Deep Listening Band “Octagonal Polyphony”

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Deep Listening Band (以下”DLB”と記す)と聞いて、ピーンとくるリスナーさんは少ないかもしれませんね。このバンド、実は1988年にアコーディオン奏者にしてドローン音楽で有名なPauline Oliverosが結成した即興音楽バンドです。勿論、Paulineは、音楽家とそれ以外の人々の間の社会的相互作用やコラボで得られる、更なる音の探求を求める為に結成したとのことです。バンド名は当初、余りはっきりとは決まっていませんでしたが、1989年のデビューアルバムに”Deep Listening”にしたことに由来します。メンバーはPauline Oliveros (Accordion, "expanded instrument system", 作曲), Stuart Dempster (trombone, didjeridu, 作曲), Panaiotis (Vo, Electronics, 作曲)でしたが、1990年には、Panalotisに代わって、David Gamper (Kbd, Electronics)が加入しています。即興なのに作曲というのは、まあ、即興演奏しながらも、音の連なりを作っていると言う意味なのか?それとも、最初は本当に作曲していたのか?は不明です。DLBは大きな教会や巨大な地下水の保存タンク内と言った共鳴と発振やリバーブが天然にかかるような特殊な場所で、演奏し、録音をしています。1993年に、DLBはEllen Fullmanとコラボをやっており、彼女の長い弦楽器との組み合わせで、Periplum Recordsより”Suspended Music”をリリースしています。また、John Cageの”4”33’”にも、その比喩的解釈で演奏•録音してあり、Mills Collegeのコンサートホールで録音した4時間33分の演奏から70分分を抜粋して、1996年に”Non Stop Fight”として、Music & Artsよりリリースしています。Joe McPhee Quartetとのコラボ作品”Unquenchable Fire”も2003年にDeep Listening Labelからリリース、またスイスのパーカッショにすとFritz Huserをゲストに迎えた”Deep Time”も同年にリリースしたいます。2008月からは色々なイベントに参加、その中でも、New Albion Recorddの25周年記念とバンドの20周年記念として、同年10月24日の演奏は最高潮に達したもので、これは、NYCのRouletteで演奏されています。また、同日に、Taige Recordsは2枚組LP”Then & Now, Now & Then”をリリースしていますが、この内容は1990-2006年での未発表音源をコンパイルしたものです。2011年はDLBにとって最も生産的な時期で、David Gamperが、悲劇的な死で参加できなくなった為、その穴を埋めるべく、Matt Turner (e-Cello), Rebecca Salzer, Jeff Wallace (動き), Improvisation Group at Lawrence University (IGLU). Larry Darling (Sound). Jillian Johnson (管理) とのサポートで、2011年10月29日に、David Gamperの追悼の為にウィスコンシンのAppletonにある Lawrence大学でパフォーマンスを行なっています。これに加えて、Gamper追悼の為に、長年、一緒にやってきたPauline Oliveros, Stuart Dempster, David Gamperのトリオの演奏を3枚のLP/CDとしてリリースしてます。それが、今回紹介する”Octagonal Polyphony (Important Records: LP)”であり、”Great Howl at Town Hall (important Records; CD)”と”Needle Drop Jungle (Taiga Records. LP)です。バンドは、25周年記念として、2013年10月にカナダのオンタリオにあるDunrobin Sonic Gymで、11週間にも及ぶ最高のパフォーマンスを見せつけています。その後も、残った2人はゲストを交えたりしながら今も活動を続けています。
ザッとバイオグラフィーを書きましたが、その中で書きましたように、David Gamperの追悼盤としてリリースされた作品になります。それで、内容ですが、 A面B面、各1曲づつですが、全然飽きないきですねぇ。A面はタイトル通り、チベットのベルを中心にした演奏で、その他にトロンボーンやアコーディオン、ピアノ、フルートやディジェリドュまで演奏に用いられています。それ程、ドローンな演奏ではありませんが、ゆつたりとひた音の流れに身を任せたいと思える程、極上のアンビエントな)音楽になっています。代わってB面は諸ドローン風アンビエントな曲になっています。時々聞こえるピアノらしき音やトロンボーンの音或いはアコーディオンの音がちょっとした曲の中に立ち現れてきており、ただのアンビエントではないぞ!と言う主張をしているかのようです。そんなPauline姉さんの徹底したこのバンドは今もやっているらしいです。極上のドローンですので、不眠症の方は一家に一枚は欲しいですね。

★A “Bell Dance” (20:28)
David Gamper (Tibetan Bell, Other Bells, Conch, Piano, Flutes), Pauline Oliveros (Tibetan Bell, Accordion [Roland V]), Stuart Dempster (Trombone, Didjeridu, Laos Cowbell)
★B “Dreamport” (22:27)
Pauline Oliveros (Accordion [Roland V]), Stuart Dempster (Didjeridu, Trombone, Vo), David Gamper (Piano, Perc, Conch)

https://youtu.be/U__lpPDTUS4?si=mubAy4UjE6lJlE8y

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