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Flipper “Nürnberg Fish Trials (Live)”
このアルバムは、タイトル通り、独のNürnbergのTrustと言うライブハウスで、1991年9月15日に行われたFlipperのライブ音源を収めたアルバムで、時期的には、先に紹介した3枚目のスタジオ・アルバム”American Grafishy”より前にリリースされており、また、Will Shatterの他界後で、John Dougherty (B, Back-Vo)で加入してからの音源となります。ちょっと続けて書いておくと、Doughertyも1993年に脱退した後、1997年10月31日に他界しています。また、直接、関係があるかどうかは分かりませんが、Flipperの創設者Ricky Williamsも、1992年にヘロインの過剰摂取で亡くなっており、Def American RecordingsのRick Rubinは、彼等のファースト・アルバム”Generic Flipper”収録曲とSubterranean Records時代のシングルをコンパイルしたセルフ・コンピレーション・アルバム”Sex Bomb Baby”をRubinは自身のレーベルInfinite Zeroから1995年に再発しています(元々は、このセルフ・コンピはSubterranean Recordsが1987年にリリースしています)。裏事情を調べてみると、1997年まで、Flipperの音楽については、ほぼ絶版となっており、Rubinがその著作権を保持していたらしいです。それで、Subterranean Recordsは、法的和解により、米国国内でのFlipperのレコードの再発権を得たとのことです。その後、Flipperは一時、沈黙期に入ります。その後、2002年に、Bruce Looseは、杖をつきながらBerkeleyのGilman Street 924番地にあるAlternative Music Foundationで、Not Flipper名義で1回限りのライブをやっています(その時に、彼はLoseをLooseと改名したと言う話しもあります)。その後、2005年8月に、1982年のツアーの時と同様に、Bruno DeSmartass (B, Back-Vo)が参加して、復活し、2006年からはこのラインナップで活動しています。まだ、続きはあるのですが、取り敢えず、ここまでにしておきます。
それで、本ライブ作品については、先述以外に、余り情報が無いのですが、曲目をみると、割とファースト・アルバム(A3, B1-B3)やセカンド・アルバム(A1, A2)が多いことからも、新たに加わったJohn Doughertyに気を遣ったのか?それとも独ツアーと言うことで、昔から人気のある曲を敢えて選んだのかはよく分かりませんし、お世辞にも良い音では無いですが、Flipperの国外ライブ音源は非常に稀なので、それだけでも聴く価値はあると思います。メンバーのクレジットは明記されていませんが、恐らく、Bruce Loose (Vo), Ted Falconi (G), John Dougherty (B, Back-Vo), Steve DePace (Drs)だと思われます。それでは、本アルバムの各曲をご紹介していきましょう。
★A1 “The Lights”は、セカンド・アルバムに”The Light, The Sound, The Rhythm, The Noise”として収録されていた初期Flipperらしい名曲ですが、ここでは、スローテンポながら、Bruce LooseのパンキッシュなVoとJohn Doughertyの”fuckin’”なコーラスから成るグダグダな演奏が繰り広げられています。
★A2 “Sacrifice”も、The Melvins等もカバーした名曲ですが、バックの演奏の音量が低めで、Voとのバランスが悪く、せっかくのJohn DoughertyのBも聴き辛いです。その分、Ted FalconiのGが良く聴こえますが、何かコードらしき演奏はしているのですが、何処か痙攣したような所や余りリズミックにカッティングしない、彼のスタイルが良く分かります。
★A3 “Love Canal”は、最初のシングル曲で、最早「古典曲」ですが、ややテンポが速く、また、Voにもエフェクトが掛かっておらず、原曲の持ち味が活かしきれていないようです。そして、Ted FalconiのGは雑音装置の如くです!
★A4 “The John Show”は、知らない曲かと思ったら、John DoughertyのBとBruce LooseのVoのステージ上でのやり取りだけで終わってしまいます。まぁ、Bは、それっぽいフレーズを弾いてはいますが、、、正にグダグダのステージの実況録音です。
★B1 “Sexbomb”も、Flipperの名曲中の名曲ですが、バランスが悪過ぎて、Voだけが異様にハッキリ聴こえ、バックの演奏がしょぼくて、残念です。途中で「プファー」とSaxソロが入ってきますが、これはBruce Looseが演奏?
★B2 “Life”も、ファースト・アルバム収録の曲で、最初は良い感じで始まりますが、後半は、やる気無しのグダグダになってしまい、Steve DePaceのDrsだけ頑張っている感じですが、最後に皆が一斉に力を振り絞って演奏しているのには、思わず涙してしまいます。
★B3 “Ever”も、ファースト・アルバムの名曲で、いきなり、Ted FalconiのGが怒りを露わに爆音で聴こえてきて、その為か、音のバランスも多少良くなったように感じます。
★B4 “Nothing Prettier Than Elvis”は、知らない曲ですが、カントリー調のBとふざけたVoだけの演奏で、アッと言う間に終わってしまいます。
観客の声とかが聞こえないので、多分、PA卓からのラインでの録音だと思うのですが、今まで聴いたFlipperの音源の中で最悪だと思います。また、Flipper側もどう言う訳か、グダグダでやる気ゼロな演奏/ライブを繰り広げており、まぁ、それが彼等の本質と言えば本質(曲間にFuck Youの連呼、酔っ払い発言等)なので、それなりに面白いのですが、ハッキリ言って、この作品はコレクターズ・アイテムですね。別に出さなくても良かったのでは?とも思いますし、それこそラジカセ一発録りの方がよっぽど良かったのではないでしょうか? そんな中でも、Steve DePaceとTed Falconiは、演奏に対して真面目なんだなぁとしみじみ思いました。なので、コアなファン以外にはお勧めしませんので、初心者は間違って購入しないように!
https://youtu.be/oQMSA47wTM4?si=auFcOFw3IszPZHsr
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