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Jah Wobble “Metal Box-Rebuilt In Dub”
Jah Wobble。衝撃のデビューを飾ったPublic Image Limited (PiL)の初代ベーシスト。パンクのアイコンがいきなりポストパンクに変貌し、その時のオリジナル・メンバーとして、2枚のアルバムにベースで参加していました。その後、彼は、Holger Czukayらとのコラボ作品やら自身のバンドThe Human Condition (カセットでしか出ていない!今、一番聴きたいパンド)、その後のInvedars of the Heartなどやってきたツワモノです。なので、ちょっとだけバイオグラフィーを。本名John Joseph Wardle。実は彼はJohn Lydonとは1970年代からの学友で、2人は、John Greyと後のSid ViciousことJohn Simon Ritchieと一緒にThe Four Johnsと言うグループを作っていました。Jah Wobblesと言うステージ名はSidが「観客が絶対忘れない」名前でと付けたそうです。最初の頃は、ドラックとお酒まみれで、スクワットしていました。初めはギターで色々遊んでいたのですが、1975年にBob Marley & The Wailersを観て、そのベーシストのAston "Family Man" Barrettに衝撃を受けて、ベースに転向したそうで、Lydonとも色々やってたみたいです。LydonがSex Pistolsを脱退した時、1978年5月に一緒にリハをして、その年の7月にはPILのメンバーとして正式に参加となります。まあ、PILではJahの引き摺るような重いファットなベースラインが特徴でした。ただ、Jahは更なる音楽的発展を目指していたので、PILのセカンドアルバム”Metal Box”が出た頃から、このアルバムに使われなかった音源を用いて作った作品"Betrayal”を1980年にリリースします。PiLを脱退後、彼は、Dave "Animal" Maltbyをギターに、PiLのオリジナル・メンバーの Jim WalkerをドラムにしたThe Human Conditionを結成、ツアーを敢行し、2本のライブ録音カセット作品を残ります。また、CanのHolger Czukayのソロ作品で、HolgerとJaki Liebezeitとコラボして、アルバム”On the Way To The Peak of Normal”と”Rome Remains Rome”に参加、更には3名のコラボアルバムとして”Full Circle”を1984年にリリースします。その後、1982年にJahは自身のバンドInvaders of the Heartを結成します。メンバーはOllie Marland (Kbd), Annie Whitehead (Trombone), Neville Murray (Perc), Cliff (Dr)(1983年にはLee Partisに代わる), Harry Beckett (Trumpet), B.J.Cole (Steel G)、そしてJah Wobble (B)となっています。しかしながら、Jahは、お酒で身を持ち崩すようになりますが、1985年以降はキッパリと断酒しています。メンバー間のイザコザがあったので、1987年にThe Invaders of the Heartのメンバーを入れ替え、よりライブ志向のバンドにします。1989年にJahは米国NYCに旅行し、New Music Seminarに参加、そしてその年の11月にはオランダで録音したライブ・アルバム”Without Judgement”を1990年にリリースし、再び陽の目を見ることになります。彼はそれ以降、また様々なアーティストとコラボをしますが、その中でもBrian Enoとはワールド・ミュージックに影響を受けた点で共感し、そのような指向のアルバム”Take Me To God”は1994年にリリースしますが、これはジャンルレスなワールド・ミュージックを下敷きにして、様々な文化的背景を持ったミュージシャンが参加、商業的にも成功します。その後も彼の雑食性はアンビエント、ダンス或いは英国フォークソングにまで及びます。2009年9月にJohn LydonはPILのリユニオンを表明しますが、オリジナル・メンバーであったJahは誘われたにも関わらず、参加していません。しかし、2010年10月に行われたMusicport FestivalではPILのオリジナル・ギタリストのKeith Leveneと一緒にステージに上がっています。そして2012年初期に来日の予定だったのですが、ビザの関係でキャンセルなりましたが、JahとKeithはMetal Box In Dub名義で英国のライブハウスでライブを敢行しており、ビザの問題が解決した2012年にFuji Rock Festivalに出演しています。2015年には、Cherry Red Recordsより”Reduxと言う6CDsボックスセットがリリースされ、彼の40年余りの活動の集大成となっています。まあ、こんな感じで今も活動中です。
それで、やっと本作品のところまできましたが、今回は、PiLの初期の曲をセルフ・カバー/セルフ・アレンジした作品となっています。しかも2枚組LPでの発表です。メンバーはJon Klein (Co-Produce, G, Programming, Beats, Mixing)、Keiko Yamazaki (Backing-Vo [D2]) 、Kayt King (Violin [A3, B1]、George King (Kbd [A3, B1])、Jah Wlbble (Production, B , Vo, Kbd, Programming, Dr)です。聴き慣れたはずの曲が、かなり捻じ曲げられたアレンジになっている所もありますし、基本はヴォーカルは二の次(と言うかJohn Lydonじゃないと違和感がありますね)で、ほぼほぼインスト中心になっているようです。ベースの音や奏法は紛うことなき、Jah Wobbleですね。それ程、Dubな感じはしませんが、もう少しめちゃくちゃやって欲しかったかな? 個人的には、エスノ・ダンス・ヴァージョンもあって楽しめました。皆さんもこの機会に「新しいPiL」を聴いてみてはどうでしょう?
◼️LP1
A1 “Albatross” (6:27)
A2 “Memories” (5:08)
A3 “Swan Lake” (7:30)
B1 “Poptones” (9:21)
B2 “Careering” (6:16)
◼️LP2
C1 “Graveyard” (4:31)
C2 “The Suit” (4:37)
C3 “Socialist” (4:34)
<<Bonus Track>>
D1 “Public Image” (6:43)
D2 “Fodderstompf” (8:00)
https://youtu.be/M7r5APVwzqU?si=8BtSUbSh3ux2N96R
[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLZrG5hyntwAGMbG21WLtvevZ54RdF6NSt&si=nlj3yYNbI6zALQSZ
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