1. Futurologischer Congress “Schützt Die Verliebten“

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これもいつもの如く、全然知らずに購入したアルバムです。それで、ちょっと調べてみました。1. Futurologischer Congress (アイン・フーチュロロギッシヤー・コングレス)、本当のバンド名はFuturologischer Congressで、ポーランドのSF作家Stanisław Lemの1971年作(独語訳は1974年)の小説 "Der Futurologische Kongress (「未来学学会」の意)"からバンド名は取られています。元々は、U. W. A. Heyderこと本名Uwe Antonius Wilhelm Heyder (Vo, Synth, G, Flute; ウーヴェ・アントニウス・ヴィルヘルム・ヘイダー), Johann Sebastian Mac WaskyことJohann Sebastian Wastel (Kbd, B, Vo; ヨハン・ゼバスチャン・ヴァステル), Jens T. Tröndle (Kbd, Moog-B, Drs, Programming; イェンス・T・トレンドル)の3人がコアメンバーとなって、1981年に西ベルリンで結成され、同年にデビューEP”Posthum”を自主制作でリリースしています(因みに、このEPはMarc Bolan, John Lennon, Bob Marleyの曲をミニマル・ウェーブでカバーした秀作です)。その後、ベルリン市議会主催の音楽コンテストに参加した際に、彼らの曲”Heimatlied”が優勝し、その賞品として、この曲がシングルとしてレコードプレスされています。その後、Sender Freies BerlinによるTV放送を通じて、彼らは、Teldacと契約し、Wagner Tonträger (ヴァグナー・トントレーガー)からレコードをリリースすることになります。彼らコアメンバーのコンセプトは、定期的に参加するコアメンバーのハードコアな音楽性と、その都度、入れ替わるゲスト・プレイヤーの演奏をベースにしていました。本作品でもあるファースト・アルバム”Schützt Die Verliebten (シュツト・ディー・フェルリーブテン「愛する者を守れ」の意)”には、Mico、Prima KlimaのRainer Konstantin、IdealのHansi Behrendtらが参加していました。1982 年 8 月、バンドはベルリンのヴァルトビューネでコンサートを開催し、その模様は第3TVチャンネルで放送されましたが、その時には、12人編成でも演奏していた事もあって、演奏を報じたメディアは、彼らのことを「独逸のTalking Heads」と評しています。彼らのセカンド・アルバム”Wer Spricht?”は1983年にリリースされ、F.M. Einheitらも参加し、よりエレクトロな方向へと音楽性も拡大、かつソウルやファンクの要素も取り入れています。この時点ではバンドの定期的メンバーは5人編成になっています。音楽誌Musik Express は、このセカンド・アルバムの国際性を称賛し、英国のHeaven 17のような洗練されたシンセ・ポップにも匹敵すると評しています。1984年までに、上記の2枚のアルバムと2枚のシングルをリリースしていますが、NDWの流行りが収まるのと同時に、彼らの人気も落ち着いていきます。1984年には、彼らはサード・アルバム用の曲を書いていますが、バンド内での意見の不一致の為、結局、リリースはされていません。これらのセッション中に制作されたトラックは、2006年から “Studio-Tracks 1983–1986“という名前でストリーミングで公開され、後に”Patchwork”の言うアルバムでCD再発されています。そして、1984年に、バンドは解散し、その後数年間、各メンバーは様々なソロ活動を展開しています。 その後1992年に、バンドは、Futurologen (フューチュロゲン;「未来学者」の意)という名前で再結成され、アルバム”Feuer”をリリースしています。このアルバムは当初、インディー・レーベルからリリースされ、後に大手レーベルからもリリースされています。しかし、バンドは、この新アルバムでは以前のような成功を手にすることは出来ず、2006年、1. Futurologischer Congressの最初の2枚のアルバムがIndigoによって再発され、残りの録音物も、Fuegoによってリイシューされています。2007年に新しいCDの制作が発表され、”Crash!”がようやく2016年にリリースされています。現在のメンバーは、Stefan Höls (Vo, G, Kbd), U. W. A. Heyder (Kbd, Programming), Jens T. Tröndle (Kbd, Programming, Back-Vo), Hanno Rinne (G), Gundula Ulbrich (Axinia) (Vo), Sandra Wirth (Vo)となっています。
 以上が1. Futurologischer Congressのバイオグラフィーとなります。本作品”Schützt Die Verliebten”ですが、先述のコアメンバー3人に加えて、Mico Laj Czak (Vo [A1, A3, A5, B2, B3]), Hans Behrendt (Drs [A1, A4, B5, B6]), Marion Deu Ssing (Vo [A1, A3, B2, B3]), Rainer Konstantin (G [A5, B5]), Mona Buske (Sax [A5, B1, B3]), Bernd (Trombone [B3]), Fred Thurley(G [B4])も参加しています。コアメンバーの使っているシンセも、Moog BassからRoland Jupiter 4や8やKorg、更にはCasioやSyncussionまでと色々あり、更にシーケンサーやリズムマシンも使っています。全体のイメージは、流行りのエレ・ポップ調なのですが、特にB面になると、ファンク色が強く、初期のHeaven 17っぽい感じもしますね(特にB4等)。力強い女性Voとタイトな演奏、それに効果的な口笛が効いているA1, 煌びやかなUKエレ・ポップ調のメロディのA2, シンセBと軽めのビートに切々と歌うA3, ドンカマのリズムに電子ノイズと軽いVoから成るあっという間のA4, 引き攣ったGとSaxがエレクトロと見事に融合した「電子化されたLounge Lizards(ジャジーでノーウェーブ)」的なA5, 思いっきり未来的っぽい電子音を多用しながらもブラス類も組み込んだダンサブルなA6でA面を締め、ミディアムテンポの歌モノながら、ブルージーなSaxやSE的シンセも挿入されているB1, リズムマシンとDrsの奏でる土俗的リズムに男女のVoが効いているB2, かなりファンク色の強いアレンジのエレクトロなB3とB4で、特にシンセBを使ったバネのある演奏は素晴らしいです。シンセBとGが大活躍するドカドカしたB5, そうしてA4のアンサーソングでもあるB6でアルバムを締めています。まだまだソウル/ファンク色はそれ程前面には出ていまさんが、既存のソウルやジャズ的な曲やポップスを異形のエレクトロに仕上げている所が、如何にもこの時代の独逸的と言うか、NDW的ですね。でも、実は、先述のシングル(“Heimatlied”や“Pothum“)の方が洗練されていない分、もっと面白いので、今度は、そちらを購入したいと思います。初期The Human Leaugue程の実験性は無いですが、ポップスを電子化すると言うコンセプトと言う点では共通点もありますので、分裂前後のThe Human Leagueが好きな方にはお勧めの1枚ですね!!

A1 “Rote Autos” (3:50)
A2 “Nur Mit Dir” (4:37)
A3 “Platin Und Gold” (3:00)
A4 “Sonne, Wind Und Meer” (0:52)
A5 “Schützt Die Verliebten” (3:33)
A6 “Atem” (3:52)
B1 “Neuer Morgen” (3:55)
B2 “Rena (Hass)” (3:08)
B3 “Kalte Seele” (3:08)
B4 “Maschinenfunk” (3:26)
B5 “Realität Nr.1” (3:33)
B6 “Sonne, Wind Und Mehr” (2:37)

A5 “Schützt Die Verliebten” (3:33)
https://youtu.be/sRYUbzxpNFY?si=8ZTC9hP-XCJJiRC9

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLImxxB-TuhbcrIz2sgPpNLjTqrPTglnSZ&si=SEdzp34a0LnrSIem

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