Weiches Loch / Vexation Soul “5” / “そよぎと”

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日本屈指のメタル・パーカッション軍団Weiches Loch (ヴァイヘズ・ロッホ)。その名前は噂には聞いていたしら、実は彼らのライブ・カセット作品も数年前に購入していました。それで、最近、シングルを出したことや、メンバーの多門伸くんがコンクリートで固めた、11Kgもある、とんでもないソロシングルを出したことで、俄然、興味を持っていました。そんな時に、丁度、K2のプチツアーで大阪Environment 0gに行った時に、多門くんから、直接渡されたのが、この7インチ・シングルでした。初めは、Weiches Loch単独かと思ったら、Weiches LochとVexation Soulのスプリット・シングルで、両方楽しむことができました。それで、各バンドについてちょっと調べてみました。
 Weiches Lochは、2002年に結成されたメタパー音楽集団で、当初はフィンランド出身のJere Kilpinen (Junkyard Shaman)も所属していましたが、現在では、多門伸、佐野アツシ、田中健司のトリオとなっているようです。最初の頃、「電車でスクラップなメタパーをハコまで運んでいたが、もう平気になった」との噂も聞いています(これはメタル使いだった私もやってましたので、気持ちは良く分かります)。多門くんは、自身のレーベルLa Muro Mia Muroも運営しており、本作品も、ここからの第2弾のリリースです。
 一方、Vexation Soul(ヴェクサシオン・ソウル)については、寡聞にして良く知らなかったのですが、大阪の伝説的ハードコア・ダブ・オーケストラVermilion Sandsから派生したバンドで、メンバーは、1980年代から「関西のDAF」とも称されるXOYOとして活動する今北正二/Shoji Imakita (Drs, Saw Blade Perc)に、Mari Torii (Vo, Trumpet, Whistle, Bells)とポルナレフ真彦/Polnareff (Poet)から成る3人ですが、ダブ処理に、同じくXOYOの本荘恭司/Kyoji Honjoも参加しているとのこと。こちらのバンドは、Polnareffの「詩」を中心として、他のメンバーが自由な実験性で音楽を構築しています。
 バイオグラフィーについては、この位しか分かりませんでした(すまん!)。なので、実際の各曲を紹介していきましょう。

★A Weiches Loch “5”は、3人のメタパーの緻密なドラミングのみから成る曲で、曲構成も素晴らしく、タイトかつダイナミックな演奏を存分に堪能出来ます。これは、相当、練習しているのではないかと想像され、この点だけでも既に高得点です。また、メタパーの録音方法が素晴らしく、私自身、メタル使いだったことから、彼等のメタパーの録音が如何に凄いことか良く分かります。そこまで、気を使っているのが嬉しい所でもありますね。
★B Vexation Soul “そよぎと”は、ポルナレフの独自の詩の朗読から始まり、不明なノイズやトライバルなドラムが加わる中、自在なトランペットも縦横無尽に吹き鳴らされ、混沌とした音場を形成され、更に、ダブ処理や回転数等をいじったりして、益々混沌としていきます。因みに、タイトルの「そよぎと」の「そよぎ」とは「梵」とも書き、宇宙を支配する根源的原理とのこと。関係があるのかな?

 こうして2つのバンドをスプリットで聴いてみると、まだまだ新しい/deepな音楽は生まれているのだなと確信させられ、ロートルの私としては、このような新しい音楽に2024年に出会えたことが嬉しくて堪らないです。特に、Weiches Lochは、ライブ動画をYouTubeで観ると、Test Dept.的なリズムだけではなく、その音楽に、日本的(例えば、祭囃子のリズム)な要素も感じられ、そこら辺が何とも言えず魅力だなとも感じました。また、Vexation Soulも詩(=言霊)を中心としながらも、カオスに突き進む姿は、大変興味深かったです。興味を持たれた皆さんも、是非、聴いてみて下さい!早く入手しないと売り切れちゃうぞ!

[trailer]
https://youtu.be/d8q0GWVuLdk?si=5p58tj_OlOImEv0R

[オマケ: Weiches Lochのライブ動画]
https://youtu.be/E9oablE2AJI?si=d8dwCsVDoUUJY7vz

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