Mini-LP: Die Gusunden in V.A. “German Punk & Wave 1978-1984 vol.1”

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最後は、Die Gesunden (ディー・ゲズンデン)の10インチ・ミニアルバムです。Die Gesundenのバイオグラフィーについては、以前、紹介しているので、そちらをご参照下さい。元々は、1981年にプロジェクトPionier Seriös (ピオニアー・ゼリエズ)から、Die Gesundenは出来ました。その時のメンバーは、Mabel Aschenneller (マーベル・アシェネラー)とEschi Rehm (エシィ・レーム)のデュオでしたが、後にThomas Wydler (Drs; トーマス・ヴィドラー)が加わり、トリオで活動することになります。実は、Mabel Aschennellerは、1980年初頭から、ベルリンで、Berlins New WavewやパンクショップExxcessに集まるバンドのブッキングをしており、また、Blixa BargeldやWieland Speck (ヴィーラント・スペック)と共にベルリンのPotsdamer広場でTempodromテントで行われた、伝説的イベントFestival Genialer Dilletantenもオーガナイズしています。一方、Eschi Rehmは、1980年に、Geile Tiere (ガイレ・ティーレ)と”Geile Tiere Berlin”を録音しています。そして、彼等は、KraftwerkやRoxy Music、EnoとDavid Bowieに影響を受けた音楽をやっていきます。1982年に唯一のセルフ・タイトルのアルバムを、Kraul Schulze のレーベルInnovative Communicationからリリースしています。後になって、2022年には、Tiffy L'Amourとのスプリット12インチ・シングル“Follow Me (Frey & Menqui Glockenspiel)“/ „Film Musik (Frey & Otter Dive)“も出しています。NDWでは割と初期から活動しており、1981年にはライブ・カセット作品”Live At Rock Against Junk”を出したり、同年には、D.A.F.のサポートで、国内ツアーもやっています。本作品の10インチ・ミニアルバムK面/L面には、1981年にアルバム製作用に録音したデモテープからの音源が使わらています。そんな彼等のプリミティブな音源の楽曲をご紹介していきましょう。

VOD 82.6 - Die Gesunden: 10inch-Mini-LP
◼️Side K
★K1 “Die Gesunden Kommen” (4:28)は、パルスのようなシンセとリズムマシンに、呟くようなVoと軽い感触のシンセのメロディが乗る曲で、デモテープながら、結構凝っています。
★K2 “Leutnant Müller” (3:54)は、ディレイを掛けたリズムマシンとシーケンスに合わせて、結構ノリの良いリズミックな曲になっており、途中からDrsも入ってきます。エフェクトを掛けたVoもグーです!初期Human Leagueっぽい所もあります。
★K3 “Der Weg Zum Erfolg” (3:38)は、カシオトーンのようなリズム隊に、キッチュなVoとオルガンのメロディが乗る曲で、かなりテクノ・ポップです!
★K4 “Baby Love” (4:00)は、マシンリズムとシーケンサーのフェイドインで始まり、太めのシンセやエフェクトを掛けたVo、更にはGらしきも使っての曲で、中々盛り上がります。
★K5 “Galaxy” (3:24)は、ドクドクしたリズムマシンとシーケンスに、ポリシンセやVoが乗るラテンな曲です。シンセの使い方が上手いです!
◼️Side L
★L1 “Atmen” (2:40)は、大胆なマーチのような曲で、Drsも使っているようですが、戯けたような音色のシーケンスが堪らないです!Voは吐息と語りです。
★L2 “Waiting For My Man” (5:00)は、かなりシャープな音色のシンセを使ったRou Leedの曲のカバーですが、こう言うアレンジもあるんだと感心してすると同時に、彼等のルーツの一つでもあることにも納得です!
★L3 “Krieg Und Frieden” (3:26)は、リムショットが刻むリズムとテープ音をバックに始まり、サルサ風電子ポップに移行していく曲で、結構、実験的でもあります。
★L4 “Film Musik” (1:38)も、連打されるシーケンス・パルスとマシンリズムを主体としたインスト曲で、短いながらも実験電子ポップに仕上がっています。
★L5 “Sometimes / Manchmal” (3:34)は、パルスのようなシンセと流れるようなシンセに、ドラム缶と思われるPercとVoが被る曲で、痙攣する電子音も聴取できます!
★L6 “Instrumental” (2:18)でも、パルス状の電子音とリズムをバックに、結構、感情に訴えるメロディが挿入されてきますが、その一方で、シンセを弾きまくっています。

 以前に紹介したのは、彼等の1982年の唯一のオリジナル・アルバムだと思うのですが、それよりも前のデモテープと言うことで、かなり実験性の高い電子ポップな一枚となっています。また、シンセの使い方も、このボックスセットで今まで紹介してきたバンドよりも上手く、それ故に、このバンド(写真からも、まだデュオの時のもの)の「実験性」が成り立っているのだと思います。余り知られていないのが、ちょっと残念ですが、この1枚の10インチ・ミニアルバムに彼等の魅力がてんこ盛りなので、是非ともこの機会に、Der Gesundenの音楽も堪能してみて下さい!ハマるかもよー!

K1 “Die Gesunden Kommen” (4:28)
https://youtu.be/GLI9tKpi1XI?si=gZ3yT33Hlew3U_s5

K3 “Der Weg Zum Erfolg” (3:38)
https://youtu.be/LoQ2XtkSChk?si=ejnkIh6MKBhMAVgc

K4 “Baby Love” (4:00)
https://youtu.be/SUws5UDhSCE?si=uyOJgyCUX2mTn7ad

K5 “Galaxy” (3:24)
https://youtu.be/BCQzVCT2-hE?si=t39-vcDaUGSHXuUp

L1 “Atmen” (2:40)
https://youtu.be/BBPuAUkOSlM?si=QH1yi-bQlREQxS1M

L2 “Waiting For My Man” (5:00)
https://youtu.be/boa8ymMlHTw?si=hiOltwY6Fr-CRkmN

L3 “Krieg Und Frieden” (3:26)
https://youtu.be/IFGhYo9YMms?si=yrSe6CU7rEJ257kY

L4 “Film Musik” (1:38)
https://youtu.be/iEhl3D0AOd8?si=okiT7JhCJT8BbqFP

L5 “Sometimes / Manchmal” (3:34)
https://youtu.be/O7o2OtuJgUU?si=O3KQ_O4Gqs-aE08A

L6 “Instrumental” (2:18)
https://youtu.be/YFxc0faTEC4?si=OYXZIwpzHchTswTl

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