsから出した後、リリースが途絶えているので、恐らく短命なバンドだったのだなぁとの認識でいると思います。それで今回は、セカンド・シングル“Songs In Praise Of The Revolution”をご紹介しようと思います。メンバーをもう一度書いておくとGeorge Nicolaidis, Michael König, Peter Hein, Wolf Dieter Lauenrothの4人です。では各面を紹介していきましょう。 ★A: “Obsession” (3:20)では、強烈なビートとシーケンスから始まり、Peter HeinらしいVo及び副Voと、時に歪んだGも入ってきます。インダストリアルと言うよりもインダストリアル・ロックと言った方がしっくりきます。Ministryよりもずっと早くにこんな音楽をやっているなんて! ★B: “Beginner´s Guide” (4:19)は、重戦車の進行のようなリズム隊のタイトな演奏に、フリーな歪んだGとHeinの独特のVoが入ってくる曲で、時にダブ的ポスト・プロダクションも入ってきます。曲のコード進行自体はミニマルです。 当時、この音楽を気に入ったリスナーさんはいたのでしようか?今聴くと、本当にインダストリアル・ロックの走りですね。MinistryのAl Jourgensenはこれを聴いていたのかが知りたいです。まぁ、あそこまでの過激さはありませんが、きっとルーツになっていると妄想します。Fehlfarbenのポップさではなく、Mittagspauseのようにもろパンクではない音楽が、それらのグループの中心人物から生まれていた奇跡ですね!この路線でももっと続けて欲しかったですが、ほぼ単発に終わったのが、ちょっと残念です。 A: “Obsession” (3:20) [John Peel Session] https://youtu.be/EgRRIQu_c94?si=GYKsua6XOV7xQkA- [BandcampのURLも貼っておきます] https://trostrecords.bandcamp.com/album/songs-in-praise-of-the-revolution #CampSophisto #SongsInPraiseOfTheRevolution #PureFreude #1983年 #7-InchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #IndustrialRock #Sequencer #Industrial #GeorgeNicolaidis #MichaelKönig #PeterHein #WolfDieterLauenroth #Fehlfarben
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Pure Freude 不明Dr K2
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Mania D. “Track 4”
M_Sessionsとところでも出てきた独NDW女傑Beate Bartel (B, Vo), Gudrun Gut (Drs, Vo), Bettina Köster (Sax, Vo)の女性3人で結成したのが、このMania D.です。多分、NDWの中でも、古参に入るのではないでしょうか? 今回は、Mania D.のバイオグラフィーも書いておきます。その最初の最初は、SaloméことWolfgang Ludwig CihlarzやMiddendorfらとベルリン芸術アカデミーでHoedecke(ヘデッケ)教授のクラスで学んでいたKarin Lunaが、1977年にNYCに留学し、そこで、スーパー8で映画”Bored”を撮って作り、最終的には、Martin Kippenberger監督の計らいで、独のクラブSO 36で上映されています。また、Lunaは、NYC滞在中に、Lou ReedのバンドのFred Maherにドラムのレッスンを受けています。1978年にLunaは、独Düsseldorfを訪れた時に、クラブRatinger Hofに行き、そこで、Eva-Maria Gößlingと出会い、そこで、ベルリンに戻ったら、ガールズバンドを結成しようと約束しています。ベルリンに国内留学していた2人は、Wittenbergplatz 駅構内で、ベーシストでサウンド・エンジニアのBearte Bartelに出会い、また、彼女達の最初の音合わせの時には、テナーサックス奏者Bettina KösterとMini Moogシンセ奏者Gudrun Gutも参加しています。1979年の夏の間、彼女達は、スタジオで毎日リハーサルを行っていますが、Bartelがバンドに名前を付けたのに対し、Lunaはスーパー8の映画を撮影してすべてのコンサートで上映するというアイデアを持っていてので、スーパー 8 映画”Fashion Interlection”を撮影し、この映像での衣装は、Eisengrau, Claudia Skoda, そしてLuner自身によってデザインされています。Martin Kippenberger, Volker Anding, Oswald Wienerは、この若いバンドをブッシュしており、Mania D.の最初のライブは、1979年9月、Wuppertal NordstadtのギャラリーSappenedで行われました。そうこうしていると、彼女達の噂はNYCにまで伝わり、1979年10月24日、NYCのBroome StreetのArleen Schlossのパフォーマンス・ロフトA'sで、Mania D.の初の海外ライブが行われており、大きな反応がありました。Mania D.は、11月末にクラブTier 3で、当時、SAMOと同居していたEva-Maria Gößling無しでライブを行っています。LunaはそのままNYCに滞在しましたが、残りのメンバーは独に戻り、Eva Gosslingは、Alexander von BorsigことAlexander HackeとRichard Hirschに誘われて、ベルリンでBlässeに加入します。残ったメンバー3人は、1979年12日からMania D.として活動していますが、1981年にはバンドは、Malaria!となります。Gudrun Gut と Bettina Köster は、Eisengrauと言うファッション・レーベルとコンセプト・ストアを立ち上げ、この名前の下で、彼らは型破りなステージ衣装を作成しています。伝説の「霧のコンサート」は、1980 年 1 月 18 日、客の息遣いが見えるほど寒かった暖房のない SO36 クラブで開催されており、このイベントの未公開ビデオが 2010 年にビデオ アーティスト兼映像作家のWerner Schmiedel(ヴェルナー ・シュミーデル)のアーカイブから発見されています。Mania D.は全く商業主義的バンドではありませんでした。 以上がManua D.の略歴となります。それで、Manua D.は、活動時期には、本シングルと1本のライブ・カセット作品だけしかリリースしていません。そして、この作品では、プロデュースは自分等でやっていますが、、マックスダウンは、元Tangerine Dream/もとAgitation FreeのChristoph Frankeがを行っています。それでは本作品の各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Track 4” (3:28)は、やや重いドラムとBに、女性Voと多層化したSaxがカッコ良い曲で、多分2名以上がVoを取っていると思われます。本のちょっとだけ、Malaria!を思い起こす所がありますね。 ★B1 “HERZschlag” (2:54)は、割とフリーな演奏で、やがてスローテンポのDrsとBに憂鬱な音色のSaxと、やはり2名以上のVoが絡み合いながら、蛇が徐々に大物の餌を飲み込んでいくようです。 ★B2 “Kinderfunk” (1:05)は、マーチングDrsとBに、はっきりとしたSaxから成る曲ですが、途中でグチャグチャになりますが、元に戻って終わります。 Mania D.も異形のバンドですが、前々から気になっていたので、昔、購入したシングルを聴ける訳です。まぁすっかり持っていることも忘れていましたが。聴き直した印象は、音数は少ないですが、結構、フリーロックみたいな自由な演奏(即興演奏ではない!)をしているなあと言うことですね。まあ確かに演奏自体は決して上手くはないのですが、それ以上の「何か」があります。この作品が、その後の独音楽界の原点の一つであると考えると感慨深いですね。今では、中古市場にも余り出回らないですが、NDWの原石なので、見つけたら、即ゲットですよ! https://youtu.be/RLunJ5r2OFc?si=fDVUc2ASxRPFiHeq #ManiaD. #Track4 #Monogram #7-InchSingle #1980年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Sax #BeateBartel #GudrunGut #BettinaKöster #MixDown #ChristophFranke #TangerineDream #AgitationFree #KarinLuna #Eva-MariaGößling #NYC #Berlin #Blässe #Malaria!
Neue Deutsche Welle (German New Wave) MONOGRAM 不明Dr K2
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The Wirtschaftswunder “Television & Kommissar”
皆さんは、もうThe Wirtschaftswunder (ザ・ヴィルトシャフツヴンダー)に関しては、よーく知っていると思いますが、念の為、簡単に略歴を書いておきます。The Wirtschaftswunderは、1980年から1984年まで活動していたNDWバンドで、メンバーは、イタリア出身のAngelo Galizia (Vo), チェコスロバキア出身のTom Dokoupil(G), カナダ出身のMark Pfurtschneller (Kbd), ドイツ出身のJürgen Beuth Drs)の4人です。1980年代初頭の英国ポストパンク/ニューウェーブに呼応して、独でも始まったのがNDWで、当時は、DAF, Malaria!, ZK等と同じような時期に始まっています。The Wirtschaftswunderは、1960年代に放送されていた犯罪ドラマのテーマソングを元にしたシングル”Der Kommissar”(本作品です)で、一気に登り詰め、1981年にはファースト・アルバム”Salmobray”をリリース。その最も著明な特徴としては、Galiziaの酷いイタリア語訛りの歌い方でした。そうして、彼等は、ドイツのGrammophonから、セカンド・アルバム”The Wirtschaftswunder”でしたが、ファースト・アルバム程、実験的ではありませんでした。4枚目のアルバム”Pop Adenauer”を同年にリリースし、1984年に最後のシングルを出して、バンドは解散します。Dokoupilはケルンを離れ、残りの3人は、Chin-Chatとして1985年まで活動しています。 と言うのが、The Wirtschaftswunderの略歴ですが、その名前が広く知られるようになったキッカケが本作品です。特に、B面がサントラをアレンジした曲で、これでヒットしています。それでは、各面を紹介していきますね。 ★A: “Television” (3:00)は、スキップしそうなリズムに、童謡調のオルガンの演奏やイタリア訛りの強いVoが被る曲で、ナレーションのテープ音も使われています。 ★B: “Kommissar” (2:55)は、殆どLP収録曲と同じであり、スパイ映画のサントラっぽく、セリフのテープ音を使っており、シリアスそうな曲調なのですが、何処かコミカルな要素(子供のスパイごっこ的な要素)もあり、インスト曲ながら、良い曲となっています。 まあ、B面は、以前から良く聴いていた曲で、独国内でも話題になった曲なので、ここで何度も書くのは憚られますが、A面には、既にThe Wurtschaftswunderっぽさが滲み出ており、このバンドはこう言う風にしか曲が作れないんだなぁ(悪い意味では無く、それだけの強烈な個性を持っていると言う意味で)と納得した次第です。それが、シリアスに演奏していても、どこかにコミカルな要素があると言う稀有なバンドであったと思います。LP持っている人は入手したくても良いですが、コレクターなら押さえておきたいシングルです! https://youtu.be/VW8OkkrG0OE?si=MbjfGWfWwzMFlN4M #TheWirtschatswunder #Television #Kommissar #ZickZackPlatten #7-InchSingle #1980年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Electro #AngeloGalizia #TomDokoupil #MarkPfurtschneller #JürgenBeuth #HeavyItalianAccent
Synth Pop / Neue Deutsche Welle (German New Wave) Zick Zack Platten 不明Dr K2
