Richard Pinhas “L'Ethique”

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今回は、仏のプログレバンドHeldonの首謀者にして、ギターとエレクトロニクスを独自に融合させたロックを発明したギタリスト兼作曲家Richard Pinhasのソロ・アルバム”L'Ethique (「倫理」の意)”を紹介します。ソロ・アルバムとしては5枚目になります。彼のバイオグラフィーは、以前に書いてありますので、そちらを参照して下さい。今回、参加しているのは、Richard Pinhas (Synth, G)に加えて、Bernard Paganotti (B [A1, A4, B2]), Clément Bailly (Drs [A1, A4, B2, B3]), Patrick Gauthier (Moog [A2, B2]), Jean-Philippe Goude (Moog, Perc [A1, B1, B3])です。更に、Pinhasの師匠の哲学者Gilles Deleuze (Vo [A1, B3])やGeorges Grünblatt (Moog [B4])も客演しています。また、シンセの管理やエンジニア(YMOで言うところの松武秀樹氏のような役割?)としてGilles Berthoulotも関わっています。今までのソロと違って、結構、タイトな演奏を聴くことができ、この路線は、Heldonの”Stand By”や ”Interface”に通じると言うか、それらよりもモダンで、よりラウドでロックなノリに推し進めてきた証だと思います(まあ、Heldonとはメンバーも違いますし、時期的にテクノロジーの進化度合いも違いますから)。プログレ臭さは弱まり、テクノ・ポップ感が強くなったとも感じられますが、マイナーコードや仰々しいストリングス・シンセを使っているのが、「ニューウェーブ」には成りきっていないところかな? A2 “Dedicated To K.C.”のK.C.ってKing Crimsonだと思うのですが、まだ引きずっていたのかと驚くと共に、第一楽章での7/8拍子や、第三楽章でのHeldonの曲のモチーフのセルフカバーなんかが含まれているところも、仏人のユーモアなのかエスプリなのかは不明ですが、興味深かったです。生ドラムのクレジットの無い曲は、リズムマシンを使っているようですね。全曲、Pinhasの作曲なので、特にクレジットの無い曲は彼が1人で録音しているのでしょう。それが宅録感にならないところが、やはりプロと言うかPinhasの手腕なのでしょう。しかし、それにしても、B2 “The Western Wail (Part 1)”での緊張感満載でのシーケンサーとドラムの掛け合いは凄いです❗️そうして、B5 “L'Ethique (Part 4)”の短いシーケンスから成る小曲でアルバムを締めています。全体的にギターよりもシンセを多用した作品であると思いますので、シンセ好きのリスナーさんは一度、聴いてみて下さい!きっと発見がありますよー。

A2 “Dedicated To K. C.”
https://youtu.be/DUC_2oMyusM

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mVMMnz6Q5VyZjDjt4MIaU_CXEdkD6fIG4

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