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Weiches Loch / 金属太古&Sandersonia “3+4” / “Meursault”
またまた、Weiches Loch関係の1枚をご紹介します。今回は、Weiches Lochと大阪の金属太古&Sandersoniaのスプリット・シングルで、リリースは、LinekraftのThree Plugs Recordsからです。何か納得のリリースですね。Weiches Lochのメンバーは、佐野アツシ、多門伸、田中健司、隈部直希の4人になっています。恐らく、大阪アメ村のライブハウスHOKAGEで、2023年4月11日に録音したのではないかと思われます。また、マスタリングは音無亮氏が行った模様です。 一方、金属太古 & Sandersoniaは、その名の通りと言うか、ご夫婦のデュオで、旦那さん(金属太古)がメタパー、奥さん(Sandersonia)がヴァイオリンを担当されています。奥さんの方は多才で、着物の着付けや茶道(?だつたかな?)も嗜み、またくるぴの等の他のユニットもやっています。録音はスタジオSIOUXで、2022年8月に行われたものです。Discogsでは余り作品を出してないように見えますが、実はCD等を2〜3枚はリリースしています。 そんな個性の強い2組のスプリット7インチがThree Plugs Recordsから出たのも、当然と言えるかもしれませんね。 ◼️Side A: Weiches Loch ★A1 “3”は、ラッパとメタパーから成る簡素で、ややコミカルですらある曲。ここら辺のユーモアは多門伸のNDWマニアたる由縁か? ★A2 “4”は、メタパーの速い連打から成るメチャクチャカッコ良い曲で、結構、ストレートなのですが、4人のメタパーがそれぞれの役割を担っており、曲構成も秀逸です! ◼️Side B: 金属太古 & Sandersonia ★B1 “Meursault”は、ヴァイオリンのゆったりとした幽玄な音色が続く中、蠢くようなメタル・ジャンクの音が入ってくる不思議なアンビエント調の曲で、メタル・ジャンクと言う邪悪な楽器を使っているのに、落ち着いた雰囲気は唯一無比! 同じメタパーを使っていながら、全く違う音楽性を志向したいるのが、非常に興味深いです。そんなメタパー好きのリスナーさんにはお勧めします!聴いて損はないですよ! [Trailer] https://youtu.be/xjxLkPy0-TQ?si=PkpS8vXcPQxhkeau [オマケ: 金属太古 & Sandersonia live at Annie’s Cafe on Dec.06, 2020] https://youtu.be/PCO6tX3JeCc?si=jr1MDvoh2lSqJrgb #WeichesLoch #金属太古&Sandersonia #3+4 #Meursault #ThreePlugsRecords #SplitSingle #7-inchSingle #MetalJunks #MetalPercussions #Violin #Industrial #和 #Ambient #Experimental #Osaka #佐野アツシ #多門伸 #田中健司 #隈部直希 #金属太古#Sandersonia
Metal Junks / Experimental / Ambient / Industrial Three Plugs Records ?Dr K2
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Tabea Blumenschein, Frieder Butzmann, Gudrun Gut, Bettina Köster “White Christmas”
もう1ヶ月ちょっとすると、クリスマスですね。と言う訳で、NDW流クリスマス・ソング用シングルを1枚、ご紹介します。まぁ、それにしても、凄いメンツでの作品になっています。先ずは、Die Tödliche DorisのTabea Blumenschein (タベア・ブルーメンシャイン)、ベルリンの異才にしてZensorの秘蔵っ子Frieder Butzmann、それにMania D./Malaria!のメンバーであるGudrun Gut (グドルン・グート)とBettina Köster (ベッティナ・ケスター)が集まって作った、定番クリスマス・ソング「きよしこの夜」と「ホワイト・クリスマス」のカバーです。単発企画モノではありますが、このメンツは当時の緩い関係性と流動性があってこそ、可能になったのでは?と思います。それぞれのバイオグラフィーは以前にも触れてあるので、そちらをご参照下さい。それで、本作品でのメンバーと担当は、Tabea Blumenschein (Vo), Frieder Butzmann (Organ [x], Synth [y]), Gudrun Gut (Drs [x], G [y]), Bettina Köster (Sax)となっています。それでは、異形のクリスマス・ソングを紹介していきましょう。なお、A面はside x, B面はside yと表記されていますので、そのままに表記しておきます。 ★Side x “Stille Nacht Goes Disco” (3:30)では、それぞれの演奏はちゃんととしているのですが、Die Tödiche Doris風の、何ともバラバラなアンサンブルが繰り広げられています。特に、DrsとKbdはチキンと演奏されていますが、プカプカのSaxと調子はずれなVoが最早何とも。最後もまた面白いです。 ★Side y “White Christmas” (2:55)は、最早「楽しいクリスマスの歌」から逸脱した、アヴァンでダークなカバーで、何とか曲にしようと頑張っているSynthとKbdに、「ぷはぁ〜」としたSaxと調子外れなVoとコーラス、そのバックにはNo Wave的なGも僅かに聴取され、リズムレスなアレンジになっています。出だしだけ聴いたら「怪奇大作戦か⁈」とも思ってしまいます。 side xはまだ、ビートもあるので、多少聴き易いのかもしれませんが、それでも「お互いに合わせる」と言う意味でのアンサンブルとしては成立しておらず、何とも気色悪い曲になってしまっています。また、それ以上に、side yは、病いのサンタが「なまはげ」の如く子供のいる家にやって来るみたいな悪夢のような曲になっており、高熱に浮かされた時の気持ちが良く分かります(?)。まぁ、何でこんな企画が成り立ったのかも不明ですが、これ程、破壊的なクリスマス・ソングのカバーは無いでしょう。怖い物見たさのある方、Die Tödliche Dorisファンの方は聴いてみて下さい! x “Stille Nacht Goes Disco” (3:30) https://youtu.be/XTS4N08mI-s?si=9JVaydPRlbO7ICSX y “White Christmas” (2:55) https://youtu.be/1He3X7PQYoM?si=t04weeRZ_qlx8WFD #TabeaBlumenschein #FriederButzmann #GudrunGut #BettinaKöster #WhiteChristmas #StilleNachtGoesDisco #MaratRecords #Zensor #Sublabel #7-inchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Avant-Garde #ChristmasSong #CoverSong #きよしこの夜 #ホワイトクリスマス #DieTödlicheDoris #ManiaD. #Malaria!
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Marat Records / Zensor €14.25Dr K2
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Jawoll “Marmelade” c/w “Hey Komm”
これは全然、知らなかったんですが、海外通販のついでに、このバンドのシングルを購入しました。Jawoll (ヤヴォール)は、独カッセルのバンドで、1981年〜1986年の間、活動していました。それで、Jawollのバイオグラフィーについて少し調べてみました。 先述のように、Jawollは、1981年に、カッセル美術学校のKornelia Scholz (Vo; コルネリア・ショルツ)とMatthias Kutschke (Drs; マチアス・クチュケ)によって結成され、そこに、英国人のRobert Foster (G; ロバート・フォスター)、それにJochen Bien (B; ヨッヘン・ビーン)とRichard Herberger(Kbd, G; リヒャルト・ヘルベルガー)でバンドとなります。当初、Robert Fosterは、英語で歌詞を書くことを提案しましたが、同時期のNDWバンドIdealやVoのAnette Humpeに触発されて、独語歌詞に拘ります。Jawollは、コメディアン/ミュージシャン/画家のOtto Waalkes (オットー・ヴァールケス)が運営していたレーベルRüssl Räckords (リュッスル・レコーズ)と契約し、人気音楽番組Bananasに出演したのがきっかけで、注目されるようになります。そうして、1982年に唯一のアルバム”Jawoll”と、そこからのシングル”Taxi”をリリースします。このシングルは独シングル・チャートのトップ20入りし、アルバムも独チャートで14位まで達しています。しかしながら、セカンド・シングルである本作品”Marmelade”はチャートインしなかったこともあり、レーベルをCBSに契約し直して、サード・シングル” Rendezvous (Ich Hab' Dich Seit Langem Nicht Gesehen)”を1983年にリリース。これは独シングルチャートで49位になりますが、余り成功したとは言い難かったようです。それで、1984年に、4枚目のシングル”Ich Möchte Bei Dir Sein”をCBSから出して、同年、最後のシングル” Ich Bin Verrückt Nach Dir”をRCA Victorからリリースしますが、バンドは1986年に解散してしまいます。そして、解散後、Robert Foster (G)は加に渡り、シンガーのJann Ardenと共に活動し、国際的な成功を納めています。一方、Kornelia Scholz (Vo)は、画家になりますが、1991年にレーゲンスブルクにて白血病のため38歳の若さで他界しています。 以上がJawoll の略歴となります。本作品 ”Marmelade”はヒットしなかったのてすが、この時期の独地方シーンのNDWの状況を知ると言う意味で聴いておきたい音楽でもあると思います。それでは、本作品の各曲について紹介していきたいと思います。因みに、唯一のアルバムは中々良質のポップ・ミュージック/ニューウェーブので、その内、ご紹介出来るかもしれません。 ★A “Marmelade” (3:08)は、連打されるホンキートンクな軽快なピアノに乗って、これまたご機嫌なビートとキュートなVoから成る曲で、独逸語では歌っていますが、曲調は結構パブロック風です。途中からのGも結構カッコ良いです。 ★B “Hey Komm” (2:42)は、Gのソリッドなカッティングから小気味良いビートの効いた曲で、Voは勿論キュートなのですが、時々入るオルガンが、英国のTom Robinson Bandっぽいです。 このシングルは当時は、余りウケなかったようですが、今、聴くと、結構カッコ良くてキュートなポップン・ロールなんですがねぇ。これが売れなかったのが、何故だか?良く分からないです。確かにGのカッティング等は英国ポストパンク的ではありますが、全体として、独逸語で歌っている点等で、充分、NDWの範疇で捉えて良いとは思います。まぁ、このシングルの前のシングル”Taxi”が予想外に売れてしまったのが、返って仇になったのかも知れませんね。そう言う意味では、不幸なバンドであったのかもしれませんが、そのポップネスは、このシングルでも充分にありますので、興味のある方は、是非とも聴いてみて下さい! A “Marmelade” (3:08) https://youtu.be/h_0HL_zrq2k?si=mTNo2mwBXkBQbzt1 #Jawoll #Marmelade #HeyKomm #Mercury #SecondSingle #1982年 #Kassel #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Pop’N’Roll #Cute #FemalelVocal #KorneliaScholz #MatthiasKutschke #RobertFoster #JochenBien #RichardHerberger
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro Pop Mercury €4.99Dr K2
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Hubert Kah “Rosemarie“
Hubert Kah (ヒューベルト・カー)は、日本でもそこそこ人気があったNDWバンドみたいで、ヤフ◯クでも多量に中古盤が出回っていますね。ただ、ファースト・アルバムやそこからのシングルは殆ど出回っていません。それで、ついつい、興味を持ってしまって、海外通販のついでに、彼等のファースト・シングル”Rosemarie“を購入しました。と言う訳で、Hubert Kahのバイオグラフィーを簡単に書いておきます。 Hubert Kahは、Tübingen(チュービンゲン)大学で心理学を学んでいたHubert Kemmlerによって結成されたシンセ・ポップ・トリオで、メンバーは、Hubert Kemmler (Vo, Kbd; ヒューベルト・ケムラー), Markus Löhr (G, Kbd; マルクス・レール), Klaus Hirschburger (B; クラウス・ヒルシュブルガー)でした。NDWブームの1982年に、シングル”Rosemarie"(1982年ファースト・シングル)や"Sternenhimmel"(1982年セカンド・シングル)及び"Einmal Nur Mit Erika... (Dieser Welt Entfliehn)"(1983年サード・シングル)やアルバム"Meine Höhepunkte"(1982年ファースト・アルバム)や"Ich Komme"(1982年セカンド・アルバム)で商業的成功を納めます。この時期のKemmlerは、TV番組出演の度に、寝巻きや拘束着で出てきて話題を呼んでいたらしいです。その後、プロデューサー/Kbd奏者のMichael Cretu (ミカエル・クレチュ)と組んで、1984年に、Achim Czech (Drs; アヒム・チェク)を加えて、独語歌詞のアルバム”Goldene Zeiten”を、その後、英詞のアルバム”Tensongs”を1986年に、更にPeter Weihe (G; ペーター・ヴァイへ)も加えて”Sound Of My Heart”を1989年にリリースし、国際的には一部でウケていますが、実は1980年代末に、Kemmlerは鬱病に罹患し、音楽業界から完全に引退しています。その後、1996年に音楽業界に復帰、単独でセルフ・タイトルのアルバムとシングル"C'est La Vie"と"Sailing"をリリースしますが、思った程の成功は納められず、1998年に、シングル"Love Chain"とベスト盤CDをリリース後、再び、鬱病を再発し、治療を受けることになります。そうして、2005年に、Kemmlerは、2度目の復帰をし、Achim Köllner (G, B, Drum Programming; アヒム・ケルナー)の協力の下、新録アルバム”Seelentaucher”とシングル”No Rain”をリリース、独逸語と英語を交えた歌詞の曲を盛り込んでいます。2007年春には、Kemmlerは、Ice King Kiniとして、ミュージカルPrincess Lillifeeで国内ツアーを行ったり、ASPと言うアコースティック・バンドで、LeipzigでのWave-Gotik-Treffen 2007に出演したりしています。その後、2021年3月には、Stuttgartのホテルで、還暦パーティを行っています。 ちょっとバイオグラフィーが長くなりましたが、本作は、トリオであったHubert Kahのファースト・シングルであり、彼等の人気を決定付けたシングルでもあります。メンバーは先述の通りの3人です。それでは、本作品の各面/曲を紹介していきましょう。 ★A “Rosemarie” (3:48)は、ドラムマシンのマシン・ビートにB(-Synth)とGの細かい刻みに、ドリーミーなシンセのメロディとシャレ乙で囁くようなVoが乗る曲で、途中からDrsも入ってきます。1980年代のニューウェーブな音楽だなぁと感心してしまいます。 ★B “Du Bist So Schön” (3:15)は、パンドラムの連打とシンセのイントロからダンサブルな強靭なダンスビートに雪崩れ込み、そこにセクシーに歌うVoが乗る曲で、ファズGやシーケンスが時々挿入され、かなり強いポップネスとカッコ良さを感じます。 どちらの曲もYouTubeで聴くよりも、レコードで聴いた方が、重くてノリの良いダンス・ビートを感じることが出来ますが、個人的には、B面の方が好きです。また、私自身も歌はやはり自国語で歌うべきとの考えがあるので、Kemmlerの悩みは良くは分かりませんが、それは非英語圏に生まれた者の宿命と思っています。それにしても、このシングルは、ニューウェーブかつポップで、大勢のリスナーに受け入れ易かったのは、よ〜く分かりますね。でも、これ以上は掘らないと思いますが、、、流石に「産業ニューウェーブ」なので。とにかく、音色やアレンジ、録音仕方等も上手く、聴かせてくれますので、興味のある方或いは1980年代ニューウェーブに興味のある方は是非! A “Rosemarie” (3:48) https://youtu.be/nNmLXUkSKnw?si=zTHWLiWpJa-rPun9 B “Du Bist So Schön” (3:15) https://youtu.be/Kb65kYqQWgU?si=_u1Qt9fmM3uIRWYK #HubertKah #Rosemarie #DuBistSoSchön #Polydor #FirstSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #NewWave #HitSong #1982年 #Synthesizers #HubertKemmler #MarkusLöhr #KlausHirschburger
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro Pop Polydor €4.99Dr K2
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City “Kontra” c/w “Nur Rock’N’Roll”
このシングルは偶然、見つけて、何かのついでに購入したのですが、どうもまだ独が西独と東独に分かれていた頃に、東独、正確には東ベルリンで結成されたフォーク・ロック・バンドのようです。それで、できる限り、このバンドCityについて調べて見ました。 結成は1972年で、その時のメンバーは、Fritz Puppel (G), Klaus Selmke (Drs), Ingo Doering (B), Klaus Witte (Kbd), Frank Pfeiffer (Vo), Andreas Pieper (Flute)で、City Band Berlinと言うバンド名でしたが、初期には、結構、メンバーチェンジがあったようで、1976年になって、Fritz Puppel (G)とKlaus Selmke (Drs)に、ブルガリア人のGeorgi Gogow (Vln, B)とToni Krahl (Vo, G)が加わり、やっと安定し、バンド名もCity Rock Bandに改名、それが段々と簡略化されて、最終的にCityと言うバンド名になっています。それで、彼等は、東独中をツアーしており、1978年にレコーディングの機会を得て、同年、東独の大手レーベルAMIGAからリリースされたデビューアルバム”Am Fenster (アム・フェンスター「窓辺にて」の意)”に収録された同タイトルの組曲で有名になります。この曲は、ヴァイオリンが主体のフォーク・ロック調の曲で、原曲は3部構成で17分もありますが、ラジオ用に編集された4分のヴァージョンもあります。また、この曲は、東独だけではなく、西独でも人気が出て、更にはギリシャでもヒットします。その為、2019年に「東独史上最高の曲」に選出されています。一方で、その後のCityのライブ・ショーでは、ドライブするGサウンドが特徴的となり、またいくつかの曲は寓話的なものもあったようです。例えば、”Der King vom Prenzlauer Berg (プレンツラウアー・ベルクの王)”では、喧嘩ばかりする若者について歌っており、また、”Meister aller Klassen (すべての階級の達人)”では、スピードを追求する余り、事故ってしまう悲劇的で生意気なバイカーについて歌っているとのことです。その後も、Cityは活動を続けており、2022年に解散しています。 本作品は、11枚目のシングルで、1982年リリースで、メンバーは、ジャケに写っているように、Toni Krahl (Vo, G), Klaus Selmke (Drs, Perc), Fritz Puppel (G), Georgi Gogow (B, G, Vln)の4人組だと思います(クレジットはないので、不明ですが)。と言う訳で、東独Cityの本作品を各面、ご紹介していきます。 ★A “Kontra” (4:41)は、意外や意外、Gのアルペジオにシンセたっぷりの、緩めのビート曲で、Voもそれ程強烈ではなく、語るようにナヨって歌っています。チープなアナログ・シンセの音色なんですが、それがまた郷愁を感じさせます。後、サビの部分のノリがプログレっぽいですね。 ★B “Nur Rock'n Roll” (2:28)は、カッコ良いGのリフとカッティングが主体のポップンロールで、シンセも味付けに使われています。こちらのVoは独逸語と言うのがよく分かります。全体の印象はニューウェーブです。 私は何か勘違いしていたのかも知れませんが、もっとハードなロックンロールを聴かせてくれるバンドだと思っていたのです。しかしながら、2曲とも、割と大人し目で、シンセ(誰が弾いているのかクレジットもないので分からないですが)を存分に使ったニューウェーブな曲でしたね。当時の東独の最先端だったのではないでしょうか? 後で、このシングルの前後のアルバムをYouTubeで確認しましたが、かなり作風が変わっていました。1981年のアルバム”Dreamer”では、まだ、フォーク・ロックっぽくて、何処か牧歌的なのですが、1983年のアルバム”Unter Die Haut”では、西側のメジャー系シンセポップに大きく変化していますし、後者には、”Nur Rock’n Roll”も収録されています。なので、このシングルはその過渡期に当たるのではないかと思われます。なので、この時期の東独のロックシーンに興味のある方は一度、体験されても良いかも! A “Kontra” (4:41) https://youtu.be/2AG4FGoELpM?si=37j7NcGAGrPMbLMX B “Nur Rock'n Roll” (2:28) https://youtu.be/SkVnva9Ooxo?si=1n5EXW_ZvVDWSc8F #City #Kontra #NurRock’nRoll #AMIGA #EleventhSingle #EastBerlinBand #DDR #CityBandBerlin #CityRockBand #1978年 #DebutAlbum #AmFenster #FolkRock #PowerPop #SynthPop #Synthesizers #ToniKrahl #FritzPuppel #GeorgiGogow #KlausSelmke
Power Pop / New Wave AMIGA €3.44Dr K2
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Weiches Loch / Vexation Soul “5” / “そよぎと”
日本屈指のメタル・パーカッション軍団Weiches Loch (ヴァイヘズ・ロッホ)。その名前は噂には聞いていたしら、実は彼らのライブ・カセット作品も数年前に購入していました。それで、最近、シングルを出したことや、メンバーの多門伸くんがコンクリートで固めた、11Kgもある、とんでもないソロシングルを出したことで、俄然、興味を持っていました。そんな時に、丁度、K2のプチツアーで大阪Environment 0gに行った時に、多門くんから、直接渡されたのが、この7インチ・シングルでした。初めは、Weiches Loch単独かと思ったら、Weiches LochとVexation Soulのスプリット・シングルで、両方楽しむことができました。それで、各バンドについてちょっと調べてみました。 Weiches Lochは、2002年に結成されたメタパー音楽集団で、当初はフィンランド出身のJere Kilpinen (Junkyard Shaman)も所属していましたが、現在では、多門伸、佐野アツシ、田中健司のトリオとなっているようです。最初の頃、「電車でスクラップなメタパーをハコまで運んでいたが、もう平気になった」との噂も聞いています(これはメタル使いだった私もやってましたので、気持ちは良く分かります)。多門くんは、自身のレーベルLa Muro Mia Muroも運営しており、本作品も、ここからの第2弾のリリースです。 一方、Vexation Soul(ヴェクサシオン・ソウル)については、寡聞にして良く知らなかったのですが、大阪の伝説的ハードコア・ダブ・オーケストラVermilion Sandsから派生したバンドで、メンバーは、1980年代から「関西のDAF」とも称されるXOYOとして活動する今北正二/Shoji Imakita (Drs, Saw Blade Perc)に、Mari Torii (Vo, Trumpet, Whistle, Bells)とポルナレフ真彦/Polnareff (Poet)から成る3人ですが、ダブ処理に、同じくXOYOの本荘恭司/Kyoji Honjoも参加しているとのこと。こちらのバンドは、Polnareffの「詩」を中心として、他のメンバーが自由な実験性で音楽を構築しています。 バイオグラフィーについては、この位しか分かりませんでした(すまん!)。なので、実際の各曲を紹介していきましょう。 ★A Weiches Loch “5”は、3人のメタパーの緻密なドラミングのみから成る曲で、曲構成も素晴らしく、タイトかつダイナミックな演奏を存分に堪能出来ます。これは、相当、練習しているのではないかと想像され、この点だけでも既に高得点です。また、メタパーの録音方法が素晴らしく、私自身、メタル使いだったことから、彼等のメタパーの録音が如何に凄いことか良く分かります。そこまで、気を使っているのが嬉しい所でもありますね。 ★B Vexation Soul “そよぎと”は、ポルナレフの独自の詩の朗読から始まり、不明なノイズやトライバルなドラムが加わる中、自在なトランペットも縦横無尽に吹き鳴らされ、混沌とした音場を形成され、更に、ダブ処理や回転数等をいじったりして、益々混沌としていきます。因みに、タイトルの「そよぎと」の「そよぎ」とは「梵」とも書き、宇宙を支配する根源的原理とのこと。関係があるのかな? こうして2つのバンドをスプリットで聴いてみると、まだまだ新しい/deepな音楽は生まれているのだなと確信させられ、ロートルの私としては、このような新しい音楽に2024年に出会えたことが嬉しくて堪らないです。特に、Weiches Lochは、ライブ動画をYouTubeで観ると、Test Dept.的なリズムだけではなく、その音楽に、日本的(例えば、祭囃子のリズム)な要素も感じられ、そこら辺が何とも言えず魅力だなとも感じました。また、Vexation Soulも詩(=言霊)を中心としながらも、カオスに突き進む姿は、大変興味深かったです。興味を持たれた皆さんも、是非、聴いてみて下さい!早く入手しないと売り切れちゃうぞ! [trailer] https://youtu.be/d8q0GWVuLdk?si=5p58tj_OlOImEv0R [オマケ: Weiches Lochのライブ動画] https://youtu.be/E9oablE2AJI?si=d8dwCsVDoUUJY7vz #WeichesLoch #VexationSoul #5 #そよぎと #LaMuroMiaMuro #7-inchSingle #SplitSingle #関西 #Tribal #Industrial #MetalPercussions #Experimental #Poetry #Dub #ShinTamon #多門伸 #AtsushiSano #佐野アツシ #KenjiTanaka #田中健司 #SojiInakita #今北正二 #MariTorii #Polnareff #ポルナレフ真彦 #KyojiHonjo #本荘恭司 #XOYO #VermilionSands
Tribal / Industrial / Experimental / Poetry La Muro Mia Muro なしDr K2
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Wilma “Pornography Lies”
Wilmaって知ってる人いないだろうなぁ。何で、私がこのシングルを持っているかと言うと、1980年代には私はSubterranean Recordsであれは、何でも買っていた時期があるんです。恐らく、その時に100円位で購入していたと思います。その時も、正体は分かりませんでしたので、ちょっと調べてみたのですが、1981年3月にデビューして、1982年8月に最後のライブをやつていること位しか分かりませんでした。ただし、メンバーは、Yvette Dasaltewerk (G, B, Vo), K.D. Davis (B, Vo), Louise Diedrich (Synth, Vln, Drum Machine, Vo)がコアメンバーで、本作品では、ゲストにDave Scheff (Drs [B2])とTom Mallon (Cow [B1]が参加していることだけは分かりました(すまん!)。それでは、取り敢えず、各曲について紹介していきましょう。 ★A “Pornography Lies”は、ややスローテンポの曲で、割と自由に弾いているGと一定のリフを弾くBに単調なドラムマシンと憑き物の呪文のように歌う女性Voから成る曲で、時々Vlnやコーラスワークも出てきますが、最後にGもBも崩れていきます。 ★B1 “Alexander Haig”は、シンセのパルス音と一定のリフのBに、それに合わせたGのリフとエフェクトをかけまくったGとシンセが暴れ回る曲で、ドラムレスかつインスト曲です。 ★B2 “Fast Fascist”は、ハードコアっぽいハイ・テンポのDrsにBとGが一丸となって突き進む曲で、複数の女性Voが喚きまくりますが、Gには歪み系エフェクトは使われていません。 同じフィーメール・バンドでも、The RaincoatsやThe Slitsなどの英国バンドとは違って、米国のこの時期のフェミニスト・バンド(歌詞もかなりポリティカルでストレート)は、もっとなんて言うか音もそうですが、「はみ出して」いますね。細かい主張は分からないですが、、、。ただ、Subterranean Recordsにそう言うバンドが集まっていたのかもしれませんが、米国フェミニズムの独特のノリを感じることができます。また、B1のタイトルもレーガン時代の米国軍出身の大統領第一秘書の名前のようですし。そこら辺に興味のある方や女性バンド好きの方にはお勧めします!また、その後もWilmaは、1985年にセルフタイトルのLPも出していますので、そちらの方がより分かり易いかもしれませんね。 A “Pornography Lies” https://youtu.be/BWby2bbUm3o?si=u_g_FPDUZxM0n4RD B1 “Alexander Haig” https://youtu.be/4a9wiUbTy9c?si=JAn0wAJ1Ubn7_Wql B2 “Fast Fascist” https://youtu.be/-pmV3YRyx1o?si=N-m7cojn4fS8caTu #Wilma #PornographyLies #SubterranenRecords #7-inchSingle #FirstSingle #FemaleBand #AlexanderHaig #FastFascist #Punk #Experimental #Synthesizers #Violin #YvetteDasaltewerk #K.D.Davis #LouiseDiedrich #Guests #DaveScheff #TomMallon
Punk / Experimental Subterranean Records 不明Dr K2
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Antonym “Consumer Device”
いきなり、AntonymとかZeitgeistと聞いて、ピーンと来る人は一体、何人位あるのかなぁ?有名なのか?無名なのか?も良く分かりませんが、Antonymは、どうもAnthony Burnhamのソロ・プロジェクトみたいで、Burnhamは、元々色んな形での旅行者或いは雑誌記者が本職のようです。しかも、Discogsによると、カセット等を含めると、もう14作品も出しており、シングルとしては、本作品がファーストとなっています。ただ、彼は1990年にはカセット作品を出しているので、その辺りから音楽活動はやっているようです。しかしながら、1996年にCDを出してからは、リリースは止まっているようで、その後、2009年にまた10インチMini-LPを出して復活しているようです。この位しか分かりませんでした(すまん!)。そんな訳で、本作品の各曲を紹介していきましょう。 ★A: “Consumer Device” (3:37)は、基本、四つ打ちキックに、様々な正体不明の音がサンプリングされて、同期されつつも不規則に配置されている曲で、踊れ、と言えわれれば、踊れるか? ★B: “Shattering Of An Illusion” (3:33)は、ちょっとだけ凝ったリズムパタンに、やはりガタガタしたような正体不明のサンプリング音が同期して聴取されます。 1990年代は、リズムとサンプリングの同期から成る音楽の時代だったと言えるソングが山のように出ていたと思うのですが、その中の流行りに乗ったユニットだつたのでは?と思います。今では、サンプリングは当たり前になっており、そう言う意味では「新しさ」はないのですが、何をサンプリングしたか分からないような所に、センスを感じます。また、それ故か、出来上がったトラックもちょいインダストリアルな風味を含んでいますね。お勧めです! A: “Consumer Device” (3:37) https://youtu.be/lY9q1trFTjE?si=pSQH6vHSYPDsc9NL B: “Shattering Of An Illusion” (3:33) https://youtu.be/bPFU_D-1NlU?si=YnYRRMAquILi6QHq #Antonym #ConsumerDevice #ShatteringOfAnIllusion #ZeitgeistUK #FirstSingle #UKJourneyMan #MagazinPublisher #AnthonyBurnham #7-inchSingle #IndustrialTechno #Techno #AllInstruments
I’m Techno / Industrial Zeitgeist UK 不明Dr K2
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Wat Nu “Skandal / Stereo Von Rondo”
これも、殆どのジャケ買いですね。偶々、独逸語表記だったので購入したのだと思います。それで、ちょっと調べてみましたんですが、彼等の経歴については全く不明でした。ただ、分かったのはメンバー編成だけで、Jürgen Walter (Vo), Mickey Jung (G), Kurt Kieven (B), Jürgen Schwan (Drs)が正式メンバーで、ゲストにAndreas Brüning (Sax)も参加しているようです(すまん!)。後、数年前のある店舗の紹介ポップでは、「German New Waveらしい、やる気のない屈折感とわざとらしい展開の曲想」と評されていましたが、「Rondoでは超難関」の入手し難くさとも。まぁ、そうかどうかは分かりませんが、各曲を紹介していきましょう。 ★A “Skandal” (4:20)は、音も分厚く、タンクのようなリズム隊とザクザク刻むGにVoと言う構成ですが、途中から、Gのファンクなカッティングに導かれて、アップテンポのファンクのようになりますが、また元に戻ります。バックの男性聖歌隊らしきコーラスの挿入も良ろし。 ★B “Stereo Von Rondo” (3:37)は、軽めのGのカッティングのイントロに続いて、スカのような軽快なリズムから成る曲で、Saxも良ろし。ただサビではポストパンク調に変わります。エレピの挿入されたり、サビがもっと変化したり、後半はまたスカ風に戻ります。 中々、録音にも機材やお金を掛けたように思えます。それ位、音は良いです。また、単にパンクとかスカとか言う前に、流れているのは独逸人特有の斜め上を行くユーモア(おちょくり)だとも思えます。総じて、中々良いシングルだと思いました。ただ「やる気の無さとかわざとらしい曲展開」は余り感じませんでした。なので、NDWファンの方は、見つけたら、即買いです!そして、貴方の感じ方をまた教えてください! A “Skandal” (4:20) https://youtu.be/cqVr3vkQ9rY?si=UGbA9TGMGaQuwUuz #WatNu #Skandal #StereoVonRondo #Rondo #1980年 #7-inchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Punk #NewWave #Sax #JürgenWalter #MickeyJung #KurtKieven #JürgenSchwan #AndreasBrüning
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Punk Rondo 不明。Dr K2
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Sam̄ler “Be Yourself / MG”
またまた、NDW系バンドSam̄lerを取り上げます。このバンドに関しても、私はすっかり忘れていました。それでちょっと調べてみました。 メンバーは、Matt Craven (Vo), GostoことAndreas Babka von Gostomski (G), Stefan Müller (B), Patrick Zinke (Drs)の4人組で、独のカッセル出身で、どちらかと言うとパンク寄りの音を出していたようです。Sam̄lerとしては、このシングルが唯一の作品で、その後、Mattが脱退し、Roy Steinbrecherが加入して、バンド名もDie Heldenと改名しています。ただDie Heldenも2枚のシングルを出して、解散しているようです(こちらは未聴)。短命なバンドでしたが、単なるパンクバンドとは言い難いので、未発表音源とかライブ音源とか(があれば)を集めて、セルフ・コンピとか出して欲しいです。この位のことしか分かりませんでした(すまん!)。それでは、各曲をご紹介したいと思います。 ★A “Be Yourself”は、ミディアムテンポのドラムとベースで始まり、Voも挿入されますが、間奏で入ってくるGにはディレイが掛けられ、かつフリーキーに演奏されており、少しNo Waveの要素も入っていますが、最後の一小節だけまともに弾いています。 ★B “M.G.”は、性急なビートに乗った典型的パンク・サウンドで、中々イカしていますが、あっという間に終わってしまいます。 正直、この時代のバンドで、ちょっと視点の広かったバンドは、A面のような不協和音から成るトーンのGを入れることが多かった(何ならBも崩す)ので、それ程の面白味は感じませんでしたが、敢えてそんな曲をA面に入れるところに、漢気を感じますね。出来れば、ライブ盤とかも作って欲しいです! A “Be Yourself” https://youtu.be/CQCodbJUGPc?si=WSFb8U8F4Em4WlzX B “M.G.” https://youtu.be/QBfJr7tIAUk?si=aZErvpUyM3KqLZXd #Samler #BeYourself #M.G. #IronCurtainRecords #1981年 #7-inchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Punk #NoWave #MattCraven #Gosto #AndreasBabkaVonGostomski #StefanMüller #PatrickZinke
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Punk Iron Curtain Records 不明。Dr K2
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Blässe “Lieben Sie Saxofon”
お次は、やはりNDWのど真ん中で、独自のフェイク・ジャズをやっていたBlässe (プレッセ)のファースト・シングル”Lieben Sie Saxofon”をご紹介しします。このバンドは、NDWのMalcom McLarenことXao Seffcheque (クサオ・ゼフチェック; Drs, Synth)を中心に後に初期Die Kruppsに参加するEva-Maria Gößling (エファ-マリア・ゲスリンク; Sax)とBrigitte Bühler (ブリギッテ・ビューラー; G, B)がコアメンバーですが、本当の創設者はオリジナル・メンバーとしては、当時13歳だったAlexander Von Borsig (B, Synth)とMichael Richard Hirsch (Synth)で、1979年にベルリンで結成され、1979年9月30日にベルリン工科大学で開催された反ファシスト・フェスでデビューしています。そのロゴ頃の目的は音とリズムと言語についての実験をすることでした。その後、1979年12月からは、ベルリンのクラブBlue Moonで、元Mania D.のEva-Maria Gößlingが加入し、1980年1月には、ベルリンのクラブSO36では、米国NYCのArleen Schlossとも共演しています。この頃から、Gößlingは、NYCでのライブの後から、当時18歳のSUMOことJean-Michel Basquiatの「催眠音楽」のアイデアをベルリンに持ち込みました。1980年4月に独とオーストリアを100%シンセティク・ツアーを敢行しましたが、評価は二極化しています。同年にVon BorsigがEinstürzenden Neubautenに加入した為、Gößlingは、Düsseldorfに戻り、SeffchequeとBühlerと一緒になって、コアメンバーとなり、Blässeを続けていきます。それで、1980年12月に、本作でもあるシングルを出します。Düsseldorfのカセット・レーベルKlar!80/81は、1981年4月に、彼等のライブ・カセット”Blässe Live (Buhuu 8)”を出しています。その後、No Düsseldorfのサンプラー3枚組LP”MASSA”(以前紹介済み)では、Bernward Malaka (B)も加わっています。また、彼等はライブ中に、Super 8のフィルム “S バーン ベルリン 1980”を上映しながら、ライブで演奏しました。また、Die Kruppsのアルバム”Stahlwerksinfonie”のエンジニアであったRené Tinnerは、Joachim Wittのサントラ”Inflation in Paradise”に、サックス奏者Gößlingを推薦し、1982年に彼女がロンドンに移った為、Blässeは解散し、Brigitte Bühlerはビデオ”Money Money”の制作に携わっています。 以上がBlässeの略歴となりますが、本作品は、言わば第二期Blässeのシングルと考えて良いでしょう。それでは各曲をご紹介ししていきます。 ◼️Sonnenseite (明部) A “Lieben Sie Saxofon”は、マーチング・ドラムから始まり、そこに線の細いGから、如何にもNo Waveっぽい反復するBライン、そしてフリーなSaxが入って多層化していき、ドラムはシンバル中心になる曲で、おおよそノリと言うものが存在しません。 ◼️Schattenseite (暗部) B “Venus In Der Oper”では、ハウリング音が暫く続き、無音に。そしてDrsの一体の反復が続く中、GとBも一定の反復を繰り返し、その途中に短い声がコラージュのように貼り付けられていきます。後半になると、段々とテンポアップしていき、そのまま終わります。 GößlingがNYCから持ち帰った「催眠音楽」が見事に演奏されています。A面ではBラインだけですが、B面は全ての楽器が執拗に反復をしています。そう言う意味で、「催眠音楽」なんでしような。私は、初めに3枚組コンピLP”MASSA”の方を先に聴いたので、随分印象が違うなあと思いました。しかし、本作品の音楽が第二期Blässeで演りたかった音楽だと思います。これでは、Klar!80/81のカセットも聴きたくなりますね! https://youtu.be/5hiYZg-n9xk?si=siaMJXT8ZIoK5-dc #Blässe #LiebenSieSaxofon #EMIL #1981年 #FirstSingle #7-inchSingle #FakeJazz #NoWave #Sonnenseite #Schattenseite #VenusInDerOper #XaoSeffcheque #Eva-MariaGößling #BrigitteBühler #Düsseldorf-Era #AlexanderVonBorsig #MichaelRichardHirsch #BernwardMalaka #ArleenSchloss #Berlin-Era
Fake Jazz / Neue Deutsche Welle / German New Wave EMIL 不明。Dr K2
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Populäre Mechanik “Muster / Scharfer Schnitt (No1)“
Populäre Mechanik (ポプレーレ・メヒァニーク)とは何ぞや? と言う疑問が湧いてきましたので、少し調べてみました。と言うのも、ジャケのデザインが、Holger Hiller監修のアルバムと良く似ており、偶々なのか?それとも何らかの関係があるのか?が気になったから、この際、調べてみようと思ったからです。 それで調べてみると、Kluster を皮切りに近年はソロでも素晴らしい作品を残し続けている Wolfgang Seidel (ヴォルフガング・ザイデル)が、NDWの時期てある1980 年代初頭にやっていたJazz/Funk〜Dubを過激に導入したGerman Post-Punkプロジェクトが、このPopuläre Mechanikであるとのことです。1981年に、自費出版にて本作品でもあるデビュー・シングル”Muster / Scharfer Schnitt (No1)“をリリースしており、このシングル自体は、現在では入手困難とさえ言われています。その後、このシングルの2曲は、Palais SchaumburgのHolger Hillerが厳選セレクトした楽曲を収録した編集盤”Kollektion 03 Compiled By Holger Hiller”(こちらは入手可能)にも収録されており、計算し尽くされた屈折ぶりやミニマル感が際立った奇異なリズム、更には脱力Jazz/Funk〜Dub導入のアプローチ辺りは勿論、音響的にも最高のプロダクションとなっており、Palais Schaumburg に代表される最高峰 NDW 勢と比べても勝るにも劣らない輝きを放つ物凄い音源にして1980年代初頭のGerman New Wave深淵中の深淵作とも評されています。元々、Seidelは、Ton Steine Scherbenと言うバンドをやっていましたが、ポスト・パンク/ジャズをやる為に、このPopuläre Mechanikとして活動を始めたようです。長い間、彼はバンド活動を休止していますが、それはバンド活動にもはや熱狂出来なくなったからだそうです。彼は、Joseph Beuysの学生だったConrad Schnitzlerらが運営していたパフォーマンス・クラブZodiak Free Arts Labで、シンセの演奏やその後のドラムの演奏をやっており、1970年代後半には、同学年の人々と知り合い、1960年代のロックの熱狂を分かち合い、当時出てきたパンクはとても魅惑的に見えてはいたが、ただ一点、パンクはロックンロールをベースしているのは気に食わなかったとのことです。そんな中で、DevoやXTCは大変気に入っており、逆に、ジャズ・ミュージシャンにも、ジャズの単なる娯楽振りから離れようとする人がいたので、これらを融合させることを彼は思い付き、Populäre Mechanikを始めだと言う経緯らしいです。それで、カセット・レーベルを立ち上げ、とにかく、自分達の音楽を素早く、安くリリースする意図がありました。その為、4トラックのカセットMTRで、いつでもジャムった音を録音しており、その中からセレクトして、カセット作品として出しています(Discogs上ではそんなに出してはいないみたいです)。そんな中から、先述のように、Holger Hillerがカセット音源をセレクトして、”Kollektion”シリーズを出しているとのことです。SeidelとHillerは、45年経っても、ロックとポップのことで話し合い続けています。 と言うのが、Populäre Mechanikの略歴なのですが、これには、私はちょっと驚きましたね。まさか、SequenzaことWorfgang Seidelが、ジャズ/ファンクとパンクと新しいテクノロジーとしてのシンセを融合させ、かつパンクのDIYのように自身のレーベルからカセット作品をバンバン出していたなんて、想像もしていなかったですよ。その意味では、本シングルは、非常に貴重な位置付けだったのですね。では、各面の曲について、ご紹介していきますね。 ★A: “Scharfer Schnitt (No1)”は、レゲエ調のDrsやPercに反復するBライン、更にシンセらしき電子音やG或いはオルガンが絡み合い、更にそれらの音にダブ処理が為されていると言うインスト曲で、今聴いても、全然古さを感じさせないですね。 ★B: “Muster”は、リズムマシンに強烈なキックと自在にうねるBと鋭いカッティングのG、ホワイトノイズを含む電子音や黒っぽいVoが絡む曲で、いきなり終わってしまいます。こちらは、それ程、ダブ処理は行われていません。それにしても充分にダンサブルです。 いゃ〜参りました。あのSequenzaがここまで、ファンクでダブな音楽を録音しまくっていたのかと思うと、New Age Steppers以上の破壊力を含有していると言えるでしょう。これを目隠しで聴いて、独逸人がやっていると思えるリスナーさんは殆どいないんじゃないかなぁ。その位、ある意味正統派なサウンドで、完成度も高いです。こりゃあ、Holger Hillerセレクトの”Kollektion”シリーズも聴かなきゃならんか?! A: “Scharfer Schnitt (No1)” https://youtu.be/kPi-e4j6fQs?si=09lblpfJ49GjcmRt B: “Muster” https://youtu.be/VZfJJivlbD8?si=VHTY0I-o4UI-eqRp #PopuläreMechanik #Muster #ScharferSchnitt(No1) #self-release #1981年 #7-InchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Jazz/Funk #Dub #Post-Jazz/Funk #Kluster #WolfgangSeidel #TonSteineScherben #Kollektion03CompiledByHolgerHiller #CassetteLabel #Punk #Jazz #Devo #XTC #HolgerHiller
Neue Deutsche Welle (German New Wave) self-release 不明Dr K2
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A 5 “Kalte Erotik / Längst Vorbei?“
A5は、1980年に独のブレーメン出身のパンク/ニューウェーブ・バンドで、メンバーは、Egon “Ego/N”, Harald Hass, Jürgen Schierholz, Rainer Kosch, Sabina Mai (本名Wolfgang Schaller)の5人から成ります。まあ、NDWの時期なので、その中に含んでも良いと思います。このバンドの詳細については、殆ど情報がなく、少なくとも1980年には、自主制作のカセット作品と、No Fun Recordsよりシングル”Erst Ausgabe”を出しているので、それ以前に結成されていたことにはなると思います。そして、1981年に、本作品でもあるセカンド・シングル”Kalte Erotik / Längst Vorbei?”を出しており、その後1995年に、セルフ・コンピレーションCD”1980-1981 - Mein Schönes Kurzes Leben”を出していますので、恐らく、1981年の後位にはバンドは解散していると想像します。ただ、これはあくまでも推測であり、実際はどうか分かりませんでした(すまん!)。それで、このシングルですが、そのシングルの後にリリースが続いていないので、実質、ラスト・シングルとなります。私は、多分、NDWモノだろうと言うことで、見つけた時に購入したのだと思いますが、暫く聴いていなかったので、今回、聴き直しました。と言う訳で、各面の曲をご紹介して行きましょう。 ★A: “Kalte Erotik” (4:03)は、リズム隊にピアノとヴァイオリンのリフで進んで行く曲で、反復するハスキーな女性Voと叫ぶように歌う男性Voの対比が面白いです。時にシンセの宇宙音も挿入されてきます。 ★B: “Längst Vorbei?” (3:21)は、性急なリズム隊に、ザクザク刻むGとピアノがカッコ良く、また男女のツインVoから成るパンキッシュな曲です。間奏のGのリフも派手すぎず良いです!また、ちょっとだけシンセも使っていますが、この一音が効果的です。 流石、No Fun Recordsのリリース物と言うか、このシングルには、パンキッシュでカッコ良いロックが詰まっています。しかも、シンセを本の少しだけしか使わないで、真っ向勝負しているところや男女のツインVoを上手く組合せて、曲の構成を考えているところなんかは得点高いですねぇ。後、リズム隊がタイトで、かつBラインもイカしている点も好感が持てますね。まだまだ知らないバンドが山ほどあるなぁ。これは、やはりセルフ・コンピレーションCD、買うしかないかなぁ! A: “Kalte Erotik” (4:03) https://youtu.be/L7ue-ossR5I?si=RdCo0yCxEYKIMh0j B: “Längst Vorbei?” (3:21) https://youtu.be/lNUaxmjTLCQ?si=PbFUvFxvbLNwGxjf #A5 #KalteErotik #LängstVorbei? #NoFunRecords #7-InchSingle #1981年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #Punk #Piano #Violin #Synthesizer #EgonEgo/N #HaraldHass #JürgenSchierholz #RainerKosch, #SabinaMai #WolfgangSchaller
Neue Deutsche Welle (German New Wave) No Fun Records 不明Dr K2
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Trümmerfrauen “Glasaugen“
Trümmerfrauen (トリゥマーフラウエン)は、独マンハイムから出てきた女性NDWバンドで、ハイデルベルク出身のStephanie Groth (G, Vo), フライブルク出身のGabi Streckfuß (Synth, Vo), マンハイム出身のIngrid Janowsky (B, Vo), 同じくマンハイム出身のPia Lenz (Drs)から成ります。バイオグラフィーについてちょっと調べてみました。1979年末にルートヴィッヒシャーフェンにて、Janowsky (B)とLenz (Drs)によって、フェミニスト・パンク・バンドとして始まりますが、この2人は楽器の演奏方法については全くの無知だったので、ただただ演奏したいと思って練習していました。そこに、2人と同じような人物と出会うことになります。それがGrothで、彼女が住んでいたハイデルベルクは、自動車で30分もかからない所に住んでいました。Grothは、先の2人が出していたギタリスト募集を見つけて、何故だか良く分からないまま、2人にコンタクトを取ります。それで、1980年4月5日に、最初のコンサートを敢行しています。彼女達は、自分達自身を「歳なんか取らない」と呼んでしたそうです。1980年11月から、バンド名をTrümmerfrauenとし、彼女達の音楽を更に進化させる為に、Streckfuß (Synth)が加入するのを待っていました。そして、4人は、あっと言う間に、マンハイムのパンクシーンに入り込みます。1981年11月に、彼女達は、ベルリンで、本作品でもあるデビュー・シングル”Glasaugen”を録音し、Zensorからリリースされます。その数ヶ月後の1982年4月に、Lenzがバンドを辞めてしまい、残りのメンバーでバンドを続けますが、やがてバンドは消滅してしまいます。なお、その後、1986年に、セルフタイトルのカセットが、レーベルIn Der Tatからリリースされており、この作品は、2017年には、ボーナストラック5曲を加えて、Danger RecordsからLPとして再発されています。 以上が、Trümmerfrauenの略歴で、活動中にリリースされた唯一の作品がこのシングルとなります。それでは、各面の曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Gelbkreuz” (2:57)は、簡素なリズム隊に、呪文のような2人のVoが乗る曲で、何かの呪術/祭儀を行っているようです。 ★A2 “Arbeit” (3:20)は、ややダウナーなフレーズとベースラインから成る曲で、深淵から浮かび上がるシンセのフレーズの効果的で、最後に近づくと、、! ★B1 “Glasaugen” (2:50)は、元気一杯のパンキッシュな曲で、複数でのVoの掛け合いが初々しくて、堪らないです。割とバックの演奏は控えめで、Voに重点が置かれたミックスが良かったです。 少ーしだけ、初期のThe Raincoutsを思い出すような、決して上手くはないが、そこに存在して当然の如く、音の鳴りのよい佳作曲が3曲も収録されているのは嬉しい。この頃って女性バンドがやたらと出てきましたが、どれも元気一杯で初々しくて、魅力的なバンドが多かったですね。そんな中でも、Trümmerfrauenは、憂いのような感情も感じられて、興味深かったです。また、シンセの使い方も出しゃばり過ぎず、良かったです。出来れば、またちょっと続けて欲しかったと思います。そう言う意味では、セルフ・コンピレーション・アルバムも入手しなきゃです! https://youtu.be/OM6Djgg1s9o?si=1E3WmmnNyAce-I3C #Trümmerfrauen #Glasaugen #Arbeit #Gelbkreuz #Zensor #1982年 #7-InchSingle #AllFemaleBand #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #FeministPunk #StephanieGroth #GabiStreckfuß #IngridJanowsky #PiaLenz
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Zensor 不明Dr K2
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Donald Fuck “Der Spieluerderber”
このシングルも訳分からないアイテムの一つ。多分、ZickZackだからと言う理由だけで、購入したのだろうと思います。先ず、アーティスト名がDonald Fuckで良いのかどうか?も不明です。ひょっとすると、Der Spieluerderber (デァ・シュピールエールデルバー)かもしれないです。まぁ、よしんば、Donald Fuckとしても、この1枚位しか出していません。また、D.Fuckがほぼほぼ全部の楽器とヴォーカルをやっているようですが、クレジットには、Adolf Hitler, Alfred E. Hilsberg, Bernd Patzke, Donald Fuck, Hermann Göring, Horst Gregorio Canellas, Oskar Klose, Rudi Michelがフィーチャーされているとも記載されています。それで、調べてみたのですが、男性Vo, 国粋主義, サンプリング, 戦争, ユーモア, ノイジー, 即興, Raw, ミニマルと言う単語が出てきますので、何となく音は想像付きそうです。まぁ、多分、誰かの単発プロジェクトだとは思いますが、ここらで各面の曲を紹介した行きたいと思います。ただ、A面B面の区別はありませんが。 A: “Der Spielverderber” (6:00) B: “Der Spielverderber” (5:57) [YouTubeには上がっていなかったので、動画は省略させてもらいます] #DonaldFuck #DerSpieluerderber #ZickZackPlatten #7-InchSingle #1980年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #SoundCollage #Minimal #Improvisation #War #Nationalism #Humorous #Guests #AdolfHitler #AlfredE.Hilsberg #BerndPatzke #HermannGöring #HorstGregorioCanellas #OskarKlose #RudiMichel
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental / Sound Collage Zick Zack Platten 不明Dr K2