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The Birthday Party “Prayers On Fire”
豪州のロックと言うと、Midnight OilやINXSなんかも思い浮かびますが、やはり筆頭はThe Birthday Partyでしょう(まあ、Nick Cave and the Bad Seedsもありですが)。そんな彼等のファーストアルバムです。その前に彼等のバイオグラフィーを少し。The Birthday Partyはその前身のThe Boys Next Doorから始まっており、1977年から1983年まで、The Birthday Party として活動してい ました。それで、バンドの核は、1970年初頭に、メルボルンの私立高校にて生まれ、1973年にロックバンドとして結成されています。Nick Cave (Vo). Mick Harvey (G)とPhil Calvert (Drs)が中心になって、他の学生てあるJohn Cocivers (G), Brett Purcell (B), Chris Coyne (Sax)も組み込まれていました。しかしChrisが脱退したこともあって、1975年に、バンドは4人でやっていこうと、Tracy Pew (B)を迎え入れます。1976年にはちょうどパンクが席巻しており、The Boys Next Doorもパンクやプロト・パンクのカバー曲をやり始めます。1978年に、The Boys Next Doorに、Rowland S. Howard (G)が加入すると
音楽性はガラリと変わります。彼のフィードバック奏法もありますが、彼等は、パンク、ロカビリー、フリージャス、ブルースと言った音楽要素を引用して、カテゴライズされない音楽をやり始めます。反復するベースラインとミニマルなドラミングが特徴になります。それをプロデュースしていたマナージャーのKeith GlassはレーベルMissing Link Recordsを始め、初期のThe Birthday Partyの作品はここからリリースされています。豪州ではそこそこ人気が出たので、バンドは1980年に英国Londonに行きますが、その時に、バンド名をThe Birthday Partyに変えています。その名前はHarold Pinterの小説から取っているとかドフトエフスキーの「罪と罰」の中の存在しない誕生日パーティーから取ったとか言われていますが、後でRowlandに言わせるとNick と話してて出てきたんだそうです。それで、バンドのメンバーはロンドンに住むことになりますが、結局、The FallやThe Pop Groupなどは気に入りましたが、当時の音楽シーンには幻滅し、豪州に帰つてきて、欧州や米国のツアーをやっています。そして、1982年には西ベルリンでもやっています。Nick Caveのヴォーカルはやけっぱちなものから頭がおかしくなったようなものまで振り幅があり、評論家たちは、Nickのヴォーカルは、John CaleやAlfred Hitchcockでも足りない位、おっかないものだったそうで、プロト・パンクのヴォーカリスト、Iggy PopやAlan Vegaとの共通点があると言われていましたが、バンドとしても、パワフルかつ個性的でした。Nickの歌詞もArthur RimbaudやCharles Baudelaireの影響を受けていたそうです。1981年に4ADより”Release the Bats”をリリースしますぐ、世間は丁度ゴスが台頭してきた時期でもあり、この作品は、ゴス・カルチャーと共に紹介されて、ちょっと話題になりめす。それで、同年、ファーストアルバムでもある本作品をリリースします。その後、1982年に、名作の名も高いサードアルバム”Junk Yard”をリリース、これは、極端な話し、伝道師が娘を殺すと言う米国南部のゴス・シーンと結びついた作品となっています。この後、1982年にPhil Calvertがクビになり、Mick Harveyがドラムにシフトします。しかしTracy Pewが1982年初頭に飲酒運転で交通刑務所に収監されたので、Chris WalshとBarry Adamsonが加入し、Howardの兄弟のHarryがTracyの代打になってライブを続行します。7月にTracyは復帰します。しかしながら、スピンオフのグループやコラボなどが忙しくなり、RowlandやNickは力尽き果ててしまい、1983年6月のライブを最後にThe Birthday Partyは解散することになります。まあ、皆さんもご存知のように、NickはBad Seedsを率いて活動を続け、Rowlandはソロで活動を続けていまふ。
それで、本作品ですが、それ程、ゴスなイメージはありませんね。 確かにベースとドラムは執拗に同じパターンを繰り返し、そこに、高圧電流を流したようなギターとかオルガンが絡み、さらにNickの吠えるようなヴォーカルで曲が進んでいきます。そんな曲だけが収められている訳ではないのですが、1981年と言う時代を考えると、先進的な音楽で、何にも似ていない音楽ですね。アルバム単位で聴くと、Nickのヴォーカリストとしての表現力が相当なものだったと分かります。と言うか無理矢理、納得させられますね。しがも不協和音の壁に愕然とします。これ程、オリジナリティに溢れたロックは、当時は無かったと思います。イマイチ、余り評価されていないアルバムですが、ルーツを探ると言う意味で、興味のある方は聴いてみて下さい。
https://youtu.be/yXIOAY5B4RI
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