Belfegore “s/t”

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またまた、Belfegoreですが、今回は、セルフ・タイトルの彼等のセカンドにしてラスト・アルバムをご紹介します。Belfegoreのバイオグラフィーは大体は前回の12インチ・マキシ・シングルの所で書きましたが、追加で少し書き足したいと思います。
 前回は、本アルバムがリリースされた1984年まで書きましたが、その時に、Belfegoreは、英国のバンドU2のThe Unforgettable Fire Tourで、前座を務めています。しかしながら、翌年1985年には、Meikel Claussは、ロックンロールのライフ・スタイルに飽きたと言う理由で、その年にバンドを解散してしまい、彼は医学の道に進みます。Raoul Waltonは、2000年〜2006年の間、独のプログレ・バンドAnyone's Daughterでプレイしています。また、Charlie Terstappenは、独で最も長く活動しているビート・バンドThe Lordsに、1988年に加入しています。そんな中で、Art Of NoiseやPropagandaのMVも手掛けたアカデミー賞受賞経験のある監督Zbigniew Rybczyński (ズビニエフ・リパチェンスキー)が作成した、Belfegoreの最後のシングル”All That I Wanted”のMVは、加のMuchMusicでも放映され、大好評でした。それから随分後の2011年9月30日、ClaussとWaltonとTerstappenは、DüsseldorfのクラブRatingen Hofで、Belfegoreを1回限りの再結成ライブを行っています。また、同年、米国サイコスリラー映画監督David Fincherは、スェーデンの小説家Stieg Larsson (スティーグ・ラーソン)の世界的ベストセラー作品”The Girl with the Dragon Tattoo; 「ドラゴンタトゥーの女」”の映画化の際、Belfegoreのセカンド・アルバム収録曲”All That I Wanted”を使用しています。この曲は、主人公のLisbeth SalanderがMikael Blomkvistのコンピューターをハッキングし、Dirch FrodeとHans-Erik Wennerströmの身元調査を行うシーンのバックの音楽で使用され、物語が進むにつれて、後者は、シリーズのプロットの重要な部分になるそうです(私は未見)。
 以上が、Belfegoreの解散後の関係事項なのですが、本作品には、Meikel Claus (Vo, G, Electronics), Raoul Walton (B, Back-Vo), Charly T. CharlesことCharlie Terstappen (Drs, Drum Machine, Back-Vo)が参加しており、また、Conny Plankとバンド自身がプロデュースし、A1, A2, B3-B5に関しては、Conny Plankが直接録音にも携わっています。また、このアルバムでは、今までと異なり、全曲、英語で歌われています。そんなBelfegoreのセカンド・アルバムの各曲をご紹介していきますね。なお、ジャケは国によって2種類あり、日本盤も「シーバード・シーモアン(B1の曲名ですね)」として当時リリースされています。

★A1 “All That I Wanted” (4:14)では、直線的シーケンスに強靭なリズム隊が絡み、鋭いGと引き攣りながらも艶っぽいVoが乗る曲で、コーラスもバッチリですし、途中のGソロ?もグッときます。名曲ですね!
★A2 “Questions” (5:07)は、ピアノのクラスターからミドルテンポのDrsとB-Synthによるシーケンス及びBから成るリズム隊に、フランジャーを掛けた伸びやかなGと雰囲気たっぷりのVoから成る曲で、最後のGソロも痙攣的な味のあり、グーです!
★A3 “Love” (4:18)では、ドラムマシンとシンセの旋律のイントロから始まり、ドカドカしたリズム隊と引き攣ったVoが特徴的な曲で、間奏のチェーンソーのようなGも聴き物です。
★A4 “Wake Up With Sirens” (4:20)は、シーケンスとBが絶妙に絡み合い、ウィスパーVoが入ってくる曲で、強烈なDrsや時に弾きまくるフランジャーを掛けたGもカッコ良いです。
★B1 “Seabird Seamoan” (4:46)は、B-SynthによるシーケンスとミドルテンポのDrsに、シンセのリフから成る曲で、複数のVoが呪文のように繰り返し歌っています。割と淡々とした曲調です。
★B2 “Don't You Run” (2:52)は、ドカドカしたアップテンポなDrsとB-Synthのシーケンスに、叫び声なんかも混ぜながらClaussが歌う曲で、ちょっとだけAdam & The Antsっぽい曲調です。
★B3 “Comic With Rats Now” (3:33)は、鋭いGのカッティングと強靭なDrs、それにボトムを支える比較的直線的なBに煽るようなVoが乗る曲ですが、途中のトロピカルなPercソロが時代を感じさせます。
★B4 “Into The Dungeon” (3:28)は、シンセによる通奏低音に、アップテンポで突っ走るDrsと引き攣ったような/喘ぐようなClaussのVoが乗り、またノイズGのカッティングもカッコ良いです。バックはあくまでもミニマルです。
★B5 “Belfegore” (4:28)は、前回紹介した12インチ・マキシ・シングルのA面の曲ですが、より淡々としたリズム隊とふんだんに使われているSE的なヴォイス等から、更にダークで落ち込むような曲にアレンジされています。シンセのメロディも拍車を掛けています。

 紛らわしいのですが、本作品もセルフ・タイトルなんですが、本作品では、メジャー移籍後の作品で、音の粒までキッチリ録音されていますが、ただ、全体の印象は、それ程、ゴス・ロック的では無いように思います(B5を除いて)。確かに、Gの音色等は、英国ゴス風ポスト・パンクのそれに近いかも知れませんが、Conny Plankが関わってあるせいか、クラウトロックのミニマルさと独逸特有のエレクトロニクスとポストパンクなバンドサウンドが融合したような音楽に仕上がっています。それが良かったかどうかは別として、個人的には、あのおどろおどろしさが希薄な分、このアルバムは楽しめました!先入観を無くして、皆さんも聴いてみましょう!!因みに、この裏ジャケで知ったのですが、BのRaoul WaltonはNDWシーンに珍しく黒人なんですが、Bプレイに「黒っぽさ」は皆無です。

A3 “Love” (4:18)
https://youtu.be/FUXiHxMULBU?si=Dx8tNKU7nXc8Yjbh

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nnRlzv2zHvkQzpTehyg2lTJI3It8vJ8mg&si=BBK-StdBd70dWOm7

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