Buzzcocks “A Different Kind Of Tension”

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また発掘しました。英国パンクロックの雄Buzzcocks (「唸るチ○ポ」と意?)のサード・アルバム”A Different Kind Of Tension”を紹介します。Buzzcocksは名盤セルフ・コンピ”Singles Going Steady”の方をCDで聴いていたのですが、アナログが欲しくなって、本作品を買いました。BuzzcocksのリーダーであったPete Shelleyのソロアルバムについては、今までも紹介してきましたが、Buzzcocks自体の紹介はまだしていないので、先ずはこちらのバイオグラフィーを書いております。このバンドを簡単に言うと、英国Boltonで、Pete Shelley(作曲, G)とHoward Devoto (作曲)によって、1976年に結成されたポップ・パンク・バンドで、マンチェスターの音楽シーン、特に自主制作、パンク、パワー・ポップに大きな影響を与えたバンドとなります。もう少し詳しく書きますね。Bolton工科大の生徒であったHoward Traffordは、Velvet Undergroundの”Sister Ray”が好きなミュージシャンを探しており、一方、同大のフェローのPeter McNeishはロックを演奏していましたが、その前には電子音楽も好きでした。そんな2人は、1975年末にドラマーを探し出して、Buzzcocksの元になるバンドを結成しています。1976年2月に彼らは正式にバンドを結成しており、その時に、ステージ名をMcNeishはPete Shelleyに、TraffordはHoward Devotoとしています。その時に、Buzzcocksを名乗るのですが、これは、Time Out誌に掲載されていたRock Folliesのタイトル”It’s the Buzz, Cock!”から取られています。Buzzとはステージ上の興奮を、Cockとは北英国のスラングで「友達」と言う意味らしいです。それで、2人は、Garth Davies (B)とBlack Cat BoneのMick Singleton (Drs)を誘って、1976年4月1日に大学で最初のライブを行います。NME誌でSex Pistolsの最初のライブの記事を読んだShelleyとDevotoはLondonまで出向いて、1976年2月のSex Pistolsのライブを観て、強いショックを受け、同年6月のPistolsのマンチェスター公演の時に、Buzzcocksもパンク・バンドにしようとしますが、他のメンバーは脱退してしまい、出演はできませんでした。しかし、その後、Steve Diggle (B)とJohn Maher (Drs)を誘い、Pistolsの2回目のマンチェスター公演では見事対バンをしています。同年9月に2日間に渡って開かれた100 Club Punk Festivalに出演する為に、バンドはLondonにまで行っています。同年終わりに、Buzzcocksは、自身のレーベルNew Hormonesから4曲入りEP “Spiral Scratch”を録音、リリースしており、自主制作としてはかなり早い方でした。しかしながら、Devotoは、パンクの方向性に不満であったことで、数ヶ月後にバンドを脱退し、その後、Magazineを結成しています。Shelleyはヴォーカルを全て担当するようになり、Steve Diggleは、ベースからギターに代わり、Garth DaviesことGarth Smith (B)が再加入して、1977年に9月のBBC Radio 1のJohn Peel Sessionに出演、予想外の大反響を呼びます。それで、彼等は、メジャーのUnited Artists Recordsと1977年8月16日に契約することになります。最初のシングル”Orgasm Addict”は、内容が性的に過激であった為、BBCでは掛けてもらえず、余り売れませんでした。これには、Shelleyのバイセクシャルな面とパンクに対する嫌悪感が関係しており、その後は、より曖昧な歌詞になっていきます。次のシングル"What Do I Get?"は英国トップ50チャートに入っています。3枚目のシングル"Ever Fallen in Love (With Someone You Shouldn't've)"は、1978年10月には、英国チャートで12位に達しており、TV出演や影響力も大いにありました。Buzzcocksの最初の3枚のアルバム”Another Music In A Different Kitchen”, “Love Bites”, “A Different Kind of Tension”はどれも英国トップチャート30に入っています。特に、彼等は、歌詞に米国の作家William S. Burroughsをしばしば引用しています。この時期に、Buzzcocksと並行して、Shelleyほより実験的なポスト・パンク・バンドThe Tiller Boysを、Garveyも1978年にThe FallのメンバーとThe Teardropsに加入して活動しています。しかしながら、Buzzcocksとしての4枚目のアルバムのデモを録音した後の1981年に、バンドは解散してしまいます。Shelleyはソロで、DiggleとMaherは新バンドFlag Of Convenienceを結成、Garveyも新バンドMotivationを結成し、後にBlue Orchidsに加入しています。1989年以降も、ShelleyとDiggleを中心に、Buzzcocksは何度も再結成されており、活動も活発になっていましたが、2018年12月6日にPete Shelleyが、エストニアのTallinnの自宅で、心臓発作で他界してしまいます。しかしながら、Diggleを中心に、BuzzcocksはShelley無しで活動を続けており、2022年には新録アルバムも出しています。今回の紹介はここまでとします。
それで、本作品”A Different Kind Of Tension”について紹介します。メンバーは、Pete Shelley (G, Vo, Kbd), Steve Diggle (G, Vo), Steve Garvey (B), John Maher (Drs)で、この時期が最もBuzzcocksらしいです。早いテンポの恐ろしくタイトなリズム隊とソリッド極まり無いギターワークに、Shelleyの高音まで出る独特の声質のヴォーカルが、このアルバムに収められています。また、大部分の曲は2〜3分ですが、B5 “I Believe”は7分もあったり、B6 “Radio Nine”は、ほんの41秒の曲ですが、セルフ・カバーをしています。また、コーラスの一部にヴォコーダーを使ったりもしており、単なるパンク/パワーポップとは違った一面も見せています。なお、プロデューサー兼エンジニアは、Martin Rushentです。両面6曲ずつ収録されていますが、先述の特徴はどの曲にもあり、極めてキャッチーで、ポップ・センスに溢れています。そう言った意味で、Buzzcocksの奇跡のバンド・サウンドが生まれたのだと思います。一方で、「パンクなら、愛とか恋とかを歌うな!」と言う否定的な意見もありましたが、これは、Pete ShelleyがバイセクシャルであったことやBurroughsからの引用があったこと等の背景を知らなかったのだと推測されます。各曲についてはそれぞれ解説はしませんが、とにかくカッコ良いサウンドなので、未聴の方はこの機会に是非とも聴いて欲しいですね❗️ノックアウトされるかも❓

A1 “Paradise” (2:23)
A2 “Sitting Round At Home” (2:38)
A3 “You Say You Don't Love Me” (2:55)
A4 “You Know You Can't Help It” (2:22)
A5 “Mad Mad Judy” (3:35)
A6 “Raison D'Etre” (3:32)
B1 “I Don't Know What To Do With My Life” (2:43)
B2 “Money” (2:45)
B3 “Hollow Inside” (4:46)
B4 “A Different Kind Of Tension” (4:39)
B5 “I Believe” (7:09)
B6 “Radio Nine” (0:41)

B4 “A Different Kind Of Tension” (4:39)
https://youtu.be/kl_GrBJPdLQ?si=6P46EQyL6O30aoA8

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=PLMxy067kbpQhsAITIWzeFT75tYsbFKUaW&si=FQbCWfQ30cVeGsgh

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    4AD

    2023/09/07 - 編集済み

    BUZZCOCKSは、シングル1枚だけ持ってます。
    桑原茂一のラジオで聴いて買いました。
    Martin Hannettプロデュースのこの曲は、もうほとんどFACTORYサウンドですね。哀愁たっぷりの名曲だと思います。https://youtu.be/Zyd6chrTwOg?t=3

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      Dr K2

      2023/09/07

      BazzcocksはPete Shellyがヴォーカルの最初の3枚のアルバムはどれも傑作だと思います。勿論、この曲も名曲です!

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