ブルターニュの光と風  自然、風土、暮らし、祈り・・・・フランスの内なる「異世界」を発見する SOMPO 美術館

0

豊かな自然と独自の文化を持つことで知られるフランス北西部の地、ブルターニュ。

ブルターニュに魅せられた画家たちが描いた作品を通じ、
同地の歴史や風景、風俗を幅広く紹介する。
深緑の海や険しい断崖が連なる海岸線、
平原と深い森とが織りなす固有の景観、
またそこで暮らす人々のつつましい生活と敬虔な信仰心は、
19世紀初め以来、数多くの画家たちの関心を掻き立ててきた。
ブルターニュに関する作品を多数所蔵するカンベール美術館作品を中心に約70点の作品を通じ、
フランス「辺境の地」ブルターニュの魅力をご覧いただきます(パンフレットより)

「さらば!」 アルフレッド・ギュ  1892年
ここに描かれたような悲劇は、
ブルターニュの海を舞台にこれまで幾度も起きてきた出来事だという。
嵐に遭遇し、沖で転覆した船にしがみつく漁師の男は、
激しく襲いかかる波と格闘しながら、若き息子を抱きかかえている。

父の、逞しく日焼けした腕の中で、
今まさに息絶えた息子の体は、青白く脱力している。
父は、息子に最後の口づけをしようとしている。
この若き漁師の華奢な体つきはその痛ましさを強調している。

この絵の前に、暫らく佇み   動きだすことが出来ませんでした。

Default