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Flipper “Nürnberg Fish Trials (Live)”
このアルバムは、タイトル通り、独のNürnbergのTrustと言うライブハウスで、1991年9月15日に行われたFlipperのライブ音源を収めたアルバムで、時期的には、先に紹介した3枚目のスタジオ・アルバム”American Grafishy”より前にリリースされており、また、Will Shatterの他界後で、John Dougherty (B, Back-Vo)で加入してからの音源となります。ちょっと続けて書いておくと、Doughertyも1993年に脱退した後、1997年10月31日に他界しています。また、直接、関係があるかどうかは分かりませんが、Flipperの創設者Ricky Williamsも、1992年にヘロインの過剰摂取で亡くなっており、Def American RecordingsのRick Rubinは、彼等のファースト・アルバム”Generic Flipper”収録曲とSubterranean Records時代のシングルをコンパイルしたセルフ・コンピレーション・アルバム”Sex Bomb Baby”をRubinは自身のレーベルInfinite Zeroから1995年に再発しています(元々は、このセルフ・コンピはSubterranean Recordsが1987年にリリースしています)。裏事情を調べてみると、1997年まで、Flipperの音楽については、ほぼ絶版となっており、Rubinがその著作権を保持していたらしいです。それで、Subterranean Recordsは、法的和解により、米国国内でのFlipperのレコードの再発権を得たとのことです。その後、Flipperは一時、沈黙期に入ります。その後、2002年に、Bruce Looseは、杖をつきながらBerkeleyのGilman Street 924番地にあるAlternative Music Foundationで、Not Flipper名義で1回限りのライブをやっています(その時に、彼はLoseをLooseと改名したと言う話しもあります)。その後、2005年8月に、1982年のツアーの時と同様に、Bruno DeSmartass (B, Back-Vo)が参加して、復活し、2006年からはこのラインナップで活動しています。まだ、続きはあるのですが、取り敢えず、ここまでにしておきます。 それで、本ライブ作品については、先述以外に、余り情報が無いのですが、曲目をみると、割とファースト・アルバム(A3, B1-B3)やセカンド・アルバム(A1, A2)が多いことからも、新たに加わったJohn Doughertyに気を遣ったのか?それとも独ツアーと言うことで、昔から人気のある曲を敢えて選んだのかはよく分かりませんし、お世辞にも良い音では無いですが、Flipperの国外ライブ音源は非常に稀なので、それだけでも聴く価値はあると思います。メンバーのクレジットは明記されていませんが、恐らく、Bruce Loose (Vo), Ted Falconi (G), John Dougherty (B, Back-Vo), Steve DePace (Drs)だと思われます。それでは、本アルバムの各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “The Lights”は、セカンド・アルバムに”The Light, The Sound, The Rhythm, The Noise”として収録されていた初期Flipperらしい名曲ですが、ここでは、スローテンポながら、Bruce LooseのパンキッシュなVoとJohn Doughertyの”fuckin’”なコーラスから成るグダグダな演奏が繰り広げられています。 ★A2 “Sacrifice”も、The Melvins等もカバーした名曲ですが、バックの演奏の音量が低めで、Voとのバランスが悪く、せっかくのJohn DoughertyのBも聴き辛いです。その分、Ted FalconiのGが良く聴こえますが、何かコードらしき演奏はしているのですが、何処か痙攣したような所や余りリズミックにカッティングしない、彼のスタイルが良く分かります。 ★A3 “Love Canal”は、最初のシングル曲で、最早「古典曲」ですが、ややテンポが速く、また、Voにもエフェクトが掛かっておらず、原曲の持ち味が活かしきれていないようです。そして、Ted FalconiのGは雑音装置の如くです! ★A4 “The John Show”は、知らない曲かと思ったら、John DoughertyのBとBruce LooseのVoのステージ上でのやり取りだけで終わってしまいます。まぁ、Bは、それっぽいフレーズを弾いてはいますが、、、正にグダグダのステージの実況録音です。 ★B1 “Sexbomb”も、Flipperの名曲中の名曲ですが、バランスが悪過ぎて、Voだけが異様にハッキリ聴こえ、バックの演奏がしょぼくて、残念です。途中で「プファー」とSaxソロが入ってきますが、これはBruce Looseが演奏? ★B2 “Life”も、ファースト・アルバム収録の曲で、最初は良い感じで始まりますが、後半は、やる気無しのグダグダになってしまい、Steve DePaceのDrsだけ頑張っている感じですが、最後に皆が一斉に力を振り絞って演奏しているのには、思わず涙してしまいます。 ★B3 “Ever”も、ファースト・アルバムの名曲で、いきなり、Ted FalconiのGが怒りを露わに爆音で聴こえてきて、その為か、音のバランスも多少良くなったように感じます。 ★B4 “Nothing Prettier Than Elvis”は、知らない曲ですが、カントリー調のBとふざけたVoだけの演奏で、アッと言う間に終わってしまいます。 観客の声とかが聞こえないので、多分、PA卓からのラインでの録音だと思うのですが、今まで聴いたFlipperの音源の中で最悪だと思います。また、Flipper側もどう言う訳か、グダグダでやる気ゼロな演奏/ライブを繰り広げており、まぁ、それが彼等の本質と言えば本質(曲間にFuck Youの連呼、酔っ払い発言等)なので、それなりに面白いのですが、ハッキリ言って、この作品はコレクターズ・アイテムですね。別に出さなくても良かったのでは?とも思いますし、それこそラジカセ一発録りの方がよっぽど良かったのではないでしょうか? そんな中でも、Steve DePaceとTed Falconiは、演奏に対して真面目なんだなぁとしみじみ思いました。なので、コアなファン以外にはお勧めしませんので、初心者は間違って購入しないように! https://youtu.be/oQMSA47wTM4?si=auFcOFw3IszPZHsr #Flipper #NürnbergFishTrials(Live) #MusicalTragedies #EmptyRecords #LiveAlbum #Punk #ScumPunk #LiveInGermany #Trust #Nürnberg #BruceLoose #TedFalconi #JohnDougherty #SteveDePace
Punk Musical Tragedies / Empty Records €33.00Dr K2
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Flipper “American Grafishy”
またまた登場のFlipperです。このアルバムもCDは持っているのですが、どうしてもレコードで聴きたくて、購入しました。それで、意外かもしれませんが、1993年に出た、このアルバムは、1982年にファースト・アルバムを、1984年にセカンド・アルバムを出したFlipperにとって、スタジオ録音としては3枚目になります。その間に、3枚のライブ・アルバムを出してはいるのですが、やはり彼等はライブ・バンドと言うことでしようか? 後、関係あるかどうかは分かりませんが、オリジナル・メンバーのWill Shatter (B/Vo)が、1987年12月9日にドラッグの過剰接種で亡くなっており、そのこともあって、バンドとしての体制を立て直す為に、新たに、John Dougherty (B, Back-Vo)が1990年から1993年まで加入しており、また、VoのBruce LoseもBruce Looseと改名しています。なので、このアルバムでの編成は、Bruce Loose (Vo), Ted Falconi (G), John Dougherty (B, Back-Vo), Steve DePace (Drs, Back-Vo)となっています。また、シングル”Someday” c/w “Distant Illusion”を最後に、Subterranean Recordsを離れ、今回は、Def American Recordingsからのリリースになっています。正直、このアルバムをCDで初めて聴いた時は、「何て、Bが上手いんだ!」と驚きました。そんな新生Flipperの最初のスタジオ・アルバム”American Grafishy”を、今回はご紹介します。因みに、ジャケはTed Falconiによるドローイングで、プロデュースはFlipper自身によるものです。それでは、本アルバムの各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Someday” (4:18)は、流石にシングルになっただけに、ミドルテンポのFlipper節全開、かつ間奏で音数を減らしていくとかの新しいアレンジも加えての名曲となっています。 ★A2 “Flipper Twist” (4:48)は、ノリの良いビート感に全員でのコーラスと、Voに専念しているBruce Looseのパンキッシュさも映える曲です。Ted FalconiのGは相変わらずです。 ★A3 “May The Truth Be Known” (2:51)も、緩急を付けた曲調に、上下してドライブするBととめちゃくちゃなアレンジのG、それにパンキッシュなVoと言うFlipperらしい曲です。Bのコード弾きもグー! ★A4 “We're Not Crazy” (3:11)も、イカしたBラインに導かれて、突っ走るパンク・ナンバーで、サビのコーラス部分が堪らなくカッコ良く、またBruce LooseのVoもいつもにも増してパンキッシュです。 ★A5 “Fucked Up Once Again” (5:31)は、スローテンポで、世の中にパンクがハードコアとして速さを求めるに対して、パンクのフィールドにあってFlipperの当初からのスローな曲は異質で、Bラインも割とミニマルで、Voは伸びやかに、Gは「良く分からない」、そしてDrsがテンポをキープしつつ盛り上げていくと言う彼等らしい曲です。 ★B1 “Exist Or Else” (5:18)は、割とノリの良いビート感の曲で、Bもミニマルながら、そのテクがFlipperの音楽性をアップさせています。コーラスで歌うのも高得点です。しかしながら、Gは相変わらずの無茶振りです。 ★B2 “Distant Illusion” (4:28)は、重く引き摺るようなBと煽りまくるVoとつんのめるようなDrsに、何だかよく分からないGから成る曲で、曲調は今までの曲の中でよりシリアスな雰囲気で異質です。 ★B3 “Telephone” (3:18)は、割れた音色のBのリフから始まるノリの良い曲で、途中の「電話ヴォイス」も効果的です。もう、Gなんかは音を出しているだけのような「雑音装置」と化しています。 ★B4 “It Pays To Know” (4:50)は、再び、ややスローでシリアスな曲調になり、必死で訴えかけるVoの迫力も流石です。繰り返すリフから成るBとそれを盛り上げるDrs、珍しくリフを刻みかけも、再び無関係になるG。完璧にFlipperサウンドです! ★B5 “Full Speed Ahead” (3:37)は、Flipper流「ロッケンロー」的解釈によるノリの良い曲で、Bにちょっとした所に上手さを感じますが、Gは相変わらずです。Voの迫力も満点で、最後の曲に相応しいです! 本作品を聴き直して、気付いたことがあるのですが、単にBテクのあるJohn Doughertyが加入したからだけではなく、全体的に、曲のテンポが速くなっており、ノリの良い曲が多いこと、それとアクセントのように、スローでシリアスな曲も散りばめられていることが、このアルバムの最大の特徴ではないかと言うことです。今までの「何となくやる気のない」、コミカルというか「おふざけ」な雰囲気を払拭して、かなり真摯なロック・バンド的になったことに気付いてしまいました(まぁ、確かに前作より9年も経っていれば、それなりに大人にもなるか?)。だからと言って駄目だとかつまらないとかとは、全然思わず、新たな魅力を感じることが出来たね。それに、Steve DePaceの徐々に盛り上げていくドラミング(彼の役割は結構重要!)やTed Falconiのギターノイズにならない意味不明なGアレンジは、always greatなので、聴いていて安心すらしますね!それと、ヴォーカルに専念しているBruce Looseの迫力が凄いことも指摘しておきます。このアルバムは、Flipper史上最も「音楽的」でもあるので、是非ファンの方を含め、パンクロック・ファンの方にも広く聴いて欲しいですね! 後、「Flipperは、パンクとノイズを繋いだバンドだ」としたり顔で言う方がいらっしゃいますが、私はそれには賛同しかねます。それは、Flipperは、どこまで行っても、「クズとしてのパンク」を体現し続けているからです。 A4 “We're Not Crazy” (3:11) https://youtu.be/5miq4YBIlMk?si=tX0J7PFNx2l0-l3m [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kpqZbH4qVLAWEPvN8tlXMmMu4vcaFa7kE&si=Ctva23rf1R--yY8J #Flipper #AmericanGrafishy #DefAmericanRecordings #ThirdStudioAlbum #1993年 #Punk #ScumPunk #Grunge #UpTempo #SlowSongs #Serious #BruceLoose #TedFalconi #JohnDougherty #SteveDePace
Punk Def American Recordings €33.00Dr K2
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Flipper “Public Flipper Limited: Live 1980-1985”
FlipperのCDはほぼ全部持っていますが、どうしてもアナログが欲しくで、米国から直で買っちゃいました。やっぱり、Flipperの場合、レコードの方が良いですね。オマケのボードゲームも付いていたり、ジャケが大きな厚紙ポスターになったりと遊び心があるのが、堪らないです。今回、購入したのは、1980年〜1985年の初期のメンバーによるライブ盤2枚組”Public Flipper Limited: Live 1980-1985”です。メンバーも初期の黄金期のメンバーで、Bruce Lose (Vo/ B), Will Shatter (B/Vo), Ted Falconi (G), Steve De Pace (Drs)の4人です(Bruno DeMartassことSteve DeMartisが、D1ではBを、D2ではGを担当した珍しいテイクです。彼は1983年にBとGでヘルプとして加入しています) 。それから、FlipperはダブルBのバンドではないですよ。Bruce LoseとWill Shatterが曲によってパートを交換しているだけです。この時期のダラダラしたFlipperのライブを楽しめると思いますので、それでは、各曲をご紹介していきましょう。 ◼️LP1 ★A1 “New Rules No Rules” (2:22)は、1, 2, 3,4で始まるアップテンポのパンク・ソングで、途中でBの音が消えたりしますが、戻して突っ走ります。VoはBruce Loseかな? ★A2 “Hard Cold World” (7:56)は、ダラダラしたMCの後に、メチャクチャカッコ良いBラインからの、タイトなDrsと訳分からんGをバックに、パンキッシュなVoが乗り、段々とテンポアップしていきます。この曲は本当に大好き! VoはWill Shatterかな? ★A3 “I'm Fighting” (2:42)は、これもアップテンポな曲で、直線的なBラインなのにブレブレです。まともなのはSteve DePaceのDrsだけです。 ★A4 “The Game's Got A Price” (8:05)は、ミドルテンポの曲ですが、捨て鉢なVoから段々とグダグダになって終わってしまいます。曲のテンポも緩いです。 ★B1 “Love Canal” (4:01)は、ファースト・シングルの曲で、初期の名曲ですが、ライブでもVoのエフェクトは再現していますね。それにしても、演奏自体は、本当に「クズ」です。 ★B2 “Oh-Oh-Ay-Oh” (1:46)では、Ted Falconi が珍しくGを刻んだと思ったら、くだらない歌詞のアップテンポの曲となり、あっと言う間に終わります。 ★B3 “We Don't Understand” (7:35)では、酷いハウリングをバックに、リズム隊が割合スローなテンポで、ミニマルに始まり、VoとChorusで持っていきます。それにしても、TedのGは何と形容すれば良いのでしょう?出鱈目でもない、コードをちゃんと弾いている訳でもない。最後はBがアップしていって終わります。 ★B4 “If I Can't Be Drunk” (9:01)も、スロー極まりない曲で、単調かつミニマルなBラインに、出鱈目っぽいGと投げやりなVo(多分、Will)に、Trumpet(クレジットには無いですが、ゲスト?)まで入ってきます。やがて、Bまで掻きむしられてきます。 ◼️LP2 ★C1 “Sex Bomb” (10:28)は、Flipperの大名曲にして、大馬鹿なパンク・ソングです。NYCのCBGBでの演奏で、録音物よりテンポが早く、よりパンク的に聴こえますが、もうGのメチャクチャ振りと無意味に叫ぶVoを、ミニマルなBと何とか盛り上げていくDrsが支えています。 ★C2 “Brainwash” (0:59)は、1,2,3,4で始まるパンク・ソングですが、一小節で、アッと言う間に終わりますが、この曲のシングル盤は非常に面白いので、一聴してみて下さい。 ★C3 “(I Saw You) Shine” (9:42)は、ファースト・アルバムに収録されていた曲で、元祖スラッジ・コアなスローで、Voが陰鬱な雰囲気を撒き散らしています。ただ、Bラインはミニマルで単調、TedのGは良く分からない、SteveのDrsが必死でキープしつつ、盛り上げています。またSaxも聴こえますね、ゲスト(クレジット無し)かな? ★D1 “Southern California” (4:45)は、珍しくSteveやBruno DeMartassを含めた全員での作曲となっていますが、Steveのドラミングが凄いです。Voはまるでアジテーションです。この曲では、Bruceに代わって、Bruno DeMartassがBを弾いています。 ★D2 “Life” (5:44)も、ファースト・アルバム収録曲ですが、中々ノリ良く演奏されています。メインVoはWillで、ChorusがBruceかな?段々と適当になっていきます。またフリーキーなSaxも入ってきますが、クレジット無しです。また、Tedの代わりのBrunoによるGは殆ど出鱈目のようです。 ★D3 “The Wheel” (5:24)は、またまたミニマルなBラインに、投げやりなVoとG、それらを支えて、かつ盛り上げるDrs。正にFlipperそのものですね。 ★D4 “Flipper Blues” (6:18)は、スローな跳ねるような6/8拍子のリズムの曲で、Will Shatter作曲です。BruceのVoは、WillのVoよりも潰れており、嗄れ声で、よりパンクっぽいですが、曲調はFlipperには珍しく、ブルース調です。 今回、レコードで聴いて思ったことが、3つあります。1つは、CDだと何だかダレるけど、レコード2枚組だと音の豊潤さを感じられたと言うことです。私、特にレコード原理主義者ではないですが、重量盤と言うことも含めて、低音の迫力が凄かったです。2つ目は、Bruce Loseの曲作りの良さとWill Shatterのヴォーカリストとしての表現力の良さです。このアルバムの殆どが、Bruce Loseが作った曲(まぁ、Flipperの場合、作曲と言っても、Bラインを考えるだけですけど)から成るのですが、どれもカッコ良くて、かつミニマルな曲調に良くマッチしています。これは単純そうに見えて、卓越したセンスが必要と考えています。そして、3つ目は、Flipperはやっぱりライブバンドなんだなぁと強く思いました。と言うのも、スタジオ収録曲以外の曲(全16曲中10曲)が、このライブ・アルバムでは収められており、それらの曲のどれもクオリティが高い(演奏自体のことではないです)と言うことです。また、ライブでも、SaxやTrumpet等のゲストもしばしば入れていることにも気付きました。そう考えると、やっぱりこの頃のFlipperには来日して欲しかったなぁと強く思います!! まぁ、この時期(今もかもしれませんが)、来日しても観客席はガラガラだったとは思いますが。それにしても、毎回、思うのは、Ted Falconiは、G(実は全部アップ・ピッキングで弾いています)をどう言うつもりで弾いているのか?と言うことです。所謂「Gノイズ」を弾きたい訳ではなさそうにも思えるのですが、どう聴いても、メチャクチャにしか聴こえないのが、不思議、と言うか、そこが魅力的です!もう、そう言うのも含めて、私自身は、Flipperみたいなバンドをやりたかったなぁとしみじみ思います。まぁ、興味のある方は、どうぞ聴いてみて下さい! A2 “Hard Cold World” (7:56) https://youtu.be/GvmOklOrWJk?si=ii88BtmHfBdplOG8 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kHLYmxc4JbSvJJY6GgJ3ZyUEtFaQdYHJg&si=YZKsnDFCJRuH7g6D #Flipper #PublicFlipperLimited #Live1980-1985 #4MenWithBeards #Reissue #180g #2LPs #2009年 #SubterraneanRecords #1986年 #LiveAlbum #WestCoast #SanFrancisco #Punk #ScumPunk #BruceLose #WillShatter #TedFalconi #SteveDePace #HelpMember #BrunoDeMartass #UnknownGuests #Sax #Trumpet
Punk 4 Men With Beards (Subterranean Records) $34.99Dr K2
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Flipper “Love”
これは、1980年からのファンとしては、買っちゃいますよねー!米国パンクの中でも、「クズ」と言う意味では「真」のパンク、Flipperのスタジオ・アルバムとしては4枚目”Love”、しかも白盤❗️まあ、当然、CDは持っていたのですが、やっぱりVinylとなると買っちゃいますね。スタジオ・アルバムとしては4枚目ですが、ライブ・アルバムも混ぜると、8枚目になります。 Flipperのバイオグラフィーは、あんまり書いていなかったかもしれませんので、ちょっと書いておきます。結成は、1979年、CAのSan Franciscoです。Flipperは、元SleepersのRicky Williams (Vo)、元Red CommandのTed Falconi (G)、それにNegative TrendのWill Shatter (B)とSteve DePace (Drs)で結成されましたが、Williamsはバンドが何か録音を始める前にドロンしています。それで、Bruce “Loose” Calderwood (Vo)が代わりに加入、LooseとShatterは曲によってパートをチェンジするようになります。因みに、Falconiは元ベトナム帰還兵で、非常にユニークなGを当時から弾いています。それで、Flipperの最初の音源は、SFの新興レーベルSubterranean Recordsの7㌅コンピ・シングル”SF Underground”で、これがリリースされたのは、1979年後半で、次に、1980年には、Flipper単独のシングル”Love Canal”/“Ha Ha Ha”がリリースされます。1981年に、名曲”Sex Bomb”を含むセカンド・シングルが出て、パンクスの間でバンドの悪評が高まっていきます。翌年1982年に、ファースト・アルバム”Album - Generic Flipper”がSubterranean Recordsよりリリース、同時に、シングル"Get Away"/"The Old Lady that Swallowed the Fly"もリリースされます。この頃になると、SFでも定期的にライブをやるようになりますが、他のパンクバンドが、速いハードコア・パンクへ向かうのに対して、Flipperは、遅く沈み込むような曲を演奏しています。しかし、パンクスからは賞賛され、至る所にFlipper Rulesとスプレーで落書きされています。1983年には、Rick Schmidtの自主制作映画”Emerald Cities”にFlipperの曲3曲のライブ映像が使われています。1984年には、名曲”Sacrifice”等を含むセカンド・アルバム”Gone Fishin’”がSubterranean Recordsよりリリースされます。また同年には、カセットレーベルROIRから、CBGBでのライブ音源から成るライブアルバム” Blow'n Chunks”がリリース、これは1990年にはCD再発されています。そうして、1986年には、ボードゲーム付き2枚組ライブアルバム”Public Flipper Limited”がリリースされますが、1987年12月9日に、Will Shatterが薬物過剰摂取で他界してしまい、レーベル側は、バンドのシングルやレア音源を集めたアルバム”Sex Bomb Baby”をその年に出しています。一旦、バンドは休止していますが、1990年に、シングル”Some Day"/"Distant Illusion"を、1991年には、新たなライブ・アルバム”Nürnberg Fish Trials”を出します。この時には、John DoughertyがBで参加しており、1992年には、新メンバーで新レーベルDef Americanよりスタジオアルバム”American Grafishy”をリリースします。しかしながら、この年に、一番最初のVoだったRicky Williamsもヘロインの過剰摂取で他界してしまい、また、新BだったDoughertyも1997年に薬物で他界してしまいます。その後、バンドの新作リリースは止まりますが、2002年に、Bruceは、自らの名前をLoseからLooseに変えて、杖をついて、しかもバンド名はNot Flipperと名乗って、Berkeleyで一夜限りのライブを行います。この時には、以前手伝ってもらったBruno DeSmartassがBで参加しており、その後も、このラインナップで2006年からライブを再始動します。2006年12月に、Bruno DeSmartassの代わりに、元NirvanaのKrist NovoselicがBで加入し、英国、アイルランド、全米のツアーを敢行しています。なお、2000年にリリースされたNirvanaトリビュートアルバム用に録音した "Scentless Apprentice"は、セットリストに加えられています。そうして、2008年にNovoselicを加えて新録が開始され、2009年5月19日に、ツイン・アルバムがリリースされます。1つは、本作品でもあるスタジオ新録アルバム”Love”、もう1つは、新旧の曲を集めたライブアルバム”Fight”です。共に、シアトルのJack Endinoがプロデュースしています。しかしながら、Novoselicが家庭の事情で、2009年9月までに脱退しなければならないとアナウンスし、FrightwigにいたRachel Thoele (彼女はゴッホの娘らしい)がBとして加入します。2008-2009年に、Flipperが今まで出した作品のCDリイシューが盛んに行われましたが、2015年10月に、BにBruno DeSmartass、VoにScratch Acid / Jesus LizardのDavid Yowを迎えて、SFで2日間ライブを行っています(因みに、Bruce Looseは2015年に他界しているようで、杖をついていたのも、事故で脊椎を痛めたのだとか?)。そうして、2019年に、Flipperは結成40周年を迎え、バンドは今後、パーマネントなBは置かず、Steve DePace, Ted Falconi, David Yowの3人でやっていくと宣言します。Bとしては、Rachel ThoeleやMinutemenのMike Watt、Krist Novoselicがその都度ヘルプで入るような感じですが、No ParentsやMike Watt & The Secondmen, Quiらのサポートの下、ThoeleをBに添えて欧州ツアーを考えているとのことです。 以上がFlipperの略歴となりますが、今だに現役なのが凄いです。また、Flipperに影響を受けたバンドには、Nirvana, American Hardcoreの著者Moby, Black FlagのHenry Rollins等がいますし、The MelvinsやR.E.M., Unsaneは、Flipperの曲のカバーもしています。それで、本作品”Love”についてですが、メンバーは、先述の通り、Bruce Loose (Vo), Ted Falconi (G), Krist Novoselic (B, Back-Vo [A2]), Steve DePace (Drs, Back-Vo [A2])の4人で、演奏としては一番安定していたのではないかと思われます。では、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Be Good, Child!” (1:44)は、とにかくドライブするリズム隊と吐き捨てるようなVo、それにアップピッキングでノイズのようなG、全てがカッコ良い! ★A2 “Learn To Live” (3:05)も、やや落ち着いたテンポですが、次々吐き出されるVoはパンクそのもの。しかし、Gはどんなリフを弾いているか不明で、それに対し、Bの音色はゴリゴリしていてグー! ★A3 “Only One Answer” (6:15)は、Flipperらしい曲で、スローで沈み込んでいくようなミニマルなBラインと必死でそれに争うDrs、ギラギラのノイズを振り撒くGと毒づくVo。完璧だ! ★A4 “Live Real” (2:36)も、A1と同様にドライブするリズム隊とノイジーなGのコントラストがカッコ良い。 ★A5 “Triple Mass” (2:41)は、変則的なBラインで始まり、それを突き崩そうとしながらも、ビートをキープするDrs、それらとは関係なさげなGに、ニヤリとするVoが叫びまくります。 ★A6 “Love Fight” (4:52)も、多分、表題曲なんでしょうが、スペシャルなものは無く、ひたすら単調でノイジーな坩堝の中でBruceが叫びまくります。 ★B1 “Transparent Blame” (2:26)は、珍しくGから始まりますが、タイトなリズム隊と伸び切ったゴムのようなGに、唾を飛んでくるようながなり声。相変わらず、単調なんですが、心地よい。 ★B2 “Why Can't You See” (6:33)は、もうFlipperの真骨頂とも言えるスローダウンな曲です。逆に言えば、この曲だけ聴いてもらっても良い位です。ダラダラしているが強迫的なGと一言一言しっかりと叫ぶVoは、何とも説得力があるではないか! ★B3 “Night Falls” (3:33)は、タイトでドライブ感のある曲で、録音自体良いのもありますが、多分、Novoselicの加入による影響ではないかと思われます。新境地かな? ★B4 “Old Graves” (8:55)も、モロFlipperな曲ですが、タイトルとマッチしており、不気味な様相を呈しており、本当に沼地にズブズブ沈み込んでいくように錯覚します。珍しく、Voにはエフェクトが掛けられており、それが返って怪しげでもあります。 ここに書いた紹介は、筋金入りのFlipperファンである私の単なる美辞麗句なのかもしれませんので、余り当てにはしないで下さい。それから、本作品では、Novoselicの加入で、ドライブする曲が多めのようにも思えます(FalconiのGは相変わらずだけど)。でも、A3やB2, B4が好きな方は多分、Flipperを好きになれると思います。確かに、最初の2枚のアルバム位までは、本当にクズな演奏を繰り広げていましたが、ここまでくると、単にクズと言うよりも、もはや貫禄すら感じますね。クズ王、即ち、彼等の音楽こそ濃厚パンクエキスの抽出物です!まぁ、聴いたことのない方は一度、聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/-IAYiVhcuqw?si=UNfUH2c0dpsAekpk #Flipper #Love #MVDAudio #2009年 #Repress #2014年 #4ThStudioAlbum #WestCoastScene #AmericanUnderground #Punk #TruePunk #Legend #BruceLoose #TedFalconi #SteveDePace #KristNovoselic #Nirvana
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The Star Club “God Save The Punk Rock”
日本のパンク・バンドってあんまり聴かないんですけど、ちょっとは勉強の為、聴いてみようと思って買ったのが、このThe Star Clubのアルバム”God Save The Punk Rock”です。The Star Clubが名古屋のバンドだとは知っていたのですが、このアルバムがUK/USパンクバンドのカバー集であるのは全く知らなかったです。それで、The Star Clubについてなのですが、簡単に彼等のバイオグラフィーを書いておきます。The Star Clubは、1977年に名古屋で結成され、1984年にメジャーデビューして、VoのHikageを中心に40年以上活動している日本のパンクバンドです。メジャーデビューした1984年以降、オリジナル・アルバムは35枚も出しており、ベスト・アルバムだけでも14枚、トリビュート・アルバムが3枚とボックスセットが2品、その他にもビデオやDVD等々途方もない作品数を出しています。Hikage (Vo)は結成時からずっと代わっていませんが、当然、メンバーチェンジも激しく、結成時は、元暴走族リーダーのカオル (G), 後に原爆オナニーズに加入するEddie (B), Kouji (Drs)と言うメンバーでした。本作品の頃は、元レジスタンスで4代目のLou (G), 元Head Acheで3代目のAkira/Akiller (B), 元Crowleyで6代目のHiro (Drs)となっています。現在は、再加入した11代目のToruxxx (G), 6代目のHiroshi (B), Masa (Drs)となっているようです。 それで、本作品ですが、彼等のルーツを巡る為なのか?結構、1970年代のパンク/プロト・パンクの名曲がカバーされています(同時にリリースされた同名CDの方が2曲多く収録されています)。 A1 “Pretty Vacant”(Sex Pistols)は、原曲よりややテンポが遅いが、選曲したセンスが良い。名曲ですね! A2 “Borstal Breakout” (Sham 69)も、Voのドスの効き具合と合唱が良い! A3 “Something Better Change” (The Stranglers)は、元々はKbdが入っている曲なので、代わりにギターがオーバーダブされてアレンジされています。 A4 “Love Comes In Spurts” (Richard Hell & The Voidoids)も、HikageのVoはハキハキとしており、原曲のナヨナヨしたところがありません。 A5 “New Rose” (The Damned)は、パンキッシュなVoでDave Vanianの艶っぽさとは違った雰囲気が出ているようですが、原曲の疾走感はバッチリです。 A6 “Rich Kids” (Rich Kids)は、元曲を良く知らないのですが、ポップ・パンクよりもやや粗暴な印象です。 A7 “I Don't Mind” (Buzzcocks)は、Pete Shelleyの声質は独特にも関わらず、かなり原曲に近いアレンジが施されています。VoはギターのLouが担当しています。 B1 “Tommy Gun” (The Clash)。The Clashのセカンドは過小評価されてますから、この曲を選んでくれただけで、個人的には嬉しい! B2 “One Hundred Punks” (Generation X)も、原曲の良く知らないのだが、紛うことなきパンク・ソングになってますね。HikageのVoに説得力を感じます。 B3 “Blitzkrieg Bop” (Ramones)は、小気味良いビートが弾けており、原曲の良さを引き出してます。 B4 “Lock It Up” (The Eater)も、原曲を良く知らないのですが、性急さが如何にもパンクな曲だと思います。 B5 “Wasted Life” (Stiff Little Fingers)も、Hikageの熱血Voが原曲よりも熱いですね。 B6 “Emotional Blackmail” (UK Subs)は、落ち着きの無い演奏がUK Subsらしくて、カッコ良いです。後半のハードコアへ向かう雰囲気も有りですね。 B7 “Born To Lose” (Johnny Thunders & The Heartbreakers)も、原曲自体が良いのか、結構忠実に演奏しており、雰囲気を壊していません。 The Star Clubのフィルターを通して、1970年代のパンク・ロックをたっぷり味わうことができました。原曲の良さ或いはアレンジの良さが際立つ好印象のカバー・アルバムだと思います❗️今度は、The Star Clubのオリジナル曲を聴いてみたいです!何か、甘酸っぱく、青臭い気持ちになりました(しかし、日本のパンクスのヤンキー臭は今一つ感情移入できません)。因みに、ライナーノーツでは、森脇美貴夫の熱い文章が読める。 [“1977”] https://youtu.be/_Ye4hIQI1D8?si=jqNQV9b7IfMqWjDQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k_bsvKfc6OOZdgKoeNTsf4lyXBZ5cINmI&si=M_JTasLYBFLwWaKN #TheStarClub #GodSaveThePunkRock #Invitation #CoverAlbum #PunkRock #Japanese #SexPistols #Sham69 #TheStranglers #RichardHell&TheVoidoids #TheDamned #RichKids #Buzzcocks #TheClash #GenerationX #Ramones #TheEater #StiffLittleFingers #UKSubs #JohnnyThunders&TheHeartbreakers #Hikage #Lou #Akira #Hiro
Punk Invitation 不明Dr K2
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Bolshie “1979 Unreleased Studio Tracks + Live”
Bolshie (「ボルシー」と発音)、その名前を聞いたのは、まだ私が田舎の高校生だった時だろうか?まあ、当然、その頃は、「東京ロッカーズ」に注目していた訳 で、その第二弾みたいな感じで、東京のパンクバンドのオムニバス「東京ニュー・ウェーブ’79」も発売されていましたが、その時にBolshieの名前だけは知っていました。まだ高校生なのにパンクバンドを組んで、いち早くレコードにも収録されていたのが、そのBolshieだった訳です。何故か、その時は余り聴く気になれず、そのオムニバス・アルバムを購入したのも、随分後の事だったと思います。なので、リアルタイムではBolshieは聴いていませんでした。それで、最近、Bolshieの5枚組CDが発売されたので、ちょっと気にはなっていた所、本作品“1979 Unreleased Studio Tracks + Live“を知ったと言う訳です。先ず、彼等のバイオグラフィーを簡単に書いておきます。1977年頃、英国パンクの洗礼を受けた横山知幸 (G)は、原宿の洋服屋「赤富士」や「極楽鳥」に入り浸り、結構早くからパンク・フッションをきめていました。更に、彼は、洋服屋「Smash」に出入りするようになり、そこで、メンバー募集を介して、Bolshieのオリジナル・メンバーである石田健司 (Vo, B)、村上”またろう”博 (Drs)、タカオ (Vo)と知り合うことになります。これが1978年5月です。彼等は極初期にはRolling Stonesの曲をパンク風にカバーしたりしていたそうですが、その内、オリジナル曲も増えていきます。丁度、その頃、六本木S-Kenスタジオで東京ロッカーズのムーブメントが注目を浴び始めます。1978年8月に、Bolshieは、S-Kenスタジオで初ライブを迎えますが、その前にタカオ (Vo)が脱退しています。ライブは月1〜2回の割合で行っており、その頃、ドラムは田島一史に代わり、またキーボードに岩井博が加入してきます。そうする中にも、初期ピンク・フロイドの影響を受けたり、3拍子の曲を作ったりと自分達のオリジナリティを追求する為に試行錯誤を繰り返しています。1979年までこの状態は続きますが、やがて岩井博 (Kbd)が脱退し、更にギターも持田幸雄に代わって、トリオで活動を続けていました。そして、1979年5月、江古田キッド・アイラックのライブを最後にBolshieは解散してしまいます(Discogsによると、1979年8月5日の新宿ロフトでのライブで解散となっています)。石田はLondonへ渡り、また横山はその影響で、日本のネオ・モッズ・ムーブメントの火付け役となります。 大体の流れはこんな感じでしょうか。本作品は未発表スタジオ録音曲とライブ音源が収録されています。なお、この時のメンバーは、石田健司/ Kenji Ishida (Vo, B), 横山知幸 / Tomoyuki Yokoyama (G, Vo), 田島一史 / Kazuhito Tajima (Drs), 岩井誠 / Makoto Iwai (Kbd)の4人組の頃です。大部分の曲は1979年春の渋谷YAMAHAエピキュラスでのスタジオ録音で、B6-B9が1979年8月5日新宿ロフトでのライブ音源が収録されています。なお、今回のレコード化に当たってのマスタリングは中村宗一郎がやっています。また、A7とB7 “Part-2”は、Pink Floydの"Take Up The Stethoscope And Walk"のパンク・ヴァージョンです。私的には、Bolshieは3人組だと思っていましたので、ここにキーボードが入っているのは意外でしたね。どの曲も初々しいと言うか若々しい荒削りなパンク・ロック・サウンドで、キーボード(多分シンセとか)の効果音的使い方とかペースを中心とした曲の展開とかが、私的には好みでした。先述の「東京ニュー・ウェーブ’79」に収められていた”Robot In Hospital” (私的には好きな曲)もヴァージョン違いで2曲も収録されており、個人的には嬉しかったです。やっぱり、盛り上がりつつあるシーンで活動していたバンドの迫力みたいなものを感じられて、演奏はまだまだ拙いものの、その一旦を聴くことが出来たのは、嬉しい限りです。そんな貴重な音源をちゃんとリリースしてくれたBaseレーベルに大感謝です‼️YouTubeにも殆ど音源はアップされておらず、Bandcampにも無いので、ほんと、有り難かったです!日本のパンク黎明期に興味のある方にはマスト・アイテムですね。また、如何にもパンクらしいごちゃごちゃしたアートワークもグーです。 A1 “Robot In Hospital” A2 “Clockwork Art” A3 “Nostalgic Boy” A4 “Paranoia Place” A5 “Heavy” A6 “M & S” A7 “Part-2” A8 “Patient No. 1984” B1 “殺したい (House Of Wax)” B2 “Old Cheaper” B3 “Nothing” B4 “Like Iran” B5 “1/3” B6 “Paranoia Place (Live)” B7 “Part-2 (Live)” B8 “Nostalgic Boy (Live)” B9 “Robot In Hospital (Live)” [trailer] https://youtu.be/fSlZXCY0rAw?si=I8So0LnPuiCAtJcf “Robot In Hospital” https://youtu.be/xIfmzg7IFxc?si=DlKlbE9FwILwn11O #Bolshie #1979UnreleasedStudioTracks+Live #Base #Punk #Tokyo #1979 #JapanesePunk #石田健司 #横山知幸 #田島一史 #岩井誠 #KenjiIshida #TomoyukiYokoyama #KazuhitoTajima #MakotoIwai
Punk Base 3500円Dr K2
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The Adverts “Crossing The Red Sea With The Adverts”
The Advertsのファースト・アルバム”Crossing The Red Sea With The Adverts”を紹介します。私が持っているのは、再発盤で、かつライブトラックも集めて2枚組になっている、ファンには嬉しい豪華盤です。ジャケも変更になっており、ゲートフォールド仕様です。The Advertsのバイオグラフィーは前回、書いてありますので、そちらをご参照ください。取り敢えず、この作品でのメンツだけ書いておきます。TV Smith (Vo), Gaye Advert (B), Laurie Driver (Drs), Howard Pickup (G)の4人組です。そして、今回の再発で新たに加えられたのは、C面がシングル・ヴァージョンで、D面がライブ録音となっており、貴重な音が聴けるだけで、テンション爆上がりですね。A面B面は元々のアルバム・ヴァージョンで、A1 “One Chord Wonders”やA2 “Bored Teenagers”からフレッシュなパンク・ナンバーから始まり、有名シングル曲A6 “Gary Gilmore's Eyes”やA7 “Bombsite Boy”と言ったポップ・パンクな曲も入っています。また、B面も、B1 “No Time To Be 21”なんて言うパンキッシュなナンバーから始まり、B6 “Great British Mistake”と言う、私の大好きなナンバーで締めています。全曲、TV Smithが作曲しており、彼のソング・ライティングのセンスが光ります。先述のようにC面は既発のシングル曲を集めたもので、プロデューサーの違うのですが、アルバム・ヴァージョンとの差異があまり無く、その点ではちょっと惜しいですね。まあ、それだけ、The Advertsの曲が完成しているってことかもしれませんが。ただし、アルバムに含まれていない曲(シングルB面の曲”Quickstep”や”We Who Wait)も収録されています。一方、D面は、拙い演奏にも関わらず、初期衝動に任せた貴重な音源が収められており、マニアには堪りませんね。ライナーノーツには、Dave Thompsonが、そしてTV Smithによる解説も掲載されていますので、当時を知る参考になるでしょう。と言う訳で、中堅パンクThe Advertsのファースト・アルバムとその頃の時代を知るアルバムですので、興味のある方は是非とも聴いてみて下さい。 ◼️LP1 A1 “One Chord Wonders” A2 “Bored Teenagers” A3 “New Church” A4 “On The Roof” A5 “Newboys” A6 “Gary Gilmore's Eyes” A7 “Bombsite Boy” B1 “No Time To Be 21” B2 “Safety In Numbers” B3 “New Day Dawning” B4 “Drowning Men” B5 “On Wheels” B6 “Great British Mistake” ◼️LP2 <<Singles>> C1 “One Chord Wonders” C2 “Quickstep” C3 “Gary Gilmore's Eyes” C4 “Bored Teenagers” C5 “Safety In Numbers” C6 “We Who Wait” <<Live>> D1 “On Wheels” D2 “Newboys” D3 “New Church” D4 “Gary Gilmore's Eyes” D5 “Drowning Men” D6 “No Time To Be 21” A6 “Gary Gilmore's Eyes” https://youtu.be/GY3fWYKc03E?si=k-7QEn55lJdfnSX9 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kqzPN38BYUcTAA3bkW4kw69RZl1NvPeQI&si=NfBK-a1M96Ft29Ph #TheAdverts #CrossingTheRedSeaWithTheAdverts #BrightRecords #1978年 #FireRecords #Reissue #2011年 #FirstAlbum #StudioTracks #LiveTracks #SingleVersion #Punk #PopPunk #TVSmith #GayAdvert #LaurieDriver #HowardPickup
Punk Fire Records (Bright Records) 不明Dr K2
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Sham 69 “That’s Life”
このアルバムは高校生の時に買ったアルバムで、パンクに興味がかなりあった頃ですね。そうです、Sham 69のセカンド・アルバム”That’s Life”です。諸パンクですね。最初にバイオグラフィーを簡単に書いておきます。Sham 69は、1975年にSurreyのHershamで、Jimmy and the Ferretsとして結成されました。「Sham 69」と言うバンド名は、建物の壁に描いたサッカーチームの落書きから取っています。Walton and Hersham ‘69と描かれていた文字が一部消えかかって、Sham 69と見えたので、それをJimmy Purseyがバンド名にしたとのことです。それで、Sham 69ほ1976年11月号のNMEにリハのことが掲載されていました。ヴォーカルのJimmy Purseyだけが今後オリジナルメンバーとなります。最初、ギターはJohnny Goodfornothing (本名John Goode)とNeil Harrisでしたが、彼等はDave Parsonsと交代します。ドラムのBilly Bostik (本名Andy Nightingale)もMark Cainと交代しましたが、ベースのAlbie Slider (本名Albie Maskell)は残って、1977年に彼等のファースト・シングル”I Don’t Wanna”をインディーレーベルStep Forward RecordsよりJohn Caleのプロデュースでリリース。その後、ベースのSliderがDave Tregunnaと交代。この時のラインナップが1979年まで続きます。1978年1月、シングル”Borstal Breakout”で英Polydor Recordsよりメジャー・デビューします。Sham 69は他のパンクバンドと異なり、アートスクール出ではなく、サッカーのクラブとの関係が大きかったこともあって、労働者階級のリスナーから支持を受けています。それで、Sham 69のスタイルは、サッカーの応援歌のような一体型のシンガロングスタイルを取り、後のOi!パンクの元になったとも言われています。ただ、ライブではパンクスとスキンズが喧嘩ばかりして、ライブ活動に支障をきたすようになります。逸話として、1978年のLeding Festivalて、”If The Kids Are United”を歌って、観客の喧嘩を止めようとしましたが、全く収まらない状況に絶望し、Purseyはステージ上で泣いたというものがあります(本人は否定)。また英国の極右団体National Frontが暴れて、ステージをめちゃくちゃにしたこともあったみたいです。ただ、レコードは商業的にも成功しており、1978年にファースト・アルバム(スタジオトラックとライブトラックから成る)”Tell Us The Truth”をリリース、同年には、本作品でもあるセカンド・アルバム(スタジオアルバム)”That’s Life”をリリースします。この頃になると、バンドの人気はTop of the Popsに出演したり、映画”D.O.A.”への出演で盛り上がります。しかしながら、1980年にバンドは、4枚目のアルバム”The Game”をリリースして、解散してしまいます。Purseyは、Sex PistolsのSteve JonesとPaul CookとSham Pistolsをやりますが、短命に終わり、ソロで活動していきます。しかしながら商業的成功には恵まれません。その後、1988年にPurseyとParsonsによってSham 69は再結成されます。あとは色々あって、Sham 69を名乗るバンドが2つ存在するようになり、現在に至っています。 それで、本作品の内容なんですが、とにかく、声を挙げて歌い易いパンク・ソングが目白押しで、更に、曲間には何気ない労働者の日常会話を挿入しているところもポイント高いです。まあ、当時は私も田舎の高校生だったこともあって、その熱量と取っ付き易さに一時期ヘビロテしてましたね。今回、40数年振りに聴いたんですが、ブルース臭い曲や日常会話のバックで流れるレゲエ調の曲などもあって、メリハリのついたアルバムになっています。まあ日常会話と言うのは、訳を見ると、ある英国の庶民的な青年が会社に遅刻して、それでクビになり、パブち行って、友人とダベったり、女の子にちょっかい出したりと言うようなものなのですが、当時はそうなんだぁと感心してました。あとPurseyの濁声なヴォーカルは矢張り唯一無比ですね。そんなアルバムですが、当時の熱気をも感じることが出来るので、興味のある方は聴いてみて下さい。 A1 “Leave Me Alone” A2 “Who Gives A Damn” A3 “Everybody's Right, Everybody's Wrong” A4 “That's Life” A5 “Win Or Lose” B1 “Hurry Up Harry” B2 “Evil Way” B3 “Reggae Pick Up Part I” B4 “Sunday Morning Nightmare” B5 “Reggae Pick Up Part II” B6 “Angels With Dirty Faces” B7 “Is This Me Or Is This You ?” https://youtu.be/Aa_TSPfLHuo?si=UeEAc593oyamW29E #Sham69 #That’sLife #PolydorRecords #Punk #SecondAlbum #StudioAlbum #Oi!Punk #Football #SingalongStyle #JimmyPursey #Dave Parsons #BillyBostik #MarkCain #AlbieSlider #DaveTregunna
Punk Polydor Records 不明Dr K2
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Richard Hell and the Voidoids “Blank Generation”
何を今更、と言うことなかれ。「Richard 地獄と空虚っぱい」のファースト・アルバムです。まあ、当時は良く聴いてましたよ。この時のメンバーは、Richard Hell (Vo, B), Marc Bell (Drs), Robert Quine (G, Backing Vo ), Ivan Julliard (G, Backing Vo)の4ピースです。Hellは元々、Televisionとその前進Neon BoysはたまたThe Heart Breakersにも在籍したいましたが、このVoidoidsが自身による初のリーダーバンドとなりました。Malcolm McLarenが彼等の風貌や音楽を見聞きして、アイデアが思い浮かび、それを英国に持ち帰って、プロモートしたのが、英国のパンクバンドSex Pistolsであることは有名ですね。本名、Richard Meyersですが、Television時代にRichard Hellと呼び名を変えています。その後、HellはNew York DollsのJohnny Thundersと共にThe Heart Breakersを結成しますが、割と直ぐに脱退し、1976年初頭より、Voidoidsのメンバーを探します。彼は、ギタリストとして、同じ本屋でバイトをしていたRobert Quineと、Ivan Julianを探し出します。それでドラムはVillage Voiceのメン募からMarc Bellを選ひ、これでバンド、Richard Hell and the Voidoidsが誕生します。それで、Hellは新しく曲を書き始めますが、彼のインスピレーションは意外かもしれませんが、Bob Dylan, the Rolling Stones, the Beatles, he Stooges或いはthe Velvet Undergroundから得ていたようです。また、彼等は、the SeedsやCount Fiveなどのガレージ・ロックのカバーもやっていました。その為か、後付けで、彼等の音楽はArt Punkとも呼ばれたみたいです。既に、Television時代に書いていた”Blank Generation”を正式なレパートリーとし、1976年にOrk Recordsより7㌅シングルとしてリリースします。それがアンダーグラウンドでヒットし、Sire Recordsと契約します。それでリリースされたのが、彼等のファースト・アルバムで本作品である”Blank Generation”です。内容はヘナヘナのHellのVoに対して、ツインのギターがマジカルに絡む、紛れもない「ロックンロール」です。Hellのちゃんと歌ってのも怪しい、ヘロヘロのヴォーカルは彼しか出せない味ですね。また、QuineとIvanのギターも絡み具合も程良く、独特のテンションを醸し出しいますね。勿論、B1 “Blank Generation”は名曲ですが、やや長尺のB4 “Another World”も捨てがたいです。そんな、ニューヨークの地下で生まれたパンクとは言えないかもしれないパンクバンドRichard Hell and the Voidoidsのファーストはロックを語る上でマストですので、是非未聴の方は聴いてみてください❗️ “Blank Generation” https://youtu.be/v9FkQLjOSZ8 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLnHqsp4IJU3OR88eEf74Yldys9pX8piX0 #RichardHellAndTheVoidoids #BlankGeneration. #SireRecords #Punk #Originator #FirstAlbum #RichardHell #RobertQuine #IvanJulian #MarcBell #Television #TheHeartBreakers #NewYork
Punk Sire Records 不明。Dr K2
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The Damned “Damned Damned Damned (地獄に堕ちた野郎ども)”
The Damned、最も早くシングルとアルバムを出した英パンクバンドにして、最も早く解散した英パンクバンド(その後、再結成している)。これを購入したのは、高校生の時だった。まるで、何かのコントのようなジャケ写(これはこれで怪しかった)、裏ジャケもカッコいい。取り敢えず、田舎でも国内盤が普通に売っていたので、購入した覚えがあります。この作品から、パンクの中で最高にカッコいいギターを知ったと言う訳です。この時のメンバーは、Dave Vanian (Vo), Brian James (G), Captain Sensible ことRay Burns (B), Rat ScabiesことChris Millar (Drs)の4人。捨て曲無し❗️Brian Jamesのノイズの様な引き攣ったギター、めっちゃカッコいいと思いました。当時の音楽雑誌ではCaptainがバレリーナの格好をしているとか書かれていたので、何か色モノっぽいなと聴くまでは思っていたんですが、兎に角、ぶっ飛びました。それにテンポは速目の曲が多く、またそれでいて、DaveのVoは、ガナるではなく、歌い上げるように歌うのも魅力でしたね。それとシンバルを多用するRatのドラムも素敵に思えました。あと”New Rose”のイントロのドラムは今聴いても最高です。まあ40数年振りに聴きましたが、やっぱりカッコいいとしか言えません(反論は受け付けません❗️) 未だにバンドが続いているのはホントに凄いです。そんなカッコいいバンドThe Damnedのファースト・アルバムを是非とも聴いてください。「世界遺産もの」のパンクです。 A1 “Neat Neat Neat” (2:41) A2 “Fan Club” (2:50) A3 “I Fall” (2:10) A4 “Born To Kill” (2:40) A5 “Stab Yor Back” (1:00) A6 “Feel The Pain” (3:50) B1 “New Rose” (2:41) B2 “Fish” (1:50) B3 “See Her Tonite” (2:30) B4 “1 Of The 2” (3:10) B5 “So Messed Up” (1:54) B6 “I Feel Alright” (4:31) https://youtu.be/38l9cEHW87M?si=6k9GpBJ8SPqoSiJP #TheDamned #DamnedDamnedDamned #StiffRecords #地獄に堕ちた野郎ども #FirstAlbum #Punk #DaveVanian #BrianJames #CaptainSensible #RatScabies
Punk Stiff Records 2500円?Dr K2
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Magi Razzo / Rhythmus Radikal / Joel Kurt “Sauklang Sampler”
これまた、謎物件ですぅー。どうも、1980年前後に活動していたNDW (Neue Deutsche Welle: German New Wave)のバンド3組のオムニバム・アルバムみたいです。寡聞にして、この3つのバンドは私は知りませんでした。これをレコード棚から出してきた時も、すっかり忘れていました。その3組と言うのは、Magi Razzo, Rhythmus Radikal, Joe Kurtです。このアルバムに関しても殆ど情報が無いので、取り敢えず、各パンドのメンバーなどを紹介していきたいと思います。Magi Razzoは、Markus Kern (B), Norbert Jaensch (Drs), Werner Neeff (Vo, Vln, Mandolin), Wolfgang Todt (G, Vo), Gerald (G, Vo)ですが、この時のドラムはGerhardだったみたいです。まあ、NDWと言うよりも独逸のパンクに近いんですが、A1 “Silicon Orbit”ではくねくねしたギターが面白いですし、A4 “Tante Frida”でのヴァイオリンもいい感じです。次に、Rhythmus Radikalは、Manna (Klomph)を中心に、Piell (Vo), Kleo (B), Ralf (Drs)となっています。音の方はやはりNDWと言う訳ではなく、パンクとしても激烈なパワーもなく、どちらかと言うと日本のMirrorsのような立ち位置かな?と思いました。B2 “Gadzilla”と言う曲は親日的なんですが、ダウナーな曲で面白かったです。Joe KurtはKarin (Vo), Thomas II (Vo, G), Ralo (B), Ulvi (Drs), Taucher (G)らしいですが、Karin嬢の変幻自在なヴォーカルが魅力的ですね。広義のパンクなんでしようが、割とメロディラインがいい感じです。Thomas IIが歌うとパンクっぽくなりますな。それにしても、何でこのアルバム買ったんだろうと思い返しても、分かんないですね。ただ単に独逸モノだから買ったのかなあ?しかし、殆ど情報が無いので、レアと言えばレアなんですが、価値があるかと言わられると「うん〜ん」と唸ってしまいますね。でもこの時期の独逸パンクのサンプラーとしては貴重だと思いますので、そこら辺に興味のある方は聴いてみて下さい。 Magi Razzo “Mädchen X” https://youtu.be/fnEVWG76IqE #MagiRazzo #RhythmusRadikal #JoeKurt #SauklangSampler #Schwarzwaldrecords #Punk #GermanPunk
Punk Schwarzwaldrecords 不明Dr K2
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Sex Pistols “Never Mind The Bollocks”
ここに来て、これですか?とは言わないで下さい。音楽業界を震撼させたSex Pistolsのデビューアルバムです(邦題は「勝手にしやがれ」でしたね)。Sex Pistolsに関しては、色んなゴシップや噂、ネタなどがありますし、ゴシップめいたことも沢山ありますので、そう言うことは無視して音楽面を中心に書いていきたいと思います。元はと言えば、King’s Raidで、Vivienne WestwoodとMalcolm McLarenがやっていたToo Fast to Live, Too Young to Die(のちにSEXと改名)と言うブティックの常連の悪ガキだったSteve JonesとPaul CookらがやっていたThe Strand (のちにThe Swankersとして知られる)から、Malcolmが2人を引き抜き、当時、彼の店でバイトしていたアートスクールの学生Glen Matlockを誘い、Pink FloydのTシャツに手書きで”I Hate”と付け加えて、緑に染めた髪をしたJohn Lydon (芸名はJohnny Rotten)に目を付けて勧誘したのが、最初期のメンバーでした。まあ、Malcolmが短期渡米して、NYのパンク・ムーブメントを体験し、RamonesやRichard Hellを観たことが大きく影響していました。正式には1975年11月にライブ・デビューしたことになっていますが、多くの後進のパンクバンドとは異なり、結構、スタジオでの練習はやっていたそうです。1976年に大手レコード会社EMIと契約し、デビューシングル”Anarchy in the UK / I Wanna Be Me”をリリースするも、TVで放送禁止用語を連発し、契約破棄に。その後、A&M Recordsと契約し、シングル”God Save The Queen”をリリースしようとしたが、発売直前に契約破棄されています。最終的にはVirgin Recordsと契約。しかし、1977年2月にGlenが解雇されます。バンドのソングライターでもあった彼の脱退は、痛手でしたが、その理由は「彼は余りにThe “Beatles”過ぎたから」というもの。Glenに代わって、Johnnyの古い親友John Simon RitchieことSid ViciousがBで加入(因みにSidはSiouxsie and the Bansheesやthe Flowers of Romanceでドラムを叩いていたとのこと)することになりました。これで、Sex Pistolsは、見かけも中身もパンクバンドとなった訳です。1977年春にオリジナルメンバー3人はアルバム作製を開始し、大模様プロデューサーChris Thomasを迎えます。それでその時丁度、Sidが肝炎で療養してたらしく、B不在のまま、録音が行われています。と言うか、ベースパートの殆どをSteve Jonesが弾いており、後でSidが弾いたベースも小さい音量でミックスされていたらしいです。そして、1977年10月28日に、本作品である彼等のデビューアルバムがリリースされます。Rolling Stone誌は「70年代で最もエキサイティングなアルバムだ」とベタ褒めでした。1978年1月にはWarnerの力で、米国ツアーをやりますが、保守的な南部から始まったツアーの途中で、Johnnyは嫌気がさして脱退してしまい、バンドはそのまま、空中分解してしまいます。 とまあ、これでも、まだ書き足りないのですが、今回はここまでとします。それで本作品ですが、Sex Pistolsとしてはほぼほぼ唯一のスタジオ録音アルバムです。しかし、それを上手くシングルカットして、ちょい出しているのも作戦なのでしょうか? このアルバムで一番好きな曲は”Bodies”なんですが、ちゃんとリハや練習もやっているバンドなので、いわゆるギターソロの無いハードロックとも取れる、結構カッコよくて、分厚い音で鳴ってるなあと思います。要するに後進のパンクバンドが練習もろくにせず、ライブはダラダラ、レコードもヘナヘナと言うのとは違いますね。また、EMIをおちょくった曲も彼等らしいですね。Johnnyのヴォーカル・スタイルもコックニー訛りが酷いんですが、それがまた、カッコいいとも思えます。私は、このアルバムはリリースされてからずっと後になって聴いたのですが、それまではリアルタイムでは” God Save TheわQueen”や ”Holiday In The Sun”はシングルで聴いてました。やっぱりパンクはシングルだろって(厨二病っぽい)。そんなことを思い出しますね。でも、Malcolmの仕業で、このアルバムは色んなヴァージョンがあるようなので好きな方は集めているとも。私にロックンロールを教えてくれたパンドですね。皆さんもきっと気に入る曲があると思いますよ。未体験なら、今からでも聞いてみてください。 A1 “Holidays In The Sun” (3:10) A2 “Liar” (2:39) A3 “No Feelings” (2:48) A4 “God Save The Queen” (3:17) A5 “Problems” (4:10) B1 “Seventeen” (2:00) B2 “Anarchy In The UK” (3:30) B3 “Bodies” (3:00) B4 “Pretty Vacant” (3:14) B5 “New York” (3:03) B6 “E.M.I.” (3:06) https://youtu.be/LD2i99QPVI0?si=zYFh7Wdg0gdsJPDO #SexPistols #NeverMindTheBollocks #VirginRecords #Punk you can #JohnnyRotten #SteveJones #PaulCook #SidVicious #GlenMatlock #Manager #MalcolmMcLaren #SEX
Punk Virgin Records 不明。Dr K2
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RotzKotz “Much Funny”
これも何だか訳分からずに購入した1枚。独逸モノだったから買ったのかな?全然、覚えていません。Rotzkotz(「ロッツコッツ」)はハノーバーで結成されたパンクバンドで、結構、正統派パンクです。メンバーは、Ernst-August Wehmer (Vo), Horst Illing (G), Uli Scheibner (B), Peter Köhler (Drs)で、Dieter Runge (G)も在籍していましたが、1977年にNYCに移って、New York Ni○○ersに参加しています。バンド自体は、英国のパンクとほぼほぼリアルタイムであり、歌詞も英語のようです。始めたのも早かったんですが、1982年に解散しています。本作品は元々、彼等が自主制作で出したもので、その時のタイトルは”Vorsicht ! Paranoia”でしたが、その後、Hipocrite Musicから再発された時に、本作品のタイトル”Much Funny”に変更されています。また、このアルバムの後、Gregor Ludewig (Piano)で加入したりして、所謂、ニューウェーブ・バンドに変身したそうです(私は未聴)。基本のメンバーはErnst-AugustとHorstだったようで、セカンドアルバムではこの2人以外はメンバーチェンジしています。このアルバムで聴かれるのは、英国のB級パンクの影響をモロ受けたサウンドで、余り、Neue Deutsche Welleに入れるのには抵抗がありますね。そんなRotzkotzの初々しいファーストアルバムも偶には良いんじゃないでしようか。まあ、機会があったら聴いてみて下さい。 ◉Vorne A1 “The Disco Sound Is Dead” A2 “Lunatic Chick” A3 “Peep Show” A4 “Jet Set Clown” A5 “Hurling” A6 “Lookaround” ◉Hinten B1 “Slicky Life” B2 “We're The Rest” B3 “Pressure Mark” B4 “Punk Rocker” B5 “Gettin' To None” B6 “Goin' Mad” B4 “Punk Rocker” https://youtu.be/kjQsOvVOIeE?si=yAhw9yo6kwtTNb2M [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLBDEF1E7A9E1335D8&si=nFELa20jaTC7-1AS #Rotzkotz #MuchFunny #HipocriteMusic #1979年 #PunkRock #Vorsicht!Paranoia #Ernst-AugustWehmer #HorstIlling #UliScheibner #PeterKöhler
Punk Hipocrite Music (自主制作) 不明Dr K2
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The Damned “Machine Gun Etiquette”
出ました!パンクバンドとしては最も早くレコードを出したThe Damnedの3枚目のアルバム”Machine Gun Etiquette”です。パンクのお手本のような演奏であった1stの後、ずっこけた2nd、その後にリリースされた傑作アルバムです。私よりの詳しい方もいらっしゃるとは思いますが、ちょっとだけ彼等のバイオグラフィーを。The Damnedは、1976年に英国LondonでDave Vanian (Vo), Brains James (G), Captain Sensible (B, 後にG), Rat Scabies (Dr)によって結成されました。そして前述のように英国で初めてパンクバンドとして出したシングルは”New Rose”、そしてアルバムは”Damned Damned Damned”です。Dave Vanian (David Lett), Captain Sensible (Raymond Burns)とRat Scabies (Chris Millar)は、The PretendersのChrissie Hyndeを前面に押し出したバンドMasters of the Backsideのメンバーでした。一方、Brian James (Brian Robertson)は、後にThe ClashやGeneration Xを排出するとなるバンドLondon SSのメンバーでありました。Ratは、Brianの知ってました。と言うのも、RatはLondon SSのドラマーのオーディションに落ちたことで覚えていたらしいです。しかし、Masters of the Backsideは軌道に乗らず、消滅していまいます。そこで、CaptainとRatはBrianを呼び戻し、Masters of the Backsideでヴォーカル候補でもあったDave Vanian (David Lett)と新しいバンドを始めます。これが、The Damnedの始まりです。1976年、英国でパンクが席巻する中、9月にStiff Recordsと契約し、ロンドン・パンクとしては、初のシングル”New Rose”(B面はThe Beatlesの”Help”のカバー)をリリースし、はたまた、1977年にはロンドンパンク・バンドとしては初のアルバム”Damned Damned Damned(邦題「地獄に落ちた野郎ども」)”をNick Lowのプロデュースでリリースします。その年8月にはセカンド・ギターとしてLin Edmondsが加入し、セカンドアルバム”Music For Pleasure”を、何と!Pink FloydのNick Mason担当しますが、音楽評論家からは無視されます。この失敗でバンドはStiff Recordsを離れ、またRatもこのアルバムに不満があり、脱退します。仕方なく、後にCulture Clubに参加することになるJon Mossをリクルートしてきますが、音楽性の違いなどを理由に、1978年2月にバンドは解散してしまいます。しかしながら、その年の夏頃にはCaptainとRatは再集結し、この後、呼応したDaveは、Motörhead/HalkwindのLemmy Kilmisterをベースとして共に集結し、DoomedやMotordamn名義で活動を開始。この後、ChelseaのHenry Badowskiを経て、The SaintsのAlgy Wardをベースとして迎え入れ、本格的にThe Damnedとして再編されます。つまり、元々BだったCaptainがGにシフトして、AlgyがBになった訳です。それまではBrianが曲作りをしていたのですが、再結成後はCaptainが曲作りの中心となった為、ポップな曲調が多くなります。1979年4月に彼等はChiswick Recordsと契約し、スタジオで録音を始めます。シングル”Love Song”や”Smash It Up”がシングルカットされ、1979年に3枚目のアルバムである本作品”Machine Gun Etiquette”がリリースされ、またJefferson Airplane の”White Rubbit”のカバー曲もリリースされます。このアルバムは、1960年代のガレージ・サウンドに強い影響を受けており、Farfisaのオルガンがフィーチャーされた曲が多いのも特徴です。また、録音はLondonのWessex studioで行われましたが、そこはThe Clashが”London Calling”を同時期に録音していた場所で、表題曲のバックヴォーカルにJoe StrummerとMick Jonesがクレジット無しで参加しています。その後も、Captainがソロ活動に集中する為辞めたり、Ratが解雇されたりして、何回も再結成されたり、音楽性も変えたりと目まぐるし変遷をたどりますが、現在でも現役で活動中です。 それで、本作品”Machine Gun Etiquette”ですが、初っ端の”Love Song”からのけぞる位、カッコいい曲が連射されます。またタイトルもかっこいいですよね?この頃も、テンポは速めの曲が多く、その疾走感は格別です。ガレージっぽいとは私は思いませんでしたが、確かにオルガンが入っており、1960年代っぽいと言えば、そうかも知れませんね。まあ、とにかくカッコいいの一言ですね。皆さんで未聴の方は、この作品を聴いてみて下さい! A1 “Love Song” (2:22) A2 “Machine Gun Etiquette” (1:48) A3 “I Just Can't Be Happy Today” (3:35) A4 “Melody Lee” (2:02) A5 “Antipope” (3:12) A6 “These Hands” (2:05) B1 “Plan 9 Channel 7” (5:03) B2 “Noise Noise Noise” (3:09) B3 “Looking At You” (5:01) ;M.C.5 cover B4 “Liar” (2:39) B5 “Smash It Up (Part 1)” (1:56) B6 “Smash It Up” (2:50) A1 “Love Song” (2:22) https://youtu.be/JinvNunQnxM?si=3EDu4HBrcwNkPWzOMinuten [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL6mpyAioMZGjWEeWqvwL-Q98Lf4ymHtvM&si=UQmvUJ18fXSLQgA3 #TheDamned “MachineGunEtiquette #ChiswichRecords #ThirdAlbum #Punk #Garage #Popness #DaveVanian #CaptainSensible #RatScabies #AlgyWard
Punk CHISWICK Records 不明Dr K2
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Penetration “Coming Up For Air”
皆さーん、このバンド、知ってますかぁ?英国のパンク・バンドPenetrationです。日本では今ひとつ人気の無いパンク・バンドですね。Penetrationは、1976年に英国County Durhamで結成されたバンドで、メンバーはPauline Murray (Vo), Robert Blamire (B), Gary Smallman (Dr)とGary Chaplin (G)でしたが、1978年3月にGaryが脱退し、代わりにNeale Floyd (G)が加入、更にセカンドギターとして7月にFred Purser (G)が加入します。彼等のファースト・シングル”Don’t Dictate”はパンクロックの初期のアンセムとして人気がありましたが、1979年終わりに解散しています。2001年にオリジナルメンバーのPauline, Robert, Garyに加えて、Steve Wallace (G)とPaul Harvey (G)が新メンバーとしてリユニオンしています。簡単にバイオグラフィーを。元々は英国County Durhamの炭鉱都市Ferryhillで、The Pointsと言う名前でライブをやっていましたが、直ぐにバンド名をPenetrationに替えてきます。チャンスは直ぐにやってきて、2回目のライブの時にThe Stranglersの前座をやり、また伝説のクラブThe Roxyでもライブをやっていました。また、同時期ではGeneration Xと対バンしたり、The VibratorsやBuzzcocksのサポートをしたりしています。彼等のセカンドシングル”Life’s A Gamble”のリリース後、1978年7月には、John Peel Session (BBC Radio 1)にも出演しています。その年の後半にデビューアルバム”Moving Targets”をリリースしており、Sounds誌やNME誌でも概ね良いレスポンスを得ています。1979年には英国・欧州・米国ツアーを行いますが、厳しいスケジュールで高い代金を支払う羽目に。また、セカンドアルバムである本作品”Coming Up For Air”へのレスポンスが余り得られなかったこともあり、バンドは瀕死状態になります。それでバンドは、初期のデモテイクやライブテイクを集めたオフィシャル・ブートレッグ”Race Against Time”を出して、その年の10月に解散してしまいます。しかしなから、Paulineは1980年にはThe Invisible GirlsやBuzzcocks、Durutti ColumnのVini ReillyとかThe Only Onesとかともゲスト参加や協力をしています。その後もPaulineは、Robert BlamireやTim Johnston及びPaul Harveyと共にPauline Murray and The Stormとして時々活動をしていたようです。そして、2015年にPenetrationはPauline Murray, Robert Blamire, John Maher (元Buzzcocks), Paul Harvey及びSteve Wallaceと言う布陣でニューアルバム”Resolution in October”をリリースしてリユニオンを果たします。 それで、本作品なのですが、まあパンクのアルバムとしてはややソフイストケートされた印象ですね。パンク・バンドの2枚目の作品ってこうなるパターンが多いのですが、それでも、PaulineのVoは、ちょっとだけハスキーで張りがある伸びやかな声質なので、個人的には結構好きです。バックの演奏も色々ちょっとした工夫が為されており、タイトでいい感じにはなっています。ただ、華がある曲が少ないと言えばいいんでしょうか?キャッチーな曲が少ないように思え、それが彼等のセカンドで終わってしまったのかも知れませんね。それから、プロデュースはSteve Lillywhiteなのですが、この人がプロデュースした作品にハズレなしと言う音作りですね。流石、パンク/ニューウェーブ職人❗️そんな彼等のアルバム、聴いてみて下さい。4649❗️ A1 “Shout Above The Noise” (4:02) A2 “She Is The Slave” (3:07) A3 “Last Saving Grace” (2:54) A4 “Killed In The Rush” (1:47) A5 “Challenge” (3:59) B1 “Come Into The Open” (2:49) B2 “What's Going On” (3:04) B3 “Party's Over” (2:50) B4 “On Reflection” (2:08) B5 “Lifeline” (2:50) B6 “New Recruit” (3:02) B4 “On Reflection” (2:08) https://youtu.be/Ev0Fz6V1xeg?si=2VsjcD8dk_EAgEPZ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n_oJS7d8Jq2XRbYpEoQtT9SrhrZnDLmYk&si=cMW6TSNV41h_oKAd #Penetration #ComingUpForAir #VirginRecords #Punk #UKPunk #SecondAlbum #PaulineMurray #RobertBlamire #GarySmallman #NealeFloyd #FredPurser
Punk Virgin Records 不明Dr K2