Kosmonautentraum “Angst Ist Mein König”

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またまたNDWに戻って、今回は、Kosmonautentraumの3枚目のアルバムにして、12インチ・ミニアルバムの”Angst Ist Mein König (アングシュト・イシュト・マイン・ケーニッヒ; 「恐怖こそ我が王なり」)”を紹介します。この時のメンバーは、Ziggy XY (Vo; 本名Michael Jarick), 後にEinstürzende Neubautenにも加入するDie Ich’sのJochen Arbeit (G), そして同じくDie Ich’sのメンバーでもあるHopek Quirin (B)から成っており、どうもZiggy XYの一存で、セカンド・アルバムの時のメンバーは全員首を切られたらしいです。そして、このサード・ミニアルバムが、ZickZack最後のアルバムとなります。そう言った意味で、ちょっと問題作でもありますが、本作品の各曲を紹介していきましょう。

★A1 “Spielball Der Irren (Kosmonautentraum 39)” (3:40)は、最初、回転数間違ったかと思うようなスローテンポな曲で、結構ノイジーなGと単調なリズム隊、それにあがくように歌うZiggyのVoが不気味ですらあります。
★A2 “Phantomschmerz (Kosmonautentraum 31)” (4:08)は、悲しげなアルペジオと語るようなVoで始まり、Voの高まりと同時に雷のようなDrs等が挿入される曲で、バックには歪んだGが薄っすら聴こえます。中々ドラマチックな曲です。
★B1 “Transit (Kosmonautentraum 40)” (4:30)は、変拍子を刻む強靭なリズム隊に、複数の煽るようなVoと延々と刻むGから成る曲で、途中でブレイクして、フリーキーでノイジーなGが加わってきます。
★B2 “Petit Mal (Kosmonautentraum 41)” (1:45)は、中近東風のVln奏法のGに、語るようなVoと打楽器のようなBから成る曲ですが、短い割に不思議な魅力を感じさせてくれます。
★B3 “Der Schlächter Ist Mein Freund (Kosmonautentraum 42)” (2:30)は、エフェクトを掛けたドラムマシン(?)とG(?)のシンプルなリフに、やけに朗々と歌うZiggyのVoが印象的な曲で、リズムはワルツで、所々で打楽器のようなBも聴取出来ます。

 1983年のセカンド・アルバム”Tagediebe”や12インチ・シングル”Livorno 1956”が、ファンク的なリズムも取り入れたダンサブルな作品であったことを考えると、その2年後にリリースされた、このサード・アルバムは、異様とも取れる程、バンド・カラーを変えた実験的かつダークな作品にも思えます。誰がDrsをやっているかは不明ですが、メンバーを入れ替えただけで、これ程音楽性が変わるとは思いませんでした。その位、今までの「ある種の親しみ易さ」とはかけ離れた音楽性です。通し番号(Kosmonautentraumナンバー)を見ると、10曲程の差はありますが、これはZiggy XYが演りたかった音楽なのでしょうか? 「クラウトロック大全」によると、Ziggy XYの歌詞に重きを置いた作品とのことですが、Die Ich’sのメンバーが2人も入れば、Die Ich’s自体、No Waveっぽかったので、自明の理とも言えるかもしれませんね。決して明るい音楽ではないですが、Kosmonautentraumは、こう言う音楽も内包していたと言う貴重な記録です!個人的には大好きです。

A2 “Phantomschmerz” (4:08)
https://youtu.be/qlHLTm-lGD0?si=nt1vEMLtXnNT-pJm

B1 “Transit” (4:30)
https://youtu.be/Ru32mZuvaLQ?si=HiWy9QPjK83wdCjN

B3 “Der Schlächter Ist Mein Freund” (2:30)
https://youtu.be/XJpA1Mqif54?si=xnNIodRPkCjqgfoj

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