1946-47 Nickel 3 Barrel, CRESCENT CITY AVIATION AD

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戦後のニッケルモデルの後期である。ステンレス製のインサイドユニットで、3バレルヒンジ。このヒンジ、改めてみてみると異様にデカい。

なぜ、こんなにオーバースペックなヒンジになったのだろうか…。この後のビッグ5バレルより明らかにデカいし、ヒンジピンも太い。ジッポー史上、最大のヒンジである。

などと、書いてみたが…要はライター本体の事で、大して書くことがないからである(笑)

第二次大戦後のジッポーは、プレスの工作技術やフリントホイールの着火性能の向上は目覚ましい物があるが、ワタクシ個人としては余り興味がない。

年代は古いのだが、この時代で大方の現行ジッポーの特徴が形成されていて、製品としての画一性はあるが、個々に顔が無く…面白みがない。

別の展示の記事でも書いたが、この年代のジッポーの魅力は、既に本体にはなく…彫られた絵柄の面白さに移行している。

という事で…絵柄についての考察をしていこうと思う。

国土の広大な米国は、歴史的に州跨ぎの旅客輸送の主要な交通手段は鉄道ではなく、航空機輸送に頼っている部分が大きい。

都市のあらゆる所に小規模の空港があり、小さな航空事業者による人品の輸送ビジネスが盛んに行われている。ひとえに飛行機の方が設備コストが安く、大資本を必要としないためだ。

ジッポーに彫られた絵柄の飛行機の脇腹にあるエアロンカ(Aeronca Aircraft Corporation)という航空機メーカーは、かつて、第二次大戦中は複座練習機や連絡機を製造していたのであるが、絵柄の機種は戦後の民間向け小型機11ACチーフ'47年改良型(ランディングギアのエアロカウル装備機)である。

広告主であるクレセントシティー・アヴィエーションも最新の同機を導入したことをウリにする航空会社の一つだったのだろう。

それにしても、飛行機を描いた絵柄は見ていて楽しい。空への憧れからか…自然とワクワクする。

特に小型のプロペラ機が好きだ。実機の零戦やムスタング、スピットファイヤ、Bf109などのレシプロ戦闘機も大好物だが、じつはダグラス DC-3(通称ダコタ)が一番好きな航空機であり、輸送機だ。

戦争は航空工学を飛躍的に向上させたが、やはり機銃を積んでいない平時の航空機を見ている方が心和むのは、人智の正しい使い道の象徴だからだろうか…。

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