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OBOO / Weiches Loch “Metalo Ritmo Frakaso”
今回は、関西のデュオOOBOと、私が個人的に大注目している大阪のバンドWeiches Lochとのスプリット12インチシングルをご紹介します。先ず、OBOOですが、このバンド(?デュオ)は、BonanzasのVo吉田ヤスシ氏と神田剛誌氏の2人からなります。神田氏は実験ダブバンドAudio Activeへの参加から、Tulululus、Soft、NXSと関西の実験的バンドを遍歴してきているキーパーソンです。また、吉田氏も、Goatの日野幸四郎らとの「裏Goat」的バンドBonanzasを始め、PBC、Spasmom、Suspiriaのみならず、Volume Leaders等に参加しており、Bonanzasでのハードコアなヴォーカリゼーションは記憶に新しいのではないでしようか? そんなバックボーンの2人が新しく組んだデュオがOBOOなんですが、私自身は関西地下音楽シーンに余り詳しくはないので、どの位の頻度でライブをやっているのか等はよく分かりません。ここら辺の緩い結合によるバンドの分裂・融合が関西特有の現象であり、それによって多種多様の音楽形態が産まれてきたのではないかと思っています。一方のWeiches Loch (ヴァイヘズ・ロッホ)は、天才メタル・パーカッショニスト多門伸と佐野アツシを中心に、田中健司と、この時期にはフィンランド人Jere Kilpinenもメンバーとして参加しています。知っての通り、彼らは4人が4人共メタル・パーカッションを担当していると言う特異な編成でもあります。2020年に結成され、翌年にAdvaita Recordsよりライブ・カセットでデビュー、2023年に、メンバーの多門伸が自身のレーベルLa Muro Mia Muroを運営開始し、その第一弾のリリースが本作品となります。また、2024年12月には、独のカセットレーベルFinalstattより最新作もリリースしており、海外デビューも果たしています。 そんなアクの強い2組がスプリット12インチと言う形態で分け合ったのが本作品であり、多門伸の「音」への拘りなのか、重量盤にして45回転となっています。それでは、各曲/各面をご紹介していきましょう。 ★LMMM1-1: OBOO “スチャケス”は、バックのノイジーだが自在な音を神田氏が担当、ハードコアなVoを吉田氏が担当しており、カテゴライズし難い音楽を刻み込んでいます。強いて言えば、ハードコア・実験音楽でしょうか?でも、テンポは変わるもののリズムはあると言う、非常にユニークな曲です。最後ののたうち回るノイズ的な音が印象的です。 ★LMMM1-2: Weiches Loch “2”は、曲名を番号で表しており、初期の曲と思われますが、単調だが、比較的高音のメタパーの音が段々と重層化していき、途中から重めのメタパーの連打に劇的に変わるのは、本当にカッコ良いです。正に「メタパー交響曲」です。実際に彼等の録音では同様のパターンの異なるメタパーで幾重にも重ねて録音しているらしく、その金属音の芳醇さがやはり際立ちます。 と言う訳で、かなり興味深いスプリット12インチとなっておりますので、関西の現行地下音楽シーンに興味のある方は是非とも聴いて欲しい1枚です!特に実験的ポップ(?)に興味のある方にはお勧めします! [trailer] https://youtu.be/msxxyBnh2l0?si=2SDlGkLpWQ11w9KR [オマケ: Weiches Loch live at Osaka Bears on Nov. 29, 2021] https://youtu.be/eI7jl_l5Ehk?si=kqEvF-rWpB7IPD52 #OBOO #WeichesLoch #MetaloRitmoFrakaso #LaMuroMiaMuro #SplitEP #12-inchEP #Experimental #Industrial #NoiseMusic #MetalJunks #MetalPercussions #Osaka #Bonanzas #PBC #Spasmom #Suspiria #VolumeDealers #AudioActive #Tulululus #Soft #NXS #TsuyoshiKanda #YasushiYoshida #ShinTamon #AtsushiSano #KenjiTanaka #JereKilpinen
Experimental / Industrial / Metal Junks La Muro Mia Muro ?Dr K2
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Weiches Loch / Vexation Soul “5” / “そよぎと”
日本屈指のメタル・パーカッション軍団Weiches Loch (ヴァイヘズ・ロッホ)。その名前は噂には聞いていたしら、実は彼らのライブ・カセット作品も数年前に購入していました。それで、最近、シングルを出したことや、メンバーの多門伸くんがコンクリートで固めた、11Kgもある、とんでもないソロシングルを出したことで、俄然、興味を持っていました。そんな時に、丁度、K2のプチツアーで大阪Environment 0gに行った時に、多門くんから、直接渡されたのが、この7インチ・シングルでした。初めは、Weiches Loch単独かと思ったら、Weiches LochとVexation Soulのスプリット・シングルで、両方楽しむことができました。それで、各バンドについてちょっと調べてみました。 Weiches Lochは、2002年に結成されたメタパー音楽集団で、当初はフィンランド出身のJere Kilpinen (Junkyard Shaman)も所属していましたが、現在では、多門伸、佐野アツシ、田中健司のトリオとなっているようです。最初の頃、「電車でスクラップなメタパーをハコまで運んでいたが、もう平気になった」との噂も聞いています(これはメタル使いだった私もやってましたので、気持ちは良く分かります)。多門くんは、自身のレーベルLa Muro Mia Muroも運営しており、本作品も、ここからの第2弾のリリースです。 一方、Vexation Soul(ヴェクサシオン・ソウル)については、寡聞にして良く知らなかったのですが、大阪の伝説的ハードコア・ダブ・オーケストラVermilion Sandsから派生したバンドで、メンバーは、1980年代から「関西のDAF」とも称されるXOYOとして活動する今北正二/Shoji Imakita (Drs, Saw Blade Perc)に、Mari Torii (Vo, Trumpet, Whistle, Bells)とポルナレフ真彦/Polnareff (Poet)から成る3人ですが、ダブ処理に、同じくXOYOの本荘恭司/Kyoji Honjoも参加しているとのこと。こちらのバンドは、Polnareffの「詩」を中心として、他のメンバーが自由な実験性で音楽を構築しています。 バイオグラフィーについては、この位しか分かりませんでした(すまん!)。なので、実際の各曲を紹介していきましょう。 ★A Weiches Loch “5”は、3人のメタパーの緻密なドラミングのみから成る曲で、曲構成も素晴らしく、タイトかつダイナミックな演奏を存分に堪能出来ます。これは、相当、練習しているのではないかと想像され、この点だけでも既に高得点です。また、メタパーの録音方法が素晴らしく、私自身、メタル使いだったことから、彼等のメタパーの録音が如何に凄いことか良く分かります。そこまで、気を使っているのが嬉しい所でもありますね。 ★B Vexation Soul “そよぎと”は、ポルナレフの独自の詩の朗読から始まり、不明なノイズやトライバルなドラムが加わる中、自在なトランペットも縦横無尽に吹き鳴らされ、混沌とした音場を形成され、更に、ダブ処理や回転数等をいじったりして、益々混沌としていきます。因みに、タイトルの「そよぎと」の「そよぎ」とは「梵」とも書き、宇宙を支配する根源的原理とのこと。関係があるのかな? こうして2つのバンドをスプリットで聴いてみると、まだまだ新しい/deepな音楽は生まれているのだなと確信させられ、ロートルの私としては、このような新しい音楽に2024年に出会えたことが嬉しくて堪らないです。特に、Weiches Lochは、ライブ動画をYouTubeで観ると、Test Dept.的なリズムだけではなく、その音楽に、日本的(例えば、祭囃子のリズム)な要素も感じられ、そこら辺が何とも言えず魅力だなとも感じました。また、Vexation Soulも詩(=言霊)を中心としながらも、カオスに突き進む姿は、大変興味深かったです。興味を持たれた皆さんも、是非、聴いてみて下さい!早く入手しないと売り切れちゃうぞ! [trailer] https://youtu.be/d8q0GWVuLdk?si=5p58tj_OlOImEv0R [オマケ: Weiches Lochのライブ動画] https://youtu.be/E9oablE2AJI?si=d8dwCsVDoUUJY7vz #WeichesLoch #VexationSoul #5 #そよぎと #LaMuroMiaMuro #7-inchSingle #SplitSingle #関西 #Tribal #Industrial #MetalPercussions #Experimental #Poetry #Dub #ShinTamon #多門伸 #AtsushiSano #佐野アツシ #KenjiTanaka #田中健司 #SojiInakita #今北正二 #MariTorii #Polnareff #ポルナレフ真彦 #KyojiHonjo #本荘恭司 #XOYO #VermilionSands
Tribal / Industrial / Experimental / Poetry La Muro Mia Muro なしDr K2