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クアルテット・ヴェーグ/ヴェーグ四重奏団のベートーヴェン作品131のCD
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131はボクの人生で出会った最高の音楽だといえる。最初の経験の初期の東京クァルテットに始まり、スメタナSQ、パレナンSQ、ブタペストSQ、ハンガリーSQ、ジュリアードSQ、バルトークSQ、バリリSQ、ラサールSQ、アマデウスSQ、ゲヴァントハウスSQ、ブッシュSQ、アルバンベルクSQ、片っ端から聴いた。今もそれは続いているが、自分の中ではすでに『これが自分に合っている』という演奏を聴かせてくれるクァルテットがあり、『この曲のここはこういうふうに感じたい』という自分の好みから後発のCDやレコートを選別するようになった。
このヴェーグSQはフランスの弦楽四重奏団だけど、ぼくはバルトークの全集の一部を聴いたことがある程度だった。
繊細で近代から現代の,大衆の耳からかなり距離を置いた音楽という学問に忠実な芸術家の集団というイメージだった。言ってみれば『美しい演奏などというものはない。そこには美しい音楽があるだけだ』という新即物主義的な印象がある。この14番でも第1楽章冒頭のアダージオから終楽章終結部のアレグロ迄祈りも高揚も抑制され、隙のないアンサンブルが透徹されている。
今回もう一度聞いてみたけれど、やっぱり最初の印象は変化してくれなかった。
これは楽譜に書いている通りの演奏で、ぼくがこの曲を登ってゆくときに頼る心のカラビナをひっかける場所が一個も見つからなかった。聴き方が悪いんだろうけどね。
これって、魅力の紹介にはなってないな。
woodstein
2023/07/24 - 編集済みベートヴェンの弦楽四重奏曲チクルスは全曲聴くべきで、私も30年以上聴き続けていますが、どうも12番以降はベートーヴェンがあっちの世界に行ってしまったような感じがしてしまって、あまり気軽には聴けません。それはともかく、たくさんのSQを聴かれたようですが、ヴェーグとは意外でした。私は殆ど聴いたことがないので、機会があれば何かしらの演奏を聴いてみたいですね。ちなみに私はバリリ、アマデウス、東京の他にメロスの旧盤とズスケを聴いていました。
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Mineosaurus
2023/07/24メロスを忘れていました。あとウィーンSQ。でも、およそ弦楽四重奏団であればモーツァルトの後期の6曲とベートーヴェンの後期はチャンスがあればCDにしてるはずですから、全部聴くなどということは出来ないですね。14番と組みになるのは大体11番花16番ですよね。14番に限ったことではないですが、耳が聞こえなくなってからのベートーヴェンは自分の内部にある音で作曲しているんだと思っています。ピアノの音も、おそらく通常人のようには聴こえていなかったのではないかと思います。弦楽の持つこすれる音は彼の後期の音楽の中でとても自分の内面を表現するために必要だったのではないでしょうか。大フーガなんて、あんなぎこちないリズムの繰り返しの中にはなかなか入っていける人はいないですよね。彼の後を追った作曲家は、結局後期のベートーヴェンの孤峰を追いかけてしまって、自己批判の下に作品の多くを屑籠に入れてしまっています。
ソビエトの作曲家や、ハンガリーのバルトークを覗いて6曲以上の作品を残せた作曲家ってあまり聴かないですよね。
14番を聴くときボクは第1楽章の出だしのヴァイオリンの切り口と、第6楽章(終楽章の直前のあの静謐なAdagio quasi un poco andanteの浄化の音楽が同じテンポと強さで淡々と演奏されるものはあまり聴こうとは思いません。
これは主観的な思い入れなのですが、その思い入れを満たしてくれるスタンダードが、スメタナSQの旧録音です。ウェーグのコンセプトは、素直に入ってきてはくれませんでした。
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