1979 MIB, Santa Fe Railway AD

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'79年のサンタフェ鉄道の広告柄ジッポーである。

絵柄のクライアントについての考察に行ってみようか…。絵柄はインディアンの子供がサンタフェ鉄道のロゴを掲げている可愛らしいデザイン。

アメリカという広大な大陸が、かつての先住民族(ネイティヴ・アメリカン)の物であり、その子供をシンボライズするのは入植者側の良心の呵責であろうか…。

このマスコット・キャラクターがいつ頃から使用されていたのかは不明であるが、同社が保有する機関車や各種車両に採用された形跡はない。

この通称サンタフェ鉄道の正式な社名は、アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道(Atchison, Topeka and Santa Fe Railway、連邦政府への報告記号はATSF)は、峻険なロッキー山脈をも縦貫する、1945年次の路線総延長13,115マイル (21,107 km)を擁する巨大な鉄道会社である。

この個体についても少し触れておこう…。

まあ、一応は工場出荷時の全てが揃ってはいるので、ミント・イン・ボックスと称しても差し支えは無いと思う。

だが、ボックスの上蓋が結構日焼けして黄ばんでいるので、『時間が止まったかのような完璧なデッドストック』という訳ではないのは見ての通り。

この個体の製造年である1979年は、ZIPPOセカンド・ロゴ最後の年の物なのであるが、ワタクシ的には、この頃の物は実質的に現行レギュラー#200と何ら変わるところがないと思う。

それでも、世間の年代物ジッポーを取り巻くマーケット感は、『セカンドロゴ刻印を使用している物までがビンテージ』という、言わば、ビンテージと呼べる最後の砦という空気が、ボンヤリしたトレンドになりつつある。

たしかに、重箱の隅を突つけば、インサイドユニットの刻印、フリントホイール、カムのリベットのアタマの取り付け方向が互い違いで揃っていない。真鍮ピンからソリッド・リヴェットタイプに変わって、'80年代初期くらいまで一貫してこの向きである。

それだけである。私の様なチャランポランな人間は一考に値することではない様に思う。まあ、本来ジッポーを愛好する者として微細な進化過程をつぶさに検証し、きちんと考察するのが本道なのであろうが、もはや、この年代の物は絵柄を乗せるベース・キャンバスとしての存在と言っていい。

『絵柄あっての存在感』というのは言い過ぎだろうか…。

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