Richard Pinhas “Chronolyse”

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フランスの電気仕掛けのプログレを代表するHeldon (「エルドン」と発音)の首謀者Richard Pinhas (「リシャール・ピナス」と発音する)のソロアルバム”Chronolyse”です。タイトルは「時間化」或いは「時間融解」と言う意味でしようか?Richard Pinhasの経歴はHeldonの項目で書きましたが、彼の音楽は、一言で言うならば、ジル・ドゥルーズの生徒であった若者が哲学じみた態度でもって、SFとスキゾ分析の間から作った電子音楽と言うところでしようか。分かりにくいですね。もっと卑近に言うならば、哲学者崩れがやってるプログレです。Pinhas は、Heldonをやりながらも、ソロ活動も平行してやっており、本作はソロアルバムの2枚目に当たります。本作A面では、ドラムもベースもいないので、リズムは主にシーケンサーによって作り出された小曲が並んでいます。また、バンドと違い、ギターは殆ど使われず、主にアナログ・シンセ(Moogですね)をメインに使っています。それに対して、B面全体を占める”Paul Atreïdes”では、シンセを中心にギターやベース、ドラムも加わった電子音楽のジャムセッションを繰り広げています。まだ、この頃にはドラムとシーケンサーの同期演奏は行われていません。後半にはシンセによる多重層ドローンも聴取できます。B面では、ベースはDidier Batard、ドラムはFrancois Augerが演奏しています。また、Pinhas はギター、メロトロン、ARP シンセを演奏しているとクレジットにありましたが、この音はMoogだと思います。近年では、来日して、吉田達也氏やMerzbowこと秋田昌美氏とのコラボ・ライブも記憶に新しいかと思いますが、Pinhas自体がもう70歳なので、体力的にこれ以上の来日は無理っぽいです。このアルバムはMoogシンセが多量に使われていますので、シンセ好きならば、是非、その太い音を聴いてみて下さい。

★A1 “Variations I Sur Le Thème Des Bene Gesserit” (2:20)
★A2 “Variations II Sur Le Thème Des Bene Gesserit” (2:10)
★A3 “Variations III Sur Le Thème Des Bene Gesserit” (1:35)
★A4 “Variations IV Sur Le Thème Des Bene Gesserit” (1:43)
★A5 “Variations V Sur Le Thème Des Bene Gesserit” (1:35)
★A6 “Variations VI Sur Le Thème Des Bene Gesserit” (2:04)
★A7 “Variations VII Sur Le Thème Des Bene Gesserit” (4:31)
★A8 “Duncan Idaho” (8:15)
★B “Paul Atreïdes” (29:39); Didier Batard (B), Richard Pinhas (G, Mellotron, Arp-Electronic), François Auger (Perc)

A2 “Variations II Sur Le Thème Des Bene Gesserit” (2:10)
https://youtu.be/lRh6jnXOms8?si=f2Fd-NajELhwq-VV

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lF_qPT9m979jvt-XlHsy6fKdaDDoby7wo

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