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Die Zwei “U.S.A.! U.S.A.! U.S.A.!”
名前の通り、Die Zwei (ディー・ツヴァイ; 「ザ・2」の意)と言うデュオを知っていますか? 捻くれ者の多い1980年代初頭のNDW界にあって、最も「謎」な存在である彼等は、Gerd Scheuerpflug (Vo; ゲルド・シャウアフルク), Udo Scheuerpflug (Tenor Vo; ウド・シャウアフルク)から成る(多分、兄弟)デュオです。しかも、彼等のファースト・シングル”Einsamkeit Hat Viele Namen” / “Wir Bleiben Hier”は、ベルリンの捻くれ音楽をリリースしていたZensorから出ており、内容は、オーストリアの人気歌手の曲のカバーを、恐ろしい位、爽やかなアカペラのみと言う「訳が分からない」盤として有名です。今回は、そんな彼等Die Zweiの唯一のアルバム“U.S.A.! U.S.A.! U.S.A.! (このタイトルとジャケの印象も強烈!)“をご紹介します。しが、今回は、ヘルプメンバーとして、Lisaweta Prokofjewna (Vo), Günther Linke (Boys Vo), Imke Nagel (Flute), Norbert Nagel (Sax, Clarinet), Roland Nörpel (Trombone), Josef Romeis (Trumpet, Trombone, French Horn), Hubert Hohmann (Tuba), Marc Klein (Synth, Programming), Frieder Butzmann (Synth, Vocoder), Evert Fraterman (Drs)が参加しています。特に、異彩Frieder Butzmannが参加して、レーベルも英国Cherry Red Records傘下のEast West Trading Companyから出しているのに、驚かされます。それで、このタイトルとアメフトのジャケですよ!いくら何でも理解不能です。Die Zweiについて調べてみたのですが、彼等のバイオグラフィーは殆ど分かりませんでした(すまん!)。ただ、Neuendettelsau(ノイエンデテルザウ)出身で、1980年代初頭だけ活動していており、本アルバム以前には、先述のファースト・シングルも含めてシングル3枚だけをZensorからリリースしています。と言う訳で、この正体不明のアカペラ兄弟デュオが、多数のコラボレーターと共に作り上げた唯一のアルバム“U.S.A.! U.S.A.! U.S.A.!“に収録されている各曲を紹介していきたいとおもいます。 ★A1 “The Harry Lime Theme” (2:58)は、美声のメインVoとそのバックに女性コーラスによるリズミカルなアカペラから成る曲で、時に挿入されるダミ声の一言にちょっとした悪意を感じます。最後に子供の声も使っています。 ★A2 “45 Boys On The Beach Part 1” (2:57)は、男女混成によるドゥーワップ風の曲ですが、メインの男性Voには「ロックンロールの息吹」を感じます。声だけなんですが、非常にリズミカルですが、途中には伸びやかなパートもあります。 ★A3 “Skyliner” (2:54)は、A2に連続して、マラカス?のリズムに合わせて、口笛とシンセらしき伴奏にメインの男性の美声Voが想いもたっぷりに歌っている曲で、バックにはコーラスの伴奏も。Voのポルタメントを掛けた歌い方がまた欧州的で伊達です。 ★A4 “45 Boys On The Beach Part 2” (2:29)もBeach Boys風の曲を全て声でやっているようなアカペラ曲で、女性の歓声や甘いメイン男性Voが全くもって米国風です。 ★A5 “Miss Fit” (4:01)も、男性の声のみでリズムを作り、そこにオペラチック?キャバレーな?な女性Voが乗る曲です。ここまで来ると、美声過ぎて、気持ちが悪くなる位です。 ★A6 “We Wait For The Moment / Connecticut” (3:33)は、シンセの発射音と通信音で始まり、バックでシンセのパルス音と男性コーラスがずっと流れており、途中からアメリカンな古き良き時代を想起させられるような曲調になったりして、構成もしっかりしています。 ★B1 “Cha Cha” (4:07)では、ホーン類やDrsの伴奏に合わせて、メインの美声男性Voが想いもたっぷりに歌っています。それを支えるサブVoも良いアクセントになつており、全体の雰囲気はちゃんとチャチャチャのリズムになっており、スパニッシュ風です、 ★B2 “Grapsch!” (5:17)では、シンセのリズムとドラムマシン(?)とファンキーなBに合わせて、男性Voが、トランペットやタンテのスクラッチに合わせてリズミカルかつラップ調に歌っています。細かい細工が施されており、飽きません。この曲がアルバムを代表しているようで、シングルカットもされています。 ★B3 “Wanted: The Tyrell Corp.” (5:38)は、重積する声の倍音のイントロから始まり、ダンサブルなDrsとBと流暢なシンセに、女性コーラスとヴォコーダーVo(サンプリングも含む)との掛け合いから成る曲で、間奏ではスクラッチやPercの導入/ソロ等も聴取できます。 ★B4 “River Of No Return” (3:13)は、シンセの懐かしい調べと女性コーラスの織りなす伴奏に、呟くような男性Voが入ってくる曲で、日本の「夕焼け小焼け」のような歌です。 正直に言って、ロック・リスナーさん全員にお勧め出来るアルバムではないです。特にA面はクラシックのテノール風の男性Voが混成合唱団のようにアカペラで爽やかに歌いまくっており、これはかなり好き嫌いが分かれるだろうなと容易に予想できます。その好き嫌いと言うのは、声質やポルタメントをかけたような歌い方によるものが大きいだろうなとは思います。ただ、ほぼ声だけでここまで、多彩な音楽が出来るのには驚きますし、元々、コアな音楽を扱うことで有名なZensorがDie Zweiの作品をリリースしていたことを考えると、Die Zweiは只者ではないことも容易に理解できます。また、B面でのドラム等のバックの演奏を混えての曲も、何と言うか、テノール歌手が「ラップ調に歌っている」と言うとか「チャチャチャ風に歌っている」と言った怪しさ満点の曲が揃っていますので、よほど許容量が大きいリスナーさんでないと楽しめないかもしれないなとも思えます。しかしながら、曲のアレンジには、所々に細かい「変な」細工が施してあり、彼等が単に「クラシック出身者がロックしてみました」のではなく、そのフェイク感も含めて、自分らの確かな声楽的能力の上で、確信犯的かつ意図的にこのような「ヘンテコ」な音楽を作り出したのは間違い無いと思います。そして、アルバム・タイトルにあるように、一種の「米国的なもの」をワザと取り扱っているコンセプト・アルバムでもあり、そこら辺の目の付け所も、当時のNDW界にあって異質な感じもします(多くのNDWアーティスト/グループは米国音楽を避ける方向に動いていました)。そんなDie Zweiですが、もし興味があって、本作品を受け入れることが出来るリスナーさんは、相当NDW愛が強い人なのだと思います!! 取り敢えず、Let’s Try! A1 “The Harry Lime Theme” (2:58) https://youtu.be/l3oB-OwtRqg?si=HOh1Nub-L9vF6AWd A2 “45 Boys On The Beach Part 1” (2:57) https://youtu.be/AuWGtSPU6Oo?si=ecaZPoaCjwgGn4sZ A3 “Skyliner” (2:54) https://youtu.be/52uRBEum7gs?si=_N4BYEGz-Q3-8Krp A4 “45 Boys On The Beach Part 2” (2:29) https://youtu.be/vP4cnYhqMh8?si=lkuBVxbP1WZXRxhJ B1 “Cha Cha” (4:07) https://youtu.be/WIW4E6YIuco?si=okZNSFH8KdIYhvEN B2 “Grapsch!” (5:17) https://youtu.be/_H8UwR_6fRI?si=2EcBA7CqKUiB732t B3 “Wanted: The Tyrell Corp.” (5:38) https://youtu.be/qC8aO6z3HO0?si=6sM3eXguoX_JiqAI B4 “River Of No Return” (3:13) https://youtu.be/B_y60dTjjj4?si=ItdrOczDjGcpUWE9 #DieZwei #U.S.A.!U.S.A.!U.S.A.! #EastWestTradingCompany #CherryRedRecords #Zensor #FirstAndLastAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #ACappella #TenorVocal #Chorus #AmericanPopMusic #Electro #Leftfield #GerdScheuerpflug #UdoScheuerpflug #Collaborators #LisawetaProkofjewna #GüntherLinke #ImkeNagel #NorbertNagel #RolandNörpel #JosefRomeis #HubertHohmann #MarcKlein #FriederButzmann #EvertFraterman
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Chorus / Leftfield East West Trading Company / Cherry Red Records ¥2000Dr K2
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Belfegore “s/t”
またまた、Belfegoreですが、今回は、セルフ・タイトルの彼等のセカンドにしてラスト・アルバムをご紹介します。Belfegoreのバイオグラフィーは大体は前回の12インチ・マキシ・シングルの所で書きましたが、追加で少し書き足したいと思います。 前回は、本アルバムがリリースされた1984年まで書きましたが、その時に、Belfegoreは、英国のバンドU2のThe Unforgettable Fire Tourで、前座を務めています。しかしながら、翌年1985年には、Meikel Claussは、ロックンロールのライフ・スタイルに飽きたと言う理由で、その年にバンドを解散してしまい、彼は医学の道に進みます。Raoul Waltonは、2000年〜2006年の間、独のプログレ・バンドAnyone's Daughterでプレイしています。また、Charlie Terstappenは、独で最も長く活動しているビート・バンドThe Lordsに、1988年に加入しています。そんな中で、Art Of NoiseやPropagandaのMVも手掛けたアカデミー賞受賞経験のある監督Zbigniew Rybczyński (ズビニエフ・リパチェンスキー)が作成した、Belfegoreの最後のシングル”All That I Wanted”のMVは、加のMuchMusicでも放映され、大好評でした。それから随分後の2011年9月30日、ClaussとWaltonとTerstappenは、DüsseldorfのクラブRatingen Hofで、Belfegoreを1回限りの再結成ライブを行っています。また、同年、米国サイコスリラー映画監督David Fincherは、スェーデンの小説家Stieg Larsson (スティーグ・ラーソン)の世界的ベストセラー作品”The Girl with the Dragon Tattoo; 「ドラゴンタトゥーの女」”の映画化の際、Belfegoreのセカンド・アルバム収録曲”All That I Wanted”を使用しています。この曲は、主人公のLisbeth SalanderがMikael Blomkvistのコンピューターをハッキングし、Dirch FrodeとHans-Erik Wennerströmの身元調査を行うシーンのバックの音楽で使用され、物語が進むにつれて、後者は、シリーズのプロットの重要な部分になるそうです(私は未見)。 以上が、Belfegoreの解散後の関係事項なのですが、本作品には、Meikel Claus (Vo, G, Electronics), Raoul Walton (B, Back-Vo), Charly T. CharlesことCharlie Terstappen (Drs, Drum Machine, Back-Vo)が参加しており、また、Conny Plankとバンド自身がプロデュースし、A1, A2, B3-B5に関しては、Conny Plankが直接録音にも携わっています。また、このアルバムでは、今までと異なり、全曲、英語で歌われています。そんなBelfegoreのセカンド・アルバムの各曲をご紹介していきますね。なお、ジャケは国によって2種類あり、日本盤も「シーバード・シーモアン(B1の曲名ですね)」として当時リリースされています。 ★A1 “All That I Wanted” (4:14)では、直線的シーケンスに強靭なリズム隊が絡み、鋭いGと引き攣りながらも艶っぽいVoが乗る曲で、コーラスもバッチリですし、途中のGソロ?もグッときます。名曲ですね! ★A2 “Questions” (5:07)は、ピアノのクラスターからミドルテンポのDrsとB-Synthによるシーケンス及びBから成るリズム隊に、フランジャーを掛けた伸びやかなGと雰囲気たっぷりのVoから成る曲で、最後のGソロも痙攣的な味のあり、グーです! ★A3 “Love” (4:18)では、ドラムマシンとシンセの旋律のイントロから始まり、ドカドカしたリズム隊と引き攣ったVoが特徴的な曲で、間奏のチェーンソーのようなGも聴き物です。 ★A4 “Wake Up With Sirens” (4:20)は、シーケンスとBが絶妙に絡み合い、ウィスパーVoが入ってくる曲で、強烈なDrsや時に弾きまくるフランジャーを掛けたGもカッコ良いです。 ★B1 “Seabird Seamoan” (4:46)は、B-SynthによるシーケンスとミドルテンポのDrsに、シンセのリフから成る曲で、複数のVoが呪文のように繰り返し歌っています。割と淡々とした曲調です。 ★B2 “Don't You Run” (2:52)は、ドカドカしたアップテンポなDrsとB-Synthのシーケンスに、叫び声なんかも混ぜながらClaussが歌う曲で、ちょっとだけAdam & The Antsっぽい曲調です。 ★B3 “Comic With Rats Now” (3:33)は、鋭いGのカッティングと強靭なDrs、それにボトムを支える比較的直線的なBに煽るようなVoが乗る曲ですが、途中のトロピカルなPercソロが時代を感じさせます。 ★B4 “Into The Dungeon” (3:28)は、シンセによる通奏低音に、アップテンポで突っ走るDrsと引き攣ったような/喘ぐようなClaussのVoが乗り、またノイズGのカッティングもカッコ良いです。バックはあくまでもミニマルです。 ★B5 “Belfegore” (4:28)は、前回紹介した12インチ・マキシ・シングルのA面の曲ですが、より淡々としたリズム隊とふんだんに使われているSE的なヴォイス等から、更にダークで落ち込むような曲にアレンジされています。シンセのメロディも拍車を掛けています。 紛らわしいのですが、本作品もセルフ・タイトルなんですが、本作品では、メジャー移籍後の作品で、音の粒までキッチリ録音されていますが、ただ、全体の印象は、それ程、ゴス・ロック的では無いように思います(B5を除いて)。確かに、Gの音色等は、英国ゴス風ポスト・パンクのそれに近いかも知れませんが、Conny Plankが関わってあるせいか、クラウトロックのミニマルさと独逸特有のエレクトロニクスとポストパンクなバンドサウンドが融合したような音楽に仕上がっています。それが良かったかどうかは別として、個人的には、あのおどろおどろしさが希薄な分、このアルバムは楽しめました!先入観を無くして、皆さんも聴いてみましょう!!因みに、この裏ジャケで知ったのですが、BのRaoul WaltonはNDWシーンに珍しく黒人なんですが、Bプレイに「黒っぽさ」は皆無です。 A3 “Love” (4:18) https://youtu.be/FUXiHxMULBU?si=Dx8tNKU7nXc8Yjbh [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nnRlzv2zHvkQzpTehyg2lTJI3It8vJ8mg&si=BBK-StdBd70dWOm7 #Belfegore #self-titled #Elektra #Second&LastAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #GothRock #NewWave #TwoDifferentCoverVersion #Electronics #DrumMachine #AllEnglishLyrics #MeikelClauss #RaoulWalton #CharlyT.Charles #CharlieTerstappen #Produce #ConnyPlank #1985年 #Disbanded #MedicalStudy #Anyone’sDaughter #TheLords #RatingerHof #OnlyOneReunion #LastSingle #AllThatIWanted #MusicVideo #ZbigniewRybczyński #Novel #MillenniumSeries #TheGirlWithTheDragonTattoo #ドラゴンタトゥーの女 #原作 #StiegLarsson #SwedishNovelist #映画化 #監督 #DavidFincher #AmericanDirector #Soundtrack #Hacking
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Goth Rock Elektra records $10.97Dr K2
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Rheingold “Distanz”
Rheingold (ラインゴールド)って聞いたことありますか?Rheingoldは、元々、Bodo Staiger (Vo, G; ボド・シュタイガー), Lothar Manteuffel (lyrics; ローター・マントイフェル), Brigitte Kunze (Kbd; ブリジッテ・クンツェ)から成るNDWバンドで、結成は1980年で、1984年解散までにエレ・ポップなアルバムを3枚出しています。因みに、Bado Staigerは、Rheingoldの前に、Marius Müller-Westernhagen (マリウス・ミューラー・ヴェステルンハーゲン)とバンドをやっていましたが、Düsseldorfの音楽シーン、特にKraftwerkにインスパイアされて、Rheingold (Richard Wagnerのオペラからバンド名を取っています)を結成しています。彼等の曲”Dreiklangsdimensions”, “Fluss”, “Fan Fan Fanatisch (このシングルはアルバム”R”に収録されています)は、Désirée Nosbusch (デジレ・ノスブッシュ)とBodo Staiger主演の映画”Der Fan”サントラで、これらをシングルとして出した所、シングルチャートで”Dreiklangsdimensions”が17位、“Fan Fan Fanatisch”で24位、”That Suit You Will”が44位まで上ります。そして、Dreiklangsdimensions”は、NDWの曲として、1981年10月に独国内チャートトップ20に入っています。しかしながら、英語ヴァージョンも録音していますが、英語圏では然程成功はしなかったようです。一方、Lothar Manteuffel は、元KraftwerkのKarl Bartosと共にデュオElektric Musicを結成し、Kbd奏者のPeter Heppner (ペーター・ヘップナー)と共に、2009年にツアーを回っています。話しを戻すと、1984年にVonoは、バイエルンTV放送で、Kbd奏者Rolf Meurer (ロルフ・モイラー)と一緒に最後の演奏をしていますが、Meureは、現在、Kraftwerkのサウンド&ステージデザイナーとして働いています。また、Bodo Staigerは、1988年にDüsseldorfで、Rheinklangスタジオを設立し、そこで、プロデューサー兼サウンド・エンジニアとして働いており、VonoのメンバーであったBrigitte Kunzeは、Staigerと結婚しており、一緒に働いている一方、レーベル3Klangrecordsも運営しています。1997年には、Staigerは、元KraftwerkのWolfgang Flürのソロアルバムのプロデュースを手伝い、Yamoとしてリリースしています。2007年には、Rheingoldはオリジナル・ラインナップで、Fehlfarben, Kraftwerk, La Düsseldorf, Propaganda等、1970年代, 1980年代, 1990年代のDüsseldorfのエレクトロ・ポップ・バンドのカバー集”Electric City (Düsseldorfer Schule)”をリリースしています。しかしながら、Bado Staigerは、2019年12月に他界しており、以降はRheingoldの名前は誰も使っていません。 以上がRheingoldの略歴となりますが、本作品はそんなRheingoldのサード・アルバムにしてラスト・アルバムで、参加者は、Bodo Staiger (Vo, Programming, Instruments), Brigitte Kunz (Vo), Lothar Manteuffel (Vo, Kbd)で、ゲストにRaoul Walton (B [A3,B3])も参加しています。Bodo StaigerとConny Plankが、プロデュース・録音・ミックスを行っており、内容的には、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ★A1 “Via Satellit” (4:54)は、打ち込みとシンセだらけの良質のポップミュージックで、メジャーでも通用しそうです(既に通用しているのか!)。甘い男性Voも感じが良いです。 ★A2 “Fantasie” (5:32)は、やや憂いのある、しっとりしたシンセ・ポップで、男性Voの耳元で囁きも色っぽいですね。メロディも秀逸です。 ★A3 “Nur Ein Wort” (3:48)は、軽快なビートと出だしのシーケンサーがカッコ良いポップミュージックで、この曲では女性Voがメインで歌っています。間奏にGらしきソロが入っています。 ★A4 “Computerbeat” (4:47)は、機械的なシーケンスとドラムマシンに、シンセのリフと掠れたような男性Voから成る曲で、タイトル通りの如何にもなアレンジが施されています。間奏のドラムマシン&SEシンセのソロは一聴に値します。 ★B1 “Der Ton Macht Die Musik” (1:28)は、シーケンサーと語り口なVoとの絡みから、四つ打ちリズムへと移行する小曲です。 ★B2 “Distanz” (4:27)も、四つ打ちリズムに、裏打ちのシンセのリズムと明るいシンセのメロディが乗り、更に男性Voも歌うシンセ・ポップで、中々聴かせてくれます。 ★B3 “Strahlende Zukunft” (8:58)は、直線的シーケンスと欧州的な壮大なシンセのメロディから、タメにタメて、ミドルテンポの曲が始まります。優男風の男性VoとB&ドラムマシンとシンセの軽やかなリフから成るのが本質で、間奏も含めて中々聴かせてくれます。 ★B4 “Digital” (2:52)では、太いSynth-Bのシーケンスに、シンセのリフやドラムマシンが重なっていき、段々と盛り上がっていきます。因みに、この曲はインストです。 A1でも書きましたが、全然アングラ感のない、健康的なメジャー寄りのシンセ・ポップのオンパレードです。シンセ好きなら、抵抗は無いかもしれませんが、まぁNDWを期待すると、ハズレに感じるかもしれませんね。また、シンセウェーブと言うよりもエレ・ポップに近く、例えばEurythmicsのような立ち位置ではないかとも思います。それ程までにメジャー予備軍的で、ポジティブな印象です。まぁ、元Kraftwerkのメンバーとも関係がおるようですから、それなりのステイタスなのでしょう。まぁ偶には良いかな? A4 “Computerbeat” (4:47) https://youtu.be/hcBHFqEXPaw?si=SVfp7j8jObdJHB1e [full album} https://youtube.com/playlist?list=PLImxxB-TuhbcKtAfS1F5jyAc3ZObVgqYy&si=9NK52H1k3NwpQNjI #Rheingold #Distanz #CBS #1984年 #ThirdAlbum #GermanNewWave #Electro #SynthPop #Synthesizers #BodoStaiger #LotharManteuffel #BrigitteKunze #Kraftwerk #Yamo #WolfgangFlür #RheinklangStudio #Singles #Dreiklangsdimensions #Fluss #FanFanFanatisch #3Klangrecords #KarlBartos #ElektricMusic #FilmTheFan #Guest #RaoulWalton
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop CBS €20.00Dr K2
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Robert Görl “Night Full Of Tension”
Robert Görl, 彼はDAF(Deutsch-Amerikanische Freundschaft)のドラマーです。しかしながら、解散・再結成を繰り返していたDAFの合間に、彼はソロ作品を作っています。本作品もその一つです。彼自身のバイオグラフィーは書いていませんでしたので、復習がてらちょっと紹介していきます。 Robert Görlは、12歳の時、ジャスドラマーFreddie Brocksieperにドラムのレッスンを受けており、1974年には、ハプスブルクのLeopold-Mozart音楽院で、クラシック音楽のトレーニングも受けており、1976年からグラーツ大学で音楽を専攻しています。その頃、大学の授業と並行して、ジャズにものめり込んでいます。1978年には、一端休学してロンドンに渡り、そこてパンクの洗礼を浴びています。同年、Düsseldorfで、Gabi Delgado-Lopezと出会い、DAFを結成します。1979年〜2003年に、合計7枚のDAFのスタジオ・アルバムを作製し、リリースしています。1982年に、DAFは、アルバム”Alles Ist Gut”で、独レコード賞を受賞しますが、1983年には2人は袂を分かちます。Görlは1981年には、英Eurythmicsのアルバム”In The Garden”でドラムを叩いており、1984年のGörlのソロアルバム”Night Full Of Tension”には、EurhythmicsのAnnie Lennoxが参加して、”Darling Don’t Leave Me”でデュエットしています。1986 年に再結成した DAF は、初の英語アルバム”1st Step to Heaven”をリリースします。しかし、1989年に、Görlは重大な自動車事故に見舞われ、その後、彼は仏教徒となり、3年間アジアを旅して修行していました。 帰国後、1990年代にPeter Wachaのミュンヘンのテクノ・レーベルDisko Bから様々なソロ・アルバムやシングルをリリースしています。2000年〜2002年に、Görlは、DAFの再復活のことで、Gabiと話し合い、2003年初頭にアルバム”15 Neue DAF Lieder”が作製され、同年、DAFは初来日しています。しかし、2005年11月に、再びDAFは解散します。しかし2008年には、復活し、アニヴァーサリー・ツアー”30 Years Of DAF”を開催、2010年9月に、限定販売でシングル”Du Bist DAF”をリリースしています。しかしながら、Gabiは、DAFの新録アルバムを計画中の2020年に61歳の若さで他界してしまいます。Görlは、プロデューサーのSylvie Marksの協力を得て、Grönland Recordsから1980年代の未発表DAFサウンドシーケンスを使用して、”Nur Noch Eine”というタイトルでDAFのラスト・アルバムを2021年にリリースしています。 以上が、Robert Görlの略歴となります。本作品も、先述のように、EurythmicsのAnnie Lennoxが参加している曲A1 “Playtime”やA3 “Charlie Cat”及びB3 ”Darling Don't Leave Me”も収録されており、両面4曲づつ入っています。それでは、各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “Playtime” (3:54)では、DAF風のシーケンスと生Drsのビートに、GörlとLennoxが輪唱のように歌い上げており、特にGörlのVoは優男風のセクシーさを感じさせますね。音数はやはり少な目です。 ★A2 “I Love Me” (5:31)では、直線的なシーケンスと生Drsが生み出すビートに、投げつけるようなGörlのVoが意外に良く合っています。バックのマリンバが良い隠し味になっています。 ★A3 “Charlie Cat” (3:40)は、キラキラしたシンセのリフとDAF風のシーケンスをバックに、LennoxがメインVoを取る曲で、普段は余り使われないシンセのリフ(音数)が多めに聴かれます。 ★A4 “Gewinnen Wir Die Beste Der Frauen”(4:49)は、フェイドイン/フェイドアウトするスローでダークな曲ですが、DrsはやはりGörlのドラミングだなあと感心しました。また、GörlのVoはシリアスかつシアトリカルに歌っています。 ★B1 “Queen King”(4:54)は、陽性のシーケンスと強靭な生Drsに、Görlが切々と歌い上げている曲です。シンセのリフも多めになっていますので、余り「DAFっぽくない」印象を受けますね。寧ろ「1980年代UKのエレ・ポップ調」です。 ★B2 “Love In Mind”(4:45)でも、確かにシーケンスはDAF風なんですが、Görlが朗々と歌い上げており、寧ろDAFの呪縛から離れた「新境地」と言うところでしようか?にしてもGörlの声質は甘くてセクシーですね。 ★B3 “Darling Don't Leave Me”(3:39)は、シングルカットされた曲で、2人、特にLennoxの多層化したVoがメインの部分を聴いていると、「これはひょっとしてEurhytmics?」と勘違いしてしまいそうです。 ★B4 “Wind In Hair”(4:19)は、ある意味、DAF風の「可愛らしい」シーケンスと生Drsのビートに、またもやGörlが切々と歌っている曲なんですが、当たり前ですが、Gabiとは違う声質とか歌い方なんだなぁと感心してしまいます。 元DAFと言うだけで、どうしても、Virgin3部作の「汗、筋肉、ゲイ・カルチャー、機械」と言った音楽と比べてしまい勝ちですのが、そう言うと、本作品は、確かにソフィストケートされた印象を受けるかもしれません。特に、Annie Lennoxがフィーチャーされた曲なんかは、「Eurhythmicsの曲」のようにも聴こえるかもしれませんね。でも、逆を言えば、それだけのポピュラリティーを持った曲でもある訳で、それだけの理由で捨てるのは勿体無いと思います。なので、ゴリゴリのDAFのファンには余りお勧めしませんが、強めのエレ・ポップ好きな方は一度聴いてみてはどうでしょう?ハマるかもよー。 [YouTubeに上がっていたのは以下の曲のみでした] A1 “Playtime” (3:54) https://youtu.be/DzvXFK5UlK4?si=2bfvTJJLxCsKCRUR B2 “Love In Mind”(4:45) https://youtu.be/A6x5SNs7ucA?si=OQLt9Gom8mgkKB0P B3 “Darling Don't Leave Me” (3:39) https://youtu.be/M95Dws35cKQ?si=Yn9LeYAcmAAxAtZf #RobertGörl #NightFullOfTension #MuteRecords #FirstSoloAlbum #Electro #SynthPop #ElectroPop #Popularity #Sophisticated #DAF #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Guest #AnnieLennox #DarlingDon’tLeaveMe #Playtime #CharieCat
Electro / EBM (Neue Deutsche Welle / German New Wave) Mute Records €16.00Dr K2
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Der Deutsche Adel “s/t”
私は、このDer Deutsche Adelって全然知らなかったのですが、ヤフオクを眺めていて、ジャケで「これだ!」と思って思わず、ポチりました。Discogsで見ても、その素性は良く分かりませんでしたが、少し、調べてみました。先ず、Der Deutsche Adelと言うのは「独逸の貴族」と言う意味らしいです。それで、バンドの方は、1980年代に結成されて、独Düsseldorfで録音し、ミックスして、1984年に仏レーベルDivineよりリリースされたらしいのですが、今までCD再発などは全くされていないとのこと。メンバーは、Douglas Taylor (Vo), Milan Pistek (G, Back-Vo), Bruno Kieven (Kbd), Leon Kieven (B, Back-Vo, Perc), Jiri Douda (Drs, Perc)で、全員独逸人と思われていましたが、Pistekは、チェコ人で、Doudaは、恐らくハンガリー人らしいです。彼等の音楽は、Cold WaveとかGothic New Waveとか言われていたようですが、まぁそれは感じ方が人それぞれなので、重要ではないです。それで、本作品についてですが、ジャケ写は、オーストリアの俳優Erich von Stroheim (エンリッヒ・フォン・ストロハイム)の写真で、Jean Renoir監督の映画”La Grande Illusion”(第一次世界大戦の時の物語りだとか)から取られています。バンドの歌詞も、Stroheimの役の人物のセリフからの影響があるようです。端的に言うと、戦争が起こると、男は戦場に行くため、恋人と別れることになると言う心象風景を歌っているようです。この位しかDer Deutsche Adelについては分かりませんでしたが、実は、本作品を出した翌年1985年に、彼等は、 Le Printemps de Bourgesと言う仏のフェスで演奏しています。その後、Leon Kieven (B)とJiri Douda(Drs)は、Montanablueと言うバンドに加入、Milan Pistek (G)は、Sanov 1と言うバンドに加入して、アルバム”Konec Sveta”も作製しているとのことです。 と言う訳で、本作品について紹介していきましょう。と言うか、Der Deutsche Adelの作品はこれしか無いんです。しかも、結成とかに関する情報もありません。まぁそれはそれとして、各曲についてご紹介していきますね。 ★A1 “Unfurled Flags” (3:10)は、シーケンサーとシンセの絡みがやや仰々しいですが、劇的な展開を見せるニューウェーブな曲で、それぞれのスキルの高さがよく分かります。 ★A2 “Build Those Fires” (4:15)は、ミドルテンポの曲で、割とGのリフとDrsのパタンで曲が進行する感じで、ちょこっとだけ中近東風のリフが聴けます。サビではBが唸りますね。 ★A3 “Dive” (2:35)は、鈴の音で始まり、唸りまくるBが曲を引っ張っていく感じで進行しますが、サビの静かな所でのシンセも良い塩梅です。Voにもう少し個性があったら、素晴らしいと思います。 ★B1 “Sometimes” (3:55)は、切羽詰まった感じのする緊張感溢れる曲で、Gのリフやコーラスも含めて、結構キャッチーだと思います。間奏で静まる構成はメジャーっぽいですね。 ★B2 “Sally Oh Sally” (4:35)では、柔らかいシンセにGのリフが被って始まりますが、Voは一曲全部コーラスワークで進行します。何となくメジャー臭がするアレンジですねぇ。 ★B3 “Guess Works” (3:35)は、硬い音色のDrsとリリカルなピアノを中心にVoが悲し気に歌う曲ですが、メロディには希望が含まれており、救われます。 このバンドは、時期的にはNDWなんでしょうが、どうもその本質は、メジャー予備軍のようなニューウェーブ・バンドではないかと思います。それが良いか悪いかは別として、この一作で消えたのが惜しいかなとも思います。個人的には、もっとシンセとかをバンバン使って欲しかったですね。あと、Voにももう少し個性が欲しかったですね。そうしたら、もう少し人気も出たかも? https://youtu.be/qBIuM_GHRAM?si=J-yZb7PMTD-eWZ-F #DerDeutscheAdel #Divine #Mini-Album #FirstAlbum #1984年 #NewWave #GermanNewWave #DouglasTaylor #MilanPistek #BrunoKieven #LeonKieven #JiriDouda
New Wave / NeueDeutscheWelle / German New Wave Divine 2090円Dr K2
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Andreas Dorau und Holger Hiller “Guten Morgen Hose”
来ました!師弟の共作です!そうです。ギターの先生Holger Hillerとその生徒Andreas Dorauの共作マキシ・シングル”Guten Morgen Hose (グーテン・モルゲン・ホーゼ; 「お早う、ズボン」の意)”です。この作品は訳が分からないのですが、バックの曲は、確かにDorauとHillerのコラボ曲なのです。しかしながら、この作品のコンセプトは、実に難解と言うか可笑しな程バカバカしいものみたいです。「クラウトロック大全」の小柳カヲル氏によると、「現代表現主義大全」なる権威のある書籍を適当に開いたところで、目に付いた記述を元に、2人が即興で演じた不条理音楽劇らしいのです。筋書きとしては、人妻Lucyを巡って、父親Johnny (Dorau)、絨毯、ズボン(Hiller)とが争うと言うことらしいのですが、全く持って意味が分からないです。因みに、脚本は、Catherine Lienertとなっています。それで、歌手をスカウトしに大学に行って、偶々、そこにいた守衛と女性清掃員が抜擢されたとか。と言う訳で、次のような役が振られています。 ◼️歌; Johnny (Andreas Dorau) Hosenchor (ズボン合唱団; Catherine Lienert, Hagar Groeteke, Moritz Reichelt) Lucy (Erika Kochs) Die Hose (ズボン; Holger Hiller) Der Teppich (絨毯; Sol Rubio) ◼️喋り; Johnny (Andreas Dorau) Hosenchor (Jochen Liedisch) Lucy (Claudia Kaloff) Die Hose (Holger Hiller) と言うことを踏まえて、曲/音楽劇を紹介していきましよう。 ★A “Guten Morgen Hose”は、重厚なポリシンセで始まり、可愛らしい電子音や具体音のサンプリングに変わって行き、やがて男性Vo(Dorau)とバックの物音系音へ。そしてズボン合唱団を挟んで、はたまた男性Vo(Dorau)とバックの音へ。いつの間にか、女性Vo(Lucy)も出演して、シタール風のシンセやヴァイオリンの爪弾きをバックに男性Vo(Dorau)へ。そしてズボンVo(Hiller)も現れます。と言う風にコロコロと音とVoは変わっていきます。 ★B “Guten Morgen Hose”も、絨毯Vo(Rubio)が流れる中、バックの音はどんどん変わっていきますが、これはサンプラーによるのでしょう。ここら辺で男女のを挟んで、再びズボン合唱団のコーラスが。そしてまたもやサンプリング音と女性Vo(Lucy)をバックにズボンVo(Hiller)が。相変わらず、バックの音はシンセとサンプリング音で忙しないですが、男性Vo(Dorau)が絨毯を刺しで、自死します。最後にはズボン合唱団の独逸らしい歌が、バックのホーンのリズムに合わせて、ユニゾンで聴こえてきますが、雨音と爆発音とで終わります。 まあ、確かに音楽劇としたら、この2人ならこんな感じかなぁと納得はしますが、これを本当にレコードとして出すかぁ?と言われれば、ちょっと首を捻りますね。まあ、私は独逸語を聞き取れないので、この音楽劇の内容まではよく分かりませんが、音楽として聴くのであれば、かなりHiller色の強い音楽だとは思います。独逸語の分かる方は何を言っているのか?教えて下さい。でも音楽としても面白いので、特にHolger Hillerファンの方には受け入れられるのではないでしょうか!実は、蘭では、この音楽劇を映像化しているので、動画と一緒に聴いてみれば、何と無く言いたいことが分かるかも? https://youtu.be/auH4A9ZHzVw?si=r7ywa70KZ4eypIPl #AndreasDorau #HolgerHiller #GutenMorgenHose #ATATAK #12inchMaxi-Single #不条理劇 #音楽劇 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop #CatherineLienert #HagarGroeteke #MoritzReichelt #ErikaKochs #SolRubio #JochenLiedisch #ClaudiaKaloff #DieHosen #DerTeppich #Hosenchor #Lucy #Johnny
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop ATA TAK 4800円Dr K2
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Propaganda “The Nine Lives Of Dr. Mabuse”
皆さんはPropagandaを知っていますか?元々は、私も余り良くは知らずに聴いていたのですが、結構、メンバーの出入りが激しく、また売れたバンドなんですね。今回、調べてみて良くわかりました。特に、最初のシングル”Dr. Mabuse(ドクトル・マブーゼ)”は有名ですね。 それでは、Propagandaのバイオグラフィーを初期の頃だけ書いておきます。Propagandaは、1982年に独Düsseldorfで結成されたシンセ・ポップ・バンドで、元々は、Die KruppsのKbd奏者Ralf Dörper (ラルフ・デルパー)とAndreas Thein (アンドレアス・サイン)が、1982年夏に独エッセンのZero Green Studio(ここにはPPG Synthがあったので)で録音した2曲"Disziplin (ディスツィプリン)"と"Sünde (ズュンデ)"を持って、Susanne Freytag (Vo; スザンヌ・フレイターク)と共に、Dörperのソロアルバムを英レーベルOperation Twilightから出す計画で渡英した際に、NMEのChris Bohnがこれを聴いて、ZTT RecordsのTrevor Hornを紹介。それが縁となって、1983年と言う早い時期にZTT Recordsと契約しています。翌年には最初のシングル”Dr. Mabuse (ドクトル・マブーゼ)”をリリースし、1985年にはデビュー・アルバム”A Secret Wish”をリリースしており、シングル2枚”Dr. Mabuse”と”Duel”(1985年作)は、英国トップ30/21となり、大ヒットを記録しています。因みに、”Dr. Mabuse”はオーストリア人監督Fritz Langの1922年作の映画のタイトルです。ただ、セカンド・アルバム”1234”では、大幅にメンバーが替わり、Virgin Recordsからリリースされましたが、前回程の商業的成功は得られなかったようです。その後も何回かメンバーのマイナーチェンジをしており、現在もオリジナルVoであるClaudia Brücken(クラウディア・ブリュッケン)とSusanne FreytagがxPropagandaとして活動しています。 かなり、端折りましたが、Propagandaは、元々は、Die KruppsのRalf Dörperのソロが目的だったのですが、ZTT RecordsのTrevor Hornと関わることで、シンセ・ポップへと軌道修正していったバンドなんです。このマキシ・シングル”Dr. Mabuse”の製作に当たっては、コンポーザーのMichael Mertensも関わり、また、Voとして、Claudia Brückenも加わることになったようです。なので、表面上は、Claudia Brücken, Ralf Dörper, Susanne Freytag, Andreas Theinがメンバーとなっています。先述のように、”Dr. Mabuse” は売れましたので、様々なTV番組にも出演しており、特にChannel 4のThe Tubeに出演した時には、何と!Throbbing Gristleの”Displine”のカバーも演奏したとのことです。まぁ、そこら辺は置いておいて、このマキシ・シングルの各曲をそれぞれご紹介していましょう。B1はVelvet Underground &Nicoのカバー曲です。 ★A “Das Testament Des Mabuse” (10:14)は、強力なダンサブルなエレクトロ・リズムに、女性Voが乗り、バックに弦楽器風シンセが味を付けている曲で、バックは如何にもエレクトロ時代のDie Kruppsの頭脳Dörperだなと感じますね。途中のドラムマシン・ソロとダブっぽい処理なんかは、Trevor Hornのアイデアなのでしょうか? それと後半は何だか別曲になっているように思えますが、、、? ★B1 “Femme Fatale (The Woman With The Orchid)” (3:19)は、原曲と違って、マーチングリズムと朗々とした女性Voから成る曲に編曲されており、Synth-Bやリズムマシンも大胆に使われています。 ★B2 “(The Ninth Life Of...) Dr. Mabuse” (4:06)は、B1の最後のフレーズの低速再生から速度を上げていき、メタルジャンク音を加えているところから始まり、逆回転ドラムマシンと女性Voのサンプリング音等でゴチャゴチャになった後、如何にもなディスコティックなリズムが出てきて終わります。 ん〜正直、Propagandaのこのマキシ・シングルは、何がやりたいのか?意図が掴めかねますね。もっと単純にダンス・ミュージックならダンス・ミュージックに専念した方が良かったのでは?と思ってしまいます。確かにDörperには、この作品に詰め込めるだけのアイデアとテクがあったとは思うのですが、全部詰め込んでしまうと、作品としてはちょっと散漫な印象を感じてしまいますね。なので、多分、私は昔買った時から、余り聴いていなかったのだと思います。まあ、聴き方を変えれば、凄くテクを使っていますので、それを堪能することも可能だと思いますし、なんたって、1984年には大ヒットした訳ですので、曲自体は名曲だと思います。もし、チャレンジしたい方はどうぞ! A “Das Testament Des Mabuse” (10:14) https://youtu.be/MxOaokdqRSA?si=oA_tivpdg08j_auU B1 “Femme Fatale (The Woman With The Orchid)” (3:19) https://youtu.be/ND22sjpXF3g?si=GXHlZ1xLaZig31AJ B2 “(The Ninth Life Of...) Dr. Mabuse” (4:06) https://youtu.be/7oh9mkHFe_Y?si=mcgTVU8nj595xBFk #Propaganda #Dr.Mabuse #FirstRecord #12inchMaxi-Single #ZTT #Polyster #IslandRecords #日本盤 #ElectroPop #DanceMusic #GermanNewWave #Synthesizers #DasTestamentDesMabuse #FemmeFatale(TheWomanWithTheOrchid) #(TheNinthLifeOf...)Dr.Mabuse #ClaudiaBrücken #RalfDörper #SusanneFreytag #AndreasThein #MichaelMertens
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro-Dance Music ZTT / Island Records / Polyster 不明Dr K2
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Palais Schaumburg “Parlez-Vous Schaumburg ?”
とうとう、Parais Schaumburg (パレ・シャンブルク)のサード・アルバム“Parlez-Vous Schaumburg ?”を入手しましたが、何でこれを欲しかったと言うと、石野卓球氏が紹介していたことと、それだけ音が変わったのなら、じゃあ聴いてみようとなったことだと思ったからです。また、セカンド・アルバムではVoだったWalter Thielschが脱退してしまい、この時のメンツは、Thomas Fehlmann (Synth, Trumpet; 後にAmbient ProjectであるThe Orbを結成), Moritz von Oswald (Drs &Perc; 1990年初頭には、Minimal / Dub Technoを始め、レーベルBasic Channel & Chain Reactionを運営), Ralf Hertwig (Drsで入ってVoへ; その後、2MBや3MB名義でDub Technoを始める)の3人で、ゲストシンガーにInga Humpe (元Neonbabiesで、後にDeutsch-Österreichisches Feingefühl[以下DÖFと表記]を結成)も加わっています。つまり、Palais Schaumburgはアルバムを出す度に、Voが代わっています。そして、バックに演奏をしていたメンバーはダブ・テクノの活動をすることになっています。そんな出入りの激しいグループですが、1984年には、Palais Schaumburgは解散しています。恐らく、このメンバーでは、1年程しか活動していないようです。ただ音的には、Holger Hillerのいたファースト・アルバムの時とは大きく異なり、それこそDepesche Modeのようなエレ・ポップな内容になったようです。本作品はサード・アルバムにして、最後のアルバムになり、内容的には、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲について、ご紹介していきましよう。 ★A1 “Easy Go” (4:15)は、シングルカットされた曲で、キャッチーなエレ・ポップですね。しかも、耽美的でダンサブルです。ホーンやコーラスワークもバッチリです。 ★A2 “Spy Versus Spy” (3:36)は、ガムラン様のパーカッションとDrsに合わせて、シンセや跳ねるようなBが乗り、耳元で囁くようなVoとホーン類が何とも雰囲気を醸し出しています。 ★A3 “The Tart” (3:33)は、ちょっと不思議なスケールのリズム隊(Synth-B)に、甘いシンセとVoが乗る曲で、サビでは盛り上がりますね。リズムはドラムマシンですね。 ★A4 “3 Young Men”(4:05)は、何ともゴージャスなシンセのイントロで、少しだけ日本のゲルニカっぽい展開で、クラシック歌謡のような複雑な曲の進行となっています。リズムはそれ程強調されておらず、アンサンブルに重きを置いています。終わり方が良いですねー。 ★B1 “Quiet Village” (4:10)は、ちょっとびっくりするイントロですが、その後は、ダンサブルなエレ・ポップと言うかファンカラティーナになります。Voやコースワークもぴったしですが、歌詞は英語なのかな? ★B2 “Name The Cats” (4:30)では、B1と連続して始まり、怪しげなベースラインが中心にドラムマシンやシンセとなりますが、Voや女性コーラスも中々聴かせてくれます。Gも入っていて、ちょっと凝った曲ですね。 ★B3 “Beat Of 2” (5:00)も、シングルカットされた曲で、キラキラした陽性のエレ・ポップで、サンプラー音(ホーン類の音等)も使っているようで、当時としてはハイ・テックな機材での曲ですね。 ★B4 “What's The Time” (5:00)は、ゆったりとしたスローな曲で、「ジャングル大帝」とゲルニカの混合物を想起することような威風堂々たる雰囲気ですね。なので、そんなにビート感はありません。 まあ、Voが変わるだけで、こんなにも音楽が変わるんだとビックリしてしまいました。初代VoがHolger Hillerで骨折ファンクを、2代VoがWalter Thielschでラテン系エレ・ファンクを、そして3代VoがRalf Hertwigで、Depeche Modeのようなゴージャスなエレ・ポップを演奏しており、最早、Neue Deutsche Welleではなくなっていますね。歌詞も英語だし。まあ、これがキッカケとなったかどうかは分からないですが、各人がそれぞれ、ダブ・テクノの道へやThe Orbへと進んでいくのが、何とも独逸人らしいと言うか何と言うか。しかしながら、本作品での曲作りは一流ですので、プレ・テクノのエレ・ポップに興味のある方にはお勧めしますよ! https://youtu.be/Q_LsWfGqgO0?si=mRIHKWEMQ02O9LJp #PalaisSchaumburg #Parlez-VousSchaumburg? #Phonogram #ThirdAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ElectroPop #SynthWave #Synthesizers #ThomasFehlmann #MoritzVonOswald #RalfHertwig #Guest #IngaHumpe
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Pop Song Palais Schaumburg / Phonogram 3950円Dr K2
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Anne Clark “Joined Up Writing”
私は、このAnne Clarkなるアーティストは全然知らなくて、ほぼ海外通販のついでにジャケ買いしたものです。なので、少し調べてみました。 Anne Clarkは、スポークン・ワードの先駆者でもある英国の詩人で、「歌う」ことはしたことがなくて、いつも音楽に「言葉を乗せる」だけです。そして、彼女のキャリアは、1980年初頭に、ニュー・ウェーブ・ムーブメントと共に始まって、特にDavid Harrowのシンセ曲とで、ヒットチャートに入っています。また、彼女は、Vini Reilly, John Foxx, Martyn Batesともコラボしています。彼女は、オーケストラ等のバックでもスポークン・ワードをやりますが、エレクトロニックやテクノ、更に言えばアヴァンギャルドのバックでもやっています。もう少し詳しく書きますね。Anne Clarkは、1960年5月に英国ロンドン生まれで、カトリックの母とプロテスタントの父と1人の兄の元で育ってます。兄の影響で、スポークン・ワードを集め始め、16歳で高校をドロップアウトします。その後、色んな仕事をやって生活していましたが、レコード屋の店員をやっていた時に、丁度パンク・ムーブメントがロンドンで巻き起こり、彼女はバッチリハマってしまいます。そこで、Warehouse Theaterと関わりを持ち、やがて、Paul WellerやLinton Kwesi Johnson, French & Saunders, The Durutti Column, Ben Wattらと交流を持つことになります。それで、彼女は、音楽と作詞で色々試し始め、Richard Strangeの”Caberat Futura”で、Depeche Modeと共に初めてステージに立ちます。また、彼女は、Paul Wellerと”Riot Stories”で協力することになりますが、メジャーレーベルとの契約の際に、サインが出来ないようにされたことでもめています。しかし、1982年に、彼女は、ファースト・アルバム”The Sitting Room”をリリースし、1983年のアルバムトップ100で11位となり、続くアルバム”Changing Places (1083年作)”、”Joined Up Writing (1984年作)”, “Hopeless Cases (1987年)”で、彼女は、Warehouseから多大な貢献を得ることなります。それは、キーボーディストDavid Harrowが彼女の作品全てに音楽を付けてくれることでした。こうして、彼女は、David Harrowの全面的なバックアップを受けて、1980年代〜1990年代を過ごすことなります。この時期の代表曲が、 "Sleeper in Metropolis," "Our Darkness”や "Wallies”で、特に”Our Darkness”は、2003年に、Benny Benassiがサンプリングして、"Love is Gonna Save Us"としてヒット曲となり、Clarkのこの原曲は、FACT誌によると、ベスト・インダストリアル・レコード20に入る、所謂プロト・ハウスのレコードと評しています。その後、彼女は米国進出も計画していたようですが、Virgin Recordsの米国マネージャーRichard Bransonが了承しなかったので、彼女は米国進出は諦めています。しかしながら、欧州、特に独逸ではカルト的人気があったそうです。1985年には、John Foxxとコラボして、アルバム”Pressure Points”をリリース、この中の”Heaven”は欧州でヒットします。その後、1987年には、彼女は、Tov RamstadとIda Baalsrudと共同作業を行う為に、3年間、ノルウェーに行っています。そうして、1991年に、SPV Recordsから、Charlie Morgaとのコラボ・アルバム”Unstill Life”を出しています。まだまだ逸話はあるのですが、取り敢えず、ここら辺までにしておきます。 今回のアルバムは、先述のように、Warehouseからの貢献もあって作製されたアルバムで、バックの演奏を固めるのは、David Harrow (Kbd, E-Perc, Sax, Clarinet, Vo [B1-B3]), Virginia Astley (Kbd, Vo[A1-A3]), Jo Wells (Clarinet, Kbd, Vo [A1-A3]), Anne Stephenson (Vln [A1-A3]), Nick Pretzel (Drs, E-Perc [A1-A3])で、作曲は、David Harrow (作曲 [A3-B3}), Virginia Astley (作曲 [A1, A2])の2人によるものです。両面3曲ずつとちょっと収録曲が少な目で、ミニアルバムの扱いですが、彼女の3枚目のアルバムとなります。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ★A1 “Nothing At All” (2:27)は、英詞なのかな?ツボを得たリズム隊に、ピアノとヴァイオリンと言うバックで、割とハキハキと単語を発声する、やや短い曲です。 ★A2 “Weltschmerz” (3:32)も、割と生楽器(マーチングDrsとヴァイオリン等)を中心にバックが支えてすこーしだけトラッドな味付けも。 ★A3 “Killing Time” (4:42)は、ややスローテンポのリズム隊と弦楽器のドローンをバックに、Anneの割と単元切りなVo(スポークン・ワーズだから)が切羽詰まったように乗る曲だが、途中からエナジーがやや爆発気味になります。変調コーラスもグー! ★B1 “True Love Tales” (5:01)は、低音ドローンと軽やかなDrsに、簡素なシンセのリフから成る曲で、力強いAnneのスポークン・ワーズが発声されます。後半の詩の反復に合わせて、クラリネットも入ってきます。 ★B2 “Self Destruct” (9:53)は、ノリの良いDrsとSynth-Bに、シンセのリフとAnneの確固たる意思を持った発声から成る曲で、間奏にはクラリネット・ソロ、更にヴァイオリンのリフも被ってきて、更に音は分厚くなりますが、やがてフェイドアウトしていきます。 ★B3 “Our Darkness” (5:18)は、ジェット機の発着音にカッコ良いシーケンスが加り、更に強烈なDrsのキックが入ってきて、まるでプロパガンダのようなAnneの強烈なスポークン・ワーズが乗り、サビではコーラスと共に力強く、また、間奏のSaxやシンセもも聴かせてくれます。 実は、私はスポークン・ワードから成る作品も聴いたことがなかったので、先ず感じたのが、ナチのゲッペルスのような言葉に「念」を込めて、ハキハキと発声するプロパガンダのような印象でした(まぁ、内容は全然違いますが)。多分、英語がもっと聴き取れるともっと楽しめたのではないかとも思います。しかしながら、歌うでは無く、言霊を発すると言うVoスタイルの面白さに触れられたのは良かったです。まぁ曲はHarrowとAstleyが書いているので、非英語圏で日本人ほ私は、どちらかと言うと、曲の方に関心がいきましたが、2人の曲調の差異も感じられて、楽しめました! https://youtu.be/uY9O7byj2Sw?si=JS7YnZtOCyGCAqvp #AnneClark #JoinedUpWriting #10Records #INKRecords #Mini-LP #3rdAlbum #UKPoet #SpokenWord #Composers&Players #DavidHarrow #VirginiaAstley #Players #JoWells #AnneStephenson #NickPretzel
Pop Music / Spoken Words / Experimental 10 Records (INK Records) €5.00Dr K2
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非常階段 “Viva Angel”
今回は、最凶/最強のノイズ・バンド非常階段のセカンド・アルバム”Viva Angel”を紹介します。このアルバムは1984年に、自身のレーベルAlchemy Recordsからリリースされていますが、この頃になると、ファースト・アルバムのような「キワモノ」扱いはすっかり下火になり、ノイズを単なる騒音パフォーマンスから音楽としてのノイズへとシフトしていってます。その為か、このセカンド・アルバムは余り評価されていないようにも思えます。実際、私もこのアルバムに関しては、リリース当時は某友人から聴かせてもらったけれども、最初は琴線に触れなかった位ですから。既にパフォーマンス組は離脱しており、音楽組だけが残り、非常階段を続けていたようです。この時のメンバーは、JOJO広重 (G), Junko N. (Vo), 林直人 (B), 横山Sakevi (Others), T.美川 (Electronics, Vo)の5人でした。また、このアルバムは、ライブ録音では無く、1984年9月にAlchemy Studioでのスタジオ録音であったことも大きいようです。 それでは、ピュアにノイズ・ミュージックをやり始めた非常階段のセカンド・アルバムを紹介していきましょう。先ず、ジャケのデザインはFaustの”So Far”のオマージュでかつアルバム・タイトルはLa Düsseldorfのアルバム”Viva”から来ているようです。そんなプログレ好きな非常階段のアイデアが詰まっています。内容もA面6曲/B面1曲と言うアシンメトリーな構成になっています。それでは、各曲を紹介していきます。 ★A1 “Seeds Rock 'N Roll”では、呪文のようなVoと電子音と単調なスネアの反復打撃音から成り、一応、リズムらしき構造は聴取出来ます。 ★A2 “Hellthy Girl”は、分厚い電子音とGノイズが暴れる上に、Junkoと思われるVoiceが聴こえる曲です。フィードバック音がノイズだなあと思わせます。 ★A3 “Secret Desire”は、浮遊する電子音とGらしきノイズ音から成る曲で、引いた感じがまた良い。スタジオ録音らしい出来映えで、新境地ですね。 ★A4 “Twilight Guitar”は、空間を切り裂くGノイズが前面に、そしてバックには電子音が聴取できる曲です。JOJOさんのG、凄いですね。 ★A5 “Viva Angel”は、ビートを叩き出すDrsとBの上に、Gノイズ(と電子音?)が乗ると言った元祖ノイズ・ロック的な曲で、Voiceすら聴くことが可能で、異色なチューンで、カッコ良いです! ★A6 “Broken Young Bud”は再び、電子音とGノイズのテンションの高い絡みから成る曲で、複数のVoiceと言うか咆哮から成る曲です。これらのバックに通奏低音のような持続電子音が流れています。 ★B “Bad Character, But Great Sounds”は、A面とは異なり、Gノイズと電子音とBらしき低音等がかなりの音圧で収められており、ここら辺から、ノイズ・バンドとして自覚的に曲を録音するようになったのではないかと思われます。A5と共に、B面一杯使ったこの曲も、本アルバムのハイライトでしょう。個人的には、この曲が一番のお気に入りです。それにしても、曲名の「性格悪いが、音凄い」とは誰のことでしょう? スタジオを使っての録音と言うこともあって、各音が比較的分離して良く聴こえます。それが良い悪いは別として、「音楽」としては聴き易くなっていますし、それでも、B面一杯を使っての曲などは、強靭な音(=ノイズ)を放射しており、その後の非常階段の音楽性を示唆する出来映えだと思います。また、A5のようなロック的アプローチも興味深いですが、確か、多重録音で録ったとか(間違っていたら、ごめんなさい!)で、当時はそんな音楽を欲していたので、良く覚えていましたね。きっとJOJOさんのロックへの偏愛なのでしょう! 非常階段がプログレから始まったのを確認出来る一枚となっています。なので、そのルーツとその後の発展性を知るには重要なアルバムだと思いますので、ノイズ偏愛者のリスナーさんはマストなアルバムですよ‼️ A1 “Seeds Rock 'N Roll” A2 “Hellthy Girl” A3 “Secret Desire” A4 “Twilight Guitar” A5 “Viva Angel” A6 “Broken Young Bud” B “Bad Character, But Great Sounds” https://youtu.be/bgi_TeuhGLc?si=wU5FD2XqR6Jd3Whj #Hijokaidan #非常階段 #VivaAngel #AlchemyRecords #Noise #NoiseMusic #StudioAlbum #SecondAlbum #JOJO広重 #JOJOHiroshige #JunkoN. #NaotoHayashi #林直人 #Sakevi #横山Sakevi #美川俊治 #T.Mikawa
Noise / Noise Rock Alchemy Records 不明Dr K2